こんにちは。関東地方も6月14日にようやく梅雨入りしましたねこれから、暑くなってきますが、熱中症に気をつけ、水分補給をしっかり行ってくださいね。
さて、みなさんは犬や猫
の飲水量を気にされたことはありますが?
水はもっとも重要な栄養素であり、動物の体の60-70%は水分で占めます。体の約15%を失うと死に直結することもあるので注意が必要です
犬や猫の一日の必要な水分量は気温や生活環境、食事に含まれている水分量によって異なりますが、正常な犬や猫が一日に必要とする水分量は、1日に必要なエネルギー量(Kcal/日)ともほぼ同量となります。
目安として、体重1kgあたり約50-60ml となります。
さらに、以下の式で求めることができます
犬(ml)70×BW(㎏)の0.75乗×1.6
猫(ml)70×BW(㎏)の0.75乗×1.2
例えば、4kgの猫であれば、約200~240ml。計算式で求める場合は、まず体重の4(㎏)を3乗にし、√(ルート)を2回かけます。その値に70をかけて、最後に1.2をかけます。小数点を繰り上げ、238(ml)となります。
もしも、体重1㎏辺り100mlになってくると多飲となりますので、病院までご相談ください
<多飲でわかる代表的な病気>
・子宮蓄膿症(犬)
避妊手術を受けていない中齢~高齢の雌犬に多い病気。細菌感染により子宮内に膿が溜まってしまう病気です。
主な症状:元気・食欲低下、多飲多尿、お腹の張り、陰部から膿、もしくはおりもの。発情出血がみられた後に発症することがあります。
・腎疾患(慢性腎不全(犬、猫))
中齢~高齢の犬よりも猫が多くみられる病気です。長期(およそ3カ月以上から数年)にわたって腎臓機能が障害を受け、尿の濃縮機能の低下や体液の調節が十分にできなくなった状態で、不可逆性で、進行性です。
主な症状:多飲多尿、元気・食欲低下、削痩、
・糖尿病(犬、猫)
膵臓で作られるインスリンは血液中の糖(ブドウ糖)を細胞内に取り込み、細胞が糖を代謝してエネルギーに変えるのを促進している。このインスリンがなんらかの原因で不足したり、うまく作用しないと細胞が糖を取り込みにくくなり、血液中のぶどう糖が使えなくなるため、さまざまな不調を引き起こします。尿から糖が検出されるため、糖尿病と呼ばれます。
主な症状:多飲多尿、食欲があるのに痩せる
・副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)(犬)
副腎は左右の腎臓の近くに位置し、副腎皮質ホルモン(コルチゾール)を分泌する内分泌器官です。このコルチゾールは、糖代謝や脂質代謝、たんぱく質代謝、体の免疫系やストレスに対する作用などでさまざまな働きを担っています。中高齢の雌に多い病気です。このホルモンが過剰になる病気が副腎機能亢進症です。
主な症状:多飲多尿、腹部膨満、皮膚の薄さ・色素沈着、痒みを伴わない左右対称性の脱毛など
・副腎皮質機能低下症(アジソン病)(犬)
副腎皮質機能低下症は上記の副腎皮質機能亢進症に対して、副腎皮質ホルモンが低下する病気です。若齢から中齢のメスに多い病気です。
主な症状:多飲多尿、元気・食欲低下、下痢・嘔吐、体重減少など
<水を飲まないことでかかりやすい病気>
・尿石症(犬、猫)
飲水量の減少で尿の量も少なくなります。尿の濃縮により結石の形成がされやすくなります。膀胱内でアルカリを生産する細菌が増殖すると尿のpHが上昇し、アルカリ性になるので結石の原因になりやすくなります。
<気をつけたい脱水の症状>
肩甲骨の皮膚の状態をチェック
肩甲骨の皮膚をつまんだときに、正常な場合はすぐに戻りますが、脱水症状を起こしている場合は皮膚の弾力が失われているため、戻るのに時間がかかります。
歯肉の状態をチェック
犬や猫の歯肉を指で押さえてみてください。押さえた部分が白くなり、すぐにピンク色に戻った場合は正常ですが、戻るのに時間がかかる場合は脱水の可能性があります。
目や口周りをチェック
目が落ちくぼんでたり、口の中の唾液がねばついている場合も脱水の可能性があります。
もし、脱水症状がみられたときは応急処置として、水分を口から摂取させてください。
自分で水分を取ることができればいいのですが、難しい場合はスポイトを使用して少しずつ与えてください。口からの水分摂取では不十分なこともあるので、その後、病院へ受診してください。
<飲水量を増やす工夫>
◎食事のときにウェットフードを加える
ドライフードの水分量は10%に対して、缶詰の水分量は約75%となります。水分量の一日分の約40%を補えます。
◎新鮮な水
一日に数回、新鮮な水に取り換えてください。取り換えるごとに器もきれいに洗ってあげてください。
◎器の工夫
犬では少ないかもしれませんが、猫ではこだわりを持つ仔もいるので、ステンレス、陶器、ガラス、セラミック、プラスチック、循環型浄水器などお好みの材質を見つけてあげるのもいいかもしれません。
◎配置の場所
部屋の何か所に設置。人の出入りが少ない場所や静かな場所がいいでしょう。
また、ミネラルウォーターを与える飼い主さんもいらっしゃいますが、ミネラルウォーターにはカルシウムやマグネシウムの含有量が高く高度が120mg/L を超える硬水と、硬度が120mg/L未満の軟水があります、尿道結石を患っているペットにとって硬水は症状が悪化させる恐れがあります。与えるのであれば、軟水のペット用ミネラルウォーターを与えるのが良いでしょう