頭痛治療を進めていく際に、絶対にしてはならないことがあります。
それは、安易に痛み止めを服用することです。
従来から、頭痛医療では、まず市販の鎮痛薬を、これでダメなら病院での鎮痛薬NSAIDs、これで効かなければエルゴタミン製剤を、これでも効かなければトリプタン製剤が勧められてきました。
このように段階的に、”鎮痛薬”の服用が推奨されてきました。
そして、最後の”砦”とされるトリプタン製剤は、片頭痛の”特効薬”とされてきました。
伝統的に、西洋医学では、このように痛みだけを緩和させて、治まればこれで全てが解決した、”一件落着した”と考えられていました。
日本の医学界は、西洋医学を踏襲していることから、当然、頭痛医学でも同様に「鎮痛」を第一とする治療が当たり前の世界になっていることから、昔から民間の置き薬を代表とする鎮痛薬を服用することに何ら抵抗はありません。
特に、現在ではテレビ・コマーシャルで毎日、「頭痛は我慢しないで、すぐ効く〇〇〇〇〇!!」のように宣伝されますと、頭痛を我慢することが罪悪のように思い込まされ、頭痛がすれば直ちに痛み止めを飲むことが極く自然のようにマインドコントロールされています。
しかし、市販の鎮痛薬を服用を繰り返せばどのようになるのでしょうか。
こうした市販の鎮痛薬すべては、人体にとっては害(有害なもの)になるのです。
これらを解毒する際に、活性酸素が発生し、このためにミトコンドリアの働きを悪くさせることによって、頭痛を増強させます。
すなわち、市販の鎮痛薬が原因となって「後天性ミトコンドリア病」を作ってくることになります。
また、これら薬剤はいずれも”化学的ストレス”となって、脳内セロトニンを低下させ、”痛みの閾値”を下げるため痛みを感じやすくさせるために、さらに、頭痛を引き起こしやすくなります。
このようにミトコンドリアと脳内セロトニンの2つが関与して、市販の鎮痛薬によって、「薬物乱用頭痛」を引き起こし、かえって頭痛を酷くさせる原因になってきます。
この「ミトコンドリアの働きの悪さ」と「脳内セロトニンの低下」2つは、「生体リズムを乱す」ことに関連しています。
結局、頭痛がすれば痛み止めを、・・といった習慣を繰り返しておれば、「ミトコンドリアの働きの悪さ」を引き起こし、さらに「脳内セロトニンの低下」をもたらすことによって、薬剤乱用頭痛を併発させ、却って頭痛を酷くさせることになり、何のために”痛み止め”を飲んだのか、訳が分からなくなります。
特に、日常的に感じる極く軽度の頭痛に対して、テレビのCM通りに痛み止めを服用しておれば、仮にご家族の中に”頭痛持ち(このなかに片頭痛の方もおられます)”がおられれば、間違いなく片頭痛へと進展していくことになります。
このような日常的に感じる極く軽度の頭痛の場合、ご家族に”頭痛持ち(このなかに片頭痛の方もおられます)”がおられるかどうか等は、念頭には全くありません。
通例は、片頭痛へ移行してもなお痛み止めを継続され、全く、このような痛み止めが効かなくなって初めて、このような事実を認識するのが一般的です。
前回述べた以下の1と2の経過を加速させることになり、早期から脳過敏を形成することになります。
その結果、片頭痛への移行を早めることになります。
1.慢性頭痛のスタートは、「生活のリズムが乱れる」
2.「脳過敏」を来す要因」
このようなことを防ぐためには、先日も申し上げましたように「生体リズム」を整えるために、規則的な生活を心掛け、睡眠を十分にとること、単純に言えば”早寝早起き”の生活を行い、さらに姿勢を正しくするように努めることです。この3つさえ徹底することが出来るようになれば、このような日常的に感じる極く軽度の頭痛は起きなくなってきます。このような起点となるスタートを無視して、従来通りの悪習を継続すれば、次々に諸々の要因が追加され、益々、頭痛は悪化の一歩を辿っていき、どうにもならなくなってしまいます。
従来より、”痛み止め”(鎮痛薬)の服用は大雑把に言って、月10回までとされてきました。頭痛がすれば、確かに一刻も早く、痛みを緩和させたいのは、本来のあり方ですので、痛み止めは当然服用すべきです。しかし、日常的に感じる極く軽度の頭痛ですら、不規則な生活・不眠・姿勢の悪さといった原因が存在します。このため、規則的な生活を心掛け、睡眠を十分にとること、単純に言えば”早寝早起き”の生活を行い、さらに姿勢を正しくするように努めながら、月10回までとし、最終的には頭痛を起きなくさせることです。
場合によっては、頭痛がさらに酷くなっていることもあり得ます。その場合、「自然治癒力が低下」してきていることが当然、予測されます。「脳内セロトニンの低下」、「オメガ3とオメガ6の摂取アンバランス」、「腸内環境の悪化」を想定する必要があります。
このため、「セロトニン生活を励行し、脳内セロトニンを増やす」、「生理活性物質であるオメガ3とオメガ6の摂取バランスに心掛け」「腸内環境を整える」ことを心掛けて、痛み止めは月10回までにする必要があります。
そして、片頭痛にまで至れば、「片頭痛って治るの!?」で示した項目を全て虱潰しに改善・是正しないことには、トリプタン製剤を月10回までにすることは不可能になります。
このように、頭痛が増悪するに連れて、改善させる項目が”ネズミ算式”で増加し、一筋縄ではいかなくなってきます。
こういったことから、頭痛を感じ始めた初期段階から、痛み止めの服用のあり方を考える必要があります。
これまでの頭痛学では、まず市販の鎮痛薬を、これでダメなら病院での鎮痛薬NSAIDs、これで効かなければエルゴタミン製剤を、これでも効かなければトリプタン製剤が勧められてきました。
このように段階的に、”鎮痛薬”の服用が推奨されてきました。
そして、最後の”砦”とされるトリプタン製剤は、片頭痛の”特効薬”とされてきました。
こういった考え方そのものが、「現代頭痛学」研究を阻害してきた源流になっていることを忘れてはなりません。謂わば、頭痛研究の限界とも言うべきものです。
現実に、日常的にテレビで市販の鎮痛薬のコマーシャルが流れようとも、頭痛の専門家は、こうした”市販の鎮痛薬の弊害”について注意を喚起することは、何故だかありません。
なぜ、こうした弊害が歴然として存在しながら、野放しにするのかを私達は冷静に考える必要があります。
市販の鎮痛薬の市場は、トリプタン製剤の比ではなく、莫大なものです。
市販の鎮痛薬を連用すれば、次第に効かなくなり、別の鎮痛薬が売れることになります。
また、服用する方が片頭痛の家系であれば、片頭痛患者を量産させ、トリプタン製薬メーカー及び予防薬のメーカーを潤わすことが可能になります。
こうしたことから、専門家は”市販の鎮痛薬の弊害”について注意を喚起することはありません。
このような現実は何を意味しているのでしょうか?
