平成のベストアルバム 20位~11位(邦楽) | とかげ日記

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【日記+音楽レビューブログ】音楽と静寂、日常と非日常、ロックとロール。王道とオルタナティブを結ぶ線を模索する音楽紀行。
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昨日に引き続き、20位から11位までカウントダウン!
昨日の記事は👇を見てね。
平成のベストアルバム 30位~21位(邦楽)
明日はついにベスト10を発表するよ!(18時台に発表する予定です。)

【20位】きのこ帝国『愛のゆくえ』(2016年)





『タイム・ラプス』(2018年)も良かったけれども、実験性のよりある本作の方が好みです。シックなR&Bの「LAST DANCE」と淡いレゲエの「夏の影」は何度聴いたことか分からない。 「夏の影」を聴くと、ここには知らぬ顔で通り過ぎることのできない切実な何かがあると感じる。


【19位】MOROHA『MOROHA III』(2016年)

MOROHA IIIMOROHA III
2,236円
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がむしゃらな情熱を注ぎ込んだ、"心"のアルバム。ヒップホップにおいて、アコギ一本を伴奏にするスタイルを確立した前作からさらなる飛躍を遂げた傑作。


【18位】NEW OLYMPIX『2020』(2016年)

20202020
2,142円
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鬼才・YAOAY(a.k,a,笹口騒音)率いるNEW OLYMPIXの革命的一枚。日本の『Kid A』といったらこのアルバムで決定打でしょう。今まで聴いたこともないような音がそこにある。


【17位】ASIAN KUNG-FU GENERATION『ワールド ワールド ワールド』(2008年)





本作は「世界を変えたい」という情熱を最高潮に感じることのできる作品だ。「転がる岩、君に朝が降る」で、「そんな僕に術はないよな」と自分の身の上を嘆きながらも、確かなパッションがそこに存在していた。そして、それゆえの楽曲のカラフルさに、僕の心は鷲掴みにされたのだ。これこそ、ロックの掲げる理想を体現したアルバムだ。


【16位】GEZAN『Silence Will Speak』(2018年)

SILENCE WILL SPEAKSILENCE WILL SPEAK
2,091円
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日本のオルタナティブ・ロックの雄GEZANと世界のスティーヴ・アルビニがタッグを組んだとなれば、オルタナ好きとしては聴かずにいられるかって話。スティーヴ・アルビニによる録音は特にドラムが良かった。深くて抜けが良い。

この作品には、多数派に屈しない確かで強固な一人の人間がいる。そして、それこそが、オルタナティブロックの精神性の理想なのだ。


【15位】転校生『転校生』(2012年)

転校生転校生
2,346円
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無垢なアイドル音楽なんてない。アイドルではない他者が関わっているから、その他者の欲望を映した音楽になる。では、バンドやシンガーソングライターの無垢な音楽があるかというと、これも即答はできない。だけど、かつて活動していた"転校生"の音楽は、穢れがなかった。悲しいほどに無垢な音楽。 絶望も悪口も軽やかに吐き捨てられ、その中で願いを歌に託した彼女の音楽をまた聴きたい。


【14位】BUMP OF CHICKEN『THE LIVING DEAD』(2000年)

THE LIVING DEADTHE LIVING DEAD
2,333円
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バンプは誰がなんと言おうと、オービタル以前がいいんじゃー! フレイムベイン、リビングデッドあたりの演奏が粗いバンプが好き。勢いで切実さを表現している、生き急いでいる性急感がたまらない。

本作が発売されたのは2000年だが、この頃のバンプには演奏からはみ出してしまうほどの熱があった。今に比べて演奏技術も未熟なのだが、聴く者を熱く燃え上がらせるサムシングがある。

バンプを論評する際、社会を無視して「僕と君」の世界に入り込むセカイ系だとする論評は見たけど、一人一人の痛みと共にあろうとしたバンドだとする論評はあまり見ない。バンプがゼロ年代に共感されたのは、セカイ系だからという以上に、一人一人の痛みに寄り添おうとしたからなんですよ。

息は持つだろうか 深い心の底まで
君が沈めた君を 見つけるまで潜るつもりさ
苦しさと比例して 僕らは近付ける
「メーデー」


【13位】相対性理論『ハイファイ新書』(2009年)

ハイファイ新書ハイファイ新書
1,200円
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少しリバーブをかけた萌え声のボーカルとスミスに影響を受けた清らかなギターが心地よい。1stと比べてアンサンブルがケタ違いに良くなっている。


【12位】毛皮のマリーズ『ティン・パン・アレイ』(2011年)





管弦楽器を大きくフィーチャーしたチェンバーポップの傑作。どの楽器のパートも美メロで響きが美しく、心に訴えかけてくる。


【11位】Mr.Children『IT'S A WONDERFUL WORLD』(2002年)





ポップソングとしてのキャッチーさとロックミュージックとしての尖り具合のバランスが理想的。精神的に辛い時には本作が頼りになる。

ミスチルは渋谷系の一味と目された売れない時代はアベレージヒッターだったが、自意識を吐露するロックバンドになってから4番バッターに。この成長の仕方は好きなタイプのバンドの成長だ。僕は「自分がないバンド」は嫌い。ミスチルのように自我を出していけと思っている。恥ずかしいことのように思えてもね。


★とかげ日記が選ぶ平成のベストアルバム 11位〜30位★
【11位】Mr.Children『IT'S A WONDERFUL WORLD』(2002年)
【12位】毛皮のマリーズ『ティン・パン・アレイ』(2011年)
【13位】相対性理論『ハイファイ新書』(2009年)
【14位】BUMP OF CHICKEN『THE LIVING DEAD』(2000年)
【15位】転校生『転校生』(2012年)
【16位】GEZAN『Silence Will Speak』(2018年)
【17位】ASIAN KUNG-FU GENERATION『ワールド ワールド ワールド』(2008年)
【18位】NEW OLYMPIX『2020』(2016年)
【19位】MOROHA『MOROHA III』(2016年)
【20位】きのこ帝国『愛のゆくえ』(2016年)

【21位】ゲスの極み乙女。『両成敗』(2016年)
【22位】GOING UNDER GROUND『ハートビート』(2003年)
【23位】銀杏BOYZ『君と僕の第三次世界大戦的恋愛革命』(2005年)
【24位】サカナクション『sakanaction』(2013年)
【25位】宇多田ヒカル『First Love』(1999年)
【26位】大森靖子『絶対少女』(2013年)
【27位】SAFETY SHOES『Big Smile』(2006年)
【28位】羊文学『若者たちへ』(2018年)
【29位】Hi-Standard『MAKING THE ROAD』(1999年)
【30位】チャットモンチー『告白』(2010年)

明日はついにベスト10!

追記:発表しました。
平成のベストアルバム 10位~1位(邦楽)