「すべての始まりは、生体リズムの乱れから」
その3 睡眠と女性ホルモン
睡眠と女性ホルモンに深い関わりがあることをご存知ですか?
女性ホルモンと睡眠には深い関わりがあり、女性ホルモンの変動やバランスの乱れなどが、眠気や不眠など睡眠トラブルの原因となっていることもあります。
7割以上の女性が生理前、生理中は「眠い」と回答!
女性特有の体調の変化によって眠気が起きたことはありますか?
女性特有の体調の変化によって眠気が起きたことがあるか聞いてみました。
1位の「生理前」で43.6%と2位の「生理中」で31.5%を合わせて75.1%もの人が「生理前」に眠気を感じると回答しました。
これらの眠気には、平静からの生活習慣の問題から脳内セロトニンが低いところに、生理前後にエストロゲンが低下することに伴って、さらに脳内セロトニンが極端に低くなることによって眠気をきたすことになります。
女性ホルモンUPには、睡眠が大きく影響!
別名「美肌ホルモン」とも呼ばれ、肌のハリ・ツヤや女性らしいボディラインを保つのに欠かせない女性ホルモン(エストロゲン)をアップするために心がけていることを聞いてみました。1位は19.0%の「カラダを温める」、2位の16.9%の「湯船につかる」と、ともにカラダを温める回答が上位を占めました。
また、エストロゲンの分泌を低下させてしまう原因のひとつに、睡眠不足があります。そのため12.6%の人が答えた「よく眠る」は、エストロゲンを増加させるためには有効な方法です。
さらに10.6%の人が実践している「食事に気をつける」もとても大切です。女性ホルモンは体内でしか作ることができないため、女性ホルモンと似た働きをする成分や、女性ホルモンの分泌を促す成分を含む食材を摂取することで、美容や健康に役立てることができます。
納豆や豆腐などの大豆製品に含まれるイソフラボンは、エストロゲンと似た性質を持っており、ナッツ類やキャベツ、海藻類に含まれているボロンという成分はエストロゲンの分泌を促します。
女性ホルモンの分泌を調整してくれるビタミンE が豊富に含まれるアボカドやアーモンドもおすすめの食材です。
これらを毎日の食事のなかで上手に取り入れることで、女性ホルモンの変動やバランスの乱れを防ぎ、質の良い睡眠に役立てるようにしたいものです。
このように、女性には不可欠な女性ホルモン(エストロゲン)ですが、偏食や過度のストレス、無理なダイエットなどによって、分泌量は低下してしまいます。また、加齢によっても分泌量は減っていきます。美肌や美髪をキープするためには、女性ホルモンの分泌量が整うよう、良質の睡眠をはじめ日々の心がけが大切です。
女性ホルモンは諸刃の剣
女性ホルモンには”エストロゲン“と”プロゲステロン“の2種類があること、またエストロゲンは「美人ホルモン」と呼ばれ、女性にとって嬉しい恩恵があるなどお話をしました。しかし、エストロゲンの分泌量が多ければ多いほどその恩恵をたくさん受けられるというわけではありません。エストロゲンとプロゲステロン、この二つのホルモンのバランスが適切に保たれていることがとても大切なのです。
エストロゲンが過剰になるとどうなるのでしょう?
婦人科の代表的な疾患に子宮筋腫と子宮内膜症があります。子宮筋腫とは子宮のいろいろなところで筋肉が増殖してできる良性の腫瘍です。また子宮内膜症とは月経時にはがれ落ちる子宮内膜(子宮の内側の粘膜)や子宮内膜に似た組織が、子宮以外の場所(卵巣・骨盤内など)にできてしまう病気で、月経のときには病気の部分も一緒にはがれ落ちるので、場所によっては血液がその場所に溜まってしまいます。卵巣にできる卵巣チョコレート(別名 子宮内膜症性嚢胞)もその一つです。この卵巣チョコレート嚢腫はがん化することもあり、早期の診断、治療を受けることが大切です。子宮筋腫や子宮内膜症は、過多月経や出血による貧血、ひどい月経痛、不妊症などを引き起こしますが、エストロゲンの過剰状態が続くと症状が悪化するといわれています。これらの婦人科疾患の症状はエストロゲンの分泌量が減少する閉経期まで続く可能性があります。
そのほかに、エストロゲン過剰が原因のひとつと言われる病気の中で、ぜひ知っておいていただきたいものが、乳がんと子宮体部がんです。
夜更かしは乳がんのもと?
