これまで慢性頭痛の発症過程は、以下の段階を踏んで発症すると述べました。
第1段階 「酸化ストレス・炎症体質」の形成
第2段階 姿勢の悪さ
第3段階 ホメオスターシスの乱れ(自然治癒力の低下)
第4段階 「脳過敏」を形成する要因の付加→片頭痛へと進展
第5段階 慢性片頭痛
そして、緊張型頭痛と片頭痛の基本的な差異は、ミトコンドリアの活性低下という”遺伝素因”の有無でしかありません。
以上のように慢性頭痛の発症過程の概略について述べました。
片頭痛の発症の要因として、以下の3つの大きな柱があります。
1.ミトコンドリアの関与
・20歳位までは、解糖系が優位
・20~50歳代:解糖系とミトコンドリア系の比率が1対1
(年代により、多少の比率は変わります)
・40~50歳代:解糖系からミトコンドリ系への移行が強くなります。
・60歳代以降:ミトコンドリア系が優位
2.セロトニン神経系・・脳内セロトニンの低下
女性では、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量に左右されます。
エストロゲンが低下すれば、脳内セロトニンが低下します。
男性では、ストレスの影響によって、脳内セロトニンが低下します。
3.「姿勢の悪さ」→「体の歪み(ストレートネック)」
本来、「慢性頭痛 発症過程」に従って、第1段階、第2段階、第3段階、第4段階へと段階を踏んで、治療を進めていくことが原則です。
最も大切なことは、日常的に感じる極く軽度の頭痛の段階から治療しなくてはなりません。女性の場合、初潮の始まる時期に片頭痛を発症することが最も多く、この初期の段階で、徹底的に、”片頭痛発症の芽”を摘んでしまうことが何よりも重要なことです。
慢性頭痛治療の原則
慢性頭痛の治療原則は、単純に言えば、「規則正しい生活を行って、食事をバランスよく摂り、睡眠を十分にとり、適当に体を動かし、姿勢を正しくし、リラックスする」ことです。ただ、これだけのことです。
「規則正しい生活」とは、生まれつき体に備わっている生体リズムに沿った生活という意味で、最も自然で健康的な生活と言えます。
生活のリズムは恒常性(ホメオスターシス)によって維持されています。
「食事をバランスよく摂る」ことは、ミトコンドリアがエネルギー産生を行うためと、脳内セロトニン産生を行うために必須の条件になります。
「睡眠を充分とる」ことは、日中に傷ついたミトコンドリアの修復に不可欠であり、早寝・早起きはセロトニン神経の活性化に大切になります。
「姿勢を正しくし、背筋を伸ばす」ことはミトコンドリアを活性化させます。
このことは、体の歪み(ストレートネック)の予防に繋がってきます。
「リラックスする」ことは、自律神経を調整するために必要で、ストレス耐性の体づくりにはセロトニン活性化が不可欠となってきます。
1.「健康的な生活」 を送るために
姿勢に対する配慮
運動不足にならないようにする
バランスのよい食事を摂る
2.「自然治癒力」を高めるために
自律神経を整えること→セロトニンの活性化
「オメガ3」と「オメガ6」のバランスよく摂取する
腸内環境を整えること
この2つが、基本中の基本となっていることを忘れてはなりません。
なかでも、「規則正しい生活を送る」ことが、基本になっています。
慢性頭痛発症のスタートは生活のリズムの乱れにあることを忘れてはなりません。
結局、片頭痛を改善させるには、ミトコンドリアの働きを悪化させる要因を取り除き、かつミトコンドリアの機能を改善させることです。
そして、脳内セロトニンを如何にして増やすかの工夫を凝らすことです。
そして、姿勢を正しくする習慣を身につけて「体の歪み(ストレートネック)」を作らないことです。
これらは、各項目別に詳しく述べました。
この3つが基本になっています。むずかしく考えないことです。
女性の片頭痛の場合・・、
女性特有のライフステージに合わせて、重点的に治療のターゲットを決めていく必要があります。
ミトコンドリアの機能を回復させること
脳内セロトニンを増やす
体の歪み(ストレートネック)の是正
すなわち、片頭痛が発症した思春期から30歳代は、「脳内セロトニンを増やすことに、エストロゲンの分泌の低下し始める35歳以降から45歳代は、「ミトコンドリアの機能を回復させること」に重点をおくという大雑把な考え方が必要になります。
