運動療法 2 | 頭痛 あれこれ

頭痛 あれこれ

 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

ミトコンドリア・ダイエットとは?

      

 「ミトコンドリアダイエット」という言葉を聞いたことはありますか?
 まず、「軽い空腹状態で生活すること」。おなかがすくと、身体はもっともっとエネルギーを作り出そうとミトコンドリアを増やします。昼食を我慢するなんてことまでする必要はなく、小腹がすいたときの間食をやめ、夕飯まで我慢するなどして軽い空腹状態をつくります。一度に食べる量を少なくするというのもいい方法です。間食のカロリー摂取を抑えられ、しかもミトコンドリアが増えて糖や脂肪が燃えやすくなるのですから一石二鳥です。
 そして、「姿勢を保つよう心がけること」。ミトコンドリアが住んでいるのは、持久力のある筋肉です。片足に体重をかけて「休め」の姿勢をとったり、座ったときに姿勢を丸めるのをぐっとこらえて、正しい姿勢を維持するように心がけてください。見た目にも美しいですし、姿勢が正しいとおなか周りも普段よりしゅっとして見えます。かっこいい姿勢をとり続けることが、本当のかっこいい体型へと繋がっていくのを意識してみてください。
  さらに、運動でも増やせるのですが、これも無理がなくて簡単です。
 「30秒間の無酸素運動と、30秒間の有酸素運動を繰り返す」ということをすればいいのです。
 例えば、腹筋の姿勢を30秒間保ったあとに、足踏みを30秒間する......というような感じです。運動が得意・苦手にも関係なく誰にでもできる方法です。

 簡単で無理のないダイエットなので、今まで挫折してきた方にも続けられるはず。ミトコンドリアに協力をお願いして、若くて美しい体型を目指しましょう。


 ミトコンドリアダイエットの方法


 やり方のポイントは、「有酸素運動30秒」と「無酸素運動30秒」をセットにした1分間のエクササイズを、1日三回行うことです。
しかも、有酸素運動といっても、軽くジャンプするとか、足を上げるなどの、簡単なエクササイズです。
 また、無酸素運動といっても、腕立て伏せの格好を30秒間保つ程度です。
これらの有酸素運動と、無酸素運動を、わずか30秒ずつを組み合わせた1分間のストレッチ体操を、1日3回行うのが基本です。


 これによってミトコンドリアが活性化されて、代謝機能の高い身体に改善されていきます。


脳内セロトニン低下と慢性頭痛


 この脳内セロトニンの低下を来す要因として、運動不足が挙げられています。


「脳内セロトニン不足」の要因としての「運動不足」のタイプ


  固いものをあまり食べない
  階段を使わずエレベーターやエスカレーターを使う
  30分以上続けて歩くことができない
  運動不足である
  デスクワークが多い


 セロトニン不足の要因の一つである運動不足タイプは、上記のようなものが挙げられます。
 

 現代人にとって運動不足は大きな問題となっており、セロトニン不足の大きな一因にもなっています。
 一定のリズムで同じ動作を繰り返す「リズム運動」がセロトニン神経を活性化させます。
 リズム運動をすると、セロトニン神経が活性化し脳内のセロトニンが増えます。
 代表的なリズム運動としては「歩行」「咀嚼(そしゃく)」「呼吸」が挙げられます。
 しっかり歩いて、しっかり噛んで食べて、しっかり呼吸をする、基本的なことですが現代生活ではおろそかになりがちかと思います。
 デスクワークが中心の生活の人は、運動する時間を設ける、なるべくエレベーターやエスカレーターではなく階段を使う、など工夫して生活の中にリズム運動を積極的に取り入れて、脳内のセロトニンを増やしましょう。激しい運動をする必要はありません。
 長続きする緩やかなリズム運動を毎日するように心がけましょう。
 脳内のセロトニンが増えると爽やかな気分になり、よりエネルギッシュな毎日を送ることができます。
 リズム運動をすることは運動不足解消にもなりますので、肥満や生活習慣病の予防や改善にもつながり、一石二鳥です。


