片頭痛に”めまい”が??? | 頭痛 あれこれ

頭痛 あれこれ

 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

 めまいと頭痛を合併している患者さんが少なくありません。ある程度の頭痛は誰もが経験したことのある一般的な症状ですので、頭痛を感じる人にめまいがあっても、あるいはその逆に、めまいのある人に頭痛があっても、“たまたま”と片付けてしまっていてもおかしくないでしょう。頭痛を長引くめまいの結果とする見方も否定できません。
 ところが、頭痛に対しての特別な治療をしなくても、”首こり”対策を中心としためまい治療中に、頑固な頭痛が治ることもあります。めまいと頭痛の原因がくびに関係するという共通点を有しているのではないかと考えさせられます。


 従来から「頭痛とめまい」に関しては、どのように考えられていたのでしょうか?


緊張型頭痛の場合は・・


 緊張型頭痛では、めまいを合併することも多く、片頭痛以上にめまいと原因が共通している可能性があります。そのひとつの考え方として、「くび」の関与があります。首回りの筋肉の負担が連鎖的に筋収縮を生じるとしての“「頸性頭痛」”とする概念が重要です。
 めまいの原因として「頸性因子」が多いという一面からは、頭頸部外傷、眼科的異常、ストレス、疲れ目なども「くびこり」を介して頭痛につながっていると考えられます。
 緊張型頭痛には、「肩がこる」「頸筋がこる」という随伴症状が非常に多くみられます。 肩こりの随伴症状が頭痛であるともいえますが、頸や頭の回りを覆っている、幾重にも重なった筋肉が収縮して硬くなった結果、頭がグッと締めつけられる症状が出るのです。 そのほかに、「目が疲れやすい、体がだるい、何もしないのに疲れる」などの症状も現れます。
 また、特徴的な随伴症状として、「フワフワしためまい」があります。これは、頸や頭を支えている筋肉がストレスによって緊張し、頭の位置の情報を、正確に脳に伝える機能がうまく働かなくなるために起こります。


片頭痛の場合には・・・


 めまい患者さんの約40%に片頭痛があるとされています。逆に片頭痛を有する人の約20%にめまいがあるとも言われています。片頭痛を伴うめまいのことを「片頭痛関連性めまい」とする表現が用いられているぐらいです。
 めまいと片頭痛が合併する頻度が何故高いのでしょうか? めまいが片頭痛の原因になっているのか、あるいは片頭痛がめまいの原因になっているのか、とする見方もあながち否定できませんが、納得し難いものです。むしろ、“めまいと片頭痛の原因が共通している”と考えた方が無理なく理解できそうです。


 片頭痛の場合、実に様々な「めまい」を起こします。それには、頭痛発作の前兆として生じる「めまい」、頭痛発作の最中に生じる「めまい」、それから頭痛発作のない間欠期に生じる「めまい」、そして片頭痛の方に合併する内耳の病気や脳梗塞による「めまい」が分けられます。
 前兆としてグルグル回る回転性の「めまい」、耳鳴り、呂律が回らない、物が二つにだぶって見える、両眼の視力障害、歩行不安定などを生じる片頭痛発作は、「脳幹性前兆を伴う片頭痛」と呼ばれ、若い女性に多く見られます。時には、意識混濁を伴うようなこともあります。これに対し、前兆を伴わないで頭痛だけが起きる片頭痛発作では、グルグル回る「めまい」は普通見られませんが、眩しくて、目が開いていられなくなるようなギラギラ「めまい」が起こることが稀ではありませんし、フワーッと気が遠くなるような「めまい」や、グラグラして不安定になるような「めまい」を生じることもあります。
 片頭痛の方では、ギラギラ「めまい」が、頭痛のない時でも起こることがあります。外界が異常に眩しく感じられたり、縞模様や格子縞の模様を見るとグラグラッとする「めまい」を覚えたりすることがあるのです。このようなことを避けるため、普段からいつもサングラスをかけていないと生活できないという方も居られます。
 片頭痛の方には、子供の頃から車酔いや船酔いに苦しんだ方が多いことが知られています。小学校の頃、遠足などでバス旅行をすると、きまって車酔いにかかってしまった、というような方が、思春期を過ぎると片頭痛発作を生じるようになることが少なくありません。
 また、片頭痛の方は、しばしば、「良性発作性頭位性めまい」のような内耳性の「めまい」を併発します。このような病態は、片頭痛の共存症と呼ばれていますが、どのような機序で関連しているのかは判っていませんが、東京脳神経センターの松井孝嘉先生は「頸性神経筋症候群」によるものとされています。
 片頭痛患者では、片頭痛発作のない一般人に比べて、脳梗塞を起こす確率が高いことが知られています。その頻度は、片頭痛のない人の数倍程度です。片頭痛の方に生じる脳梗塞は、主として小脳や下部脳幹に生じ、小さい梗塞が多いと言われています。これらの場所に生じる脳梗塞では、発症時にグルグル「めまい」や、グラグラ「めまい」を、しばしば生じます。
 片頭痛とは全く関係なく、「めまい」と頭痛が生じることもあります。それは、欧米人に比べて日本人に多い、「椎骨動脈解離」です。動脈の壁の内側が破壊されたため、それによって出来た動脈壁の裂け目の中に、内側から血液が流れ込み、動脈壁の裂け目をどんどん大きくしてしまうのが、動脈解離という現象です。頸椎の作る骨のトンネルを通って頭蓋内に達する椎骨動脈の解離は、日本人では珍しくないのですが、欧米人では滅多に見られません。椎骨動脈解離は、後頭部の強い痛みと回転性「めまい」で始まることが多く、頸部外傷によるむち打ち損傷や、頸部の不自然な姿勢などが、その誘発因子となることが知られています。


