andymori『革命』 (2011年) レビュー&感想 | とかげ日記

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このアルバムは彼らの3rdアルバム。
前ドラマーの後藤大樹が脱退し、岡山健二を新ドラマ―に迎えてから初めてとなる作品だ。
後藤大樹のドラムはリズムが凝っていた印象があるが、
岡山健二のドラムはよりシンプルな印象だ。

今までのアルバムと同じく、
リバティーンズをもっとポップに、そして渋谷系寄りにしたような音。
各アルバムごとの音楽性の変化はそれ程感じない。

過剰にロマンティックな歌詞と世界観。
歌詞は比喩と抽象の連続だった1st,2ndと比べて分かりやすくなっている。
アルバムタイトルが『革命』であるのと同じく、
僕たち大衆に向けてもっと働きかけようとする意志の表れだろう。

♯3『Weapons of mass destruction』が好きだ。
名曲『1984』と並ぶ勢いで。
曲に含まれるアイデアも『1984』と似ている?
サビのメロディが叙情的で、温かに歌われるところがいい。
シンプルでストレートなロックンロールの曲が並ぶ中で、
スローやミディアムの曲があると安心する。
こういう曲もあるのがandymoriの武器だと思う。

andymoriのボーカルである小山田壮平は、
神聖かまってちゃんのの子と繋がりがあるみたいだ。
(下記youtube動画を参照。)
神聖かまってちゃんが2011年に発表した『8月32日へ』は、
バンドにとって骨休み的な内容のアルバムだと思う。
『みんな死ね』や『つまんね』で見せた、
革命を起こしてやろうとするぐらいの気概を感じない。
エッジーさが欠けて、ポップなアンサンブルでその革新性を包み込むようになった。
僕は、気概を増して、更に危ない内容のアルバムを作ってほしかった。
それに比べて、andymoriのこのアルバムには意気込みを感じる。

でも、このアルバムがひとつ出たところで、
世の中はひっくり返ったりしないだろう。
世の中は微動だにせず。
だが、聴いた人の心には確実に働きかけている。

神聖かまってちゃん,相対性理論も含めて、
新しい邦楽ロックのムーブメントがもっと大きくなってほしい。
オーバーグラウンドに飛び出してもっと多くの人を巻き込んでほしい。
ムーブメントが大きくなっていく様子を見ていくことが僕の楽しみだ。


andymori「革命」


の子×小山田壮平【STAND BY ME/Blackbird】 埼玉県坂戸市七夕まつり