  散歩
  ガムを噛む
  ヨガ
  座禅
  呼吸
  ジョギングなどの有酸素運動

 

 いくつかリズム運動を挙げましたが、東邦大学の有田秀穂教授によれば、リズムが繰り返される行動ならどんなものでもよいとされています。
 ガムを噛むという動作は、噛むだけでセロトニン神経は活性化されますので、いつでも手軽に行えるリズム運動でしょう。
 ガムを200回ほど噛むことで、セロトニンが分泌され、気分を晴れやかにするなどの作用があります。
 ただし、リズム運動を行なう時はなるべく集中して行うことです。周りに気を取られていたら、セロトニンが活性化されないという実験データがあります。
 毎日20~30分間、一定のリズム運動を続けることがコツです。
  現代、便利なモノが増え、日頃から一定のリズム運動を行なう機会も減ってきました。
  運動不足につながり、それに伴ってキレる子供やうつに悩む大人が増加傾向にあるようです。
  セロトニンを増やすリズム運動を普段から行ない、ストレスに強いカラダを作り上げましょう。


 セロトニンとリズム運動


 セロトニンを活性化して機能を高めることが、慢性頭痛の改善につながるといえます。
 そのための効果的な方法の1つが、リズム運動です。
 リズム運動とは、簡単にいえば一定のリズムを重視した運動のこと。たとえば、東京の江戸川区ではダンス(マンボ、ルンバ、ブルースなど)をアレンジしたリズム運動に早くから取り組み、参加者(1万人以上の中高年)の体力年齢が平均で10~15歳も若くなったことが報告されています。
 一方、リズム運動のメンタル面の効果については、東邦大学医学部の有田秀穂教授が検証しています。同教授の著書などによれば、セロトニン神経系の活性化には、呼吸・歩行・咀嚼(そしゃく)などのリズム運動が効果的とのことです。。
 では、セロトニンの活性を高め、慢性頭痛改善に効果的なリズム運動とは、具体的にどういうものなのでしょうか。


効果的なリズム運動とは


 リズム運動でもっとも手軽なのは、咀嚼、つまり噛むこと。たとえば、ガムを噛むという簡単な行為でも、20分程度続けていると、脳内セロトニン濃度が高くなるのです。
 また呼吸では、坐禅の呼吸法(丹田呼吸法)をおこなうことで、同様の効果がみられます。
 丹田(たんでん)呼吸法とは、へそと恥骨上部の中間にある丹田に手を添え、意識もそこに集中しておこなう静かな呼吸で、坐禅のときにも活用されます。なお丹田の場所は、寝た姿勢で上体を少し起こしたとき、腹筋のいちばん固くなるところです。
 咀嚼や呼吸は簡便な方法ですが、運動不足解消のためには、もう少しからだを動かす運動がしたいという方も多いでしょう。その場合には、ウォーキングや軽いジョギング、自転車こぎ、太極拳などにも、セロトニン神経系の活性化作用があるので、次のことを守って実践してください。
 リズム運動には、効果的な運動継続時間があります。どの運動の場合も、運動を始めて5分後くらいからセロトニン濃度が高まり、20~30分でピークに達します。それ以上運動を続けて、疲れたと感じるレベルになると、かえってセロトニンの機能は低下します。また、自分にとってきついと感じる激しい運動や、苦手な運動の場合も効果は期待できません。
 運動を始めるとつい頑張って、やりすぎになりがちですが、慢性頭痛改善のための運動は楽しみながら、できれば毎日20~30分間おこなうことです。この程度の時間なら、仕事のある方でも早朝や昼休みを利用して継続しやすいでしょう。夜間でも、運動をしないよりはいいのですが、セロトニンは太陽の光で活性化されやすいので、朝や日中のほうが効果的だといえます。
 リズム運動のメリットは、セロトニン濃度が高まることで慢性頭痛が改善されるだけでなく、元気がでてポジティブな気分になる人が多いという点です(有田教授の調査による)。まさにメンタル強化にピッタリなのが、リズム運動だといえるでしょう。


