いよいよ、来週初めから第3回目の緊急事態宣言が発令される予定ですが、このコロナ感染拡大に伴って、最近、問題のテレビ朝日で、人口呼吸器に関する興味ある報道がなされていました。
“重症化”半数がイメージ持てず?驚きの調査結果
コロナ重症化についてのイメージはなかなか浸透していないのかもしれません。驚きのアンケート結果です。
人工心肺装置「ECMO」について多くの人が正しい認識を持たず、装着するイメージもできていないことが分かりました。
ECMOは肺炎が悪化して酸素が十分に取り入れられない状態の場合、体外の人工の肺を使用して体内に酸素を取り込むという原理です。
苦しさや痛みを緩和するために鎮静剤で意識をなくす訳ですが、こんな理由も…。
順天堂大学大学院感染制御科学・堀賢教授:「(体に)太い管が入った状況で例えばイライラが大きくなってストレスで暴れるようなことになると、管が抜けた途端に死んでしまったりということも起きる」
去年12月に行った東京大学医科学研究所と東京医科歯科大学のグループの調査によりますと、新型コロナウイルスで重症化した場合、人工呼吸器やECMOが必要になると認識していた人は93.1%でしたが、装着する時には「気管の切開」などが行われることについては認識していた人が64.8%。
装着中は鎮静剤で意識レベルを下げる処置が行われることについては「知らなかった」という人が58.1%に上りました。
ECMO装着時にはコミュニケーションも取れない状況になりますが、そちらも約半数が認識していませんでした。
重症患者の「最後の切り札」と言われるECMO。台数や医療スタッフの不足で必ずしも使えるとはいえない状況ですが…。ECMOの台数が足りない場合、患者の優先順位を決定する「トリアージ」が行われる可能性について「知らなかった」と答えた人は44%。
さらには自身や家族が重症化した場合、受けたい医療や受けたくない医療について「家族などと話し合ったことがない」と答えた人は87.8%に上り、実際の医療現場で混乱が起こる可能性が指摘されます。
東京大学医科学研究所のHPから:「人工呼吸器やECMOを使用した場合に、患者に起こり得ることを一般市民がイメージできるよう医療者は必要な情報を発信し、普及啓発に努めるべきと考えます」
(朝日テレビ
https://news.yahoo.co.jp/articles/0b30abec8857de25bc4783df61292fa2a9cb1571)
コロナで大阪の集中治療は崩壊寸前、今こそ「災害医療の観点」が必要だ
大阪を中心とする集中治療など重症診療の現場が急増するコロナ患者によって、追い込まれています。まさに、ギリギリの状況です。これ以上事態が悪化すると、新型コロナウイルス感染症以外の病気を含め、重症患者が発生して救急車を呼んでも適切な医療行為を受けられない可能性が出てきます。われわれはどうすべきか。新型コロナウイルス感染症の重症診療をする集中治療医として、また災害医療を学んだ救急医として解説し、提言したい。(名古屋大学大学院医学系研究科救急集中治療医学分野医局長、集中治療専門医、救急科専門医 山本尚範)として・・(中略)
「言葉は悪いですが、どの患者さんを優先して助けるかと、いわゆるトリアージっていいますが、これをやらないといけないということはこれは災害なんです。今までのようにケガしたらどこかに行って助けてもらえるということはできない時もあるかもしれない。自粛生活は大変だと思います。もう少し我慢して頑張ってほしいなと思います。」
トリアージというのは、たとえば、重症患者が3人いて人工呼吸器をつけなければ助からないとき、空いている人工呼吸器が1台とすればどうするかということです。つまり、1人は助けられますが、2人は助けられない。2人は死を覚悟してもらうほかありません。誰を生かして誰を生かさないか。これを決めるのがトリアージです。
ところが、先日の朝日テレビの朝トレキイワードの「現場の声から」では、自宅療養をしていたコロナ患者が重症化し、人口呼吸器を装着しなくてはならない事態になった場合、重症患者用のセンターでは既に3台の呼吸器が使われていた場合、1台明ける必要に迫られた場合、医師がはずすべきであると述べていました。
このようなことを現実にすれば、医師は殺人者として告発されることになります。
こうした報道が、朝日テレビでは、当たり前のように報道されています。
ここまで報道する以前の問題として、以下の点を論ずるべきと考えますが・・
医療崩壊の最大の問題、どの患者を救うか選ぶ「トリアージ」は医者任せでいいのか?
