この記事は去年書いて先日削除してしまった記事を下書きを元に復元したものです。
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今年、初めて全国流通の音源を発表したアーティストを対象に新人賞を発表します!
●最優秀新人賞 笹口騒音&ニューオリンピックス
クラフトワークなど電子音楽の歴史をたどっていった後に0.8秒と衝撃。の音楽を聴くとすごいと思うけど、やっぱり歌心のあるバンドが好き。笹口騒音&ニューオリンピックスは実験的な電子音楽の要素もありつつ、歌心を失っていないところがポップで嬉しい。
例えば、クラフトワークの「Antenna」という曲が笹オリの「NEO TOKYO」のビート作りの元ネタになっていると僕は感じたのだけど、「NEO TOKYO」は一つの起承転結のある歌になっているよね。
まあ、0.8秒と衝撃。の面白さは、意図的に歌のフォームを崩したところにあると思うけど。歌心のあるアルバムはファーストアルバムでやっているからね。ハチゲキもいつか売れてほしいなぁ…!
笹オリの「NO!」という曲で、「何もかもやり尽くされたって?」という問いかけに対して「NO!」と答えるくだりは、彼らの音楽に対する姿勢と重なる。これからも音楽の未知のフロンティアを開拓していってほしい。
●次点 笹口騒音オーケストラ
Beirutを下敷きにしつつ、笹口さんならではのメロディと音楽性が加わり、全く新しい音楽に。世の中を醒めた目で俯瞰する吟遊詩人の叙情性と、大人数で音楽を鳴らす祝祭性がある。美しい日本語詞を美しい音楽で聴くということにかけて、このバンドの右に出るバンドはないと思う。
●次点 リーガルリリー
ザ・ペギーズ、ポルカドットスティングレイ、絶景クジラなども含めた新世代女性ボーカルバンドの中で一番好き。技術的にはこの4バンド中で劣るけれども。技術も大切だけれど、どれだけ人の胸を打つかの方が大事。彼女たちだけにしか表現できない世界がある。
●番外編 ピコ太郎「PPAP」
PPAPは音楽として認知されることはなく、単なるお笑いの一発芸だと見なされがちだが、あえて言おう、ピコ太郎のPPAPとは官能の歌だった!
とんでもない解釈だと思われそうだが、僕には、PPAPはセックスをモチーフにした歌にしか聴こえない。シンプルでチープな電子音は、セックスの原始的な官能性を表現しているように聴こえる。ペンとアップルをくっつけるという歌詞とダンスのフリにしても、もはやセックスの隠喩にしか見えないし、聴こえない。
官能うんぬんを抜きにしても、音楽シーンの洗練された高品質な電子音楽(EDMなど)の中で、このチープな音の耳触りが謎の中毒性を呼び込んだことは間違いない。