なんとなく、結婚、するんだろうなって。
彼女と暮らし始めたとき、そう思っていた。
僕は今、会社に向かう満員電車の中。
持たせてくれたお弁当箱が電車の揺れに合わせておじさんにいちいち当たっている。
月日はあっという間に過ぎ、暮らしに慣れていた。
最後にケンカしたのはいつだろう。
何も言わなくてもわかってくれている。
昨日、同僚と飲みに行って会話の流れで指輪を買ってしまった。
初めて入るジュエリーショップ、店員の女の子はいろいろ教えてくれた。
七月生まれの彼女、誕生石はルビーらしい。
朝の彼女は少しだけ変だった。
家を出る僕の腕をつかみ、一瞬の間があいて、
ハンバーグ、今日ハンバーグだからまっすぐ帰ってきてね。
少しかたいかぼちゃの煮物を思い出し笑いするとおじさんが咳払いをした。
指輪を出したらどんな顔、するかな。