「Journal of the National Cancer Institute誌10月17日号」に掲載されたアメリカでの二つの研究(Fred Hutchinson癌研究センター Scott Davis、Harvard医科大学Brigham and Women's病院 Eva S.Schernhammer)によると、深夜1時~2時まで仕事などで起きている人は、その時間に眠っている人と比べて乳がんが多いことが分かったと述べています。
人間には「睡眠ホルモン」と呼ばれるメラトニンというものが分泌されていて、深夜1時~2時に分泌量がピークに達するのに、その時間に光を浴びるとメラトニンが十分に分泌されなくなります。
このメラトニンは女性ホルモンのエストロゲンを調節する働きもあって、メラトニンが十分に分泌されないと、エストロゲンが増えるのです。エストロゲンは乳がんのがん細胞の増殖を促進する働きがあるので、乳がんの危険性が増してしまいます。
つまり、夜更かし→メラトニンの不足→エストロゲンの増加→乳がんの危険という図式が成り立ちそうです。
女性にとって、夜更かしは美容の大敵だけでなく、乳がんの危険を高めるもとであるとも言えそうです。できるだけ夜更かしはしないようにしましょう。
ここからは、もっと基礎的なことから掘り下げて考えていくことにします。
視床下部・下垂体によるホルモン分泌調節
はじめに、生理が起きた後に下垂体から卵胞刺激ホルモン(FSH)が分泌されます。
FSHに反応して卵巣では卵胞の発育が始まり、卵胞の成長に伴いエストロゲンの分泌が増加します。脳にはエストロゲンを認識する受容体があり、エストロゲンの濃度をモニターしています。
脳の中枢がエストロゲンが充分分泌されていると判断すると次のステップとして下垂体から黄体化ホルモン(LH)を分泌します。LHが卵胞に作用すると排卵が起こります。
視床下部は、卵巣の働きを調節し、さらに同じく脳の中にある下垂体に指令し卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体化ホルモン(LH)の2種類のホルモンを通して卵巣を調節しています。
このように視床下部・下垂体と卵巣はホルモンのキャッチボールを通じて絶妙な調節を行なっています。
このバランスが崩れた時に生理不順が起きたり、更年期障害となります。
生理不順をひきおこすストレス
ストレスは、月経周期の異常、生理不順をひきおこします。歴史的に見ても、女性の生活環境に高いストレスが加わった時代は、多くの女性の月経サイクルに不調が起こったという記録が残されています。
歴史に見る生理不順を引き起こしたストレス
日本では昭和18年の終わりくらいから昭和20年の終戦前にかけて、婦人科外来に無月経の患者さんが増えたといいます。実はこれは「戦時無月経」というものです。戦時下という環境の中ではさまざまなストレスがあることは想像に難くありません。
実は第二次世界大戦中、世界中のさまざまな場所で無月経が起こっていました。例えばドイツやロシアの収容所の中では無月経は珍しくなく、「収容所無月経」と呼ばれました。 なんと報告によっては5割、場所によっては9割の無月経が起こったといいます。
戦争だけではありません。環境にまつわるさまざまな無月経があり、例えば1927年、若い女性が強制的に従事させられたときに見られた「農業労働無月経」、第一次世界大戦後のドイツでのインフレの時期に起こった「インフレ無月経」などなど、さまざまな無月経が報告されています。
現代でも、入学や就職、外科手術、拘禁、ダイエットによる体重の減少、激しい運動をするスポーツ選手(体操・マラソン・長距離水泳など)に月経不順や無月経が認められています。生理不順・無月経とストレスは切っても切れない関係があるのです。
生理不順はどうして起こるの?
