新約聖書 ルカによる福音書 18章38節
「彼は、『ダビデの子イエスよ、わたしをあわれんで下さい』と叫んだ」

エリコという町に通じる道の道端で、一人の盲人が座って物乞いをしていました。
いつものことです。
毎日道端に座って、通る人の援助をお願いしていました。
「助けて下さい。お願いします」って。

ある日、彼の前を群衆が通って行きます。
ワイワイガヤガヤ・・・
盲人は一体何事かがたずねました。
「ナザレから来られたイエスが通っている」と教えられました。
たくさんの人が悩み苦しみや病気から解放されている話を聞いていました。

盲人は大声で叫びました。
「ダビデの子イエスよ、わたしをあわれんで下さい」。

しかし、「先に行く人々が叱りつけて黙らせようとした」(39節)と書かれています。
盲人はあきらめません。
「ますます、『ダビデの子よ、わたしをあわれんで下さい』と叫び続けた」(39節)。

イエスは、群衆の中からその声を聞きつけて立ち止まります。
そして、盲人をそばに連れて来るように命じられました。

盲人を黙らせようとした人たちは、神様の大切な宝物としてその盲人をイエス・キリストのところまでエスコートすることになりました。

イエスは盲人に聞かれました。
「何をしてほしいのか?」

それまでだれも盲人に対してそんな質問をしませんでした。
盲人自身もそんな質問をされることは考えていなかったでしょう。

(その2に つづく)