頭痛専門医の見解では・・


 頭痛専門医は、Neuhauserの提唱する「片頭痛性めまい(migrainous vertigo)」の診断基準を最も重要視されます。


【Definite migrainous vertigo】


1)中等度以上の発作性の前庭症状(回転性めまい,他の自己ないし他者の運動性幻覚,頭位性めまい,頭位変換により誘発されるめまいないしめまい感)
2)「国際頭痛分類 第3版β版」の基準による片頭痛
3)少なくとも2回のめまい発作中に以下の片頭痛性症状の少なくとも一つを伴う:片頭痛性の頭痛,光過敏,音過敏,視覚ないしその他の前兆
4)他疾患が除外できる


【Probable migrainous vertigo】


1)中等度以上の発作性の前庭症状
2)以下のいずれか:「国際頭痛分類 第3版β版」基準による片頭痛,めまい発作中の片頭痛性症状,片頭痛に特徴的な誘因によるめまい誘発(食物,不規則な睡眠,ホルモン変化),抗片頭痛薬への反応
3)他疾患が除外できる


  Neuhauser et al. Neurology. 2001; 56(4): 436-41.


「片頭痛性めまい」の特徴としては,


 ・発症年齢:高齢者を含む広い年齢層(7-72歳)。頭痛がめまいに先行する例が多い
 ・性質:多くは真性めまい(vertigo)。ただし,毎回そうとは限らない。頭部運動での増悪を高頻度に認める
 ・発作の持続時間:秒から日単位までさまざま
 ・頭痛との併発の程度:毎回同時に起こる場合から必ず別々の場合までさまざま


 が挙げられます。頭部運動での増悪を高頻度に認めることから,「良性発作性頭位性めまい」と誤診する可能性が高いと思われます。
 そして,片頭痛予防薬の投与にて,めまいも頭痛も生じなくなることを,「片頭痛性めまい」であるとする根拠とされるようです。


 このようにすべてを定義され、片頭痛予防薬が奏功すれば、断定するということです。
 しかし、片頭痛予防薬には、即効性はなく、確実に効果が期待できるものは何ひとつなくこのような方法で判断するには問題があります。


 これとは別に「脳過敏症候群」として説明される方もおられます。


脳過敏症候群における基本病態として・・・


 片頭痛の痛みは、三叉神経核を介する興奮性の情報が視床を介して、最終的に前頭前野の大脳皮質で痛みとして感じとられるとされています。この興奮性の情報を抑制して、片頭痛発作を頓挫させるトリプタン製剤による適切な対処を欠いたり、また片頭痛の痛みを我慢したり、見過ごしていたりしたことに起因し、水面下で脳の過敏性が増大した結果として、視床が感作され、易興奮性が増大することが、重症片頭痛の際に随伴する頭部顔面のアロデイニア症状です。この易興奮性も経年性に減弱し、大脳皮質まで到達しなくなると痛みとしては認識されなくなります。また脳の大血管周囲に存在する三叉神経の末梢が片頭痛の際に周囲に出現する神経炎症タンパクに反応して、脳血管壁の拡張浮腫をきたし、それが三叉神経末梢を刺激することにより、片頭痛の情報が三叉神経核に伝えられる三叉神経血管説が片頭痛の基本病態とされていますが、この血管拡張も経年性の動脈硬化とともに徐々に減少していくものと推察されます。一側の視床は対側の小脳半球と視床小脳路で情報交換をしており、この感作を受けた易興奮性の情報は大脳皮質まで到達せずに、この視床小脳路を介して小脳半球に伝播され、これが脳過敏症候群の主要症状であるめまいとして表現されているものと推定されます。また頑固な頭鳴症状は側頭葉に位置する聴覚路の感作を受けた状態か、もしくは大脳辺縁系の抑制系の減弱したことにより生じている可能性をを想定しています。また、圧倒的に更年期以降の女性患者が多いことから、女性ホルモンの変動や衰退も、病態の一因をなしているものと推測されます。


