✨僕と2番目のお地蔵さま✨


ぼくの家の裏山にはお地蔵さまがまつってある。それも2つ!
だけど  本当は1つだけなんだ!




小学生の僕はよく裏山で遊んでいた
山と言っても丘のような低い山
ちょっと登ると開けた場所がありみんなここが遊び場だった。

でも、いつもじいちゃんから
その奥には絶対行くな‼︎って言われてた
帰れなくなるからって!
子供だから怖いし行かなかった。

不思議に思ったのが広場の真ん中に何故かお地蔵さまがいた事だ。

じいちゃんはみんなを守ってくれるお地蔵さまだと言ってた!

まぁそんな感じで いつも遊んでたけど
中学生になり高校生になり部活や塾で忙しく裏山には行かなくなった。
やがて大学進学のため町を出た。

そして、二十歳を迎えた夏

久々に実家に帰り懐かしく思ったのかふと裏山の事を思い出した!
よし!暇だから行ってみるか。
さすがに20歳であんな低い山で迷子になるわけもなく じいちゃん達から行くなと言われたあの向こうに行ってみたくなった

相変わらずのお地蔵さま  
かわらないなぁ〜    
よし!この奥の方だな!しばらく歩くと
また開けた場所に出た

驚いた‼︎  もう1人お地蔵さまがいた!
それも真ん中に! 同じだ。
いよいよ興味を持った僕はお地蔵さまに近づいた  お地蔵の周りをまわった時  裏側に何か掘った字があった
よくみてみると    8月18日    と書いてある
年号は消えかけてよくわからない
何年か前の8月18日に建てられた物なのか
これが行くなって言われた場所か?
特に変わり無いし  疑問に思ったが興味がなくなり帰ることにした‼︎

あれ?  あれ?
何か聞こえる   祭り囃子?
今日は夏祭りかなんかあったのか?
だんだん近づいて来る

おかしい   音の割には何も見えない!

ちょっと不安になって来た!
いやいや嘘だろ?まさか帰れない?


さっき来た道が‥


わからない!

音がすぐそこまできた!
ぼくは怖くなりしゃがみ込んで目をつむった‼︎
(じいちゃんごめん   誰か助けて!)

もうだめだ こんな事あるわけ無いあるはずが無い  


‥‥    ピタリッ❗️音が止まった。

恐る恐る目を開けた‥     ウソ!

そこに広がる光景は煌びやかなまるで宴会?   いやいやちがうあれは花婿と花嫁
そして‥    ?ん
タヌキ?キツネ?  絵本の中から出てきたような姿をしている。
僕はじーっと見ていた。優しい空気感と爽やかな風 甘い匂い。
          眠くなった‥



はっ!
目が覚めた。   僕はお地蔵さまの横で寝ていた‥
誰もいなかった。


家に帰れた!



ぼんやりしていると じいちゃんが話しかけてきた

「  行ってきたんか?」

「    ‥うん。」

「  見たんか?」  「  うん 」

しばらく沈黙が流れた‥

じいちゃんが言った

昔 むかーしの話でな!あの山には言い伝えがあってな 若い男女が夫婦になりたくてもなれなかったそうで かわいそうに2人はあの場所で亡くなったそうだ
あまりにかわいそうにと思った近くのお寺さんがあの世で一緒になれるようにとお地蔵さまを2つ並べて祀ったそうで
だが 両家の親はどうしても許せんって言うて別々にしたそうだ  でも誰かのいたずらか1つは無くなってしまったらしい
あまりいい話じゃないからってあそこには行くな‼︎っていうことになったんだそうだ


けどな!  不思議な事にあの場所で奇妙な体験をした者がおってな
花婿と花嫁をな‥  

「   えぇーっ」   同じだ。

じいちゃんが

「  8月18日 って書いてあったやろ?
2人の命日だよ    」

「  けど、それから何回行ってもみえなかったんじゃ  お地蔵さまも1つだけ」


‥じいちゃん。不思議な体験をした者って
じいちゃんだった!

今でも思う。
あの光景はなんだったんだろう


僕は あの優しい空気感や甘い匂い
あれはきっと2人はずっと一緒にいる
ずっとずっと幸せでいる!

そう信じてる。そしてこの日は8月18日だった!


          おわり。