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 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

「慢性頭痛」は「生体リズム」の乱れから


 本来、脳のなかに異常のない「慢性頭痛」は「健康的な生活」を送ることができないことに根本的な原因があり、”慢性頭痛”とは、「不健康な生活を送っている」という生体の警告の信号”サイン”と考えなくてはなりません。


 健康的な生活とは、生まれつき体に備わっている「生体リズム」に沿った生活ということを意味しています。この生活のリズムは「ホメオスターシス」によって維持され、体内時計により刻まれ、ミトコンドリア・セロトニンにより制御されています。
 経験的に、ストレスは慢性頭痛を増悪させる原因と知られています。
 そして、このストレスが、「ホメオスターシス」を乱す根源になります。
 先程の「恒常性(ホメオスターシス)」の維持には自律神経、内分泌系、免疫系の3つの働きが深く関わっており、それはストレスなどに大きく影響されます。例えば、ストレスは自律神経を失調させ、内分泌系を乱し、免疫力も低下させてしまいます。
 このように、慢性頭痛のスタートは、「生活のリズムが乱れる」ことによって起きると考えなくてはなりません。


 脳のなかに異常のない「慢性頭痛」とは「健康的な生活」を送ることができないことに根本的な原因があります。
 健康的な生活とは、生まれつき体に備わっている「生体リズム」に沿った生活ということを意味しています。
  ということは、「慢性頭痛」は、まず、「生体リズム」の乱れから始まります。


 生活リズムが乱れてしまうと私たちのカラダの体内リズムまで乱れてしまい、心身の健康にさまざまな影響を及ぼしてしまいます。
 例えば昼夜が逆転するような生活リズムの乱れた生活をしている人は体内リズムも乱れている可能性があります。


 このように、脳のなかに異常のない「慢性頭痛」とは「健康的な生活」を送ることができないことに根本的な原因があります。


生体リズムとは


 動物、植物そして微生物など、すべての生物が持っている生命現象の周期的な変化を、「生物リズム」あるいは「生体リズム」といいます。
 生物は、固体の生存、種の保存、繁栄にとって最適な、空間構造(形態と生活空間)と同時に、時間構造を選択しています。これが生体リズムの本質であり、一定の時間間隔で生命現象、行動が繰り返されます。
 現在、人の体内では300以上のリズムが証明されています。身体の細胞自身にリズムが与えられ、それらの集合による組織としてのリズムが生まれます。これが、脳、心臓、肺などの各臓器にもリズムとして伝わります。こうして人は、持てる機能を最大限に発揮しながら、生活しているのです。


 生体リズムを刻むための「体内に備わっている時計」、すなわち「生物時計」は、1972年にアメリカの科学者らによって発見されました。研究者らは、ラットの左右の視神経が交叉(差)する部位(視交叉上核suprachiasmatic nucleus:SCN)に、この生物時計があることを証明したのです。


 その後、人でも同じ部位に、生物時計の中枢がある事が明らかにされ、その詳細な機能が解明されつつあります。
 現在では、生物時計を制御しているのは「時計遺伝子」とよばれる遺伝子であり、これが時計たんぱくと呼ばれる物質の生合成を介して、体内リズムを調整している事が分かっています。


加齢による生体リズムの変化


 しかし、加齢によって生体リズムが大きく変化することが分かってきました。最も大きく変化するのはサーカディアンリズムとされ、その振幅が低下してきます。つまり、1日のうちでの体調や身体機能の上下幅が小さくなるのです。元々のサーカディアンリズムの周期が、地球の自転の24時間に近いほど、寿命は長くなるとされています。

 また、食事のリズムの変化も、加齢や老化の調節要因であると考えらえています。すなわち加齢によって食事のリズムが乱れると、加齢が加速するということです。

 生体リズムの変化は加齢に伴って起こるものですが、一方で、生体リズムの変化がさらに加齢を加速する要因にもなっている、ということなのです。


 年を取るに連れて、の生体リズムにはどのような変化があるのでしょうか。まずは、前述したように、サーカディアンリズムが変化します。その結果、朝早くに目が覚め、夕方になると眠くなるという人が増えることが特徴です。また、海外旅行などへ出かけた際に「時差ボケ」の程度が大きくなるのも、高齢者の生体リズムの大きな特徴となります。


生体リズムと病気の関連


 "西洋医学の父"と称されるヒポクラテスは、今から約2400年前に「規則性は健康の兆候であり、不規則な身体機能や不規則な習慣は不健康状態をつのらせる」と述べ、健康の維持に生体リズムが重要であることを指摘していました。現在のような西洋医学が発展するずっと以前から、生体リズムと健康の関連性は重要視されていたのです。