 このため「抗てんかん薬」「抗うつ薬」さらに、トリプタン製剤、片頭痛予防薬の投与しか念頭にないことになっています。このように薬物療法を提唱されます。
 これで、すべてが解決されてきたのでしょうか????
 また、脳過敏症候群の診断の根拠とされる脳波所見は、緊張型頭痛の慢性化し拗れた状態にある方々にも共通してみられ、脳過敏症候群だけに見られる所見ではありません。


 さらに、片頭痛初期の段階でのめまいが説明できません。

 

 


 それでは、どのように考えるべきでしょうか?


「体の歪み(ストレートネック)」の関与


 従来、このように頭痛とめまいの関係を緊張型頭痛、片頭痛と分けて論じていました。
 しかし、緊張型頭痛も片頭痛も一連の連続したものであり、その根底には、「体の歪み(ストレートネック)」が存在します。


 日常生活を送る上で、私達は前屈みの姿勢をとる生活環境に置かれています。特に、女性の場合は、炊事・洗濯・掃除を行う際に”前屈みの姿勢”を日常的にとっています。
 さらに職場では、事務系の仕事が多いためパソコンの操作を終日行うことになります。 仕事が終われば四六時中スマホ・携帯を覗き込む姿勢をとっています。
 こうした前傾姿勢は知らず知らずのうちに後頸部の筋肉に負担をかけることになります。

 

 これにさらに、イスに座るとつい脚を組んでしまう、ヒールの高いクツを長時間履いている、立っている時はたいていどちらかの足に体重を乗せている、横座りをする、立ち仕事や中腰の姿勢でいることが多い、いつもどちらかを下にして横向きに寝ている、または、うつ伏せになって寝ている、長時間座りっぱなしの仕事、イスやソファーに浅く座ってしまう、バックなどはいつも同じ方の肩にかける、重たいモノを持つ仕事をしている、 赤ちゃんをダッコしていることが多い、などの無意識に”おかしな体の使い方”をしていますと、知らず知らずのうちに仙腸関節がズレ、骨盤の歪みから脊椎( 背骨)の歪みが生じてきます。仙腸関節のズレは、脊柱に影響が及びひいては頸椎にまで及んで、「体の歪み(ストレートネック)」を最終的に引き起こしてきます


 このように、頸椎が一直線で、なおかつ前に傾斜・左右いずれかに傾いて(捻れて)おれば、バランスがとれず後頸部の筋肉の片側だけに張力が常に加わることになり、これが肩こりに繋がり、この”こり”が上部へと拡がることによって鈍い痛み、締め付けられるような痛みとなってきます。これが、専門家が”とるに足らない頭痛”とされる緊張型頭痛です。さらに引いては”首こり”に進展してきます。
 そして、首は頭を支えている訳ですので、このように左右いずれかに傾いておれば、バランスがとれず後頸部の筋肉の片側だけに負担がかかることによって、バランスよく頭の保持が出来ない状態が”潜在的に”作られることになります。こうした状態に、さらに前屈みの姿勢が長時間強いられる状況により、”めまいが出没する”ことになります。
 このように頭の位置の情報を、正確に脳に伝える機能がうまく働かなくなるため、めまいを引き起こしてくることになります。
 そして、更年期を過ぎてきますと、若い頃のように血管の”しなやかさが失われ”反応性も乏しくなり、片頭痛本来の拍動性頭痛でなく、緊張型頭痛のような鈍い頭痛に変化してきます。これは、「体の歪み(ストレートネック)」がそのまま持続しているためです。 そして、頭痛に加えて、”イライラ、不眠、めまい”などの不定愁訴が加わってきます。これが、東京女子医科大学脳神経外科の清水俊彦先生が提唱される「脳過敏症候群」そのものであり、東京脳神経センターの松井孝嘉先生の提唱される「頸性神経筋症候群」に相当します。