生理不順、つまり月経周期が24日以下か39日以上になってしまう原因として、女性ホルモンのバランスが乱れてしまうことが考えられます。
月経を直接コントロールするのは、女性ホルモンのエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)です。この女性ホルモンの分泌は脳の中の下垂体でつくられる黄体形成ホルモンと卵胞刺激ホルモンによって、さらに細かい調節を受けています。
脳の中で月経をコントロールしている視床下部ー下垂体という部分はストレスの影響を強く受けてしまう場所です。つまり、環境や体重減少などの急激な体の変化でストレスが生じると、体が「危機」と感じとり、月経が乱れたり止まったりするのです。
ちょっとしたストレスで一時的に生理が不順になっても、基礎体温を測ると温度の変化がはっきりしていて、だんだん元に戻ってくるようなら、心配は不要。しかし、生理不順の原因にはそれ以外にも、卵巣や子宮に病気が隠れている場合や下垂体機能異常、甲状腺の異常、お薬の副作用、などがあるので、3ヶ月以上生理不順が続くようならお医者さんを受診することをお薦めします。
生理不順とストレスとの関係
月経サイクルを正常に行うにはホルモンのバランスが重要ですが、ストレスが溜まるとそのバランスが狂いやすくなります。
どのようなストレスを感じているかは人それぞれで、職場で苦手な人がいて常にストレスを感じている人や、仕事の失敗などで一定期間だけ激しいストレスを感じているという人もいるでしょう。いずれのケースも生理不順を招いてしまうことになるので注意が必要です。月経が早く始まったり、逆に遅いことで不安になったら、最近何かしらストレスを感じなかったか考えてみましょう。
また、ストレスを感じやすい性格の人もいます。些細なことでも深刻に受け止めたり、一つの問題にずっと悩んでいるような人だと、ストレスを発散できずに蓄積し、生理不順を引き起こすようになります。
生理不順と片頭痛の関係
頭痛専門医の見解は、以下のようなものが一般的のようです。
片頭痛は生理不順が原因で片頭痛が酷くなることがあります。現代女性は仕事などでストレスを抱えがちです。ストレスを抱えることで女性ホルモンのバランスが乱れそのせいで生理不順になる人も多いようです。生理不順になると女性ホルモンに大きく影響される片頭痛の発症のタイミングもわかり辛くなってきます。いつ片頭痛に襲われるかわからないという不安から、飲む鎮痛剤の量が増えていき、結果として薬物乱用頭痛を引き起こすこともあります。頭痛薬は一ヶ月に10日以上は使わないように注意して、生理不順になったら早めに病院を受診しましょう。
また女性ホルモンに関係なく、抱えているストレスそのものが片頭痛を引き起こす場合もあります。ある程度のストレスは誰でも抱えているものですが、片頭痛持ちの人は片頭痛の起こりやすい時期にストレスが重ならないように無理をしないようにしましょう。
過労や睡眠不足、低血糖(空腹)、人混みに入ることや、大きな音や強い光を避けて、できるだけ規則正しく生活をすることが大切になってきます。
と、このように申されます。
「生体リズム」・・・「健康的な生活」
このシリーズでは、これまで以下のように述べてきました。それは・・・
「健康的な生活」とは、生まれつき体に備わっている「生体リズム」に沿った生活ということを意味しています。
この「生体のリズム」は「ホメオスターシス(自然治癒力)」によって維持され、「体内時計」により刻まれ、「体内時計」は「ミトコンドリア」・「セロトニン神経系」により制御されています。
体内時計と生体リズム
最近の研究から、体内時計は体中にあることが知られています。その中で全体の体内時計を司っているのが視床下部の視交叉上核にある体内時計です。