体内時計と生体リズム


 上記のように、体内時計や生体リズムという言葉が一般に使用されるようになってきました。
 最近の研究から、体内時計は体中にあることが知られています。その中で全体の体内時計を司っているのが視床下部の視交叉上核にある体内時計です。
 体内時計を元に、身体のなかではさまざまなリズム、つまり生体リズムが刻まれています。睡眠と覚醒のリズム、体温のリズム、行動のリズム、ホルモン分泌のリズムなどです。
 睡眠と覚醒のリズムは、睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンの分泌と深く関連しています。メラトニンとは、日中に光を浴びることで作られ、夜になって暗くなると分泌を始めます。朝強い光を浴びるとメラトニンの分泌が抑制され、夜暗くなると再び自然にメラトニンが分泌されて眠気を促し睡眠と覚醒のリズムが作られます。


 このように、生体リズムを保つには睡眠が極めて重要になっています。


 体内時計とは、私達自身の体、臓器や器官がそれぞれ持っている時計で、地球の自転(24時間)とは1時間ずれ、体内時計は1日25時間と言われています。この時間を調整し、地球の自転とあわせてくれているのが朝日なのです。ですから、放っておくとリズムが崩れ、生活リズムが乱れていきます。そのリズムを元に戻してくれるのが朝日なのです。
 また、太陽の光は、視床下部の中にある視交叉上核から松果体を刺激し、セロトニンやメラトニンというホルモンを作ってくれます。
 この二つのホルモンは、ミトコンドリアの天敵「活性酸素」を除去する働きがあります。 メラトニンは睡眠ホルモンとして、セロトニンは心を鍛え、バランスを整えるホルモンとして有名ですが、この二つとも、ミトコンドリアにとって天敵の活性酸素を除去する働きがあります。
 活性酸素は、細胞を傷つけたり壊したりする働きがあるので、ミトコンドリアだけでなく体にとっても天敵で、片頭痛の原因でもあるのです。


 朝日を浴びることは、この活性酸素を減らすホルモンを出す効果もあるのです。


 前回述べましたように、健康的な生活とは、生まれつき体に備わっている「生体リズム」に沿った生活ということを意味しています。
 この生体のリズムは「ホメオスターシス」によって維持され、「体内時計」により刻まれ、「体内時計」は「ミトコンドリア」・「セロトニン神経系」により制御されています。


生体リズムは”不規則な生活”で乱れる


 多くの人は朝起床し、夜就寝します。これには、人間は体温が低いと眠りやすく、高いと眠りにくい特性があり、日中は体温が高く、夜低くなるというリズムが影響しています。
 このようなリズムは生体リズム(サーカディアンリズム、概日リズム)と呼ばれ、私たちの体にある体内時計により作られています。
 夜勤や日勤の交代勤務や、午前3時、4時に就寝するような超夜型生活などで不規則な睡眠時間が続くと、生体リズムに乱れが生じ、眠りの質が悪化してしまい睡眠不足をまねくことになります。
 また、睡眠を安定させるメラトニンというホルモンがありますが、生体リズムが正常であれば、暗くなって就寝時間の1~2時間前には周期的に分泌されますが、生体リズムが崩れていると、このホルモンの分泌も不安定になります。  
 生体リズムは生活環境により崩れやすく、その崩れは睡眠に大きな影響を与えます。


 体内リズムが乱れる原因は何?


 主に、不適切な光環境によって体内リズムは乱れてしまいます。
 体内時計の“時刻合わせ”をする、最も影響力の大きな因子は光なので、夜遅くまで起きてずっと明るい環境に身をおいていたり、朝遅い時間まで寝て太陽の光を浴びる時間が遅れてしまったりすると時刻合わせが出来ずに体内リズムは乱れてしまうのです。

 朝に太陽が出ても、光を通さない遮光カーテン1枚で部屋の中に“夜”を作り出すことが簡単に出来ます。
 また、24時間動いている現代社会では夜間も昼のように明るい環境を作り出すことが可能です。このような環境で昼夜が逆転するような生活をしている人は、体内リズムが乱れている可能性があります。


朝食抜きでもリズムが乱れる


 昼・夜といった外の環境と体内リズムを調整する作用をもつものは「同調因子」と呼ばれ、一番強い同調因子は光の刺激とされていますが、食事も同調因子の一つであると考えられています。