結局、頭痛研究は人類の健康・安寧をめざすものではなく、製薬メーカーの利益が最優先されていると考えなくてはなりません。
専門家が、学会で議論する”頭痛研究”とは私達の利益とは全く別のものということです。
これまで、当ブログで「薬剤乱用頭痛」についての記事は以下のごとくです。
頭痛薬が頭痛の原因??
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12293409311.html
基礎講座 26.薬剤乱用頭痛
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12299691099.html
慢性頭痛の周辺 その45 薬剤乱用頭痛
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12001717107.html
「薬物乱用頭痛」と慢性頭痛
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12628727672.html
ここで誤解があってはなりませんので、鎮痛薬の使い方の考え方は以下のようなものです。
第9章 お薬を服用される際の考え方・注意点
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12611158383.html
頭痛治療上必要とされるのは、「薬物療法」と「生活指導」この2つが必要です。
この2つは車の両輪とも言うべきものであり、どれも欠けてはならないものです。
このことを申し上げたかったのです。
なぜ、現在の「頭痛医療」では、慢性頭痛特に片頭痛は治らないのでしょうか?
現在の「頭痛医療」は、こういった面から言えば「薬物療法」だけであり、「生活指導」が欠如していることです。
さらに、「ミトコンドリア」、「自然治癒力」、「姿勢の悪さ → 体の歪み(ストレートネック)」という概念そのものが欠如しています。
「自然治癒力」という概念が欠如しているため、「生理活性物質」、「腸内環境」といった概念が全く、頭痛領域には取り入れられることはありません。
「ミトコンドリア」という考え方が欠如しているために、片頭痛の遺伝様式の解釈に問題があります。例えば、”多因子遺伝”をおかしな解釈をされ、体質の遺伝とし、「脳過敏」が片頭痛患者の生まれつき備わった体質とされることになっています。
また、「ミトコンドリア」という考え方が欠如しているために、「姿勢の悪さ → 体の歪み(ストレートネック)」は、人間全般にみられ日常茶飯事に診られ、頭痛とは全く関連はないとされます。
「姿勢の悪さ → 体の歪み(ストレートネック)」を否定されるために、慢性頭痛の基本骨格を取り除く結果になってしまい、まさに骨抜き状態にされ、片頭痛そのものが宙に浮いた形になり、片頭痛そのものを治らなくした要因にもなっています。
緊張型頭痛→片頭痛という経過を辿ることから、緊張型頭痛を治せないことから、片頭痛を治せる訳がありません。このような単純なことが理解されていません。
さらに、緊張型頭痛の患者さん、ムチウチの患者さんを悲惨な思いをさせてきました。
ムチウチを受傷後、緊張型頭痛、片頭痛、群発頭痛と3つの慢性頭痛のいずれの表現型でも出現することを忘れてはなりません。
このことは、専門家が金科玉条のものとされる「国際頭痛分類 第2版」で明らかにされています。にも関わらず、専門家はムチウチ患者さんの根底に何が存在しているのかを考えることもありません。
「ミトコンドリア」という考え方が欠如しているために、「生活環境」に関連する「活性酸素」および「有害化学物質」との関連を考慮することは全くありません。
今回の市販の鎮痛薬を連用していますと、最終的には、群発頭痛のような「睡眠時頭痛」を併発してきます。このことは当ブログでも再三述べてきました。
こういった諸々の要因から、現在の頭痛医療では、慢性頭痛とくに片頭痛が治らない理由にもなっています。
というよりは、西洋医学では病気そのものを治す意志は毛頭ありません。ですから、片頭痛も例外ではありません。ここに根本的な理由があります。
第1章 慢性頭痛、とくに片頭痛とは何か?
その1 https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12610908979.html
以上です。 Seed さん、理解して戴けたでしょうか?
7月下旬でブログを終了する予定でしたが、 Seed さんを怒らせてしまい、どのように言えば理解して戴けるのか熟考を繰り返してきました。
7月下旬以降の記事はすべてSeed さんの頭痛を想定して作成したものです。
なぜ、治らないのか、理解して戴けたでしょうか????