体の歪み(ストレートネック)の是正は、全経過を通じて必要とされます。
思春期の初潮が始まる時期に片頭痛は発症してきます。この時期では・・
1.脳内セロトニンを増やすことです。
2.ミトコンドリアを弱らせる要因への対策を徹底することです。
この2.のなかで、女性特有の問題点をクリアすることです。
マグネシウムの補充
脂肪の摂り過ぎ・オメガ3とオメガ6の摂取バランスに注意
腸内環境を整えること・・便秘対策
ミトコンドリアを弱らせる要因として、女性特有な問題が存在します。
それは、マグネシウムの問題、脂肪の摂り過ぎ・必須脂肪酸のオメガ3とオメガ6の摂取のアンバランスの問題、腸内環境の悪化の問題の3つです。
これらは、第3段階目の「自然治癒力(ホメオスターシス)」の低下に直結する問題点にもなってきますので極めて重要な位置を占めています。
マグネシウム不足は、ダイレクトにミトコンドリアを弱らせる要因にもなり、さらに第4段階目の「脳過敏」を引き起こす要因にもなってきます。
マグネシウムは、私達の生活環境では容易に不足しやすい状況にあります。
マグネシウムの補充は、毎日、コツコツと行うことが肝心です。
「必須脂肪酸のオメガ3とオメガ6の摂取のアンバランスの問題」は、ミトコンドリアの膜構造を形成しているところから、この問題を是正しても、直ちには効果が発揮されることはありません。私達の体の構造が作り替えられまでには、最低でも半年から1年を必要とされることを忘れてはならない点です。
腸内環境の悪化の最大の原因は「便秘」です。便秘は女性特有な要因から引き起こされる、女性全般に共通した問題となっており、工夫が求められています。
これらを、最初の段階で行っておくことです。
これらが、「自然治癒力を高める」ことにも繋がってきます。
ということは、以後、これを継続して行っていく必要があります。
それは、女性の片頭痛の場合、ミトコンドリアの活性低下という遺伝素因を元々、生まれつき持っているからで、このミトコンドリアを弱らせる要因が、再度浮上すれば、片頭痛は再発してくることになります。
そして、これが継続される限りは、40歳以降になっても、片頭痛が増悪することはないはずです。これを怠れば、難渋することになってきます。
しかし、先述の基本原則は貫いて行っていく必要があります。
女性の片頭痛は、女性ホルモンのエストロゲンの分泌が始まる初潮の時期に発症してくることから、これまで述べてきたことを、すべて平行して改善・是正させていく必要があります。
ということは、改善させていく順番はないということを意味しています。
ただ、これまでのあなたの生活習慣と照らし合わせてみて、問題点の有無を抽出していくことも、大切になっているということです。
思春期の片頭痛治療上の注意点
この段階では、女性ホルモンのエストロゲンの分泌が始まったばかりです。
女性では、「脳内セロトニン」を産生する能力が低いため、片頭痛を発症させる大きな原因になっていますので、まず、「脳内セロトニン」を如何にして増やしていくかを第一に考えていくことが大切になってきます。
そして、さらに大切なことは、エネルギー産生系は、解糖系が優位になっています。
ということは、ミトコンドリア系は優位にはなっていません。
ですから、この時期にミトコンドリアの働きを悪化させる要因が加わることによって、益々、ミトコンドリアを弱らせることになります。
そうなれば、セロトニン神経系の機能まで低下することになります。
この時期で、ミトコンドリアの働きを悪化させる要因は、睡眠不足とストレスです。進学を考え、睡眠時間を削ってまで勉強に励むことは考えものです。
スマホで遊ぶことで夜更かしをすることは、最も慎むべきことです。
35歳以降から45歳代の時期
35歳以降から45歳代の時期では、手っ取り早く、分子化学療法研究所の後藤日出夫先生の提唱される、”片頭痛体質改善のための「3つの約束」”を実行されるのが”最も適当”と思われます。この詳細は先生の著書をご覧下さい。
ただ、30歳以降から45歳代の頃は、ストレスも多くなる時期ですので、ストレス対策の目的で、合わせて、「脳内セロトニンを増やすこと」が必要になってきます。
40 歳を超えた方々の片頭痛
皆さんのなかで、40 歳を超えてから片頭痛が一段と増悪してきて、お困りの方々も多いのではないでしょうか?
