大阪市北区の雑居ビル・放火殺人事件を二度と起こさないために・・ | 頭痛 あれこれ

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 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

 これまで報道された部分の抜けた部分をまず、補足しておきます。


家族と住んだ家で1人、事件の準備 61歳の孤独と困窮 放火1カ月

 

 大阪市北区の雑居ビル4階のクリニックで25人が犠牲になった放火殺人事件は17日、発生から1カ月を迎えた。大阪府警が殺人と現住建造物等放火容疑で捜査している谷本盛雄容疑者(61)は事件後、事情聴取ができないまま死亡し、動機などの全容解明は困難になった。あの日、何が起きたのか。


 クリニックから西へ約3・5キロ。大阪市西淀川区の淀川沿いに3階建て住宅が立つ。1987年春、結婚して2年の谷本容疑者が約1200万円のローンを組み、新築で購入した家だ。


 府警などによると、谷本容疑者は板金工として働き、看護師の妻と息子2人とともに約20年間、この家で暮らした。

 転居後の谷本容疑者が一人暮らしになったのは、2008年9月に離婚してからだ。09年9月ごろに元妻に復縁を申し込んだが断られた。10年には勤める工場に連絡なく姿を消した。


 11年4月、元妻宅で長男を出刃包丁で殺そうとし、府警に殺人未遂容疑で逮捕された。包丁計3本や催涙スプレー、ハンマーなどを持ち込んでいた。


 確定した大阪地裁判決は、「寂しさを募らせて孤独感などから自殺を考えるように」なり、「死ぬのが怖くてなかなか自殺に踏み切れなかったため、誰かを殺せば死ねるのではないか」と考えたと認定。懲役4年の実刑判決を受けた。


 判決は社会復帰後について、「当面は孤独な生活をしなければならない可能性」を指摘しながら、「家族以外との関わりを持つことができれば、更生することは十分可能」とした。だが、出所後の社会とのつながりは浮かばない。


■社会とのつながり見えず 大量殺傷事件に関心


 更生保護施設を経て、17年2月に父親から相続した大阪市此花区の住宅に移り、3月に現場となったクリニックに通い始めた。「夜眠れない」などと相談していたという。昨年1月に口座残高がゼロになり、5月に電気やガスを止められて家を出ると6月、かつて暮らした西淀川区の住宅に戻ってきた。


 その頃からスマートフォンのアプリに犯行計画とみられるメモを残し始める。「人がいるか確認」「ガソリンを買う」。大量殺傷事件に関する論文も保存していった。現場周辺の防犯カメラには、事件前夜に谷本容疑者とみられる男がコインロッカーにガソリン入りとみられるポリタンクを入れる姿が映っていた。


 昨年12月17日午前9時47分。西淀川区の谷本容疑者の住宅で「煙が出ている」と119番通報があった。府警は、谷本容疑者が家に火を付け、直後に自転車で出たとみている。ガソリンを入れたとみられるポリタンクを積んでいた。


 クリニックまで約1・5キロの商店街の防犯カメラに同9時50分ごろ、谷本容疑者らしき男が映っていた。黒のジャケットにベージュのパンツ姿。マスクを着け、自転車で走る。


 府警によると、男はコインロッカーで隠していたポリタンクを取り出し、計二つに。ビル前で自転車を止め、タンクの紙袋を手に中へ入った。同10時15分、クリニックがある4階で、両手に二つの紙袋を持ってエレベーターから下りた。


■「逃げさせない」周到な動き 院内のカメラに男


 クリニックの出入り口はエレベーターと、階段につながる非常口の2カ所。男は紙袋をエレベーター前で傾け、ガソリンにライターで火をつけた。もう一つの紙袋を非常口付近に投げて避難路を塞いだ。


 炎を逃れようと人々は窓のないクリニックの奥へ向かう。突き当たりの外壁には窓枠とはしごがあるが、室内からは開口部が確認できないという。男は出入り口に向かう男性に体当たりし、避難を阻んだ。


 同10時18分に「火が出ている」と119番通報が入る。繁華街での火災に、通報は多数あった。救助隊が駆けつけると、出入り口に最も近い場所で谷本容疑者が倒れ、心肺停止で搬送された他の26人全員が、クリニック中央部の閉じられた扉の奥にいた。亡くなった25人と谷本容疑者の死因はいずれも一酸化炭素中毒だった。山田常圭(ときよし)・元東京大特任教授(火災安全工学)のシミュレーションでは、出火から数分で死に至る状況だったという。


