第4回チェックテスト
A 10.0mLの水溶液Xをホールピペットを用いて50mLの①メスフラスコにとり,標線まで純水を加えた。この希釈液10.0mLを②ホールピペットを用いて③コニカルビーカーにとり,フェノールフタレインを加えた後,撹拌しながら,0.100mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を④ビュレットから入れて加えていったところ,中和するのに5.0mLを要した。
①~④を純水で洗った後,水でぬれたまま用いた場合を考える。このとき,最終滴定値は“5.0mL”と比べてどうなるか。それぞれ答えましょう。①について解答するとき②~④に対しては適正な操作が行われていたと考えてよく,これは他でも共通とする。
ア 5.0mLのままである イ 5.0mLより多くなる ウ 5.0mLより少なくなる
C
① CaCl(OH)の(塩の分類)(塩の液性)を答えましょう。
② MgCl(OH)の(塩の分類)(塩の液性)を答えましょう。
③ 炭酸水素ナトリウムと炭酸ナトリウムはどちらの方が塩基性が強いですか。
D 沸点の高い方をそれぞれ答えましょう。また,その理由をア~オのうちから一つずつ選びましょう。
① a:ブタン b:イソブタン
② a:メタン b:エタン
③ a:アルゴン b:塩化水素
④ a:フッ素 b:塩素
⑤ a:フッ化水素 b:塩化水素
⑥ a:水 b:アンモニア
⑦ a:ヨウ素 b:水
(理由)
ア:水素結合の有無 イ:水素結合の数 ウ:分子の表面積 エ:極性の有無 オ:分子量
E
ミョウバンAlK(SO₄)₂・12H₂Oについて。
(1) 水溶液は何性になりますか。
(2) (1)の原因となるイオン反応式を一つだけ答えましょう。
F
(1)炭酸水素ナトリウム,(2)硫酸水素ナトリウム,(3)硫酸アンモニウム,(4)硫化ナトリウム,のそれぞれについて,“●●塩で水溶液は○○性”と答えましょう。○○に強弱は不要です。
G
F(1)とF(3)のみ,なぜ○○性になるのかをイオン反応式ひとつで書きましょう。
この後解答です
A:①ア②ウ③ア④イ
①③については,そこに純水が残っていることが,実験に対して全く悪影響を与えないので,結果も全く変化しません。
②ははかり取った10.0mL中の酢酸の量が,ちゃんと共洗いした人よりも少なくなってしまいます。すると,最終滴定値が少なくなってしまいます。明らかに周りよりも滴定値が小さい場合,ホールピペットを共洗いしなかったと疑われます。
④はビュレット内の水酸化ナトリウム水溶液が薄くなってしまいます。しかもビュレットの下の方は水でしょう。これを滴下するのですから,どんどんビュレットから水や薄まった水酸化ナトリウム水溶液を滴下していくことになり,水位もどんどん低下していきますね。周りの人と比べて明らかに滴定値が多くなってしまった場合,ビュレットを共洗いしなかったのでは,と疑われてしまいます。
C:①(分類)塩基性塩(液性)塩基性②(分類)塩基性塩(液性)酸性③炭酸ナトリウム
①強酸と強塩基の塩です。
②強酸と弱塩基の塩です。
③二段階滴定の“先に反応”で明らかです。
D:①aでウ②bでオ③bでエ④bでオ⑤aでア⑥aでイ⑦aでオ
①アルカンの異性体の場合,直鎖が最も高沸点です。
②アルカンを炭素数の違いで判定するのはよく出題されます。
③アルゴンと塩化水素の分子量は,周期表での位置を考えてもほぼ同等といえるでしょう。単原子分子であるアルゴンは無極性ですが,塩化水素は極性分子です。
④⑤水素結合の確認です。
⑥授業通りですね。一分子中の非共有電子対と水素原子の数は以下の通りです。
フッ化水素(非共有3水素1)
水(非共有2水素2)
アンモニア(非共有1水素3)
水素結合は非共有電子対と水素原子を一つずつ使って作ります。それぞれの分子が1000個あったとき,フッ化水素分子間にできる水素結合は少ない方の水素原子の数に合わせた1000個,アンモニア分子間には少ない方の非共有電子対の数に合わせた1000個,水は2000個の非共有電子対と2000個の水素原子があるので2000個の水素結合をできます。
⑦水が水素結合するから高い,はここでは無意味です。ヨウ素は黒紫色の固体で昇華性をもつ,と暗記しますね。固体です。
E
(1)酸性
(2)Al³⁺+H₂O⇔Al(OH)²⁺+H⁺
Eの解説
水溶液中の3種のイオン,Al³⁺,K⁺,SO₄²⁻のうち,加水分解反応を起こしpHを変化させるのはアルミニウムイオンのみですね。カリウムイオンは強塩基由来のイオン,硫酸イオンは強酸由来のイオンですから,それらの加水分解反応を考えません。
F
(1)酸性塩で塩基性(2)酸性塩で酸性(3)正塩で酸性(4)正塩で塩基性
G
(1)HCO₃⁻+H₂O⇔H₂CO₃+OH⁻
(2)NH₄⁺+H₂O⇔NH₃+H₃O⁺,またはNH₄⁺⇔NH₃+H⁺