生理時に片頭痛が起きれば、どなたでも毎月のことであり、さほど気にされない方も多いのではないでしょうか?(生理時の片頭痛で困る場合は、トリプタン製剤が余り効かない場合に問題にされる場合ぐらいでしょうか)
ところが、40 歳を超えてから片頭痛が一段と増悪してくる場合は、悲惨な方々が極めて多いのが特徴です。このように至る理由は、いろいろあります。
このような状況に至ってしまった方々は、どのようにすればよいのでしょうか?
これまで、予防薬をいろいろ組み合わせて治療されますが、確実に効くようなものはないのが実情です。
このため、従来通り、トリプタン製剤を月に20回以上も服用しながら対処せざるを得なくなっています。専門家が、”特効薬”と言われる以上は、この命綱を中止することもできず、患者さんの苦悩は想像を絶するものがあります。
このような場合、名古屋の寺本 純先生は、ボツリヌス療法を提唱されますが、その改善率は80 %前後とされ、あとの20 %は効かないとされ、さらにこのような治療法は保険の適応にはなっていません。ただでさえ高額なトリプタン製剤を服用させられられながら、さらに自費でボツリヌス療法を受けるようになれば、まさに踏んだり蹴ったりの有様です。
こういったことから、私達は、このようなトリプタン製剤による薬剤乱用頭痛に陥らないように工夫をしていく必要があります。このため、片頭痛発症早期から、対処すべきと、これまでも申し上げてきたことです。
このように、40 歳を超えてきて発作回数が増えてきた場合は、なるべく早いうちに対処しなくてはなりません。
こうした慢性化させる要因を念頭に置いて対処していく必要があります。
40 歳を超えた方々の頻発する片頭痛への対策として・・
女性ホルモンのエストロゲンは活性酸素を消す「女性の強い味方」
エストロゲンには、活性酸素を消す抗酸化作用があります。その抗酸化力は抗酸化ビタミンであるビタミンCやビタミンEなどよりもはるかに高く、活性酸素から女性の心と体を守る強い味方として働いているのです。
成熟期の健康な女性はエストロゲンが十分に分泌されており、脳の視床下部などにある活性酸素はエストロゲンによって消され、増えすぎることはあまりありません。
しかし、更年期の女性はエストロゲンの分泌量が急激に減少することによって活性酸素を消す力が弱まるため、体が活性酸素にさらされやすくなります。
活性酸素を消すと更年期障害は軽くなる
更年期障害の女性の脳内は過剰な活性酸素にさらされていて、症状が重い方は活性酸素を消す力が低下して、脳機能の低下や調節力の乱れが生じやすくなっています。この過剰な活性酸素が、うつ状態、もの忘れ、不安感、そしてホットフラッシュなどを引き起こす大きな要因といわれています。
従って、過剰な活性酸素を消すことが更年期障害を軽くする重要なポイントなのです。
活性酸素を消す2つの方法
●1.亜鉛・セレンを摂取して酵素の数を増やすこと
SODやGH-Pxなどの酵素は多くの活性酸素を消すことができますが、必須微量ミネラルの亜鉛・セレンなどの摂取が不足すると酵素の数が減少します。現代人は必須ミネラルが摂取不足の傾向がありますので、亜鉛・セレンなどのミネラルをしっかり補給して酵素を増やし、過剰な活性酸素を消して更年期をさわやかに過ごすことが大切です。
●2.抗酸化物質を積極的に摂取すること
最強の抗酸化物質でもある女性ホルモンのエストロゲンのように、活性酸素を消す抗酸化物質を積極的に摂取することが大切です。ビタミンCやビタミンEなどにも活性酸素を消す力がありますが、細胞内には吸収されにくく、効果が出にくいようです。
近年カキ肉からビタミンCやビタミンEよりも活性酸素を消す能力が高く、しかも細胞内に吸収されやすい抗酸化物質「CG7」が発見され注目されています。吸収されやすい抗酸化物質を摂取し、活性酸素を効果的に消して、すがすがしい毎日を送りましょう。
40 ~ 50 歳代では、解糖系からミトコンドリ系への移行が強くなります。
この時期では、女性ホルモンの一つ、エストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌量が減ってきて、やがて分泌されなくなります。こうした体の変化がホットフラッシュ(のぼせ)・ほてり・発汗・イライラ、うつ症状といった更年期の症状(更年期障害)を引き起こしていると考えられています。