運動のコツ


 リズム運動は、1人でやるよりも大勢で楽しくやると、セロトニン効果がより高まるとされています。江戸川区のリズム運動の場合は、区内にたくさんの同好グループができています。
 しかし、それほど大勢でなくても家族や友人を誘って一緒にウォーキングなどを楽しむのが、セロトニンの機能を向上させ、メンタル面を強化するコツの1つです。ただし、リズム運動はだらだらとやっても効果が出ないので、仲間同士であっても運動に集中することを忘れずに。


脳内セロトニンを増やす。特効薬は筋肉増強!


 脳以外の血液中のセロトニン濃度に関しても、トリプトファンの量そのものより、他のアミノ酸との比率が重要になります。
 たとえば、筋肉の合成にはトリプトファン以外のアミノ酸が多く使われます。私たちの筋肉も食肉と同じようにトリプトファン比率が低いことから、筋肉量が増えるということは、他のアミノ酸がより多く使われて相対的にアミノ酸プールのトリプトファンの割合が増えることになります。こうして筋肉を増強することでトリプトファン濃度が高まると同時に、脳内へのトリプトファンの取り込み量も増えて、脳内のセロトニン不足が改善されることになります。女性よりも男性のほうが脳内セロトニンの生成量が多く、片頭痛になりにくいのは、男女の筋肉量の違いにもよると考えています。
 そこで注意したいのが、無理なダイエットなどで筋肉量を落としてしまうことです。
 筋肉量が減ればトリプトファン以外のアミノ酸の量が増え、トリプトファンの比率が下がって脳内セロトニンが減少します。その結果、基礎代謝は低下し、中枢神経の働きも悪くなりますので、かえって肥満になりやすい体質となり、再度ダイエットをしなければならないということになります。
 重度の片頭痛の方にとって、筋肉トレーニングなどの運動は片頭痛発症の原因となりますので、すぐに取り掛かるということはできないかもしれませんが、体質改善が進んでくれば是非とも早い時期に取り入れたい課題です。
 大雑把な捉え方ですが、アミノ酸とのバランスから考えると、米飯中心の食事では大豆や大豆製品との相性がよく、小麦や肉類、乳製品中心の食事の場合には、芋類・野菜類が必要不可欠ということになります。
 小麦や肉類、乳・乳製品などトリプトファン比率の低い食品のとり過ぎ、そこに運動不足が重なれば、多くの場合、セロトニン不足に陥ることになります。
 逆に、動物性タンパク質を少々とったとしても、充分な運動で筋肉を鍛えて筋肉量を増やせば、セロトニン不足には陥りにくいわけです。肉類や乳製品の多い食事をする場合には、運動が必要不可欠だということです。また、運動量の少ない減量(ダイエット)をするときには、肉類や乳製品のとり過ぎがセロトニン不足を招きやすいということでもあります。
 もしあなたが「糖質制限食」や「タンパク質ダイエット」をしているのなら、くれぐれも充分な運動を忘れないでください。さもないと腸内細菌が悪い状態になるだけではなく、脳内セロトニンも最悪の状態になってしまいます。


疲れるまで歩かない
 

 セロトニンは、運動を行う際に体内で分泌される乳酸と呼ばれる物質に抑制されます。ですから、疲れるまでウォーキングを行なうことはNGです。ウォーキング時間は5~30分以下に設定し、自分の体調などに合わせて行いましょう。