新型コロナウイルスの感染拡大で、患者を受け入れている医療機関からは「医療崩壊」の声が上がり始めています。政府もようやく病床の増加に動き始めましたが、私が聞いたなかで最も深刻なのは、「このままではトリアージ(命の選別)をせざるを得なくなります。それだけは、やりたくありません」(都内のある病院の院長)というものです。そのような事態にならないよう願っていますが、対策は最悪も想定しておかなければいけません。
すべての患者に最善を尽くせない
トリアージというのは、たとえば、重症患者が3人いて人工呼吸器をつけなければ助からないとき、空いている人工呼吸器が1台とすればどうするかということです。つまり、1人は助けられますが、2人は助けられない。2人は死を覚悟してもらうほかありません。誰を生かして誰を生かさないか。これを決めるのがトリアージです。
医者の使命は、どんなことがあろうと命を救うことです。これが、医療従事者としての倫理であり、心情でしょう。とすれば、トリアージをしなければならなくなると、この倫理観は崩壊してしまいます。つまり、医療崩壊というのは、医療システムが物理的に崩壊するということだけではなく、人の心まで崩壊させてしまうのです。医療従事者の心が破壊されたらどうなるでしょうか?
感染症の拡大というは大変に厳しい現実を突きつけてくるのです。菅義偉首相は、記者会見で「国民の命を守るために全力を挙げる」と繰り返し述べていますが、そんな可能性を十分に理解しているのでしょうか。
病床はあるのに医療崩壊を招く日本の医療体制
日本が欧米諸国に比べて感染者数、死亡者数が圧倒的に少ないにもかかわらず、トリアージをしなければならいところまで追い詰められているとすれば、医療システム、医療リソースが偏っているからです。
日本の人口10万人当たりの病床数は世界一で、厚労省の統計を見ると約160万床ありますが、このうちコロナウイルスに対応できる病床数は全国で約3万床。全病床数の約2%に過ぎません。日本の病院の約8割は民間病院で、欧米のように政策目的に合わせて、医療リソースを調整することが難しいのです。民間病院はコロナ患者を診ると、赤字になり存続できなくなるので、患者を受け入れません。
第3波の急拡大を受けて政府は18日からの国会で、行政が民間病院に患者の受け入れを勧告できるよう感染症法改正に動きだしました。冬の感染者数の増加は、予想されていたことだったので、本来は寒くなる前に対策をとっておかなければならなかったはずです。病院で患者を受け入れきれず、自宅などで療養中の死者が増えてきてようやく動き出したといった形です。
欧米で起こった厳しいトリアージの現実
欧米では、第1波のときにすでにトリアージが起こりました。イタリアでは、病院に患者があふれ、そのなかで助かる確率の高い患者、高齢者より若い世代の患者を優先して医療に当たりました。スペインでも同じことが起こりました。
ひどかったのは米国のニューヨークで、ある大病院では次々に運び込まれた患者で集中治療室(ICU)が満杯になり、患者が廊下にあふれ出しました。そこで、トリアージが行われました。その中で、持病のない40~50代の中年の患者や20~30代の若者の患者も命を落としたのです。
こうした現実を、テレビなどの報道で見た人も多いと思います。当時私は、これがまさか日本で起こることはないだろうと思いましたが、そうなる懸念があります。
日本でのトリアージは何を基準に?
