無利息貸付けの節税スキームはどう否認するか?(グループ法人税制その47) | 元国税・税法研究者・東大卒税理士の圧倒的税制解説~税理士の武器~

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ここまで読めれば強権的な税務調査も怖くない!

先日の続き。黒字会社を使わずとも、元金部分は

他の完全支配会社から赤字会社に寄附させれば

いいわけで、無利息貸付けが行われれば、当然、

黒字会社の利益は赤字会社に付け替えられる

ことになる。



以前も述べたが、法人税法22条の解釈とし

ては、



無利息貸付けを受けた側では

課税が起こらな

⇒支払利息も認識されない



というのがスタンス。法人税法22条3項の

販売費及び一般管理費は、



債務確定基準



で認識されるわけであり、債務が確定した利

息はゼロ円だから、22条3項の考え方からす

れば、支払利息は計上されないことになる。





問題点は、改正後の取扱いについて、通達の

趣旨説明で国税庁が、



支払利息の認識をOK



としている点。



子会社が負担すべき費用に相当する金額を

会社が負担した場合で、その負担した金額が

親会社において寄附金の額に該当するときで

あっても、子会社においては当該費用の額と

受贈益の額が相殺され、所得金額に影響がな

いことから、あえて両建て処理を行わないこ

としても法人税の課税所得の計算上特段問題は

生じていなかったところです。



とし、子会社が負担すべき費用とは支払利息

のわけで、ここまで言ってしまえば、



信義則の観点からも否認は難しい



ということにもなろう。





話は変わるが、法人税の世界で合法的な節税

スキームを否認する場合、とりうる方法とし

ては、



① 法人税法22条を拡大解釈

  する

② 信義則や、民法の理屈を

  使う

③ 行為計算否認規定を使う



という3パターンに大別される。順にみて

こう。



①について。これは、旺文社事件などで取ら

れた方法で、法人税法22条は益金をかなり

広めに規定しているから、取引の利益を何と

か法人税法22条2項の益金とし、課税しよ

うというもの。グループ法人間の無利息貸付

けで問題になるのは、



支払利息、すなわち損金



であるから、攻めるとすれば、先ほど述べた



債務確定基準



からのアプローチになろう。ただし、仮に

税側が勝訴したとして、



受贈益に対応する仕訳項目



という問題が残る。



(以下次回)




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