 視床下部の視交叉上核にある体内時計は「主時計」とも呼ばれ、朝浴びる太陽の光によって調整され、そこから体全体のリズムを整えていきます。心臓や肝臓、腎臓など、あらゆる臓器にも固有の時計「末梢時計」が備わっており、これらを効率よくリセットするには食事、特に栄養バランスの整った朝食の刺激が良いといわれています。
 朝日を浴び、朝食をとり、1日の活動をスタート……というリズムが体の調子を整えているからこそ、朝食抜きといった生活リズムの乱れが眠りの問題、ひいては心と身体の健康状態を左右することになります。


寝だめによる体内リズムの乱れ


  ソーシャル・ジェットラグ(社会的時差ぼけ)とは?


 平日は仕事に追われ、休日になったらたまった疲れをとるために昏々と寝続ける。十分眠ったはずなのに月曜日がだるい、このようなことを経験したことはないでしょうか?
 実はこの寝だめというのも体内リズムの乱れを引き起こすことが分かってきました。平日の疲れを癒すためにある程度遅起きすることはOKですが、寝過ぎはNGです。ポイントとなるのは朝日を浴びるタイミングです。
 ここでは寝だめによる体内リズムの乱れについて考えていきます。


 ソーシャル・ジェットラグ


 実は私たちの身近にも体内リズムの乱れを引き起こす場面があります。
 平日の朝は目覚まし時計で決まった時刻に起きるけれど、休日は朝寝坊。十分に寝たはずなのに、月曜日がだるい、こんなことを感じたことはありませんか?


 社会的制約(仕事、学校、家事など)がある平日の睡眠と、生物時計と一致した制約のない休日の睡眠との差によって引き起こされる、“平日と休日の就寝・起床リズムのズレ”を、学術的には「ソーシャル・ジェットラグ」と呼びます。2006年、ドイツの時間生物学者、Till Roenneberg教授が提唱した新しい概念です。


 ソーシャル・ジェットラグはまさに、現代型の睡眠の問題を引き起こす典型的な要因といえるでしょう。朝寝坊した休日には、太陽の光の刺激を受けるタイミングが遅れてしまい、休日に東南アジアに旅行にいったように私たちの体内時計は勘違いしてしまいます。 このような“時差”によってメラトニンをはじめとした体内リズムも乱れ、日中眠くなったり、眠りたい時間に眠れなくなってしまうのです。


 すぐに戻らないソーシャル・ジェットラグ


 休日の2日間朝寝坊しただけで、体内時計が30~45分遅れてしまうことが、複数の試験で確認されています。
 しかも、1度ずれてしまったリズムをもとに戻すのは容易なことではありません。週明けの前半まで眠気や日中の疲労感を引きずってしまうという報告もあります。


 深夜のスマートフォンが体内時計を狂わせる!?


 体内時計は、数億年前に地球上に誕生した生物が一番初めに獲得した「生きるために必要な体の仕組み」と考えられています。植物は太陽が昇る時間に合わせて効率よく光合成を行うため、小動物や昆虫は外敵の少ない夜間に行動して身を守るために太陽光を利用した体内時計をもっています。


 人間もまた太陽の動きに伴って生体リズムを刻んでいますが、その周期は地球の自転より少し長いことが分かっています。なぜ時間がずれているのか、その理由はまだ解明されてはいませんが、長い歳月をかけて少しずつ遅くなっている地球の自転に適応し、生体リズムを保持するために体そのものが変化したのではないかと考えられています。

 その結果、活動開始の時間帯に光を浴びると体内時計の針は前に進み、休息開始の時間帯に光を浴びると後退するという仕組みが出来上がりました。このため、朝起きてしっかり光を浴びると体内時計は24時間にリセットされます。
 反対に、夜にスマートフォンやパソコンなどのブルーライトに代表される強い光を浴びると26時間周期にずれてしまうなど、生体リズムが乱れる要因となるのです。


生体リズムの乱れが不調を引き起こす


 生体リズムが乱れると、なぜ体に不調が起こるのでしょうか。その大きな理由は、体内時計の持つ体への役割にあります。
 体内時計には、脳にある「親時計」と全身の隅々の細胞にある「子時計」の2種類があります。親時計と子時計は自律神経やホルモンを介在して連動し、次のような作用をもたらしていると考えられています。


