トイレに行けない


皆さんはご存知でしょうか。


この世にはトイレに行くことができない人がいるということを…


場面緘黙症だから「トイレに行きたい」と言えないだけでしょ?


そんなふうに思われるかもしれません。


もちろん言えないということもありますが、休み時間など、行きたいと言わずに行けるときでも、なぜか行けないんです。


今にも漏れそうなのにですよ?


それで実際に、学校で一度漏らしてしまいました。

(この話は場面緘黙症の体験談の方でいつか書こうと思います)


自分でも頭おかしいなと思います。


トイレに行くのが恥ずかしいというわけではありません。


もちろん漏らす方が恥ずかしいですし…


ただ、体が動かないんです。


この症状は「緘動」といいます。


話せなくなるのと同じように、思うように身体が動かせなくなり、立ったまま、もしくは座った姿勢のまま、硬直状態に陥ってしまうこともあります。


私は小学校低学年のころ、この緘動の症状がよく出ていました。


もう登校前に家でトイレに行き、あとは学校で行きたくならないように祈る。


こんな毎日を過ごしていました。


それでも一度、勇気を出してトイレに行ったことがあります。


しかし、トイレから出るところをクラスメイトに見られ「〇〇(私)ってトイレ行くんだ」と言われたことがあります。


これは今でもトラウマです。


何気ない一言だとは思いますが、トイレ行くのにさらに勇気を出さないといけなくなるのでやめてほしいです。


転機があったのは小学校5年生の頃。


なぜかかまってくれる子達に「一緒にトイレに行こう」と誘われ、初連れションをしたことで、その後一人でもトイレに行けるようになりました。


なぜかはよくわかっていませんが、成功体験ができたのと同じで「トイレに行っても大丈夫」と思えたからかもしれません。


結局、安心できるまで「慣れる」しかないのでしょうか。