猫の目の色について | 洋光台ペットクリニックのブログ

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 こんにちは。2019年に入って。もう1カ月…月日が経つのは早いですね王冠

インフルエンザの流行が過去最高とニュースで流れていましたが、皆さまはいかがお過ごしでしょうか?泣

 

 

 さて、我が家には3匹の猫スイカを飼っておりますが、当然ですが三匹とも性格、毛色、体格、目の色が違います(笑)

毛色の種類は、黒、キジ白、キジトラ、茶トラ…とありますが、皆さんは目の色が何種類あるかご存知でしょうか?

猫の目の色は、大きく分けて4種類あります。それと例外が3種類あります。(細かく分けると全部で10種類くらい存在するそうです)

 

 

 

猫の目のしくみ目

 猫の目の仕組みは人の眼球の仕組みとほぼ同じですが、虹彩部分が広く人の白目にあたる部分がみられません。また、眼球の内側には光を反射するタぺタムという組織があるため、猫の目は暗闇の中で光って見えます。

目の色の違いは、この『虹彩』に含まれるメラニン色素の量の違いであり、眼球全体に色がついているわけではありません。人も同様で『虹彩』の色で目の色に違いが見られます。

この虹彩が光の量に応じて伸びたり縮んだりするため、昼や夜によって猫の瞳の形に変化が見られるのです。

 

 

『虹彩』は光を調整する働きがありますが、その他に波長の短い有害な紫外線から目を守る役割もあります。『虹彩』に含まれるメラニン色素は、猫によって含まれる量が異なります。一般的には、日照の弱い地域原産の猫はメラニン色素が少なめで、逆に日照が強い地域原産の猫はメラニン色素が多い傾向にあります。

メラニン色素が多い場合は光がまんべんなく吸収されるため。目が茶色や黒にみえます。

ところがメラニン色素が少ないと光が吸収されずに『レイリー散乱』という現象を起きているために緑や青にみえるのです。

これは空が青く見えるのと同じ現象で、太陽の光には様々な色が含まれていますが、地球の大気に当たると青い色は大気の中で拡散し膨張されるために地表にいる人の目に届き、空が青く見えるのです。

この現象が猫の目にも起こっているのです。

 

 

猫の目の色ねこ

 最初に子猫の目の色からお話しします。

生まれたばかりの子猫は猫種や雑種に関係なく全て青色の目をしています。これをキトンブルーといいます。生後2~3カ月ぐらいになると、本来の目の色がでてくるようになります。生まれたばかりの子猫がキトンブルーの目の色をしているのは、猫の体内にあるメラニン色素の細胞が働いていないため、青っぽく見えるのです。

そして、生後1カ月頃からメラニン細胞が働き始めることで、徐々に猫の目の本来の色になっていくのです。

 

 

≪緑≫

 メラニン色素がほとんどないと緑色の目になります。実際に緑色の色素があるわけではなく、わずかなメラニン色素が光の作用によって拡散される『レイリー散乱』という現象によって緑にみえるそうです。

猫種ではベンガル、ロシアンブルー、エジプシャンマウなど

 

 

 

≪ヘーゼル≫

緑から茶色へとグラデーションがかかったような目のことをいいます。緑よりメラニン色素は少し多めです。

 

 

 

≪アンバー(琥珀)≫

アンバーは黄色系統の色です。色の濃淡によって、やや薄めの色はイエロー、やや濃いめの色はゴールドなどとも呼ばれます。

 

≪カッパー(銅)≫

メラニン色素がもっとも多い目で、銅色のことです。見方によっては茶色に見えたり、赤っぽくみえたりするそうです。

猫種ではポンペイ、ブリティシュショートヘア

 

 

 

 

例外肉球

≪赤≫

 「アルビノ」と呼ばれる先天的な遺伝子疾患を持つ猫で。メラニン色素をもっていないのが特徴です。色素が全くないため、ブルーにもグリーンにもならず、目の血管が浮き出てあかくみえます。白いうさぎの赤目も同じメカニズムです。

 

 

 

≪オッドアイ≫

左右で色が違う目をオッドアイといいます。

オッドアイは猫に限らず起こるヘテロクロミズム(虹彩異色症)によるもので、虹彩の色を決定するメラニン生成が、片側で抑制されることで起こります。白い毛になる遺伝子とメラニン抑制が関連するので、白猫でオッドアイの仔が多くみられます。

 

 

≪青≫

猫の目の色の名称で「青」というのは厳密にはないそうです。青くみえるのは、猫の目の透明部分がそのように見えているためなのです。猫の目の色が「青」に見える猫はメラニン色素細胞をほとんど持っておらず、実際はほとんど透明ですが、私達の目に入ってくると変わってきます。

猫種ではシャム猫、トンキニーズ、ヒマラヤンなど

 

 

 

 

注意が必要な目の病気肉球 茶トラ

≪白くなる(白内障)≫

水晶体が白く濁ってくる病気で、白内障です。人や犬と比べると少ないです。

 

≪赤くなる(結膜炎)≫

猫の目のわずかに白い部分、瞬膜が腫れる結膜炎です。目を引っかいたこと等によりできた傷からのウィルスや細菌感染など様々な原因が考えられます。

 

≪黒くみえる(角膜黒色壊死症や悪性黒色腫)≫

目に黒いシミやかさぶた、ほくろのようなものがでてきた場合、がん細胞である可能性があります。これを放置すると緑内障につながる可能性もあります。

ただ、歳を取ってくると、目のふちシミができる場合もあります。これは老化現象に伴うものであるので心配はないと思いますが、もし、心当たりがあれば一度診させて頂ければと思います。