   自律神経のバランスを調整する
   ホルモンの分泌を調節する
   免疫力を高める


 それぞれの体内時計の細胞の中には「時計遺伝子」と呼ばれる遺伝子が複数存在し、互いに作用して正確にリズムを刻んでいます。
 ところが不規則な生活が続いたりすると、時計遺伝子に異変が生じ、体内時計を狂わせてしまうことになります。食欲を抑えるホルモンや食欲を促すホルモンの濃度に異常が生じることから、メタボリックシンドロームや糖尿病といった生活習慣病、がん、アルツハイマー型認知症などの病気のリスクが高まっていくことになるのです。


 また、血圧や血糖値にもサーカディアンリズムがあり、それぞれ昼間は高くなり、夜は低くなります。しかし体内時計が乱れると夜でも血圧が高くなったり、夜眠れないことでホルモンバランスが乱れて血糖値を上げてしまったりすることもあります。

 さらに不眠は自律神経やホルモンに作用して食欲を増進させ、体重を増やす要因にもなるので注意が必要です。

 
生体リズムと規則正しい生活


 規則正しい生活を送りましょう。幼い頃から、何度も聞いた言葉ではないでしょうか?
 規則正しい生活とは、生まれつき体に備わっている生体リズムに沿った生活という意味で、最も自然で健康的な生活と言えます。
 しかし、現代の生活環境は、健康的な生活を崩す要因が多く、24時間営業の飲食店や夜通しの娯楽、コンビニやテレビ・パソコンなどの普及により急激に変化しています。このような変化により、体の生体リズムにも悪影響が及んでいます。
 生体リズムを無視した不規則な生活を送ると、頭痛を初めとして、様々な不調を感じるようになります。生体リズム、自律神経、ホルモンはすべて連帯しているため、生体リズムが乱れると自律神経やホルモンバランスにも悪影響が及んでホメオスターシス機能を乱すのです。


  生体のリズムは「ホメオスターシス」によって維持されています。
  ホメオスターシス・恒常性には自律神経、内分泌系、免疫系の3つの働きが深くかかわっており、それはストレスなどに大きく影響されます。例えば自律神経を失調させるストレスは内分泌を乱し、免疫力も低下させてしまいます。
  3つの相関関係は「ホメオスターシスの三角形」と呼ばれます。


 「ホメオスターシス三角」を形成する3つのなかの、自律神経系の調節には、”セロトニン神経系”が関与し、内分泌系は”ホルモン”と”生理活性物質”が関与し、免疫系には”腸内環境”が重要な位置を占めています。


 ”セロトニン神経系”の機能低下に、生活習慣の不規則・ストレス・生理周期や、“小麦、乳・乳製品、肉食に偏った食事”をとり続け、“運動不足”が重なると「脳内セロトニンの低下」が引き起こされてくることになります。
 内分泌ホルモンに相当する”生理活性物質”は、必須脂肪酸のオメガ3とオメガ6で作られ、この摂取バランスがよくないと、局所ホルモンのエイコサノイド・プロスタグランジンのバランスを乱すことになります。必須脂肪酸は生体膜(細胞膜)を構成しており、オメガ3とオメガ6の摂取バランスがよくないと、ミトコンドリアの機能・セロトニン神経系の機能にも影響を及ぼし、結果的に、細胞機能のバランスを欠くことになります。
 ”腸内環境”は、欧米型の食事に偏り、肉や脂肪・砂糖などを大量に摂取すると、間違いなく腸内環境は悪化します。
 また「ストレス」や「過労」も腸内環境に深刻な影響を与えます。「運動不足」も問題です。さらには「抗生物質」などの化学薬剤も、腸内細菌に決定的なダメージを与えます。


 このように、この3つは、生活習慣とくに食生活・ストレスによって影響を受けています。この「ホメオスターシスの乱れ」が慢性頭痛を起こしやすい状態を作ってきます。


 「ホメオスターシス三角」を形成する3つのなかの”一角”に問題を生じてくれば、極く軽度の頭痛が出現してくることになります。
 そして、これに更に、新たに”別の一角”の要因が加わればさらに頭痛の程度も増強してきます。
 最終的に、この”三角”とも全てに問題が起きることによって「生体のリズムの乱れ・歪み」を来すことに至り、難治の”慢性頭痛”を発症させます。


  片頭痛の患者さんでは、緊張型頭痛の場合と異なって、遺伝素因としてミトコンドリアの活性低下が存在することから、ミトコンドリアの働きを悪くし、セロトニン神経を弱らせる要因の影響を、とくに受けやすいことになります。 このため、こうした要因が加わることによって、”極く軽度の頭痛(緊張型頭痛)”から片頭痛へと進展していくことになります。