体内時計を元に、身体のなかではさまざまなリズム、つまり生体リズムが刻まれています。睡眠と覚醒のリズム、体温のリズム、行動のリズム、ホルモン分泌のリズムなどです。
このなかの月単位のリズムが生理の周期(月経周期)のことをさしています。
睡眠と覚醒のリズムは、睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンの分泌と深く関連しています。メラトニンとは、日中に光を浴びることで作られ、夜になって暗くなると分泌を始めます。朝強い光を浴びるとメラトニンの分泌が抑制され、夜暗くなると再び自然にメラトニンが分泌されて眠気を促し睡眠と覚醒のリズムが作られます。
このように、生体リズムを保つには睡眠が極めて重要になっています。
よく眠ることは、疲労を回復するうえで不可欠です。睡眠を十分にとらないでいると、脳の機能が低下してストレスに弱くなり、また集中力がなくなって日常生活にも支障が生じてしまいます。
睡眠時間を極端に少なくすると脳の働きが乱れてしまい、自律神経やホルモンのバランスも乱れ、生体リズムを乱すことになります。
エストロゲンと片頭痛の関係
血液中のエストロゲンの濃度が高い時、片頭痛の発作が少なく、エストロゲンが低い時は片頭痛の発作が多いことがわかっています。
妊娠中に発作が減るのは、妊娠中は生理がなく、エストロゲンの数値が高いまま続くからと、考えれています。
初潮がきっかけになるのは、生理によるエストロゲンの減少を、初めて経験することによります。
更年期は、エストロゲンの分泌が不安定になるためとされています。
実際、イギリスにおける臨床研究で、以下のようなことが報告されています。
1.片頭痛の発生率が最も高い時期
生理開始前、3日間および、1日中出血があった最初の日
2.片頭痛が発生する時期
エストロゲンの濃度が減少している時期
女性の生理周期と片頭痛には関係がある?
これまでの研究では、生理周期を卵胞期、排卵期、黄体期という標準的に3つの期間に分けて研究されてきました。
これらの研究では、なかなかこの時期に発作が多いと、断定はできませんでした。
しかし、イギリスでの研究では、エストロゲンの上昇期と下降期に分けて研究されています。
その結果、エストロゲン下降期に、片頭痛の発生率が高いことが、分かりました。
また、エストロゲンの上昇期、下降期は、生理の周期それぞれにある可能性が、考えられています。
すなわち、どの周期であれ、エストロゲンの濃度が、下降すると片頭痛になりやすいということです。
時期的には、1日中出血があった最初の日と、その前日が、発生のピークのようです。
このエストロゲン濃度の下降に伴った片頭痛の発作は、他の時期の発作より重症ということです。
そして、吐き気や嘔吐を伴うことが、多くあります。
エストロゲンの濃度が上昇し始めると、片頭痛の発生率も減り始めるという、傾向もあります。このことを裏付ける臨床試験もあります。
以上のことから、現在では以下のように考えられています。
生理周期と片頭痛発作
女性ホルモンのエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)は、月経周期でその分泌量は大きく変わります。
特にエストロゲン(卵胞ホルモン)が減ると、それに伴って神経伝達物質であるセロトニンも急激に減ります。
その時に頭の中の血管が拡張することで片頭痛が起こると考えられています。このエストロゲンが減少するのが排卵日や生理の初日前後です。
つまり排卵日や生理の初日前後にはエストロゲンが減少するためにセロトニンも減少→頭の中の血管が拡張して片頭痛が起こりやすいということなのです。
女性は健常男性より 約52% 脳内セロトニンを産生する能力が低く、またセロトニンの前駆物質であるトリプトファンが欠乏すると、女性では脳内セロトニン合成が男性の4倍減少する、と言われています。
