前回はダイエットとの関連からデトックスを考えました。
今回は、片頭痛治療との関連から考えていくことにします。これは、最近問題になってきた「化学的過敏症」との関連から、看過できないからです。
有害物質
有害物質が体内に多く残っていますと、全身の細胞の代謝が低下します。中でもエネルギー代謝に働く細胞内のミトコンドリアが有害物質の害を受けることによって、脂肪をエネルギーとして燃焼させる働きが低下していきます。
このように、有害物質は肝臓で分解・解毒されますが、代謝が低下することで有害物質の分解が遅くなり、肝臓に負担がかかり肝機能も低下していくようになります。有害物質は細胞を傷つけ、体内で炎症を発生させますが、その解消のために体内の酵素やビタミン、ミネラルが多く使われます。
また、有害物質を分解するときに活性酸素が体内で多く発生するようになります。この活性酸素を消去するためにビタミン、ミネラル、酵素が多く使われるため、さらに代謝が低下するという悪循環に陥りかねません。
水銀やアルミ、鉛といった有害ミネラルや化学物質に暴露しますと、体内に入り込んで、長年蓄積されてしまい、ミトコンドリアのエネルギー産生に支障をきたしてしまいます。
私達は、知らないうちに「有害物質」を口にしています。「公害」は過去のものではなく、有害物質は海底などに堆積する形で残っていますし、単位面積あたりの農薬の使用量の多さ、何でも焼却処分することから発生する大気汚染などはそのままです。
最終的に有害物質は、海の生物達に蓄積され、それを最後に人間が食べています。
私達の体には解毒機能が備わっているのですが、これらの有害物質は代謝されませんので体内に蓄積されていきます。その量が限界を迎えると、さまざまな症状となって現れます。
有害物質となるものは、添加物入りの食品や、農薬を使った野菜などです。食品には、添加物を使ったものがたくさんあります。このような有害物質になるものを体に取り込まないことが大切です。
現在は、無農薬野菜なども販売されているので、うまくそういうものを利用していくことが大切なのです。さらに、この有害物質となっているダイオキシンなどは、しっかりと、水洗いすることや火を通す作業を行うことによって、かなりその量が減少します。
これが、環境ホルモンから体を守っていくためにできることのひとつです。
環境ホルモンとは?
環境ホルモンが問題となりはじめたのは、1980年頃に世界各地で異常が発見されることによって、研究がされるようになりました。環境ホルモンは、外因性内分泌攪乱物質または外因性内分泌攪乱化学物質と呼ばれています。
環境ホルモンという呼び名は、あるひとつの物質の名前ではなく、”生物のホルモンの働きを狂わせてしまう物質”の総称です。環境ホルモンは、体内の正常な働きをするホルモンの働きを壊すことで、様々な異常を引き起こします。
体内の”ホルモンの働きを乱し”、生殖機能への影響などが心配されている環境ホルモンは、人工的に作りだされた化学物質で、正しくは「内分泌攪乱化学物質」といいます。環境ホルモンの多くは有機合成化合物で、環境庁が1998年5月に策定 、2000年11月に改定した「環境ホルモン戦略計画SPEED'98」では、“動物の生体内に取り込まれた場合に、本来、その生体内で営まれている正常ホルモンの作用に影響を与える外因性の物質”とし、疑われる化学物質として65物質をあげています。
また、ゴミの焼却の際に生ず環境ホルモンも大問題になっていますが、私たちの周りには 医薬品、農薬、食品添加物、合成樹脂、合成洗剤など、人が作りだした化学物質がたくさんあります。
問題は人体がダイオキシンなど環境ホルモンである有機化合物を受け入れやすく、分解・排出しにくい点です。そのために体の中に残って害をもたらすのです。たとえば、女性ホルモンに似た環境ホルモンが体内に入り込むことで、ホルモン本来の働きが乱されることになります。環境ホルモンは、前立腺ガンとの関係が心配され、免疫力を低下させるのではという不安もいわれています。
