犬の見ている世界 | 洋光台ペットクリニックのブログ

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動物の病気のことや病院の出来事などをお知らせします。

こんにちはビックリマーク最近暑い日も増えて日が落ちるの長くなってきましたね爆  笑

 
さて今回はワンちゃんは私たちと比べてどんな風に周りが見えているのか
ということについてお話していきたいと思います目
 

 

チワワ黒視野の違いパグ

 人間と比較して犬の水晶体と言われる光を屈折させるレンズの部分は大きく、

薄暗い中でもなるべく多くの光を眼球内に取り入れることが出来るように進化しています。

そのかわり、レンズの厚みを調整してピントを合わせることは苦手なようですあせる

一般的に70cmよりも近くにあるものに対してピントを合わせることができないといわれています。
 

健康診断などで視力検査を受けると、最高を2.0とした数値で成績が出されますが、

犬に縞模様を取ってくるように訓練し、縞模様の幅を徐々に細かくしていくと、

ある所を境にして縞模様と単なるグレー一色の見分けがつかなくなるようです。

この限界点を人間の視力に換算すると0.26程度です。

たとえば視力1.0の人が「A」という文字を10メートル離れたところから判別できるとき、

犬は2.6メートル地点まで近づいてようやく見えるといった感じです。

 

両目で同時に見て対象を立体的に認識する両眼視野に関しては、

人間の120度に対して犬は80度程度しかありません。

これは、目の前を走って逃げようとする獲物だけは見逃さないように

視覚が特化した結果で、そのかわり右目と左目の視野を合計して

構成される全体視野は人間よりも広く、広範囲を一度に視認することができます。
 ただし全体視野は犬種によって多少ばらつきがあり、パグやペキニーズなど

鼻ぺちゃの犬種は220度程度、グレーハウンドやアフガンハウンドなど

マズルが長く面長の犬種は270度程度です。

これは犬種によって頭蓋骨の形状が異なり、それに合わせて眼球の位置も移動したからです。

 

宝石紫犬の目の色宝石ブルー

 犬の目の色は瞳孔の大きさを調整する虹彩の色に依存しており、

虹彩に含まれる色素の量によって黒~青まで様々な色が存在します。
 犬の目は発達した虹彩のおかげで白目部分はほとんど見えず、

いわゆる「黒目勝ち」の状態になっています。

また、右と左の目で色が違う場合は「バイアイ」といいシベリアンハスキーなどでよく見られます。

 

犬のタペタム層

 タペタム層とは、網膜の裏にある人間にはない細胞層です。

わずかな光を反射して視神経に伝えるという役割を持っています。

犬の他に、キツネ、猫、シカなどにも備わっており、この層があるおかげで

暗闇の中でも対象の輪郭を見分けることができます。
 暗い場所で犬の写真をとったとき目が光って写ることがありますが、

これはタペタム層にフラッシュが反射したものです。同じ状況でもタペタム層を持たない

人間の場合は、網膜上の血管が光で照らされて、いわゆる「赤目」になります。

暗闇の中 人間は光の少ない暗がりの中では、対象物をよく認識することができません。
 一方犬の目から同じ世界を見てみると、ほんのわずかな光だけでも

対象物を見分けることができると考えられます。これは網膜の裏にある

タペタム層と呼ばれる光の増幅装置があるためです。

人間が必要とする光量の約1/4程度でも対象を判別できるといいますびっくり

 

タペタム層を持たない犬、シベリアンハスキーなど、瞳の色がブルー系の犬の中には、

タペタム層をもたないものがいます。この特性には彼らが暮らしてきた環境が

大きく影響しているようです。つまり、こうした犬たちが長い年月暮らしてきた

北方の山岳地帯は一年中雪に覆われており、雪面が月の光や星の光を反射してくれるため、

タペタム層が無くても十分な光量を眼球内に取り入れることができるというわけです。

また、虹彩が薄い青色であるため、褐色や黒の目よりも光を通しやすく、

タペタム層がなくても充分な光を取り入れることができるという理由もあるでしょう。

 

ブルー音符犬に見える色むらさき音符

 人間の網膜には錐状体という色を感じる細胞があるため様々な色を識別できます。

錐状体には青(短い光の波長)、緑(中くらいの波長)、オレンジ(長い波長)

に反応する3種類があり、これらが協働することで、

脳の中で虹の7色を再現できるのです。
 一方、犬の網膜に錐状体がほとんどなく、また数少ない錐状体は

青と黄色にしか反応しないため、色の識別能力はほぼ2色、

およびその中間色に限られていると考えられます。

結果として、人間のように赤や緑を上手に識別することができません。
 カリフォルニア大学が行った犬の色覚に関する実験によると、

犬は緑、黄、オレンジを「黄色っぽい色」として、紫、青を「青っぽい色」として、

そしてた赤に関しては「非常に暗いグレー」に見えているようです。

 

2014年の研究によると犬は人間には見えない紫外線を見ることができるのではないかという可能性が示されました。犬がどのように脳内で紫外線を色として処理しているのかはまだ不明です。

いかがでしたかはてなマークワンちゃんと私たちではこんなにも見え方が違うんですねびっくり

当院では第二第三日曜日に眼科を専門に見ている先生がおりますので、これっておかしいかも?

と思ったらお気軽にスタッフにご相談くださいね