この度は、Luckymanさんから貴重なコメントを戴き感謝申し上げます。
言い訳ですが、勝手ながら、もう一度釈明させて戴きます。丁度、今回の順番にも一致したため、諄いようですが・・
私は、このブログを開いたのは、OCNのブログ人「頭医者のつぶやき」でした。当時から主張は変わることなく、「片頭痛は予防すべき頭痛である」ということでした。
学会では、「国際頭痛分類 第3版β版」がすべてであり、これ以外は容認されることはないため、ブログで主張を繰り返し、これではダメと2回出版も繰り返しました。
出版する際には、学会を批判する文言は一切してはならないとの暗黙の規制があり、このような規制のもとでは、何を主張しているのかピントがぼけてしまい、2回目の出版では、まさしく「優等生」の文体になってしまい、「健康的な生活は、このようにして行いましょう」といった結局何を目的とした書籍か分からないものとなってしまいました。
こうした反省を踏まえ、自分の主張と学会の考え方を相対峙して、並列して記載しない限り、その相違点は理解されません。最終の目的は、片頭痛が予防できる頭痛であるということを徹底させ、これを1つの書籍としてまとめることでした。その集大成が「頭痛が気になったら」https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12644567389.htmlでした。このなかの第1番目のが、これに相当するものです。欲を言えば、この文章に挿絵、図表をつけることによって、メリハリをつければ、読みやすくなり、300ペイジのものでも、2時間もあれば読破可能と思われます。私の求めているのは、断片的な細切れの情報でなく、原因不明とされる慢性頭痛をトータルで考え、慢性頭痛とは一体何なのか、さらにこのなかで片頭痛がどのような位置づけをされるのかを明確にすることでした。
そのためには、西洋医学の考え方の本質がどこにあるのか、これを歴史的に紐解く必要があります。このことは、急性期疾患、感染症・外科的外傷性疾患以外の、慢性疾患、生活習慣病・ガン・認知症・精神科疾患についても言えることです。
ということは、医学概論すべてに関与する問題であり、臨床頭痛学だけの問題ではありません。ということは、現在の学会のような「トリプタン中心の頭痛学」を私は論じているのではないということです。
もともと、医学とは、全人類の健康と安寧をめざすものでなくてはならないはずです。
ところが、多くの学会、頭痛学会を含め、製薬メーカーの利益追求を第一義として成り立っているものが如何に多いのかを知る必要があります。そうでもしなければ、今後、慢性片頭痛患者は益々増え続けることになりかねません。また、ベンゾの恐怖にさらされ続けることになりかねません。医学の目的は、こうした慢性片頭痛患者を作り、ベンゾの恐怖を生み出すことなのでしょうか。決してそうではないと思いますが、如何でしょうか。
ただ、私も病魔に冒され2年前に現役を引退し、何とか2年間生き延びてきましたが、いずれ死を待つばかりです。最近では、1回分の記事も書けないこともあります。
このため、これまでのものを書き直すような体力も気力も残されてはおりませんが、最近では、学会のお偉い方々から「片頭痛の予防」について述べられることが多くなりました。少なくとも、このような馬鹿げた論調には反論していくことにしています。
多因子遺伝、すなわち体質の遺伝???
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12704155769.html
さらに、抗CGRP抗体という抗体療法の予防薬??も開発され、これは血管を拡張させるCGRPをブロックする薬で、米国では6月に承認されました。この薬は皮下注射すると効果が1~2カ月続きます。分子量が大きくて脳や肝臓、腎臓には入らないので、めまいなどの副作用が少ないという利点があります。
片頭痛は脳にいったん記憶されると、発症と記憶が繰り返されて悪循環になりがちですが、抗CGRP抗体の注射で予防を続けていけば、痛みの記憶が薄れてきて、片頭痛を忘れてしまう効果も期待できます。
このように抗CGRP抗体という抗体療法は、片頭痛の予防薬とされています。
このような学会のお偉い方々の申される「片頭痛の予防方法」はきちんと整理して理解しておく必要があります。
というより、なぜ、このような詭弁を弄してまで「予防」に拘るのかを考えるのが妥当ではないでしょうか。
2000年に日本に、トリプタンが導入される以前の段階において、既に
それは、1995年には、
Welch KMA, Ramadan NM Review article; Mitochondria, magnesium and migraine. J Neurol Sciences 134 (1995) 9-14 2000.04.02 という論文が出され、
下村登規夫, 村上文代, 小谷和彦ほか:新しい治療概念「分子治療学(Molecule-based therapy)」に基づいた片頭痛の治療. 治療 81:1861‐1865、1999
このような事実から、片頭痛では、ミトコンドリアの”酸化燐酸化の障害”があり、これによる代謝の異常が、神経機能障害を引き起こし、それが”脳過敏”を強めて片頭痛発作を発現させます。
