第8回解説

問1

①②③⑥

判断基準は授業の通り,①濃硫酸②固体のみ③濃塩酸⑥固体のみ,ですね。

問2

746Kにおける水蒸気をa[Pa],窒素をb[Pa]とすると,a+b=5×10⁵です。373Kでは飽和状態になっている水蒸気が1×10⁵[Pa],窒素は絶対温度に比例して0.5b[Pa]なので,1×10⁵+0.5b=1.5×10⁵になります。両式からa=4×10⁵,b=1×10⁵が得らえます。373Kでは本来0.5aすなわち2×10⁵Paを作ることができた水蒸気が1×10⁵Paに抑えられているので50%が気体,残り50%が液体であるとわかります。

 ポイントはどこにあるでしょう。

 水の沸点は100℃という知識を計算問題に用いることの経験をこの問題で積んでほしいと思っています。水の沸点は100℃→100℃における水の蒸気圧は1×10⁵Paと言い換えることで,与えられていない蒸気圧の値を使いことができます。問題が“水”“100℃”という条件をそろえたときのみ発動する解法です。このような問題を含め,問題集には載らないが入試に頻出の問題を訓練していくのが夏期講習のメインテーマです。ご期待ください。

問3

(1)60×2÷6=20

(2)60×1÷5=12

(3)60×3÷2=90

問4

(1)正

H₂Oは“固体の密度<液体の密度”なので圧力をかけると氷を融解させることが可能です。例えば,-1℃の冷凍庫内で氷を圧縮すると水にすることが可能です。これは,融解温度(≒融点)は高圧で低くなる,ということになります。

(2)正

 H₂O以外の多くの物質は“固体の密度>液体の密度”です。つまり,圧縮すると液体を固体にすることが可能です。例えば,本来は-10℃で凝固する物質を-9℃の冷凍庫内で圧縮すると凝固させることが可能です。これは,凝固温度(≒融点)は高圧で高くなる,ということになります。

(3)正

 三重点未満の圧力下では,物質は液体の状態をとることができないです。

(4)正

 三重点圧力が大気圧よりも低い,ということは液体の状態が大気圧下であり得るということですね。

問5

(1)誤

 特に自然発火はないですから,瓶や容器に入れて密閉しておけば問題ありません。

(2)誤

 自然発火しますから空気を断つことが必要です。水に沈めておきましょう。石油では“怖くて取りだせない”だけでなく,石油って中に空気が結構溶けるので,仮に入れたとしてもたぶん石油に含まれている空気で発火すると思います。

(3)誤

 窒素,リン,カリウムの3つです。

(4)誤

 空気を断って加熱しないと自然発火して十酸化四リンになってしまいます。空気を断って加熱すれば高温で赤リンに変化します。黄リンのP4分子は結合角が狭く,加熱によりそれが切れどんどんつながっていきます。それが赤リンです。

問6

(1)誤

 一つのケイ素原子には四つの酸素原子が共有結合してほぼ正四面体の構造を形成しています。ケイ素の数×4÷2=酸素の数なので,SiO2という化学式になっています。

(2)正

 スタートをケイ砂にするとこんな感じでしたね。

珪砂+炭酸ナトリウム(または水酸化ナトリウム)→ケイ酸ナトリウム

ケイ酸ナトリウム+水→水ガラス

水ガラス+塩酸→ケイ酸(沈殿)

ケイ酸+熱→シリカゲル

(3)正

 インジケーター≒指示薬です。今回であれば,吸湿前の塩化コバルトは青く,吸湿後はピンクです。

問7

(1)Ca₃(PO₄)₂+2H₂SO₄→Ca(H₂PO₄)₂+2CaSO₄

(2)SiO₂+Na₂CO₃→Na₂SiO₃+CO₂