■事件の記事、コーキング剤、刃物 10年前の事件との関連は


 事件後に府警は谷本容疑者宅を家宅捜索し、事件の計画性が浮かんだ。

 西淀川区の住宅では、21年3月に起きた徳島市の雑居ビル放火事件の新聞記事や、36人が死亡した京都アニメーション放火殺人事件から2年に関する21年7月の記事を発見、押収した。両事件ともガソリンを使った放火だった。


 「放火殺人」「消火栓をぬる」と書かれたメモや、隙間を埋めるコーキング剤も押収。クリニック内の消火栓の扉は開かぬよう工作されていた。防犯カメラ映像から、事件2週間前の最後の受診時に容疑者がコーキングしたと府警はみる。


 クリニックの現場検証では、非常口近くで刃物が見つかった。西淀川区の住宅にあったナイフのさやと一致。府警は谷本容疑者が確実に計画を実行できるよう持ち込んだとみている。容疑者のポケットから催涙スプレー2本も見つかった。


 半年にわたって計画されたとみられる事件に、複数の府警幹部は10年前の長男殺害未遂事件との関連を指摘する。谷本容疑者が、多くの人を巻き添えにして自らの命を絶とうとした可能性があるとみている。


家賃収入途絶え預金ゼロに 生活保護も受給できず 大阪ビル放火、谷本容疑者


 大阪市北区の雑居ビルに入るクリニックで25人が犠牲となった放火殺人事件で、火を付けたとされる谷本盛雄容疑者(61)=死亡=の銀行口座残高が昨年1月にゼロとなっていたことが15日、大阪府警天満署捜査本部への取材で分かった。


 土地、建物を所有していたが家賃収入は前年に途絶えており、生活保護も認められなかった。府警は谷本容疑者が事件当時、生活に困窮していたとみて詳しい動機を調べている。


 府警によると、過去に差し押さえられた時期があったものの、谷本容疑者は大阪市の西淀川と此花の両区内に土地と建物を所有。家賃収入があったが、2020年9月末で賃貸契約が終了した。


 府警が谷本容疑者の銀行口座を調べたところ、15年1月時点で約150万円あった残高は昨年1月にゼロになった。


 谷本容疑者は10年以上、定職に就いていなかったとみられている。17年2月と昨年5月に此花区に生活保護を申請したが受給できておらず、事件当時は生活に困窮していた可能性がある。


 現場ビル1階のごみ箱から、同容疑者が所有する家屋や自転車などの鍵の束が見つかっていたことも新たに判明。4階のクリニックで火を付ける直前に自ら捨てたとみられる。


 また、此花区内にある谷本容疑者の両親の墓から骨つぼが無くなっていたことも分かった。事件3日前の21年12月14日、谷本容疑者の親族から府警に通報があった。事件当日には、墓石が倒されたとの連絡が府警に寄せられていた。同容疑者のスマートフォンには、同12日に墓参りをするなどした記録が残されており、府警が関連を調べている。


 事件は同17日に発生し、25人が死亡、1人が重篤。谷本容疑者も心肺停止状態で搬送され、蘇生したが同30日に死亡した。 


容疑者死亡も続く捜査 大阪府警、真相究明へ ビル放火殺人17日で1カ月


 大阪市北区の雑居ビルで25人が犠牲となった放火殺人事件は、17日で発生から1カ月となる。


 容疑者は死亡したが、大阪府警天満署捜査本部は被害者や遺族の心情に配慮し、真相究明に向けた捜査を続けている。年度内にも、容疑者死亡のまま殺人などの疑いで書類送検する方針。


 谷本盛雄容疑者(61)は現場のクリニックから心肺停止状態で搬送され、蘇生したものの一度も意識を取り戻すことなく、事件から約2週間後の昨年12月30日に死亡。直接動機を聞き出すことはできなくなった。


 府警によると、谷本容疑者は長男に対する殺人未遂事件で服役後、更生保護施設などを経て2017年2月、父親から相続した大阪市此花区の住宅に転居。翌月に「夜眠れない」などとクリニックを初めて訪れ、受診回数は112回に上った。


