硬くない、低くない足回り
が、僕は好きです。
でも柔らかすぎて揺りっ返されちゃうのはちょっとね。
アブソーバーはこの揺りっ返しを止める役目が本来の目的。
40段階もの広い幅調整できるアブソーバーを使っているのですが、使い始めた当初
一番固めな1~10の間しか使っていませんでした。
「アブソーバーは硬くするもの。」
「バネレートは上げるもの。」
と言った、根拠の無い考え方で調整していました。
カタログや、人伝の話とかで、この車にはこのくらいの硬さとか、車高はこのくらい下げるとか。
現代の車はめちゃんこ考えられた足回りで、はっきり言ってノーマルで全く問題ないんですよ。
モータースポーツで使うのは、微妙な範囲の調整と路面状況に合わせた調整を行うだけ。
1セット20万~200万円位まで、良いものは良い。
ただ、中途半端に安売りの車高調はちょっとお金が勿体ないかな?と今なら思う。
それなら、純正アブソーバーでもっと走りこんだら腕が上がるよね。
さて、タイヤの潰れ方の話に戻ります。
ただ動きの良い足でストロークが稼げれば良いというわけではない。
今日載せる動画は、バネレートとアブソーバーのセッティングを出すために撮った映像で
2017モントレーでスピンしまくった後に、根本からTESTをちゃんとしなきゃいかん!と
技術者魂でDATA取りした動画の一部です。
バネレートを数種類変えながら同じ様に動画撮ってヴィジュアル比較しました。
(減衰1 硬 ⇔ 柔 減衰41 数字が小さい方が硬いという見方で見てください。オイルの通り道の広さというイメージ)
とっても重要な参考資料になって、セッティングに迷ったときに見返します。
アブソーバーが硬いと、タイヤだけが潰れて足回りが殆どストロークしないのが分かります。
この状態でも走れますが、外乱に対する急激な接地面積の変化を抑えるために、エアー圧を低めにセット
する必要があります。(外乱とは、ギャップ、溝、石、葉っぱとか接地面を変化させる影響)
エアー圧を下げると、一見路面追従性が良く成った感じがするんだけど、コーナリングでのタイヤのたわみが大きくなって
結果、コーナリングでのタイヤの接地面積を稼げず(外側ばっかり減ってしまう状態)タイムも悪い。
さらに、タイヤ全体がたわむ事によって、全体の発熱量が上がり、さらにタイヤが減りやすくなってしまう。
でも、走っているとフィーリングは悪くなく、コントロールしてる感とグリップが安定しているような気がする。
曲者セッティングですよね(T_T)
アブソーバーを柔らかくしてくと、タイヤが潰れずに車体が揺れる状態に成っていきます。
車体は揺れても、タイヤの接地状態があまり変わらない。これが安定したグリップを確保できる足回り。
でも、柔らかければ何でも良いのか?というとそんな事も無く、ステアリングを切った時にタイヤにグッと
荷重が掛かってほしい(少し潰れてほしい)。
この映像を見た感じでどのくらいの減衰が良いのかと言うと。
18~24の間位です。
現在はドライの路面では21で走って、WETでは30で走っています。
良さそうな所をざっくりと駐車場で確認しておいて、走行時には微調整。
これが、早く良いセッティングを見つけるコツですね。
まとめると、タイヤの潰れ具合は
基本的には足回りのストロークに仕事をさせつつ、荷重が掛かる初期の潰れはしっかりとタイヤにさせる
このくらいのアブソーバーとバネレートのセットにすると、タイムが出ました。
足回りがしっかりとストロークするようになると、タイヤのたわみが小さくなるので、トレッド面を活かす事ができます。
トレッド面を平らに保つためにエアーは以前より高めになりました。
タイヤの暖まり方も、全体が熱くなるのではなく、トレッドが面で暖まる感じで、減り方も全体的な減り方。
とってもいい感じです。