ミトコンドリアの代謝機能を是正すれば、片頭痛にならないということになります。
ミトコンドリアの働きを助ける物質にビタミンB2があります。実際ビタミンB2をとると片頭痛になりにくいのです。
こういったことから、片頭痛は全身的な”ミトコンドリアの機能の低下することによって起きる頭痛”と考えられています。
このようなことを「頭痛講座」では、いろいろな角度から説明してきました。その述べ方は順序不同になると申し上げていました。その1回分はわずか一行ですむことであり、目次もなにも必要ないと考えていました。最終的には、片頭痛は生活習慣病であり、そうであれば、生活習慣病のように予防すべきであると述べてきました。
このことが、最も大切なことであり、これがすべてです。
片頭痛という頭痛は、ミトコンドリアの活性低下という遺伝素因をもとに、「健康的な生活」を阻害するような生活習慣を送ることによって、日常的に感じる極く軽度の頭痛・緊張型頭痛から進展してきた頭痛と考えるべきもので、謂わば「生活習慣病」のようなものです。先述のように”多因子遺伝”的疾患と考えなくてはなりません。”疾患”ではないのですが・・・”症候群(症状群)”です。
このような”多因子遺伝”をするものには生活習慣病である糖尿病、高血圧があります。
このような生活習慣病は、発症前の生活習慣の問題点が永年積み重なって発症してくるものです。ですからこうした生活習慣の問題点を改善・是正することによって糖尿病、高血圧といった疾患そのものの発症を予防していくのが原則です。
こういったことから、片頭痛も糖尿病や高血圧症のような生活習慣病と同様に、片頭痛がどのような生活習慣の問題点から発症してくるのか、といった観点から考え、どのようにすれば、片頭痛そのものを発症させずに済むのかを考えなくてはなりません。
こういったことを、これまで18回の講座で述べてきました。
片頭痛という頭痛は、皆さんのこれまでの生活習慣とくに食生活・姿勢等の問題が原因となり、謂わば、あなたの”生きざま”すべてが関与して起きてくるものです。これらは、いずれも日常生活を送る上で、”何気なく無意識に”行ってきた「食事・姿勢・体の使い方・ポリシー」が原因となっていることを意味しています。
このように、片頭痛という頭痛は、その人の生きざますべてに関わったものです。
Luckyman さんは、確か2年位前にも当ブログをご覧戴いたように記憶しています。この時も甥御さんの片頭痛を心配されてご覧になられたように記憶しております。
甥御さんに何か忠告なり、されたのでしょうか。恐らく、甥御さんは無視されたものと思っております。
以前も記事にしましたが、ある中学生が片頭痛で来院された際に、まだ発症間もない方でしたので、頭痛が起きる以前と現在を比較して、生活習慣に何か変化がなかったかどうかとお聞きしますと、真っ先に「睡眠時間が少なくなった」ということでした。 具体的には、発症前は7時間以上の睡眠時間をとっていたが、頭痛が発症する半年前から、将来有名な高校に入学するための準備のため、睡眠時間が3,4時間前後になったとのことでした。この方に、睡眠時間の重要性を説明し、少なくとも6時間は寝るように指導しました。この指導に対して、この中学生は、まさに心外といった顔つきで、「そんなことを言っているから、先生は、このような片田舎で医者をしているのだ」と素気なくあしらわれました。
また、ある患者会の方には、夜型の生活をされておられたため、朝型の生活に改めるようにお勧めしたところ、「どこの馬の骨かわからない”あんた”に何がわかるのか、私は日本の頭痛学会を代表する先生には、このような指導をされたことはない」 と一蹴されました。このように、生活信条として、夜型の生活をされる方には、変更は無理のようです。
このように片頭痛患者さんに忠告なり、指導することは(片頭痛を治すように勧めることは)、生活というか人生の信条として、されていることに、第三者が土足で踏み込むことを意味しており、謂わば、人格を否定されたようにも受け取られないとも限りません。
ですから、片頭痛の方に、片頭痛を治すように勧めることは余程の覚悟を持ってする必要があることを忘れてはなりません。
こういったことから、私は自分から患者さんに向かって、片頭痛を治しなさい、とは申し上げないことにしています。ただ、鎮痛薬で頭痛を抑え込むことだけは止めて、頭痛を起こす原因を取り除いて、再発させないようにと指導しています。
そして、患者さんから、片頭痛を治す方法を相談された場合に、初めて根本的に起きなくするスベを患者さんと一緒に考えていくことにしています。
片頭痛という頭痛とは、本質的にこのような頭痛と思っております。
ですから、一律なものではなく、100人患者さんがおられれば、100通りの治療方法があるということです。ですから、提示できるものは、その平均的な手段でしかないということです。
Luckymanさん、こういったことから、今回の「頭痛講座」は順番も何もなく、力説したい部分を重点的に述べているだけですので、目次も何にもなく、このため読みずらく思われたものと思っております。失礼しました。ご購読感謝しております。
ここでコマーシャルです
頭痛が気になったら・・
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12644567389.html