10月中旬頃から「夜になると咳で眠れない」というような症状を訴える患者さんが増えています。ほとんどの場合“RSウイルス”や“ライノウイルス”“コロナウイルス”など、秋~冬にかけて流行するウイルスが原因と考えられます。これらのウイルスは大人には単なる「はな風邪」や「軽い咳」を生じるだけであっても、乳幼児が感染すると重症になることがあります。
毎年この時期になると“RSウイルス感染症”の流行がテレビなどのメディアで報告されていますが、11月11日には「関東で猛威を振っている」と今年も報告されました。
“RSウイルス感染症”は「ヒューヒュー」「ゼイゼイ」と苦しそうな呼吸(喘鳴といいます)を認めることが特徴です。鼻みず、鼻づまりがひどくなったり、痰がからんだ咳が長引いたり、高熱が続くこともしばしばみられます。
特に6ヶ月未満の赤ちゃんでは気管支炎や肺炎を発症することがあります。さらに3ヶ月未満の赤ちゃんでは咳などの症状を認めずに哺乳不良となったり活気がなくなったるする場合や顔色が悪くなるチアノーゼを認めることがあり注意が必要です。
診断は鼻に綿棒を入れる検査で15分程度で結果がわかりますが、たとえ診断できたとしても“RSウイルス”自体に対して効果のある薬はありません。対症療法として、咳や痰、鼻汁を緩和する薬を使用したり気管支を広げるテープを併用します。
特に咳や「ヒューヒュー」「ゼイゼイ」が強く、夜に悪化するような場合は吸入療法も効果的ですのでご相談下さい。