“首こり”と“肩こり”とは違う


 ここで、非常に大切なことは“肩こり”と”首こり”とは違うということです。首回りには約20種類ぐらいのややこしい名前の筋肉がありますが、”首こり”に対応するのは胸鎖乳突筋で、”肩こり”は主に僧帽筋のこりです。ところが多くの患者さんや医師たちは、このふたつをドンブリ勘定で“まぁ、似たようなもの”と片付けてしまっています。「首こり」とする言葉自体が一般的ではないからです。このことは良く考えれば当り前のことです。「借金で首が回らない」とは言いますが、「肩が回らない」とはいいません。不況の時代、「首を切る」はあっても「肩を切る」はありません。「肩を叩く」です。首は肩と違う点は6キロ近くの頭と体を支えていることです。首には、食道、気管以外に脳と全身を結ぶ血管、神経、リンパ管があり、さらに、脳脊髄液が頚椎の管を通って流れています。自律神経の主要な部分も頸(くび)にあります。このように脳や全身との関係を考えた場合肩ではなく“首”が如何に重要な役割を果しているか、がお判りでしょう。


体の歪み(ストレートネック)」と自律神経機能との関連


 自律神経と脊柱は深い関係にあります。背骨の調節を行い機能を正常にすることによって、自律神経のバランスが整い、片頭痛の改善が期待できます。特に首の上部(上部頚椎)が重要で、上部頚椎に問題が見られることが多いようです。
  ストレートネックが存在しますと、体中至る所に様々な緊張が不自然な歪みや血行不良を起こします。こうした機能低下の引き金となっている重要な筋肉があります。
  それが「胸鎖乳突筋」と呼ばれる筋肉です。ちょうど頭の付け根(耳の後ろあたり)から、首筋(くびすじ)、鎖骨にかけて首の両側に付いています。
 この筋肉の緊張は頭痛や”めまい、耳鳴り、難聴”などの引き金になる原因筋と考えられ、おおかた自律神経を司る筋肉とみるカイロプラクターもいるほどです。
 緊張型頭痛・片頭痛に悩む方の多くは、この筋肉の影響によって、首の至るところに突っ張りやコリ・鈍痛を感じるのが特徴でもあります。
(一度、首や肩を色々と押してみてください。痛みやコリを感じる部分があるはずです)
 そういったことから、この胸鎖乳突筋の緊張を和らげることが、慢性頭痛でのめまいのひとつの改善ポイントになってきます。


 以上のようにカイロプラクター・整体師・鍼灸師の方々は考えて、「体の歪み(ストレートネック)」の施術をされて実績を挙げておられるようです。

 

「体の歪み(ストレートネック)」→首や肩の筋肉からの侵害刺激情報
↓                  ↓
↓       脊髄を介して三叉神経脊髄路核
↓                  ↓
↓       中枢性痛覚過敏(central sensitization, CS)
↓                  ↓
↓             
 脳の過敏性、頭痛の慢性化

自律神経失調症状 → 交感神経機能低下→頚性神経筋症候群
                               
 (慢性頭痛)


  このようにして「自律神経失調症状」「頸性神経筋症候群」を形成してきます。


「自律神経失調症状」とめまい


 めまいはストレスや睡眠不足・疲れ等の「自律神経の崩れた時」に起こります。
 それは片頭痛の発生因子でもあります。また、脳循環がうまくいかないときにもめまいを生じます。脳へ向かう血流は、いくつかのルートがあります。そのどれかに左右差が出ると、脳内の血流に乱れが生じてめまいを発症します。血流の調節の一部を担っているのが、自律神経の一つである交感神経です。交感神経は緊張したりストレスがかかるときに優位になります。人間が自分を守るために、自ら備えている力(本能)なのです。
 ストレスや睡眠不足、過度の緊張、疲労にさらされると自律神経が乱れてしまいます。
 そして自律神経失調症になり”めまい”を起こすのです。
 では、片頭痛のときになぜめまいが起こるのでしょうか?
 片頭痛を起こす”きっかけ”として、緊張があったとしましょう。そうすると無意識に交感神経が緊張(興奮)します。交感神経は血管をギュッと絞めて、外傷があった時に出血量を減らしてダメージを少なくする働きがあります。そして過度の緊張により血管がギュギューッと締まっていると、そこから解放された時に緊張の糸が切れて、血管が急激に拡張します。この急激に拡張する時というのが”悪さ”をするのです。
 拡張した血管から炎症物質が分泌され、血管をとりまく三叉神経を刺激して片頭痛を起します。(急速に血行が再開することによって活性酸素が産生されます)
 つまり、片頭痛が起こる状況のとき(ストレスや緊張下)には、めまいも起こる状況にあるということなのです。