人工呼吸器が足りなくなった時、だれに使うかという判断は何を基準に行うのでしょう。スウェーデンでは、80歳以上は集中治療室(ICU)の適用外という判断がなされたと現地からレポートにありました。ヨーロッパでは70歳を目安にする国もあるようです。このように年齢を判断基準にすることに一定の社会の合意がある国もあります。
それでは、日本どうでしょうか。「若い方が入院されたので、80歳を超えた父さまの人工呼吸器を外させていただきます」と言われたら、「仕方ない」と納得できますか。あるいは、「お母様よりも、救命可能性が高い患者さんがいますので……」と言われたら。「院長の知り合いだから」と内々に優先されるようなことは起こらないでしょうか。
昨年来、新型コロナに関連してトリアージのガイドラインの提言はありましたが、定まっていません。
トリアージにはルールが必要
では、ルールが社会で共有されていない中で、現場の判断で実際に患者を選んだら何が起こるのでしょう。「生存の可能性があった母の人工呼吸器を外して死亡させたのは納得できない」と遺族に訴えられたらという心配も出てきます。ルールが定まっていないと、現場は困るのです。
昨年来、国や日本の医療界のリーダーは、冬の感染者増加と、それに伴う医療の逼迫という当然予想される事態に立ち向かうための医療体制を十分に整えず、国民に「外出や外食の自粛」と号令ばかりかけてきました。トリアージのガイドラインの議論も緊急の問題だと思います。医療従事者の一人として本当に憂慮しています。
いずれにしても、テレビ朝日の報道は一般常識を遙かに超えるもので、真の報道とは何なのかを考えるのに、一つの手がかりになるようです。
例えば、まん延防止措置がとられていたにも関わらず、新規の新型コロナウイルス感染拡大が起こり、現在ではその波は止まらず、むしろ増加傾向が見られ、今回の緊急事態宣言に至ったわけですが、この過程において、朝日テレビのコメンテイターの木原、村尾両氏ともに吉村大阪知事の施策を批判するばかりで、どのようにすべきであるかについての提言はコロナ騒動後、かれこれ1年余りになりますが、一度も拝聴することはありませんでした。批判だけをすることは、馬鹿でもできることであり、このような人間がコメンテインターになっているのが驚きです。
そして、今回、大阪での新規感染者数は日増しに増加し、1日1,000人を超えるようにもなった段階においてさえも、夕方のキャストの司会役のアナウンサーは満面の笑みを浮かべて番組の進行を勤められ、途中、ジャニーズや吉本の芸人のセクシヨンになれば、アングリ口を開けてエヘラエヘラし、時に百面相をされ、番組を盛り上げているようです。このようなコロナ騒動の最中に、満面の笑みを浮かべ、コロナの爆発的な拡大により、今回も緊急事態宣言が出されようとしている時代とは、まったくそぐわないものであり、緊急事態宣言が発令されることによって、生活そのものが追い詰められる方々にどのように不愉快な思いを与えているのかを考えたことがあるのでしょうか?
