現代の国語④通信制高校〜レポート復習&独学〜【水の東西】

通信制高校の現代の国語レポートの復習と、足りない部分の独学をします。


自己満足の復習と独学のまとめになりますが、参考になれば幸いです。


水の東西 


問題 

①「何となく人生のけだるさのようなものを感じる」とあるが、それを感じるのはなぜか答えなさい。

 緊張と単純なリズムを繰り返すことが、何事も起こらない徒労を感じさせるから。


②「人生のけだるさ」を意識することで、人間にもたらされる感覚を答えなさい。

 徒労。


③「単純な緩やかなリズム」の比喩表現は、鹿おどしのどのような印象を例えたのか答えなさい。

 愛嬌。


④「単純な、緩やかなリズム」は何を際立たせているか答えなさい。

 庭の静寂と時間の長さ。


⑤「曇った音響が時を刻んで、庭の静寂と時間の長さをいやがうえにも引き立てるだけである」とあるが、なぜ時を刻み、庭の静寂と時間の長さを引き立てるというのか。

 間隔をおいて響く音がその直後の静けさを際立たせ、緩やかなリズムがゆったりとしたときの流れを感じさせるから。


⑥「この仕掛けは、かえって流れてやまないものの存在を強調している」とあるが、それはなぜか答えなさい。

 鹿おどしは、水の流れや時の流れをせき止め、一定のリズムで刻むことによって、逆に流れ続けることを強く感じさせるから。


⑦「華やかな噴水」とあるが、華やかなとの対比にある言葉を答えなさい。

  素朴な


⑧「流れる水と、噴き上げる水」という表現をすることによって、どのようなことを対比させようとしたのか答えなさい。

  日本文化と欧米文化。自然と人工。時間的なものと空間的なもの。


⑨「音を立てて空間に静止している」と同じ内容の表現を抜き出しなさい。

  響きながら林立している。


⑩「音を立てて空間に静止している」とあるが、なぜ静止しているのか答えなさい。

  噴水が水の造形物として、まるで彫刻のように確固たる存在感を持っているから。


⑪「いやがうえにも」の意味を答えなさい。

 ますます。


⑫「それをせき止め、刻むことによって」とあるが、それが指すものと、何を刻むのか答えなさい。

 それ→水の流れ

 刻む→時の流れ


⑬「ニューヨークの大きな銀行の待合室」とあるが、待合室で人々の心をくつろがせていたものはなにか答えなさい。

 窓の外に噴き上げる華やかな噴水。


⑭「伝統とは恐ろしいもので」とあるが、筆者が強調しようとしていることを答えなさい。

  伝統には昔からその土地で脈々と受け継がれているものがあり、それに合わない部分があると、単に表面の形だけ欧米の文化を真似たとしても、日本の文化として定着はしないということ。


⑮日本人が外見的な事情以外の事情で、噴水を作らなかった理由を3つ答えなさい。

  流れる水の自然な美しさを愛し、造形の対象とはしなかったから。

  定まった形のない水を好むから。

  流れを感じさせることを大切にしており、水を見なくても流れを味わう心を持っているから。


⑯「人工」の対義語

自然。


⑰「外面的な事情」とあるが、外面的な事情を二つ抜き出しなさい。

 西洋の空気は乾いていて、人々が噴き上げる水を求めたということ。

 ローマ以来の水道の技術が、噴水を発達させるのに有利であったということ。


⑱「空ゆく雲や流れる水のように、深く物事に執着せず自然に任せて行動する」という意味の四字熟語を答えなさい。

 行雲流水。


⑲「日本人は西洋人と違った独特の好みを持っていた」とあるが、水にどのような好みを持っていたか。

  水は自然に流れる姿が美しいという好み。


⑳「そういう思想はむしろ思想以前に感性によって裏付けられていた」とあるが、どういうことか答えなさい。

  物事に執着しないという思想は、倫理的に体系化された考えではなく、日本人に自然と備わったものであり、心に定着しているものとして認められているということ。


㉑「それは外界に対する受動的な態度というよりは、積極的に、形なきものを恐れない心の表れではなかっただろうか」とあるが、それとはなにか答えなさい。

  行雲流水という仏教的な言葉で表せるような、形がないということについての、日本人独特の好み。


㉒「外界に対する受動的な態度」とあるが、どういう意味か答えなさい。

 外界のものに影響される。


㉓「我々は水を実感するのにもはや水を見る必要さえないといえる」とあるが、それはなぜか答えなさい。

  断続する鹿おどしの音の響きを聞くだけで、その間隔に流れるものを間接に心で味わう事ができるから。


㉔「あの鹿おどしは、日本人が水を鑑賞する行為の極地を表す仕掛けだと言えるかもしれない」とあるが、その理由を答えなさい。

  日本人は水の自然に流れる姿を愛し、かつその流れる姿を見なくても、音を通して水を感じることができるという点で、水から離れていてもその流れを感じられる鹿おどしは、日本人の心にピッタリの仕掛けだから。


漢字

読み

①愛嬌

②轟く

③間隔

④徒労

⑤音響

⑥庭園

⑦壮大

⑧造型

⑨独特

⑩断続

答え

①あいきょう

②とどろく

③かんかく

④とろう

⑤おんきょう

⑥ていえん

⑦そうだい

⑧ぞうけい

⑨どくとく

⑩だんぞく


書き

①コウガイに住む

②ベッソウを建てる

③アッシュクする

④カタムく

⑤ソボクな味

⑥シュコウを凝らす

⑦羊のムれ

⑧デントウを伝える

⑨変化にトボしい

⑩ネンドで遊ぶ

答え

①郊外

②別荘

③圧縮

④傾く

⑤素朴

⑥趣向

⑦群れ

⑧伝統

⑨乏しい

⑩粘土


意味調べ

〜てやまない→ずっと〜している

〜さながら→まるで、そっくりそのまま

間が抜ける→拍子が抜ける。調子が外れる

言うまでもなく→分かりきっていて言う必要がないが、改めて言う


3つの対句表現

・流れる水と噴き上げる水

 流れる水は自然だが、噴き上げる水は人口である。

・時間的な水と空間的な水

 時間的な水は水の流れでなく時間の流れを伴うが、空間的な水は空間で静止している。

・見えない水と目に見える水

 見えない水は形がない水の本性のままに流れを感じるが、目に見える水は形がない水に形を与え視覚的に捉える。