「頸性神経筋症候群」


 首にはたいへん多くの神経や血管が集中しています。首の筋肉や関節の異常などによって、これらの神経や血管が圧迫されると、自律神経の働きが乱れ、さまざまな不定愁訴が起きることが多いのです。その症状は、頭痛、吐き気、耳鳴り、めまい、イライラ、不眠など、実に様々です。ときには、こうした不調が自律神経失調症やうつ病など、こころの病気にまで発展することもあります。
 1978年、東京脳神経センターの松井孝嘉先生が、”首こり”からさまざまな自律神経失調症状が引き起こされる病態を「頸性神経筋症候群」と名付けました。その後、長年の治療法の研究により、試行錯誤を繰り返しつつ、2005年に、「頸性神経筋症候群」の治療法が確立されました。
 要するに、「体の歪み(ストレートネック)」が長期間、放置されて引き起こされるのが「頸性神経筋症候群」という病態です。
 この病態を示す疾患として、以下のようなものがあります。
 緊張型頭痛、片頭痛、めまい、自律神経失調症、うつ、パニック障害、ムチウチ、更年期障害、慢性疲労症候群、ドライアイ、多汗症、不眠症、機能性胃腸症、過敏性腸症候群、機能性食道嚥下障害、血圧不安定症、VDT症候群、ドライマウスを引き起こしてきます。
 ストレートネックによる「首こり」によって引き起こされる代表的症状は「頭痛」「めまい」「自律神経失調症」の3つです。
 自律神経失調症によって起こるさまざまな身体の異常は、頭痛、耳鳴り、口の渇き、喉の圧迫感、動悸、めまい、立ちくらみ、息苦しさ、手足の冷え・しびれ、多汗、皮膚のかゆみ・乾燥、頻尿、関節の痛み、倦怠感、微熱、不安感、なんとなく目が見えづらい、目が乾く、手足が冷える、天気が悪くなりはじめると体調が悪くなる、などなど、挙げればきりがありません。
 ストレートネックを伴う片頭痛の場合には、頭痛発作が「天気」によって左右されたり、光が異様に眩しく感じられたり、めまいが頭痛発作と関係なく出現したり、不眠、不安障害、パニック障害やうつ状態にまで発展することもあります。(これらは片頭痛の共存症とされています)


 これらの「めまい」に対して、東京脳神経センターの松井孝嘉先生は「頸性神経筋症候群」のひとつの「病態(頸性めまい)」として考えています。
 天井がぐるぐる回るとか、いつも雲の上を歩いているようにふわふわしているとか、船に乗っていりように体が揺れている感じがいつもある、どこかへ引きずり込まれるような感じがするとか、めまい、ふらつきの患者さんの訴えはいろいろです。
 また耳鼻咽喉科でいう「良性発作性頭位めまい症」「メニエール症候群」も「頚性めまい」のひとつと考えておられるようです。
 また、これとは別に、首の筋肉がこっていると交感神経が優位となり、瞳孔が開きっぱなしになり、「まぶしくて、目が開けていられない」このため「家の中にいてもカーテンをしめている」とか「テレビがまぶしくて見られない」「ものが見えにくい、像がぼやける」「目がつかれやすい、目の奥が痛い」といった症状が出てきます。
 ところが、ある頭痛専門医は、診察室にわざと照明を付けたシャウカステンに対する態度から”眩しそうにする”態度を「脳過敏の証」とされていますが、これは、頭から「ストレートネック」との関係を否定した考えとしか言えません。
 このように、「頚性神経筋症候群」のひとつの「病態(頚性めまい)」と考えられます。
 さらに、婦人科で更年期障害の治療を受けても症状がよくならないときは、首のこりがないかをチェックし、異常があれば首の治療を行うべきとされ、首の筋肉の異常を治療すると、不定愁訴は霧散して、更年期障害といわれていた症状はホルモンの治療なしで完治します。
 内科、精神科や心療内科、脳神経外科などあちこち回って八方手を尽くしてもダメだった、という状態で来院する「うつ」の人が、首こりを治療することで完治するとされます。