この時期は、エストロゲンの分泌低下に伴って、ミトコンドリアの働きを悪くする活性酸素の増加してきます。エネルギー産生系も解糖系とミトコンドリア系のバランスがとりにくい時期に相当します。
40 歳を超えてきますと、コエンザイムQが低下してくることによって、ミトコンドリアにおいてエネルギーが十分に産生されなくなってきます。特に脂質です。
脂肪は燃焼するには、まず、燃えやすい遊離脂肪酸に変化し、血液の中に流れ出します。そして、各細胞内のミトコンドリアへと流れていきます。遊離脂肪酸は”L-カルニチン”・コエンザイムQがないと、ミトコンドリアの中に入ることができません。
この2つが不足すれば、脂質は燃焼されないことになります。
このため遊離脂肪酸が血中に高濃度になり、片頭痛を引き起こすことになります。
体の中で消費されずに貯まった脂肪分は、プロスタグランジンの原料になります。体の中には脂肪分が余っていますから、プロスタグランジンも多く作られてしまいます。
緊急時には、細胞が脂質を分解して、私たちの体を守る物質を作ってくれます。
例えば、私たちの体に病原菌などが感染してしまったとき、病原菌が感染した周囲の細胞からプロスタグランジンやロイコトリエンという物質が、細胞膜の脂質から作られます。 プロスタグランジンやロイコトリエンは、病原菌を退治してくれる白血球という細胞を病原菌が感染した部位に集める役割を持ちます。オメガ6からのアラキドン酸が問題です。
このようにして、片頭痛が出現しやすくなります。
さらに、この年齢では抗酸化物質であるスーパー・オキサイド・ディスムターゼ SODの産出能力は25歳から下降しはじめ、40歳を過ぎて急速に低下してきます。このようなことから活性酸素が過剰に残存することによって、ミトコンドリアの機能は低下します。 過剰に残存する活性酸素が片頭痛発作の原因にもなってくるため、発作は増強してくることになります。コエンザイムQも同様です。
このようなことから過剰に残存する活性酸素に対する対策が必要とされます。
このためには、女性ホルモンのエストロゲンの分泌の低下に対しては、エストロゲン様作用を有する補助食品を摂取していきます。
さらに、抗酸化物質を積極的に摂取することが、大切になってきます。
大豆イソブラボンが勧められています。
高麗人参はペプチド、アミノ酸類、ビタミン、ミネラルなどたくさんの健康に必要な成分を含んでいますが、この中で特に注目されるのはジンセノサイドという高麗人参特有のサポニンを含んでいるところです。
サポニンは脳の副腎皮質ホルモンの分泌を促す働きをします。
副交感神経が優位になると精神がリラックスしてきます。更年期の時期は自律神経の乱れから交感神経が昂りイライラやストレスの増加、不眠などになりがちです。
このような症状も副交感神経を優位にすることで自然と抑えてくれるのです。
更年期特有の精神的なイライラ・モヤモヤ・落ち込み・鬱状態などをやわらげ、不眠などの緩和も期待できるのがサポニンなのです。
他にも「ローヤルゼリー」はエストロゲンと同様の作用を持つと言われています。
ローヤルゼリーは女王蜂だけが食べられる蜜のことで、普通のはちみつに比べると高い栄養価が特徴です。
女王蜂だけが食べることを許されているわけですから、女性にとって良い成分がたくさん含まれているというわけです。
強い抗酸化作用を持つ成分として有名なものに「ポリフェノール」があります。
ポリフェノールには様々な種類がありますが、どれも強い抗酸化作用を持っており、植物の寿命の長さを支えているのはポリフェノールだとも言われています。
ポリフェノールは健康に良いとされ、ワインやチョコレートなど、ポリフェノールを含む食品は注目を集めていましたが、更年期障害に対してもそれは例外ではありません。
ポリフェノールの抗酸化作用によるアンチエイジング効果で、更年期障害が緩和できるとされています。
更年期障害は「のぼせ」や「ほてり」から来るだるさに加えて、「頭痛」や「眩暈」の症状が起こる方も多く、身体の元気が無くなっているような感覚を覚えます。
