先週久しぶりに岡山へ出張にいった
16年前に往生した亡き父が幼少から青年時代を過ごした街だ
仕事が順調に片付いて
夕方から時間が出来たので
父親が世話になったお寺へお伺いした
戦争孤児だった父親がお世話になったお寺だ
父が生前に話してくれたことは多くなかったが
お寺の住職には父が施設にいたころより
相当お世話になったと母から聞いている
父が急逝した際に、葬儀の宗派をどうするということになり
ふと岡山のお寺のことを思い出した
そこで、供養をして頂くならそのお寺の宗派にしようと決め
年賀状を探して電話をかけた
まだ父がお世話になったご住職が健在で電話口に出られた
私が幼少の時に
一度家族で訪問したようだが
記憶はほとんどない
恐縮ながらその時に始めてお話をさせて頂いた
事情をお話しして生前の感謝をお伝えしたところ
こころよく了承をして頂いた
無事に大阪で葬儀を終え
あらためて供養をお願いしたく
後日位牌を持ってお寺を訪ねた
ご住職は思った通りの穏やかな方だった
それからは父から私へと宛先がかわった年賀状を交わすだけだったが
ある年ご住職の訃報が届いた
その時は弔問にお伺いできず
香典と共に当時父がお世話になったことへの
感謝を綴った手紙を送らせてもらった
その後は代を継がれたご子息と私で年賀状を交わさせて頂いていた
そしてこの度の出張でやっと機会を得たのだった
嫁に連絡して住所を確認し
バスで近くまで行き、うろ覚えの記憶を思い出しながら
何とかお寺にたどり着いた
境内の中へ入りインターホンを鳴らした
少しして年配の男性の声で「はいー」と返事があり
ガラガラと引き戸が開き剃髪した年配の男性が出てこられた
「こんにちは、大阪の○○です」
と伝えると「あぁ」と、すぐにわかってもらえた
息子さんも思った通りの穏やかな方だった
こみあげる気持ちをグッとこらえながら
突然の訪問の非礼を述べて
先代のご住職のお墓参りをさせてほしいとお伝えしたところ
こころよく境内の中にあるお墓を案内して頂いた
墓前であらためて父がお世話になったことへのお礼をお伝えし
そちらで出来ることであれば父とお会いしてほしいとお願いした
そのあとお堂にあげて頂き当時のこと等を覚えている限り教えて頂いた
身寄りのない子供たちを預かり世話をしていたことなどなど
私がお送りした手紙のこともしっかり覚えてくださっていた
あれから16年が経ち
代は変わって直接父を知ってはいないけれど
されど孤児だった父の生きた証しは私を通して
育った場所に確かに
今も受け継がれていることがとても、とても嬉しかった
そして実はこの週末に
ご自分は隠居し代替わりをされる式典を執り行うとのこと
それも娘さんが継がれるとのことだった
(なるほど、そういうことやったんやね)
帰宅して嫁に顛末を話して
ささやかながらお祝いをお送りした
先々代のこと、いつかお会いした時には
私が少しはお話しできるかな
人生は 往生しても なお 縁をつなぐ
故人を偲ぶときに
確かにそこにはいないのだけれど
そこでは笑ったり泣いたり怒ったりしている様を
想い浮かべていまも一緒にいるようなそんな感覚になる
また近くに行った際にはお参りにお伺いさせて頂きます
岡山のおじいちゃんと私は勝手に思っています
おじいちゃん本当にありがとう♪
そしてその週末に父のお墓へ月命日のお参りに行き
報告をした
お父ちゃんこれでよかったかな♪
泉南のメモリアルパークより快晴の大阪湾越しにはるか岡山を望む
PS
期せずしてお寺ミッションさわやかに遂行♪