食物では、アメリカの肉牛や養殖の魚に環境ホルモンの残留が見られますが、これは家畜の飼料やエサに成長を早める成長ホルモンが混ぜられているからです。
私たちはゴミを出さないなど、身近にできることから取り組み、これ以上環境ホルモンを作らないようにすることも重要ではないでしょうか。
環境ホルモンの原因
環境ホルモンの原因となっているのは、化学物質です。化学物質を大量に摂取しているとは、誰もが思わないのでしょうが、日々の生活の中で環境ホルモンは、身体の中に取り込まれているといってもよいでしょう。殺菌剤・防腐剤・殺虫剤・農薬・食品添加物・ダイオキシンなど、約70種もの化学物質があげられています。さらに、環境汚染された状態の川や海などからも有害物質が検出されています。産廃処分場の侵出水から、30種以上の環境ホルモンが検出されたという例もあります。
環境ホルモンの影響
環境ホルモンは、知能低下・学力障害・注意力欠如・ストレスへの過剰反応・ 拒食症・強迫神経症・様々な不安症・鬱状態・アレルギーなど、人や生物に、多大な悪影響を及ぼすことがわかっています。さらに、環境ホルモンの影響を受けている動物の肉などを食べることも環境ホルモンの影響があります。そして、人間への影響として、キレやすい子供が増えたことも環境ホルモンの影響ではないか?と言われています。
私たちが、なにげなく食べているジャンクフードには、着色料や保存料といった食品添加物(化学物質)が大量に入っています。さらに、カップメンやお弁当などの容器や缶ジュースの缶には、化学物質が使われていて、微量ですが、溶け出しています。私たちが、安全だと思っているものには、実際、多くの化学物質が入っているというのが現状なのです。しかし、そういったものは、私たちの目に見えるものではなく、見逃してしまいがちです。
このように私達の身の回りには「有害物質」に満ちあふれている生活環境におかれています。このため有害物質に対する対策を考える必要があります。
「エストロゲン過剰症」
エストロゲンとは単独の化学物質を示す言葉ではなく、エストロン(E1)、エストラジオール(E2)、エストリオール(E3)、エステトロール(E4)などと、それらと同様の生物活性を有する化学物質の総称です。分泌源は主に卵巣の卵胞ですが(したがって卵胞ホルモンとよばれます)、副腎や精巣からも分泌されます。
エストロゲンは「女性をつくるホルモン」で、第二次性徴の発現、子宮内膜の増殖、月経周期の成立の媒介、乳腺管の増殖分泌促進などの作用がありますが、副腎や精巣でも分泌されることからおわかりのように、男性の体の中にも存在しているのです。
もちろんエストロゲンは男女ともに必要なホルモンですが、現代ではプロゲステロン(黄体ホルモン)やテストステロン(男性ホルモンの一種)との比率が、本来あるべき姿から逸脱し、エストロゲンが過剰に人体に存在するようになってしまいました。
「エストロゲン過剰症」とは、この状態を示します。
そして、これが次のような、さまざまの病気や症状の原因の一つとなっています。
子宮筋腫・子宮がん・子宮頚部異形成・乳がん・前立腺がん・デプレッションや不安・気分の動揺・いらいら感・不眠・頭痛・疲労・むくみ・性欲の減退・甲状腺機能障害 の一つの症状である手足の冷え・不活発な代謝・生理不順・PMS・不妊・乳房の圧痛・多嚢胞性卵胞・喘息、蕁麻疹、湿疹、鼻づまり といったアレルギー症状・加齢亢進、特に腰まわりと太ももの脂肪の蓄積・胆嚢の病気 ・血栓の増加(脳卒中の危険性の増大)・低血糖・銅の過剰と亜鉛の欠乏・マグネシウム欠乏・ビタミンB群の欠乏・閉経前の骨密度低下・骨粗鬆症・全身性エリテマトーデス、橋本病、シェーグレン氏病といった自己免疫疾患・無精子症や新生児の尿道下裂。