そんな中でも仕事や家事に追われ、ストレスが溜まっていく一方です。
そんなときに必要なのは「マカ」や「ギャバ」など、ストレス緩和や活力増強に良いとされる成分です。
ビタミンB9(葉酸)やビタミンB12などの血行促進を支えるビタミンや、カルシウムなどといった基本的な栄養素も、更年期になると摂取量が減ってしまうので積極的に摂っておきたい成分です。セサミンなどもおすすめです。ゴマのことです。
基本的にはどれも食品から摂ることが可能な成分ではありますが、毎日十分な量を食事で摂るのは難しいという場合は、サプリメントなどをうまく利用するのがおすすめです。
自分の食生活や症状を照らし合わせた上で、自分の合う成分の配合されたサプリメントを利用するとよいでしょう。
先述の「3つの約束」のなかにも含まれていますが、とくに大切なことはマグネシウムと脂肪の摂り方・オメガ3とオメガ6の摂取バランス、トランス脂肪酸を摂取しないことです。脂肪の摂り過ぎになっていないか、まず点検しなくてはなりません。
これまでも述べてきたことですが、ミトコンドリアの膜構造を構成する必須脂肪酸の摂取割合を変えてもすぐには効果は現れません。体のなかのすべてのミトコンドリアの膜構造が変わるためには、少なくとも3カ月から半年は必要になってきます。1年以上はかかるものと思っていた方がよいということです。
このように、極めて徐々にしか作り替えることができないものです。
このため、効果が発揮されるまでは、気長に対処していくしかありません。
片頭痛体質である「酸化ストレス・炎症体質」を改善させるためには、このような長期間が必要とされるということです。
その上で、「体の歪み(ストレートネック)」を改善させていく必要があります。
そのためには、姿勢を正しくし、首反らしの姿勢、背骨伸ばしのストレッチを毎日欠かさずに行っていくことです。
「体の歪み(ストレートネック)」を、この年齢になってから根本的に改善しようなどとは思わないことです。あくまでの「対症的に」対処すべきであり、ここにレーザー照射療法を加えれば、鬼に金棒ということになります。
このように、40 歳まで放置すれば、改善させるためには、1年以上は苦労を強いられることになりかねません。ということは、思春期に発症してから、その後、どのような経過を辿って、こういった状況に至るかは分かりきったことです。そうなれば、思春期に発症した段階もしくは、結婚するまでには治しておくのが賢明ということになります。
結局、片頭痛を甘く見過ぎることが、このように難治性の片頭痛に至る根本的な原因があり、トリプタン製剤で片頭痛という辛い頭痛が緩和されれば、これで満足することに問題があります。
トリプタン製剤を服用しておりさえすれば、片頭痛が治ると公言してきた専門医の責任は重大と言えます。
男性の片頭痛場合
これをもとにして考えれば、男性には、生理がなく、さらに、”女性のように健常男性より 約52%「脳内セロトニン」を産生する能力が低く、またセロトニンの前駆物質であるトリプトファンが欠乏すると、女性では「脳内セロトニン」合成が男性の4倍減少する”、ということもありません。
これを引き算して、男性の片頭痛を考えればよいということです。
しかし、男性では、その代わりに、仕事上の問題から、ストレスが女性とは比較にならない程あることと、「規則正しい生活を送ること」が困難なため睡眠不足が重なることが多い社会環境に置かれています。
すべての企業が優良企業とは限りません。仮に、優良企業であっても、新入社員が必ずしも優遇される企業は少ないはずです。このような例は、いくらでもあり、残業時間が極めて多く、自殺者も出てきてよく報道される程です。
ブラック企業、中小企業も多いのが日本の社会です。こういった会社に大学を卒業後、放り込まれることによる身体的・精神的なストレスは想像を絶するものです。
このことが、「脳内セロトニンを低下させる」根源ともなってきます。
このように考えれば、女性のように「生理がない」だけのことであり、同様に、「脳内セロトニンは低下する」ことになります。
このようなことから、男性では、20 歳前後に、片頭痛を発症させることが多い理由にもなっています。女性よりは、多少とも、発症年齢が遅くなるだけのことです。