このキャストのアナウンサーは恰も、別天地の”楽園”でも住んでおられるのでしょうか? 30歳も過ぎて子供のいる日本男児のツラ構えとは程遠いようです。私の30歳代では、このように締まりのないエヘラエヘラするような顔でもしておれば、師匠からブン殴られるのが日常でした。お陰で、これまで患者さんの前で、歯をみせて笑うなどあり得ない世界でした。この30歳過ぎのアナウンサーの笑顔の原因は、恐らくは阪神タイガースの開幕以来の首位独走にあるような気がします。このところ3連敗しており、来週の月曜日どんな顔をして仕事をするのかが興味あります。もし、そうであれば、この調子で連敗を継続し、最下位に転落すれば、世のためになるのではないでしょうか? もうタイガースは勝たないで下さい。世の中のためです。
時代の空気の読めない人間の”有り様”とすべきかも知れませんが、これが一流のテレビ局のアナウンサーとは、現在のアナウンサーも地に落ちたとしか謂いようがないようです。
つい先日までは、伊藤史隆さんやテレビの野球放送にまわっているアナウンサーがおられたテレビ局にも関わらず、信じられない思いがします。
それに、朝日テレビの朝の番組の「おはよう、朝日」ではマッチョのアナウンサーが「朝トレキイワード」を得意満面で自分の”博識”を自画自賛され、毎日、最新の語句で、時事解説でもしているかのごとく自説を披露されます。先日は、福島第一原発の処理水海洋放出が決定したことによる「【風評被害】」でした。ところが、舌足らずの説明でしかなく、逆に 【風評被害】を煽るような結果でしかありませんでした。これまでの福島の人たちの震災後の10年間の苦労によって、やっと農産物・海産物の風評被害が薄れ掛かった矢先の放送で一瞬にして逆戻りさせたようでした。
この責任は、どうされるのでしょうか? 下手をすれば、闇討ちに遭わないとも限りません。
最近では、オンライン授業、人工呼吸器のトリアージについて、でした。これも、いずれも中途半端な説明に終始し、何ら「最新の知識」ではありませんでした。もっと現実を、きちんと把握した上で、解説すべきではないでしょうか。
このアナウンサーも、自分の容姿に余程自信がおありなのでしょうか、次のセクシヨンでは「伊達メガネ」をかけて、表情豊かに説明されます。これも、気持ちの悪さしか、感じないのは私だけでしょうか?
一度は、拝聴すべきではないでしょうか?
いずれにしても、コロナの感染拡大を阻止するためには、
1.コロナの検査を徹底し、コロナを見付けて隔離する。
2.コロナワクチンを接種して、予防に努める。
3.人流を止めること。
この3つが基本原則であるはずです。このうち、どれが欠けても成功することはないはずです。
こうした、基本的なことを諄々と解説していくことが、テレビの役割であり、これでこそ社会に貢献できることではないでしょうか。
現在のような「朝トレキイワード」のような、アナウンサーの浅はかな知識をひけらかすような番組では、反感を買うばかりでしかないようです。
ところが、ツイッターで意見を求めているところをみる限り、自分の考えに余程自信があるのだろうと思われます。
今回の、「人工呼吸器のトリアージ」にしても、コロナ医療に携わる医師を殺人者にでも仕立て上げようとする考え方そのものが、如何に医療従事者を冒涜しているのかを反省すべきです。
最初のアナウンサーにしても、毎日毎日、コロナ感染患者数が増加していることに対して、あたかも新記録を喜ぶがごとく、満面の笑みで報道する態度そのものは、視聴者には、緊張感を植え付けることにはならず、他人事のことでしかないようです。自分の顔そのものが、視聴者の神経を逆なでしていることを忘れるべきではありません。
そういえば、朝日テレビといえば、西田敏行と菊池桃子の「人生には楽園が必要だ」という番組が有名ですが、朝日テレビというテレビ局自体が”楽園”なのでしょうか?
参考記事
コロナで大阪の集中治療は崩壊寸前、今こそ「災害医療の観点」が必要だ
https://news.yahoo.co.jp/articles/fbca2c38a870b706b0dbe4e08d465cd39d289639
カギは「災害医療」 今、日本がコロナ医療体制を変える最後のチャンス
https://news.yahoo.co.jp/articles/21f54d6685460250da022b9eb3f62c20d49a051f
「無理だと答える絶望的な日もある」重症患者を受け入れる“コロナ専用病棟や救命救急センター”からの訴え
https://news.yahoo.co.jp/articles/0f5770c4a6c05569fcaaa20ece962d84b1f902cf
「小池都知事は責任を果たせ!」命の選別が迫る医療現場…杉並区長が“無策すぎる都政”を告発
https://news.yahoo.co.jp/articles/fb6a75318cc46b06a20b091205305686e4067460
ここでコマーシャルです。
頭痛が気になったら・・
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12644567389.html