高齢者への新型コロナウイルスワクチン接種が当地域でも12日に始まりますが、これに先だって先々週にはその接種券が送付されておりましたが、この段階から私は接種すべきかどうか思案し、なかなか結論がでないまま接種期日を迎えることになりました。
これまで、今回の新型コロナウイルスワクチン接種に限らず、毎年のインフルエンザ予防対策としてのワクチン接種は、生まれてから医師としての現役生活を終えるまでは一度も受けたことはありませんでした。にも関わらず、インフルエンザが猛威を揮っていた時期でも一度も感染に見舞われることはありませんでした。
この考え方でいけば、今回の新型コロナウイルスワクチン接種も受けないはずでした。
しかし、今回の新型コロナウイルスワクチン接種に関しては、個人的な考え方が容認されない側面・・他者への感染の可能性があること・・が存在することから迷っていました。
新型コロナウイルス、さらに変異株の増加傾向、持病のある高齢者に致死率が高いことから高齢者を優先して接種することになっていることから社会的に迷う理由でした。
ところが、個人的には、医師としての不養生による疾患(COPDも含めて)の増悪によって医師としての現役生活を引退し、現在ではほとんど引き籠もりのような隠遁生活を強いられることになっており、謂わばゴミのような存在でしかなくなってしまいました。
ところが、新型コロナウイルスのワクチン、予防接種が世界各地で進み、日本国内での準備も進んでいます。今回は、医療従事者に引き続いての高齢者への接種です。このような順次という、やりかたそのものは、ワクチンそのものが入手できていないことに起因しています。このような現状を鑑みる限りは、限られた数量のワクチンを最大限に有効に使っていくべきと私自身は考えています。
私のように社会に貢献もできない状況におかれる羽目に至った時点で、ワクチン接種は辞退すべきであり、必要とする人たちに譲るべきと思っております。
譲った後は、感染源とならないように細心の注意を払い、引き籠もりの生活に徹するべきと考えております。
このようにして、一番最後に、ワクチンが残っておれば、接種させてもらうのが一番との結論に至っております。
いずれにしても、つい先日 緊急事態宣言がやっと解除されたばかりでありながら、再度新規の新型コロナウイルス感染拡大が起こり、現在ではその波は止まらず、むしろ増加傾向が見られ、まん延防止措置は既に大阪、兵庫、宮城の3府県に適用されていますが、東京、京都、沖縄の6都府県に拡大しています。
これらの6都府県の新規の新型コロナウイルス感染者数は過去最大であると報じられているにもかかわらず、現在では、最初の緊急事態宣言が政府から発出された時点のような悲壮感は全く見られないように感じられるのは私だけなのでしょうか?
とくに、酷いのは某テレビ局です。4月になり新年度になったと浮かれて、このような悲劇的局面にありながら、朝、昼、晩と3回に分けて各アナウンサーがバカヅラを下げて愛想を振りまき、コメンテイターたるは、政府および都道府県知事の施策をコキおろすことしかせず、何を市民に要望しているのか”訳がわからない”と口を揃えて謂っていることです。最も酷いのは、医学的立場からコメントすべきところを、何故だか芸能リポーターにコメントさせたり、それも普通に話せばすむことでありながら、口を尖らせてコメントさせるとは何か意図でもあるのでしょうか?
またアナウンサーによっては、コロナ報道は1年以上行っていて、その起こり始めから現在までその考え方には知識が増えるにつれて変わってきて当然でありながら、このような変化を意識することもなく、各知識人にコメントを求め、結局、自分が何を言っているのかまったく分かっていない人もいるようで、1年以上も毎日見ておれば、このアナウンサーはバカじゃないのの思わざるをえません。
このようなテレビ報道の実態も、新規の新型コロナウイルス感染者数が過去最大となってきている原因の一つにもなっているように思えてなりません。
こういった事実をテレビ局は反省すべきと思っております。
先程のテレビ局とは違う局では、某県の新型コロナウイルス対策本部のある1日を取材し、これを特集していました。これを見る限りは、先程のテレビ局のように政府および都道県知事の施策を批判するような言動は、少なくとも出てこないはずです。
また、この局では北海道の第3次救急を担う医療機関の密着取材を行っていました。本来、このような第3次救急を担う医療機関は、国か県が運営しているのですが、ここは民間の医療機関が取り上げられていました。
ここでは、普通の状況では新型コロナウイルスの重症患者は存在せず、このため、モロに影響が及んでくることは素人でも理解されるはずです。このような単純なことが理解されていません。コロナ患者のための重症病床が何時でも用意されては居ないということです。一般の素人は、いつでもこのような患者さんが入院できると思いがちですが、決してそうではないことをキチント理解させることがテレビ報道の役割であるはずです。
こうした基本的なことを報道することがマスコミの役割のはずです。
各テレビ局では、池上彰の報道番組を組めば、格調の高い番組と思い勝ちですが、このような高いギャラを支払わなくても、もっと現実を見据えた報道をすべきです。
例えば、先程の第3次救急を担う医療機関だけでなく、第2次救急医療機関、さらに第1次救急医療機関、これらすべてをコロナ禍の時代での現状を密着取材することです。
この現実を明らかにすることによって初めて、「医療従事者への感謝を込めて・・」ということになるはずです。
とくに、第1次救急医療機関の実態を明確にさせることは極めて重要です。
第1次救急医療機関とは、一般開業医です。そうです、かかりつけの先生です。これを明確にすれば、保健所の業務の実態がさらに明確になってくるはずです。
このような救急医療機関のコロナ禍の実態ドキュメント報道を特集で行うことで、テレビ局のアナウンサーも、コメンテイターとして芸能リポーターを加えることの是非が明確になるはずです。このような報道番組を行えば、これまで約1年以上に渡って行われてきたテレビ局のコロナ報道は結局何だったのかが明らかにされるはずです。
このように考えてみれば、コロナ報道を行う際に、芸能リポーターにコメントさせるテレビ局とは一体何なのでしょうか? 芸能およびスポーツ(特に阪神応援)テレビ局と改名すべきであり、このような局がコロナ報道を行うこと自体、慎むべきと考えます。