問1
①酢酸水溶液を水酸化ナトリウム水溶液で滴定する中和滴定で一般的に用いられる指示薬の名称
➁➀の指示薬を用いる理由
③ホールピペット,メスフラスコ,ビュレットのうち,一般的に水ですすいだ後そのまま使っていいもの
問2 正誤問題です。
(1) 硫酸の工業的製法である接触法では,二酸化硫黄を三酸化硫黄に変えるタイミングで触媒を用いている。
(2) 硫酸の工業的製法である接触法では,三酸化硫黄を希硫酸に混合すると発煙硫酸が得られ,これを濃硫酸にして出荷する。
(3) 硝酸の工業的製法であるオストワルト法では,一酸化窒素を二酸化窒素に変えるタイミングで触媒を用いている。
(4) 接触法の触媒は白金,オストワルト法の触媒は酸化バナジウム(V)である。
問3 用語確認です。
(1) 白衣に濃硫酸が付着すると,小さな穴が開き穴の周辺は黒くなっている。この現象に係わっている濃硫酸の性質名を1つ答えましょう。
(2) 硝酸は褐色ビン内に入れておきます。その理由を一言で答えましょう。
(3) 現在,硫黄の多くはある方法で得られている。○○の●●で答えましょう。
問4 アクリル酸CH₂=CHーCOOHの電子式を考えたうえで,左,真ん中,右の炭素原子の酸化数をそれぞれ求めましょう。
問5 問4のように有機化合物中の炭素の酸化数などでは,計算だけで酸化数を求めることができません。その理由を簡単に説明しましょう。
発展問題
A 10.0mLの水溶液Xをホールピペットを用いて50mLの①メスフラスコにとり,標線まで純水を加えた。この希釈液10.0mLを②ホールピペットを用いて③コニカルビーカーにとり,フェノールフタレインを加えた後,撹拌しながら,0.100mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を④ビュレットから入れて加えていったところ,中和するのに5.0mLを要した。
①~④を純水で洗った後,水でぬれたまま用いた場合を考える。このとき,最終滴定値は“5.0mL”と比べてどうなるか。それぞれ答えましょう。①について解答するとき②~④に対しては適正な操作が行われていたと考えてよく,これは他でも共通とする。
ア 5.0mLのままである イ 5.0mLより多くなる ウ 5.0mLより少なくなる
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解答です。
問1
①酢酸水溶液を水酸化ナトリウム水溶液で滴定する中和滴定で一般的に用いられる指示薬の名称
フェノールフタレイン
➁➀の指示薬を用いる理由
弱酸と強塩基の中和滴定では中和点が塩基性なので変色域が塩基性側にある指示薬を用いるため。
③ホールピペット,メスフラスコ,ビュレットのうち,一般的に水ですすいだ後そのまま使っていいもの
メスフラスコ
問2
(1)正
硫黄の燃焼では二酸化硫黄にまでしか酸化されません。三酸化硫黄にしたいので触媒を使用します。
(2)誤
濃硫酸+三酸化硫黄=発煙硫酸,発煙硫酸+希硫酸=出荷用濃硫酸,ですね。希硫酸+三酸化硫黄では間違いなく沸騰します。
(3)誤
アンモニアが酸素と反応しにくいので第一段階で触媒を使用します。一酸化窒素は“空気に触れるだけで”赤褐色の二酸化窒素になることは,センター試験でもよく出題されます。触れるだけでいい反応に触媒は不要です。
(4)誤
逆。反対。リバース。。。。。
問3
(1)脱水
有機物(白衣は綿≒セルロース)+濃硫酸≒脱水です。
(2)感光性
光で分解し,二酸化窒素を生じます。少量のため赤褐色にならず,黄ばんだ感じの溶液になってしまいます。
(3)石油の脱硫
昔,昭和の時代は黄鉄鉱から二酸化硫黄を得ていましたが,石油中の硫黄が二酸化硫黄になり酸性雨などの原因とされてから,石油は完全な脱硫がなされています。その硫黄,安いので使います。
問4
左:-2 真ん中:‐1 右+3
問5
一つの化合物の中の炭素原子であっても,環境の違いによって異なる酸化数を示すため。
発展問題
A:①ア②ウ③ア④イ
①③については,そこに純水が残っていることが,実験に対して全く悪影響を与えないので,結果も全く変化しません。
②ははかり取った10.0mL中の酢酸の量が,ちゃんと共洗いした人よりも少なくなってしまいます。すると,最終滴定値が少なくなってしまいます。明らかに周りよりも滴定値が小さい場合,ホールピペットを共洗いしなかったと疑われます。
④はビュレット内の水酸化ナトリウム水溶液が薄くなってしまいます。しかもビュレットの下の方は水でしょう。これを滴下するのですから,どんどんビュレットから水や薄まった水酸化ナトリウム水溶液を滴下していくことになり,水位もどんどん低下していきますね。周りの人と比べて明らかに滴定値が多くなってしまった場合,ビュレットを共洗いしなかったのでは,と疑われてしまいます。