 そして、片頭痛のように「ミトコンドリアの活性低下」という遺伝素因がなくても、普通の人でも、「ミトコンドリアの働きが悪さ」と「脳内セロトニンの低下」を来す生活習慣が継続してくることによって、片頭痛とまったく同じような頭痛が引き起こされることになります。そうなれば最終的には緊張型頭痛であれ片頭痛であれ同じような「難治性の頭痛」に移行することになってしまいます。


 片頭痛は、約3割が自然に治癒し、約4割が症状は変わらず、残りの3割が慢性化して増悪してきます。
 自然治癒した3割は、ホメオスターシス、すなわち”恒常性を維持するための「環境に対する適応力」により治癒したものです。


 ”セロトニン神経系””生理活性物質””腸内環境”の問題点が持続して存在すれば、「ホメオスターシスの三角形」の”歪み”が継続され、4割の方々が、症状が変わらない状態(発作がいつまでも繰り返される)が持続することになります。
 すなわち、脳内セロトニンの低下を引き起こす生活習慣があったり、必須脂肪酸のオメガ3とオメガ6の摂取バランスの悪い食生活があったり、腸内環境を悪化させる要因が持続するような生活習慣が継続していることを意味しています。


 「ホメオスターシスの三角形」の”歪み”が継続された状態に、さらに「ミトコンドリアの問題」、「脳内セロトニンの低下」、さらに「体の歪み(ストレートネック)」等々の脳過敏・慢性化の要因が加わることによって、2~3割の方々が慢性化に至ってきます。


 このように片頭痛は”未病”の段階にあり、緊張型頭痛を起点として、さまざまな生活習慣の問題点が重なることによって、「いろいろな段階の片頭痛」へと進行し、最終的に「慢性片頭痛」という難治な段階に至ることになりますので、常に自分の生活習慣に気を配り、何か問題があれば、その都度改善に努める必要があります。このように進行性疾患です。


 このような頭痛に対して、市販の鎮痛薬を連用すれば、ミトコンドリアの働きを悪化させ、脳内セロトニンの低下を引き起こすことになり、頭痛が増強され、薬剤乱用頭痛を併発させ、さらに片頭痛への移行を加速させます。

 

「生体リズム」を整えるリセット術


 戸塚ロイヤルクリニック(東京女子医科大学特定関連施設)大塚 邦明先生は以下のように提唱されています。


 夜遅くまで残業しなければならない、体は疲れているのになかなか寝つくことができないなど、どうしても生活が不規則になってしまうという人も多いでしょう。そのような場合は、1週間のうち1日か2日だけでも生活のリズムを意識的に整えれば、乱れた体内時計をリセットすることが可能です。ポイントは下記のとおりです。


週に1~2回のリセット術


□毎週同じ曜日に体内時計のリセットを実行する


 週に2日行う場合は、日曜と水曜など3.5日周期の生体リズムを意識するとより効果的です。


□体内時計のリセットを実行する日は起床時間を一定にする


 6時~7時の間に起きるのがベスト。眠りを促進するホルモンのメラトニンは起床から約15時間後に分泌されるので、早寝にもつながります。


□就寝時間もできれば決める


 難しい場合は、就寝時間はバラバラでも構いませんが、起床時間は守りましょう。


 さらに、次のような朝の過ごし方も体内時計を整えるうえで有効です。


朝の過ごし方のポイント


□朝起きたらカーテンを開け、明るい日差しを十分に浴びる


 体内時計の針を調整するのに最も有効なのが朝の光です。
 散歩など、軽い運動を行うのも効果的です。


□朝食は起床後1時間以内にとる


 朝食をとることはサーカディアンリズムを正常に整える効果があります。


□朝食は糖質をとる


 脳のエネルギー源のほとんどを占めるのが糖質です。1日存分に活動するためにも、米やパン、トウモロコシなどの穀類を必ずとりましょう。緑黄色野菜や少量のたんぱく質も併せてとるとなお良いでしょう。また、朝食の量が多いほど、体内時計の針を合わせる力が強くなります。


 さらに、日中はできるだけたくさんの光を浴び、十分な運動を行うと、夜のメラトニンの分泌が促進され、不眠の予防につながります。


 生体リズムの乱れから生じた肥満や糖尿病などの生活習慣病は、生活のサイクルを改善し、体内時計の乱れをリセットすることで、数週間のうちに軽快するという研究結果もあります。上記に挙げた方法を日常生活に取り入れて生体リズムを整え、健康な体をキープしましょう。

 

 

 ここでコマーシャルです。


  頭痛が気になったら・・
   
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