乳酸を感じてみよう


 ところで、乳酸の蓄積が始まるとどんな状態になるかご存知でしょうか?乳酸が溜まってきたという感覚を簡単に味わえる方法をご紹介しましょう。
 壁や柱などを支えにして片足で立ち、かかとの上げ下げをゆっくり50回ほど行ってみてください。(無理はしないで下さい。続けられなくなったら、やめて下さい。)30回を過ぎたあたりから、ふくらはぎがすごく熱く痛くなってきます。この痛みの感覚こそが乳酸が蓄積されてきた証拠なのです。この症状は乳酸が溜まることにより、筋内の状態が酸性に変化し、ヒスタミンやブラジキニン、プロスタグランジンなどの痛み物質が分泌されることを示しています。


セロトニン・ウォーキング


 東邦大学医学部生理学教授の有田秀穂先生は、ウォーキング法のひとつとして、セロトニンを多く分泌させる「セロトニン・ウォーキング」を提唱しています。

 ひとことで言うと:毎朝、早足で散歩しよう、ということです。


 具体的には、以下のように行います


1.日光に当たる時間帯にウォーキングを行なう
 

 セロトニン神経は光に当たることで刺激され、セロトニンの分泌を始めます。ですから、ウォーキングを行なう場合は朝の日光が出ている時間帯に行なうようにします。特におすすめの時間帯は朝6時の早朝ウォーキングです。


2.繰り返しのリズム運動を意識する
 

 繰り返しの要素があるリズム運動を行うことでセロトニンの分泌が促されます。ですから、ウォーキング中はリズムを意識しながら歩くようにします。ウォーキング中は心の中で「1、2、1,2」リズムをとり、規則性を維持しましょう。
 

3.悩まずに歩く


 何かを悩みながらウォーキングを行なうと、繰り返しのリズム運動が乱れることがあります。ですから、ウォーキングを行なう際はリズムだけを意識し、その他のことはなるべく考えないようにします。
 

4.ウォーキング中の呼吸法
 

 ウォーキングの始めは「ハッ(吐く)、ハッ(吐く)、ハッ(吐く)、スー(吸う)」の3歩吐いて、1歩吸うリズムで呼吸を行い、息があがってきたら「ハッ(吐く)、ハッ(吐く)、スー(吸う)、スー(吸う)」と吸う回数を増やして呼吸を整えます。この呼吸法を行なうことで、セロトニンの分泌を促すだけでなく、エネルギー消費量も増えます。


5.歩く速度はできるだけ速くする
 

 有田先生によると、スピードを速めることでウォーキングをすること以外は考えなくなるとのこと。ですから、できるだけ速めに歩くよう意識してください。


6.疲れるまで歩かない
 

 セロトニンは、運動を行う際に体内で分泌される乳酸と呼ばれる物質に抑制されます。ですから、疲れるまでウォーキングを行なうことはNGです。ウォーキング時間は5~30分以下に設定し、自分の体調などに合わせて行いましょう。


7.ウォーキングができない場合はセロトニンエクササイズを行う
 

 仕事の都合、豪雨などの天災などでウォーキングを行なえない場合はセロトニンエクササイズを家の中で行ないます。イメージとしては以下のエクササイズです。


<セロトニン・エクササイズ1:丹田呼吸法>


(1)おへそから3寸(8cm)程下の位置にある丹田(たんでん)に左手の平を当て、右手はへそ上2cm程度の位置に添える(両手共に手の平は腹側)。
(2)3秒間目一杯息を吸い込む。
(3)息を吸い込んだ後、少し前かがみになり5秒かけてゆっくりと息を吐き出す。
(4)この呼吸法を6回繰り返し、左右の手を逆にして、さらに6回丹田呼吸法を行なう。


<セロトニンエクササイズ2:軽めのスクワット>


 (1)直立し、両手は前方にまっすぐ伸ばす。
 (2)この状態から、太ももを30度程曲げ、元の位置に戻す。
 (3)この一連の動作を100回程度、リズミカルに行なう。
 ※目安は100回ですが、疲れる前に終わるようにします。