 所持品のスマートフォンには、事件当日と同じ金曜日に下見したとみられる「診療内科 9時58分までに合計22人一気に入ってきた」との記録のほか、「日本史上最悪な凶悪事件」を検索した形跡もあった。動機につながるような記載は見つかっていない。アドレス帳に知人の連絡先は皆無で、架電先は電気やガスの業者だけ。交友関係をたどる捜査も難航している。


 昨年1月には銀行口座の残高がゼロに。同年5月に2回目の生活保護を申請したが、受給には至らなかった。府警は、谷本容疑者が孤立を深め経済的にも困窮し、多くの患者らを大量殺人に巻き込もうとしたとみて調べている。


スマートフォンに詳細記録 半年前から計画か―大阪ビル放火容疑者


 大阪市北区の雑居ビルに入るクリニックで25人が犠牲となった放火殺人事件で、火を付けたとされる谷本盛雄容疑者(61)=死亡=のスマートフォンに、ガソリンの購入計画やクリニック院長の退勤時間などが詳細に記録されていたことが14日、分かった。事件発生から1カ月となるのを前に、大阪府警天満署捜査本部が明らかにした。


死因は蘇生後脳症 大阪ビル放火の容疑者―府警


 記録は昨年6月から始まっており、府警は事件の約半年前から本格的に計画を始めたとみて調べている。
 府警によると、谷本容疑者のスマホは昨年5月に契約されたもので、事件後にクリニック内で発見された。データを調べたところ、6月14日から始まっているスケジュールアプリに、ビル清掃員の有無や扉の寸法などの確認事項が記されていた。9月には「20時54分踊り場ドアが閉まった」「21時13分先生が1階出入り口から出てきた」、12月には「20リットル携行缶にガソリンを買った」などの記載があった。
  スマホには「大量殺傷犯人の属性と行動パターン」などダウンロードされたファイルが残されており、京都アニメーション放火殺人事件や千日デパート火災、「死ぬときぐらい注目されたい」などの語句を検索した形跡もあった。
  防犯カメラには事件の2週間前、院内の消火栓の扉に細工するような様子が映っていた。事件前夜には、ビルから約500メートル離れたコインロッカーを利用する姿や、ビルの非常階段の扉に細工するような音が記録されていたという。
 事件は昨年12月17日午前10時20分ごろ発生。27人が心肺停止状態で病院に搬送され、25人が死亡、1人が重篤。谷本容疑者も搬送後に蘇生したが、同月30日に死亡した。


容疑者、クリニックへの通院100回超 「眠れない」訴え 大阪・北新地ビル火災


 25人が犠牲になった大阪市北区曽根崎新地のクリニック放火殺人事件で、死亡した谷本盛雄容疑者(61)が平成29年3月に初めてクリニックを受診していたことが14日、大阪府警天満署捜査本部への取材で分かった。「眠れない」など訴え、通院は100回超に及んでいた。昨年12月の事件直前に通院していたことも確認され、捜査本部は谷本容疑者とクリニックの関係を調べている。

 捜査本部がクリニックの電子カルテを解析。谷本容疑者は「夜眠れない」「体がだるい」と訴えて29年3月に初めてクリニックを受診。それから事件直前の昨年12月3日まで、5年近くにわたって計112回通院していた。クリニック側との大きなトラブルは確認されていないという。


 事件は、社会復帰を目指す「リワークプログラム」の参加者が来院している時間帯に発生。火災による被害拡大を狙ってか、クリニックの消火栓や非常扉に細工がされていた。捜査本部は、谷本容疑者がクリニックの構造や患者が多く集まる時間帯について知っていたとみて、クリニックとの接点や通院歴を調べていた。


遺族らの心境に変化も 周囲に求められる「話を聞く」 北新地ビル放火殺人1カ月


 大阪市北区曽根崎新地のビルで25人が犠牲になった放火殺人事件は、17日で発生から1カ月を迎える。認定NPO法人「大阪被害者支援アドボカシーセンター」は、事件の被害者や遺族らの支援にあたっている。事件から時間がたつにつれて遺族らの心境に変化が表れることもあり、一人一人に寄り添ったサポートを進める方針だ。