そして、食生活の問題、マグネシウム不足・脂肪の摂り過ぎ・インスタント食品の頻繁な利用・野菜不足などによってミトコンドリアの機能を悪化させることによって片頭痛を発症させることになります。
とくに、独身で、外食の多い場合に注意しなくてはなりません。
このように考えれば、いかに「規則正しい生活」が送れない日本の社会になっているということです。
これが、片頭痛を引き起こす最大の要因ともなっています。
これを是正しないことには、片頭痛そのものは改善させることは到底不可能なことは理解されるはずです。
ですから、出来もしない机上の空論と蔑まれる理由にもなっています。
男性にも女性にも共通していることですが、・・
人によっては、ムチウチを契機もしくはムチウチを経験後暫く経過した後、片頭痛を発症させることもあります。こうした片頭痛は、これまで述べてきたような片頭痛一般の症状とは異なっています。
このような場合は、「体の歪み(ストレートネック)」の改善・是正だけで片頭痛が改善されてしまう場合もあります。このような治療を行う際には、レーザー照射療法が威力を発揮することになります。
また、症状の上で、予兆・前兆を伴うかどうか、どのような症状があるかを見極めてターゲットを絞ることもひとつの考え方・方法と思われます。
といいますのは、このような症状の上で、予兆・前兆を伴わない方々もおられるからです。いつの間にか、片頭痛へと移行される方々ということです。
こういった方々は、「体の歪み(ストレートネック)」の是正を重点的に行うべきです。 特に、過去にムチウチの事故に遭遇した直後、もしくは暫く経過してから、片頭痛が発症したり、これまでの片頭痛が増悪してきた場合には、考えておくべきです。
このように柔軟に対処していくべきと考えます。
最初から、すべてを完璧に行おうとされれば、当然、無理があります。
現在、自分がどのような年代にあり、片頭痛発作時の症状(予兆・前兆の有無)、発作時以外の時期にどのような症状があるのか(腰痛、めまい、アロデイニア等です)を考えた上で、これを基にして、あなたの片頭痛を引き起こしている要因を探ることも大切になってきます。
このように多面的に考えていく必要があります。
以上、共通して念頭に置いておくべきことは、以下の5つです。
1.マグネシウムの補充です。
これは片頭痛治療の要になっています。
2.必須脂肪酸の摂り方です。
3.腸内環境を整える
4.脳内セロトニンを増やす
5.体の歪み(ストレートネック)の是正
最後に、忘れてはならないことは遺伝素因とされる母親から引き継がれたミトコンドリアの働きの悪さ(活性低下)の程度です。これは人それぞれであり一律に悪いわけではなく千差万別です。極端に悪ければ、子供の頃から片頭痛を発症させることになります。
この程度が極めて軽ければ、最初に述べたような段階を踏んで進展することになりますが、このような発症過程は和歌山の紀南地区といったように近畿地方の片田舎が多いようですが、都市部では、このような悠長な進展の仕方はせず、ほぼ同時進行と考えたほうがよいと思われます(あくまでも、分析的に述べたにすぎません)
女性の場合は、健常男性より 約52%「脳内セロトニン」を産生する能力が低く、またセロトニンの前駆物質であるトリプトファンが欠乏すると、女性では「脳内セロトニン」合成が男性の4倍減少する”ために、一般的には初潮の開始時期に発症します。
このように遺伝素因とされる母親から引き継がれたミトコンドリアの働きの悪さ(活性低下)の程度は、患者さん個人個人で千差万別であり、このため発症時期が人それぞれということです。このことは忘れてはならないことです。
子供の片頭痛を理解するために・・
人は一生かけて解糖系とミトコンドリア系の2つのエネルギー生成系をシフトさせていきます。子供時代は解糖系が優位ですが、大人になるにつれ、1対1に調和していきます。60代から70代になると、解糖系が縮小しミトコンドリア系が拡大し、最期を迎えます。とくに、10歳以下では、これが顕著になっています。