以上のように現代人が罹患する多くの病気にエストロゲン過剰が災いしているのです。
これだけの病気や症状を述べると、いかにもエストロゲンが悪役のような印象を与えてしまいますが、問題はバランスなのです。もちろんエストロゲンも必要です。
しかし、現代は、男女ともに他のホルモンと比較すると、相対的に過剰なのです。
その理由の一つは、内分泌攪乱物質、つまり環境ホルモンです。
環境ホルモンと考えられるものは、約70種類あるといわれています。
代表的なものは、①ダイオキシン ②DDT ③PCB ④ビスフェノールA⑤ノニルフェノール ⑥フタル酸エステル ⑦有機スズ⑧スチレンダイマー ⑨スチレントリマー ⑩合成エストロゲン などがあります。
環境ホルモンはビスフェノールA、ダイオキシンの2つを始めとして、殺虫剤、工業廃棄物、自動車の排気ガス、石けんやシャンプー、ネイルポリッシュ、家具や建材の塗料にも環境ホルモンが含まれており、これがエストロゲン様作用を示すのです。
つまり、私たちはエストロゲンの大海に住み、乳飲み子の時から、いやもっと正確にいうと、胎児の時から過剰なエストロゲンにさらされているのです。
特にアメリカ産の肉には多く含まれており、食事からもエストロゲンが入ってきます。
本来月経期間中はエストロゲン濃度が低いはずですが、肉・乳製品・環境ホルモンの摂取でエストロゲンが高濃度になると、マグネシウムの体内濃度は低下し、子宮収縮が強まります。
デトックスするには・・
1.水を十分に補給しましよう
デトックスするうえで欠かせないのが水です。腸内の水分不足は便秘が起こる原因とも言われています。「それなら水を飲めば解決できる」と安易に考えてはいけません。大腸に届く水は、飲んだ量のわずか10分の1ほどです。便秘解消のためには、“1日1.5~2リットル”を目標にしましょう。特に、マグネシウムやミネラルを豊富に含むミネラルウォーターがお勧めです。
冷たい水が苦手な方はぬるま湯でもOKです。
また、やたらと水をガブ飲みしても、体が冷えて逆にむくみなどのトラブルが起こることになります。ポイントは、回数を多く、少量ずつ飲むことです。一度に水分を摂取するより、数回に分けることで、常に腸にも水分がある状態になります。体の冷えが気になる方は、冷たい水ではなく、ぬるま湯や常温の状態で摂るようにしましょう。
2.食物繊維を十分に摂取しましょう
食物繊維は、便の元となり腸を刺激して便通につながる「不溶性食物繊維」と、腸内で水に溶けて有害物質を吸着し体外へ排出する「水溶性食物繊維」に分けられます。
不溶性と水溶性の食物繊維をバランスよく摂ることで、お腹の中をよりキレイにすることができます。
水溶性食物繊維を多く含む食べ物には、りんご、バナナなどの果物類、しいたけ、えのきだけなどのきのこ類、わかめ、こんぶなどの海藻類があります。
不溶性食物繊維を多く含む食べ物には、大豆、いんげん豆などの豆類、ブロッコリー、ごぼうなどの野菜類、さつまいも、さといもなどのいも類があります。この二つをバランスよく摂取しましょう。
善玉菌を増やすにはヨーグルト、漬物、納豆、チーズなど発酵食品を食べることです。
3.デトックスからみた食事
デトックス効果が高い食べ物
排泄をスムーズに行うこと、デトックスを助けてくれる食べ物のことについて述べます。
先程の食物繊維ですが、食物繊維には不溶性と水溶性の2種類がありますが、特に水溶性の食物繊維はネバネバのゲル状になって体内の毒素を吸着して排出する効果が高いです。不溶性食物繊維は大きく膨張して腸の働きを活発にして排便をスムーズにしてくれます。
「水溶性が毒素を吸着する」「不溶性が便をスムーズに排泄する」、この二つの特徴がデトックスに役立つのです。
■ 腸内で毒素を吸着して排出する食材 としては
ごぼう、オクラ、レンコン、こんにゃく、トマト、海藻、玄米 などがあります。
キレート効果