 同センターは、大阪府警と連携し、被害者支援制度に必要な手続きのサポートやカウンセリングなどを担当している。センターによると、一般的に遺族らは事件直後は感覚がまひして怒りや悲しみを感じにくいが、1カ月程度たってから次第に感情が表面化するケースが多い。今回の事件では、昨年12月30日に谷本盛雄容疑者(61)が死亡して以降、容疑者本人の口から真相が聞けなくなったことに対する怒りを訴える遺族が出てきたという。

 木村弘子事務局長は「被害者や遺族は、事件について周囲から遠巻きにされたり、根掘り葉掘り聞かれたりするのが非常につらいはずだ」とした上で、「周囲の人には極力普段通り接してほしいが、もし被害者や遺族に強い怒りや悲しみなど話したいことが生まれれば、しっかり聞いてほしい」と呼び掛けている。


患者に慕われた院長 「素顔」に募る妹の悲しみ 北新地ビル放火殺人1カ月


 25人が犠牲になった大阪市北区曽根崎新地の放火殺人事件は、17日で発生から1カ月。犠牲者の一人である現場クリニックの院長は生前、自身のことを周囲にあまり語らず、感情をあらわにすることは少なかったという。だが実際は、患者の言葉一つ一つにしっかりと耳を傾け、誠実に向き合う人だった。遺族は亡くなってから新たな一面を知り、悲しみを一層募らせている。


《来年には医師の免許とって?お兄ちゃんなら必ずがんばって受かると信じている》


 かわいらしいクマのキャラクターがあしらわれた便箋には、医師国家試験を控えた兄を気遣う妹の言葉がつづられている。約25年前、当時医大生だった「西梅田こころとからだのクリニック」の院長、西澤弘太郎さん(49)に宛てた妹(45)の手紙だ。


■兄が漏らした心の内


 「まだ保管してくれていたなんてね」。妹はうつむきながら、静かにほほ笑んだ。手紙を見つけたのは、事件から2週間が過ぎた昨年末。兄の存在を感じたくて、兄がかつて使っていた大阪府松原市の実家の部屋に久しぶりに足を踏み入れた。勉強机や棚の引き出しを調べると、ファイルの中に何通もの手紙が丁寧に仕舞われていた。


 当時離れて暮らしていた兄宛てに、月に1度手紙を書いていた。返事が返ってきたことはなく、とうに捨てられたとばかり思っていた。手紙の端はところどころ折れ曲がり、何度か読み直した跡があった。「自分の本心を表現するのが苦手だったのかもしれない。会えなくなってから知ることがあまりにも多い」


 医師の家系に生まれ、子供のころから医師の道を志していた兄。ここ数年は診療のため、実家の病院と自身が開業した北新地のクリニックをせわしなく行き来し、いつも忙しそうだった。穏やかで人の話を客観的に聞くことができる兄に対し、「精神科医に向いている」と感心しながらも、「そこまで働かなくても」との思いも頭をもたげていた。


  「働き盛りの人も心の病気にかかることは多いから」。普段は自身のことをあまり語らない兄が、数年前にぽつりと漏らした。仕事に邁進(まいしん)する心の内に触れたのは、それが最初で最後だった。


■患者との「絆」


 それだけに、事件後に報道や会員制交流サイト(SNS)にあふれた、兄を悼む患者らの言葉は少し意外だった。《先生には人生を救っていただいた》《不安なときに電話をかけるといつも丁寧に応じてくれた》-。「もっと淡々としている印象だった。こんなに思ってもらえて、愛のある診療をしていたんですね」とつぶやく。


 最後に兄を見かけたのは事件の2週間前。兄が北新地のクリニックから実家の病院に車で帰ってきたところだった。運転席で患者のカルテを熱心にめくっていた。こちらには気付いておらず、邪魔をしないように声をかけるのをやめた。いつもの兄らしい姿だった。


 「誰よりも患者さんを思い、救いたかった兄だからこそ、事件を悔やみきれないはずだ」。兄の無念を感じるたび、痛いほど強く思う。「同じ悲しみを決して繰り返してはならない」