 
疲れなどで、体に乳酸が溜まったとき・・脳内セロトニン低下の要因


乳酸とセロトニン


 疲労状態の時、体内には乳酸が蓄積しています。セロトニンの分泌を妨げるのが疲労です。乳酸はセロトニンの分泌を抑制します。
 セロトニン神経が神経末端からセロトニンをシプナス間隔に放出しますと、それは標的細胞のセロトニン受容体に作用して、興奮や抑制を起こします。余ったセロトニンは、再利用ために、放出側の神経端末に再取り込みされます。その運搬役がセロトニン・トランスポーターです。
 この運搬役の働きは、乳酸によって促進されます。再利用のためにせっせとリサイクル機能を高めてくれるわけで、このこと自体はけっして悪いことではありません。ところが、再取り込みだけが、必要量を上回るほど進んでしまうと問題です。セロトニン放出が標的細胞に十分な影響を与えることなく、直ちにもとの神経端末に戻ってしまいます。セロトニン神経のインパルス発射および放出はたとえ正常でも、再取り込みが進みすぎるために、標的細胞には十分に届かないことになります。
 これでは、セロトニンが貯蔵庫に蓄えられるだけで、有効に活用されないことになります。セロトニンのデフレ状態です。
 活発化したトランスポーターは必要以上にセロトニンを取り込んでしまい受容体と結びつく量を減らしてしまうのでセロトニンは役割を果たすことができず、身体はセロトニン不足と同じ状態になってしまいます。
 心身の疲労により生産された乳酸が血液に蓄積すると、脳をはじめ身体の機能が低下してきます。
  こうしたことから、「疲労はセロトニン神経の大敵」とされています。


<乳酸と疲労>


 疲労を感じるのは、脳の特定の神経回路が関係しています。運動したり激しく活動すると、筋肉中に乳酸という疲労物質が溜まり、疲労物質が体内に増えた状態であると、疲れや倦怠感の原因となります。疲労による倦怠感は、このような体内に蓄積する乳酸の影響である事が多く、乳酸の量を減らす事で疲れをとる事ができ、倦怠感も無くなります。乳酸は、入浴によって血液の循環を促すことで、血中の乳酸が老廃物として回収されて、浄化されるためとされています。
 筋肉や血中に乳酸が溜まるほかに、セロトニンという物質も疲れによる倦怠感や、だるさに影響するとされています。激しい運動をすると、乳酸が増加するのに対し、セロトニンが減少することが解明されています。セロトニンは、自律神経の交感神経と副交感神経の働きを制御していると考えられており、セロトニンは減少する事で2つの自律神経がバランスが崩れます。この為、交感神経が活性化していると、緊張状態が続く事になります。 緊張した状態が続いて副交感神経に切り替わりにくくなると疲労して倦怠感が引き起こされ、身体はだるくなって、冷えや肩こり、また腰痛や頭痛といった症状を招きます。疲労とは、必ずしも肉体的なものでは無く、頭脳労働や精神的な心労も含むと考えます。したがって、運動していないのに体がだるい時は乳酸と全く無関係とはいえません。


「乳酸」は疲労物質 !?


 乳酸は、実は疲労を引き起こす物質ではなく、むしろ疲労を緩和させるために現れる物質だということが分かっています。確かに激しい運動や重労働の後に体がへとへとになり、腕を上げたり歩いたりすることができなかったりしたとき、筋肉中には乳酸が溜まっているのは事実です。
 筋肉を動かすとき、人の身体は酸素を燃やすことでエネルギーを作り出し、そのエネルギーを使います。しかし、その運動が激しすぎると体への酸素の供給が追い付かなくなります。「乳酸が溜まった筋肉はうまく収縮できないため痛みや炎症が起こる」と、長い間誤解されていたのです。無酸素運動を続けると血液中に乳酸が増えるのは事実ですが、この乳酸のせいで疲労するわけではありません。むしろ乳酸は、“細胞の疲労を保護する”働きがあり、疲労を回復させるためのエネルギーとして使われているのです。
 実際の疲労の原因は、「脳内セロトニン」の不足と、「血中還元型コエンザイムQ10」の不足なのです。