また、包み込むだけでなく、外に出したい毒素と化学的に結合して、体外への排出を促してくれる、「キレート作用」がある食品もあります。
包み込むだけだと、また元に戻ってしまうこともありますが、キレート結合された有害ミネラルは体内で再吸収されることなく尿や便などから排出され、効果的なデトックスができます。
たとえば、魚介類や緑黄色野菜に含まれる亜鉛やセレンは 水銀 や ヒ素 に対してのデトックスを促進してくれることでよく知られますが、ビタミンA、C、E、や含硫アミノ酸(にんにくやたまねぎに含まれるイオウを含んだアミノ酸)などもデトックス効果が高いと言われます。
■ 血液中の毒素をキレートする食材
にんにく、アスパラガス、ブロッコリー、ねぎ、ほうれんそう、大豆、りんご などがあります。
■ 肝臓での解毒機能を強くしてくれる食品
たまねぎ、キャベツ、ブロッコリー、にんにく、ダイコン、わさび など
デトックスを考えるとき、何を食べるかということはとても大切なことです。
一つには、なるべく毒素を体に入れない食事をする。という考え方が大事です。食品添加物の多そうなもの、加工食品やコンビニのお弁当など、こうしたものはなるべく少なく済ませられるようにするとか、また、残留農薬などが少なくなるよう、野菜はよく洗って食べるなど、毒素が体に入らない配慮をすることは大事です。なるべく毒素を身体に入れないということです。
しかしあまり神経質になりすぎることもよくないです。上に書いてあるような食物繊維が多い食材、キレート効果のある食材を、なるべく増やすようにする、水分補給をしっかりするなど、できる範囲の努力をしましよう。
「酢タマネギ」ならば、気軽に作れて腸内フローラを整えられる
腸内フローラを改善するには今までの食習慣の見直しが必要です。特に悪玉菌が優勢な食生活をしている人は、大きく食習慣を変えなくてはなりません。食事の内容を改善すると、たった2週間で腸内フローラの勢力図は変わります。
でも、よく考えてみてください。50代まで、食べたいものを優先してきた食生活を、今さら「劇的に変えなさい」と言われても、そんな簡単に変えられるわけがありません。そんな人におすすめなのが「酢タマネギ」を食事に加えることです。
タマネギは腸内細菌の大好物であるオリゴ糖と水溶性の食物繊維を含んだ〝腸寿食材〟です。さらには、活性酸素を除去する硫化アリルやケルセチンなどの抗酸化物質も豊富な食材です。
また、酢は発酵食品であり、腸の活性化にとてもよい調味料。つまり、タマネギ×酢は腸にとって最強の組み合わせなのです。
[酢タマネギの作り方]
1.タマネギは水にさらさず、そのまま薄くスライスして、少々海塩をまぶす。
2.密閉容器に入れ、ひたひたになるまで酢を入れる。
3.ハチミツを少量入れて、混ぜる。(分量はお好みでOK)
4.一日から数日間置いて、料理に使えます。
とにかく旨味成分の塊といえるタマネギと酢ですから、サラダや付け合わせなど、どんな料理に使っても抜群においしく、どちらも安価でいつでも手に入る食材です。これで腸が元気になるとしたら、こんなにうれしいことはありません。
今までの食習慣を変えてみる第一歩として、実践してはいかがでしょうか。
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化学物質過敏症についての総説は、下の動画をご覧下さい。
https://m.youtube.com/watch?feature=youtu.be&v=ibkygm1AJYA
化学物質過敏症とは‥
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12625756739.html
「化学物質過敏症」対策 デトックス
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