大阪ビル放火殺人、口座残高ゼロ 17日で発生1カ月、拡大自殺か


 25人が犠牲となった大阪・北新地のビル放火殺人事件で、殺人と現住建造物等放火の疑いが持たれている谷本盛雄容疑者(61)=昨年12月30日に死亡=の口座には1円の残高もなかったことが16日、捜査関係者への取材で分かった。所持金もわずかで、生活が困窮し交友関係も乏しい中、大勢を巻き込む「拡大自殺」を図ったとみられる。


 事件は17日で発生から1カ月。容疑者から供述を得る機会は失われ、動機解明は難しいが、大阪府警は生活実態などの捜査を尽くし、年度内にも書類送検する方針。ただ、犠牲者が多く遺族らへの捜査結果の説明には時間がかかりそうだ。


北新地の放火殺人 「国が十分な補償を」


 大阪・北新地の放火殺人事件について、犯罪被害者らの団体が補償について国に要望する方針で動き始めている。


 12月17日、大阪・北新地のクリニックで起きた放火殺人事件では、院長や患者など25人が亡くなった。


 事件から1か月を前に15日、会合を開いたのは「犯罪被害補償を求める会」のメンバーや支援者たち。


 事件の遺族らに対する国の給付金支給制度などについて議論し、メンバーからは「北新地の事件では家族のために再び働くことを目指した人も犠牲となり、遺族への支援は欠かせない」といった意見が出た。


 また、支給金額の拡充や条件の緩和などの必要性があるとして、今後、国に要望していくことなどを確認した。


大阪北新地の放火殺人事件 犯罪被害者は泣き寝入りしかないのか


 昨年12月、大阪・北新地の心療内科クリニックで25人もの方々が亡くなる放火殺人事件。被疑者男性が同月30日夜、入院先の病院で死亡しました。


 本来、被疑者の男性の犯行動機や経緯などが刑事裁判で明らかになり、クリニック院長など被害者の方々のご遺族の処罰感情を反映させ、刑事責任が問えるのであれば相応の刑罰が科されたはずです。
 さらにご遺族は、法律上、放火殺人という不法行為を行った被疑者男性から高額な損害賠償を受けられたはずです。
 しかし、被疑者男性死亡により刑事裁判が開かれることはなくなりました。そして、被疑者男性の資産状況はわかりませんが、その資産で、25人もの死亡賠償金、その他の被害者の治療費、同じビルの他のテナントへの賠償、ビル損傷の賠償など全額を支払うことはおそらく難しいでしょう。また、被疑者男性の親族は相続放棄をするでしょうから、これらの賠償責任を引き継ぐことも考えられません。


 つまり、加害者が死亡し、その親族が相続放棄をしてしまえば、被害者の方やご遺族は、加害者側に対して何も請求できないことになります。さらにビルの火災保険は建物や備品の賠償はしますが、通常は人の被害の賠償はしてくれません。まったく納得のできない結論ですが、これは法律上仕方がないとしかいいようがありません。このような事態は多くの重大事件で起きています。


 では補償はないのかといえば、「犯罪被害給付制度」があります。これは故意の犯罪により死亡や重傷を負われた犯罪被害者やその家族の損害を補填する国の事業です。亡くなられた方の年齢や収入、後遺症の程度などにより、多い場合で数千万円の給付金が受けられます。とはいえ裁判などで認められる損害賠償額よりは、低い水準といわざるを得ません。


 今回の事件を受けて、犯罪の被害に遭わない対策も大事ですが、貯蓄や投資、生命保険といった自分が被害を受けた場合の備えを考えるきっかけにしていただきたいです。


大阪ビル放火殺人、容疑者死亡で真相は闇の中「動機が分からないまま書類送検」小川泰平氏が解説


大阪ビル放火殺人、容疑者死亡で真相は闇の中「動機が分からないまま書類送検」小川泰平氏が解説


 25人が犠牲となった昨年12月17日の大阪・北新地のビル放火殺人事件で、殺人と現住建造物等放火の疑いが持たれていた谷本盛雄容疑者(61)=住所職業不詳=が意識を回復しないまま同30日に死亡した。元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は年が明けた2日、当サイトの取材に対し、「容疑者の動機が分からず、真相解明はできなくなった」と解説した。