子供は解糖系ですので、瞬発力できびきび遊びますが、乳酸が溜まり易くすぐ疲れます。 エネルギー効率が悪いので、10時や3時のおやつも含めて沢山食べる必要があります。
成長とはまさに全身で活発に細胞分裂が起こっていることです。こういう子供特有の性質は大体18歳から20歳で終わり、成長が止まります。
私達は心配事が続いたり忙しすぎて寝不足が続いたりすると、低体温や低酸素になります。このようにして、エネルギー産生系は解糖系になってしまいます。
子供の片頭痛の特徴として、特に10歳以下の子どもに、急性的な頭痛が起こることがあります。つい先程まで元気に遊んでいたと思ったら、急に顔面蒼白となって元気がなくなり、しばらくすると何事もなかったかのように再び遊び出したりします。
片頭痛の発作が生じると眠くなり、また睡眠によって痛みが治まることがあります。
朝ごはんを食べないことが、片頭痛の発作に引き金になるとされています。
これまで述べましたように、10歳以下の子供では、エネルギー産生系は解糖系が主体になっていることから、つい先程まで元気に遊んでいても、すぐにエネルギー切れになり、生まれつきミトコンドリアの働きの悪さを母親から受け継いでいるため、運動中に、容易に、活性酸素が生み出されることによって、片頭痛発作を誘発してきます。
ここに、朝ご飯を抜けば、エネルギー源となるブドウ糖が足りなければ、体操の授業後には、まさにガス欠になってしまい、発作を誘発させてきます。
一眠りした後に頭痛が軽快することはよく経験されます。これは、寝ている間に、活性酸素等で傷ついたミトコンドリアが修復されることによって、頭痛が軽快したものと思われます。
小児のストレートネック
カイロプラクター・整体師・鍼灸師さんは、以下のように見解を述べておられます。
「片頭痛がある子どもは、肩こりや自律神経失調症を合併している場合がほとんどで、体のバランスの崩れも影響していると考えられます。
頭痛で来院される患者さんの多くに、姿勢の乱れによる首の緊張が診られます。
首は、重い頭を支えているので、少しの体のバランスの崩れが影響する部位です。
首(頸椎)は、脊柱の上から7つ目までの骨で構成されていて、それぞれがスムーズに動くことによって、首を前後左右に動かすことが出来るようになっています。
脊柱は、横から見るとゆるいS字カーブを描いていて、これを生理的湾曲と呼ぶのですが、このカーブの乱れが、首や体のいろいろな部分に不調をもたらします。
子供は脊柱の形成が未発達であり、脊柱の生理的湾曲(S字カーブ)が完成されていません。更に運動不足による筋力の低下により、S字カーブがきちんと形成されないばかりか、姿勢を維持する事が出来ない子供が増えています。
脊柱は、長い年月をかけて作りあげられます。S字カーブの形成の乱れが、いろんな病気に波及しますので、子供の姿勢を以下の点からしっかりチェックする必要があります。
正座がきちんとできるか。
あぐらがかけるか。
まっすぐに立っていられるか。(傾いていないか。)
首の回旋がきちんとできるか。
(前後左右に均等に動かせるか。)
猫背などの姿勢の悪さは、体全体の歪みですので、できるだけ早いうちにバランスを整えることが大切です。
以上のように述べ、小児の片頭痛でも「体の歪み」との関連性を指摘されております。
また、歯科医の内田信友先生は、以下のように指摘されておられます。
子供が片頭痛を起こしやすい原因としては以下の理由が考えられます。
長時間、変な姿勢でゲームをやっている
小型のゲーム機などを長時間やっている
食生活(栄養バランス)に偏りがある
ストレスを溜め込んでいる
首の骨が歪んでいる
最近の子どもはゲームやパソコンを長時間続けてやっている子が増えてきています。また、ゲームだけでなく変な体勢で本を読んだり、テレビを観ている子も要注意です。
姿勢が悪いと、肩こりや体の筋肉が緊張してしまい頭痛を引き起こす原因となります。
子供の姿勢には注意が必要です。
そして、「背骨伸ばし」のストレッチで、大半の小児片頭痛が軽快すると述べておられます。
ここでコマーシャルです
頭痛が気になったら・・
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12644567389.html