このため、だいたいこうした時期は、女性の場合、初潮を迎える13歳頃に一致します。
こうした年代に女性の場合は、片頭痛を発症してきます。
エストロゲンが低下することでセロトニン神経の機能が低下し、脳内セロトニン濃度が低下すると考えられています。
このように、排卵や月経に伴うエストロゲン血中濃度の急激な低下がセロトニン濃度の低下、ひいては脳血管の拡張を引き起こすことが指摘されています。
また月経前に血中マグネシウムを骨や筋肉へと移行させるため、生理時には、脳内のマグネシウムレベルが低下してきます。マグネシウム不足はミトコンドリアの機能を悪化させ、片頭痛を増悪させてきます。
これが、片頭痛の発作を引き起こすと考えられています。
片頭痛はミトコンドリアの機能が低下して起きる頭痛です。
片頭痛とは、遺伝素因である「ミトコンドリアの働きの悪さ」に、ミトコンドリアの機能を悪化させる生活環境および生活習慣(とくに食生活)が原因で、自分のミトコンドリアを傷つけることによって「さらに、ミトコンドリアの働きを悪く」させて「酸化ストレス・炎症体質」を形成することにより引き起こされる頭痛と考えられています。
片頭痛の場合、生まれつき「ミトコンドリア働きの悪さ」という遺伝素因が存在し、これにはミトコンドリアDNAが関与し、このミトコンドリアDNAによって先祖代々母親から受け継がれていきます。
母と娘の間で片頭痛が遺伝しやすいのは、このミトコンドリアDNAが関与しています。
遺伝にDNAが関係することは誰もが知っていることですが、細胞内のDNAとは別に、ミトコンドリアは独自のDNAを持っており、この”ミトコンドリアDNA”が片頭痛の遺伝に関係しています。
ヒトの精子には16個程度のミトコンドリアが存在します。一方の卵子は10万個といわれています。そして、精子に含まれるミトコンドリアは受精後にすべて死滅してしまいます。父性よりも母性のほうが強いということです。
ということは、ミトコンドリアのDNAに関していえば、卵子に含まれるものだけが子供へと受け継がれます。つまり100%の母性遺伝です。もし母親のミトコンドリアの代謝活性(元気さ)が低ければその影響を当然受けやすくなります。
女性は健常男性より 約52%「脳内セロトニン」を産生する能力が低く、またセロトニンの前駆物質であるトリプトファンが欠乏すると、女性では「脳内セロトニン」合成が男性の4倍減少する、と言われています。
そのため、母親のミトコンドリアの数が少なく活性が低くければ、その子供にはその性質が引き継がれ易くなります。
このために、女性に片頭痛の症状が発生しやすいのです。母から娘へと片頭痛が遺伝してしまうのには、こういう理由があったのです。
セロトニン神経系・・脳内セロトニン
ミトコンドリアの活性が低くなると、細胞が活動するために必要なエネルギー発生量も少なくなります。その結果、器官や組織を構成する個々の細胞のエネルギーの不足が直接的に器官の機能低下を引き起こすことになります。
私達が日中活動している際に、常時活動している神経系がセロトニン神経系です。このようにエネルギーを常時たくさん使うセロトニン神経系は、ミトコンドリアの働きが悪くなりますと、同時にセロトニン神経系の働きまで悪くなってきます。
頭痛に限らず、関節リウマチ、線維筋痛症、腰痛、股関節痛、など痛みを伴う疾患はたくさんありますが、いずれも患者数は女性が多いのが特徴です。
女性の場合、家族・夫婦間および職場でのストレスにさらされることが多く、長期間のストレスは、「脳内セロトニン」を枯渇させることにつながってきます。