 捜査関係者によると、火災現場の心療内科クリニックから心肺停止状態で搬送された谷本容疑者は30日午後7時5分に大阪市内の病院で死亡した。顔や手にやけどを負い、重度の一酸化炭素(CO)中毒や気道熱傷もあった。集中治療を施されて蘇生したものの、危険な状態が続いており、一時心肺停止になったことで脳が損傷し、心肺機能も衰えて死亡した。死因は重度のCO中毒による蘇生後脳症だったという。
 谷本容疑者が逮捕されることなく、意識不明のまま死亡したことにより、今後どのような扱いになっていくのだろうか。


 小川氏は「被疑者死亡で、殺人と現住建造物等放火容疑などで書類送検し、大阪地検が不起訴とします。書類送検で立件はできても、本人の供述がなく、本当の動機が分からないままの書類送検となります」と解説した。


 同容疑者の自宅とみられる大阪市内の住宅からは、2019年の京都アニメーション事件から2年になることを報じた今年7月の新聞記事や「放火殺人」などと書かれたメモが見つかり、事前にガソリンを購入したことも判明しているが、すべての行動についての真相は闇の中となる。


 小川氏は「事情聴取ができないまま容疑者が死亡したことで、取り調べが不可能になり、動機など事件の真相究明は極めて困難になる。容疑者が自分に当てたメモがあり、犯行準備をしていたことが分かっていても、1番重要な動機が分からない。なぜ、そのような犯罪行為に至ったかは解明できなくなった」と指摘。「被害者の方やその遺族はやりきれないと思います」と見解を語った。

 

 大阪・北新地のビル放火殺人事件の前日に現場となった心療内科クリニックの非常口の扉に、外側から粘着テープが「目張り」のように貼られていたことが判明したことを受け、元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は21日、当サイトの取材に対し、計画的な犯行に含まれる行為である可能性を指摘した。

 17日午前に発生した火災で、大阪府警は現住建造物等放火と殺人の疑いで、意識不明の重体となっている住所職業不詳・谷本盛雄容疑者(61)を特定。事件当日に24人の死亡が確認されたが、府警は21日、新たに20代とみられる女性1人が死亡したと発表したことで、犠牲者は25人となった。生存している2人には谷本容疑者が含まれている。

 同容疑者の自宅とみられる大阪市内の住宅からは、2019年の京都アニメーション事件から2年になることを報じた今年7月の新聞記事が見つかっていた。小川氏は「どこまで参考にしたか分かりませんが、その記事をわざわざ保管していたということは、その記事を読んで、どういった犯行だったかということを谷本容疑者は知っていたということが言える」と指摘した。
 また、この住宅からは「放火殺人」と書かれたメモが見つかっていたという。本人が書いたとは断定できていないが、小川氏は「容疑者がインターネットをやっていたかは分かりませんが、そういった事件の経緯などを調べていた可能性はあると思います」と付け加えた。

 さらに、捜査関係者によると事件前日の16日、非常階段につながる扉に粘着テープが貼られていたことも分かった。犠牲になった院長の西沢弘太郎さん(49)も確認し、当日までにはがしたという。

 小川氏は「ガソリンを約1カ月前に購入するなど、容疑者には入念な計画性があり、その中で、ドアが開かないようにではなく、扉の隙間から煙が逃げないよう、煙が内部に充満すするようにするために目張りをしていた可能性はある」と推測。その上で、同氏は「目張りに関して、本人がやったと明らかになれば、多人数を無差別的に殺害することを前提に犯行に及んだ可能性が考えられる」と見解を示した。

 

 


 以上のように事件後の補償の問題が問われてきていますが、どなたも、こうした事件を再発ささないような方法を提言される方はいらっしゃいません。そして、この事件をこのブログとしては場違いなテーマとして「報道されない事実」として取り上げました。
 今回の事件が起きた際に、真っ先に標的となったクリニックの院長の人柄のよさ、患者から極めて評判がよいということでした。私にとっては、真っ先に違和感を覚えたがために、ブログで取り上げました。そもそも、精神科・心療内科専門のクリニックで、患者さんに慕われ、よい医師とは、どのような医者なのか、老朽化した頭脳を振り絞って考えてみました。そうすることで、ある事実に気が付きました。それは、よい医師とは、患者さんにとって、極めて”都合のよい”医師であることが絶対的な条件のようです。
 精神科・心療内科領域の病気とは、謂わば「障害者」なのです。健康人が病気になるのではなく、精神科・心療内科領域の病気とは、生まれつき障害を抱えた存在であり、病気を克服することは、自分の障害に見合った職業を見付けることである。これが原則です。
 確かに、発達障害の場合は、こうした考え方が通例であるかもしれませんが、それでは、うつ病の場合、このような対処の仕方が正しいのでしょうか。うつ病を患者さんの希望するまま、自由に経過を診ていれば、どのようになるのでしょうか。