実は乳酸は疲労回復する


 疲労は乳酸の蓄積によるものと言われていますが、実は今では乳酸はむしろ筋肉の疲労を抑えて脳神経活動のエネルギー源となる疲労回復物質だという見解があります。
 冤罪の乳酸に代わり、疲労の真犯人と見なされているのは「活性酸素」です。ヒトは呼吸し酸素を炭酸ガスに変える経路で、食事由来の糖からエネルギーを生み出しています。 その過程で毒性の強い活性酸素が産生されますが、普通は抗酸化システムが速やかに始末しますので問題にはなりません。ところが、身体活動や脳の酷使が過ぎますと大量の活性酸素を処理し切れなくなり、細胞や神経細胞がキズつきます。その結果、エネルギー代謝や中枢神経系に異常が生じます。さらに細胞の損傷が引き金となり、脳に疲労を伝える「TGFβ」という物質が増加します。気分や判断力に関係する神経伝達物質のセロトニンやノルアドレナリンの代謝に異常が生じ、脳が「疲れた」と感じるのではないか、と推測されています。


疲れの原因物質 TGF-β


 肩こりは、筋肉がこわばっている状態を言いますが、この状態の時は血管が圧迫されている状態で、すなわち血行が悪くなっています。血行が悪いと、酸素不足を起こしています。この時、筋繊維の細胞は、グリコーゲンからエネルギーを作る時に通常なら、2%の活性酸素を発生するところ、酸素不足の状態だと5~10%もの活性酸素を発生します。 この為、細胞がダメージを受けやすく、細胞修復のためにTGFーβなどの免疫物質が出されます。この為、疲れを感じます。


疲れの原因物質は、TGF―βなどの免疫物質


 筋繊維中の細胞では、グリコーゲンがエネルギーに変えられ、その過程で酸素を作り出しています。しかしそれと同時に活性酸素も作られ、これが細胞にダメージを与えます。 このダメージを修復するために免疫細胞は、多くの免疫細胞を集める合図を出します。 この合図がTGF-βなどの免疫物質で、この合図によって免疫細胞が集まり傷ついた細胞を修復します。TGF-βなどの免疫物質は、傷を修復している間中出続けます。
 しかし、TGF-βなどの免疫物質が疲れの原因物質と言われるのは、合図をするだけでなく、脳に影響するところにあります。特に自律神経中枢に影響を及ぼし機能を低下させます。自律神経の機能は、血圧や体温、睡眠、日内リズムを調節する働きをしています。 このため、TGF-βなどの影響を受けるとこれらの副交感神経系のリズムが崩れ体調の異常が起こります。
 脳の自律神経中枢へTGF-βなどが送られる経路は、血流によってあるいは、末梢神経の神経伝達により脳で感知されると考えられています。TGF-βは、代謝によって消えるので、血行を良くすることが疲れを解消することにもなります


疲労の見張り番とセロトニンの効果
 

 脳には、疲れの見張り番がいて、丁度目の奥、眉間の奥辺りの脳幹にあります。これが疲れを感知すると、脳幹に脳を休ませるよう命令します。脳幹の縫線核は脳のあちこちにセロトニンを出し、脳をリフレッシュさせます。
 しかし、セロトニンは合成量に限界があるため、やがて疲れを感じてもセロトニンが出なくなります。疲れていても休ませることができずに脳が働き通しになり疲労が解消できません。
 また、TGF-βは、セロトニンを阻害する物質でもあります。疲労状態が続けば、脳をリフレッシュするセロトニンも阻害され、余計に疲労解消ができないことになります。

 

  ここでコマーシャルです。


  頭痛が気になったら・・
   
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