「頸性めまい」の重要性

 
  めまいに悩んでいる人々の80%以上には、”首のこりや痛み”があります。肩こりではなく”首こり”です。「めまいが起こる前に首が痛くなった」「首の付け根から後頭部が重く感じた」と訴える人が多く、こうした首の自覚症状が強いタイプは、「頸性めまい」と呼ぶべきだろうと私は考えています。ところが、こうした「頸性めまい」の考え方には、否定的な意見が多いのが現状です。しかし、米国には「めまいの改善には、首のこりの治療がきわめて有効だ」とする研究報告もあり、私も、頸部のレーザー照射治療によって約3週間以内に約70%の患者さんに治療効果が見られています。首あるいは頸部は脳と全身とを結んでいる重要な“連絡路”です。血管や神経が集中しているだけでなく、脳と脊髄や全身をつなぐ脊髄液を含む体液循環の“関所”に相当する部位です。さらに、頸部には星状神経節といわれる自律神経の重要な部分があります。めまい患者さんには脊髄液が通っているくも膜下腔が狭くなっていることがしばしば見られます。
 このくも膜下腔狭少の病気への関連性の解釈は困難です。この部位から、平衡機能に関連した前庭神経への神経伝達障害が生じているとか、脊髄神経を圧迫しているとすることや、それ以外に首や背すじから脳へつながる脳脊髄液の流れを障害しているとも考えられます。そうすれば仮説的ではありますが、脳MRI上の白質病変といわれる恐らく水分の多い状態と対応している可能性があります。脳、耳、目などの多感覚器障害としての原因が複雑なめまい治療に取り組む上で、脊髄液の流れを視野に入れて、「首の重要性」を見直すことは、めまいの原因解明上の大きな手がかりのひとつと思われます。


  当面は、「体の歪み(ストレートネック)」の観点からめまいを考えるべきと思っています。


ミトコンドリアの関与


 ミトコンドリアは人体の細胞の全てに存在する細胞小器官で、細胞が活動する為に必要なエネルギーを生産するものです。
 ミトコンドリアの不調でめまい・疲れ・肌荒れ・貧血・動悸・息切れ・うつ・無気力・集中力がなくなるなどの症状が出てしまいます。
 そしてなんと更年期障害のホットフラッシュにも酵素とミトコンドリアは活躍してくれます。
  更年期障害はエストロゲンの低下・欠乏でおこると言われていますが、酵素にはエストロゲンの分泌を促す作用があり、ミトコンドリアが細胞の機能低下を防いで細胞を活発にしてくれるのです。
 ミトコンドリアは持久力に関連する筋肉(遅筋)にに多く含まれます。


 特に姿勢を保つための筋肉(姿勢保持筋)・背筋などに多く含まれているので、この筋肉を鍛えることがミトコンドリアを活性させ、増やすのには効果的なのです。
 これらの筋肉は、最も骨に近い場所にあるためインナーマッスルと呼ばれます。このインナーマッスルを鍛えるのにヨガが効果的なことは、皆さんよくご存知のはずです。
 ゆっくりした動き、姿勢の保持、背中のストレッチなど、ヨガはインナーマッスルを鍛えるのに最適なエクササイズです。
 また、姿勢保持には、脳内セロトニンが関与します。また脳内セロトニンは自律神経の機能を調節する働きがあります。


 このように慢性頭痛とめまいは、「体の歪み(ストレートネック)」とくに”首こり”が関与します。さらに、この周辺にはミトコンドリアおよび脳内セロトニンの関与があります。


  以上のように、”頭痛とめまい”は、「体の歪み(ストレートネック)」の観点から考えるべきと思われます。


 しかし、専門家は「体の歪み(ストレートネック)」そのものが全く眼中にはなく、このため、すべて厳格な”定義、定義”で終始されるようです。
 このように、専門家は「国際頭痛分類 第3版β版」をはじめすべて”定義”しか頭になく、その”根源的な意味合い”を考えることはありません。
 専門家が「体の歪み(ストレートネック)」を無視される”代償”は極めて大きいと言わざるを得ないようです。

 

 「体の歪み(ストレートネック)」は、慢性頭痛の”屋台骨”になるものです。
 この「体の歪み(ストレートネック)」を抜きには、慢性頭痛は論じ得ないものです。
 このような基本的な事項の欠如した専門家は、「脳過敏症候群」といった姑息的な考えに終始せざるを得ないということです。

 

 ここでコマーシャルです。


  頭痛が気になったら・・
   
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12638708200.html