    うつ病治療の考え方
     
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12720518931.html


 うつ病の治療方針は、最近では、この方針が一般的になっているようです。
 ということは、患者さんが、自由気ままにするに任せれば、治るものもなおりません。
   精神科・心療内科領域の病気は、現在、いろいろなものが形を変えて出てくるようになりました。このため、一般的な医師には到底理解出来ない疾患も多々あります。卑近な例では、「医者になれないから、殺人を犯す」「自殺するために道連れを・・」等々、およそ理解不能な理屈で殺人を正当化しようとする人間もでてきました。こうした方々にも評判を気にされ、迎合してまで診療されるのでしょうか。


   マスコミで報道されない事実・・
    
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12716680470.html


 において指摘しましたが、クリニックを開設する際の場所の選定です。医院という組織は、院長だけが好ければ済む問題ではありません。医院をサポートしてくれる従業員は当然必要であり、医院の財源ともなる患者さんの身の安全には当然配慮しなくてはなりません。院長自身の安全はどうでもよいといった”博愛精神”だけでは医院の開設は当然のこととして無理な話です。ということは、従業員・患者さん・自分自身の身の安全が確保できて初めて、医院としての診療が成り立つはずのものです。こうした3つのうちのひとつでも欠ければ、患者さんに好評なクリニックとはなりえません。今回の院長には、このような基本的な知識そのものが欠如していることになります。こうした点は若い医師にありがちですが・・

 我が身を省みずに診療に当たることが如何にも崇高のように報道されていますが、このような考えが、如何に身勝手なものかを考える必要があります。消防法上は問題もなく、保健所の認可にも問題がなく、崇高な精神で診療が行われていたにも関わらず、悲惨な事故が現実に起きたわけです。となれば、どこかに問題が無ければ、事故は起きなかったはずです。こういったことから保健所の認可における不備、第三者の身の安全に対する配慮が欠如していたため起きたということです。このようなことは国の責任であることから、一切、不問に付されているということです。まさに、無責任、極まりないということです。以前から、こうしたことは、医院を開設する医師の責任を見越して、認可されていたということを忘れてはなりません。ということは、現在の医師にはこうした責任すら自覚していない”輩”が、無節操に開設の申請を提出し、大事故を引き起こしたに過ぎず、責任の所在を曖昧にさせる目的で、『崇高なお医者さん』という美辞麗句がどうしても必要であり、最後はお涙頂戴式に幕引きを考えたということです。
 さらに、その上で、医学的に診て最先端の、それも、患者第一に考える医療そのものを提供する必要があります。特に、うつ病では、確実に・最短距離で治す治療をめざす必要があります。ここでは、患者さんに迎合するような治療などあり得ない話です。患者さんのための医療と、患者さんに迎合する医療を混同しています。患者さんに迎合する医療が、崇高な医療と煽てられ、患者さんの言いなりになっている医師が、精神科・心療内科では如何に多いかを知っておく必要があります。ここに、精神科・心療内科の医学的知識がまったく無くても、大手を振って診療できるようになっています。ということは、抗精神薬に副作用に関する知識など、あろうはずもありません。このような医師に国が精神科・心療内科医療を認めているということです。このため、ベンゾジアゼピン依存症の患者さんは、患者さんの言いなりの診療を行っているために、次から次へと量産され、こうした薬剤の離脱症候群の地獄へ陥れられることになっています。ですから、私達は、自分の身は自分で守らなくてはなりません。国は一切、こうしたことを取り締まることはありませんから・・・


 問題の谷本容疑者は、「夜眠れない」「体がだるい」と訴えて29年3月に初めてクリニックを受診。それから事件直前の昨年12月3日まで、5年近くにわたって計112回通院していたとのことです。電子カルテの解析結果はここまでしか明らかにされていませんが、果たして「不眠治療」を根本的に行っていたのでしょうか? 仮に、行っていたとすれば、このような長期に渡って通院する必要はなかったはずです。となれば、途中で、このような記載がカリテ上に残されているはずです。ないところをみれば、睡眠剤の投与だけで済ましていたことになり、5年間の長期間このようにすれば、どのようになるのか想像できなくはありません。そうです。ベンゾジアゼピン依存症を作ってしまうことです。
 詳しくは、以下をもう一度ご覧下さい。


     ビル火災の事件を取り巻く様々な見解 その2
       https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12717210162.html


 ということは、西沢院長が誰もから慕われる医師であったということが、私にとって ???? でしかありません。


  谷本容疑者は仲間と自転車で居酒屋にやってきたという。

「最初は競馬の新聞を見ながら『惜しかった』『アクシデントがなければ』と和気あいあいと残念会のように語り合っていた。谷本容疑者はタニさんと呼ばれていましたね。酒が入って1時間ほど経過すると、急に谷本容疑者がブチ切れた。『騎手が悪い。それで大損したじゃないか』などと言い出した。飲み仲間がなだめて、いったんは収まった。しかし、また怒り出して、立ち上がり、椅子を手にし、『くそー』などと暴れそうになった。私も他のお客様に迷惑になるので『まあまあ』と割って入った。しばらくすると、谷本容疑者は白い錠剤を手に持っていた。たぶん、10錠くらいあったと思う。それを口に含んで、焼酎で流し込んだ。気づいた飲み仲間が『やばい、また暴れるぞ』と谷本容疑者を店の外に出し、どこかに連れて行った」(Aさん)

 それから1週間ほどして、飲み仲間がAさんの店にやってきた。

「あの夜はタニさんがクスリと酒を飲んで切れてしまって手が付けられず、えらいことになったとぼやいていました。谷本容疑者がうちの店でも酒を飲んで暴れ、悪態をつくことが、2、3回あった」(同前)

 記者は谷本容疑者と場外馬券売り場に一緒に行っていた飲み仲間のBさんもこう証言する。
「タニさん、ここ1、2年くらいは昼から飲んでいた。放火した心療内科に通い、『クスリを飲んでも治らない』と精神科医の文句を言っていた。こんなとんでもない犯行に及んだのは、クスリを酒で流し込んでブチ切れてしまったのではないかと思う。タニさんは気に入らないことがあると、クスリを取り出して、ビールや焼酎と一緒に飲む。当然、その後はとんでもないことになる。酒を飲まなければ、気のいいおっちゃんで、放火殺人なんて大それたことなどできるように見えない。
  こういった事実をどのように捉えるのか・・ということです。


 結局、精神科・心療内科を標榜して、今回のような雑居ビルでクリニックの開設を一切認可しなければ済むことです。これを止めないことには再発は防ぐことは不可能です。
 精神科・心療内科を標榜して開設する医者は、医者の吹き溜まりのようなものであり、諸悪の根源にもなっていることを忘れてはなりません。私の同級生も、精神科・心療内科を自己流で学び 精神科・心療内科を標榜して、和歌山県下の総合病院で80歳にもなってなお、精神科を詐称し、診療しています。これが現実の姿です。
 なぜ、可能なのかは、患者さんに望まれる医療さえすれば、患者さんの言いなりになりさえすれば、「患者さんに慕われる医師」として迎え入れられるからでしかありません。
 この際には、精神科学的知識の優劣は一切問われていないということです。そして、このようなペテン師の医師は、腰が低く、口も達者で、悩める患者さんは赤子の手をひねるようにイチコロで騙される寸法になっています。
  精神科・心療内科を標榜して開設する医者は、管轄する保健所が厳重に、従業員および受診患者さんのみの安全が担保されているかどうかを点検し、申請医師の身元確認を行った上で認可すべきです。
 そうでもしなければ、薬物依存の問題は何時になっても解決しないからです。素人には認可すべきではありません。


 また、最近の自殺願望者の供述では「医者になるために、東大に入ることを目指していたが、1年前から成績が振るわなくなり、自信をなくした。勉強が嫌になり、事件を起こして死のうと思った」とあります。医者になろうとする高校生の段階から、この有り様ですので、医者の値打ちもオチに墜ちたもので、私達はやりきれない思いがします。
 このことは、社会全体の問題として考えていく必要があります。