こうしたストレスは、「脳内セロトニン低下」を引き起こしやすく、「脳内セロトニン」が、痛みの感覚を抑制する役割を担っていることから、「脳内セロトニン」が低下すれば、痛みを感じやすく、このため痛み・頭痛が出現しやすくなってきます。
このような脳内セロトニンの低下は、女性の場合、程度の差はあれ、潜在的に存在しており、ストレスに晒されることによって容易に顕在化してきます。このため、日頃から「セロトニン生活」を心掛けて、脳内セロトニンを増やすことを平静から努めることが大事になってきます。
エストロゲン過剰と生理痛・片頭痛
「エストロゲン」は次の妊娠へ向けて子宮内膜の機能層を増殖させ、ふっくらと厚みをもたせるホルモンです。
子宮を赤ちゃんのベッドだとすると「エストロゲン」によって新しいシーツのかけ直しが行われるのですが、もしこの「エストロゲン」が過剰だとシーツを必要以上に重ねてしまいます。シーツを何枚も何枚も重ねてベッドに敷き詰めてしまうと、いざ シーツ交換という時にもの凄く大変です。
子宮も同じで、機能層が厚みを増す過ぎると古くなった機能層を剥がすのもそれを子宮から押し出すのも大変です。
月経の開始や経過にはプロスタグランジンE & F2αが関わっています。
出すのが大変となると、このプロスタグランジンE & F2αがたくさん必要となります。
プロスタグランジンE & F2αは、発痛物質による痛みの感度を上げますので、痛みは増強され、ひどい生理痛が発症します。
では 「エストロゲン」が過剰になる原因は何でしょうか?
☆その1「夜型生活」
夕方~夜間星空にかけて「メラトニン」という催眠ホルモンが分泌されますが、日没後に光を浴びるとその分泌は抑制されてしまいます。
「メラトニン」は、自然な眠気をもたらす働きだけでなく、抗酸化物質としてフリーラジカルを分解する抗老化ホルモンでもあり、また卵巣で「エストロゲン」が作られすぎるのを止める働きもあります。
現代では夜中まで電気を煌煌と灯すことが出来ますし、テレビテレビやパソコンパソコンなどの光も目から取り入れています。
この夜も光を浴びつつける生活により、「メラトニン」がキチンと分泌されないと体内リズムが狂うだけでなく、老化が進んだり、「エストロゲン」の産生が過剰になることが分かっています。
スタンフォード大学医学部の研究によると
夜型生活で「メラトニン」分泌減少
↓
・メラトニンの抗酸化力が足りず DNAのがん誘発性変異が起こりやすくなる
・乳がんの癌細胞を活性化するエストロゲンの分泌が過剰
↓
乳がんリスクが上昇アップ & マウスでの腫瘍成長が早まる
という事が分かっています。
夜型生活の女性は そうでない女性と比べて、生理痛もPMSも重く 周期も不規則だと言う事も分かっています。
☆その2「エストロゲン様環境ホルモンの摂取」
肉、牛乳、乳製品 これらにホルモン剤が含まれている可能性がある事をご存知ですか?
例えば、乳牛は早くからそして大量にお乳を出させるために、遺伝子組み換え牛成長ホルモンというのが投与されている事があるようです。日本では規制も表示義務もないみたいです。
アメリカでは、逆にこのホルモン剤を「投与してません」と書くと、投与している牛乳の販売を妨害すると裁判が起こり、区別してはいけないようになってるのです。
政治と経済の癒着が何も知らない国民の健康を犠牲に利益を得ているのです。
ホルモン剤投与でたくさんお乳を出す牛さんは、ママさん達ならわかると思いますが乳腺炎を起こしやすくなります。
その乳腺炎防ぐために抗生剤も投与されているのです。
牛にもホルモン剤は使われており、日本では4種類のホルモン剤投与が認可されています。
ホルモン剤に抗生剤をお肉や牛乳 乳製品から取っているかもしれないなど普通は気付きません。
近年「エストロゲン」が圧倒的に過剰になっている女性が増えているようです
殺菌剤・防腐剤・食品添加物・農薬・ダイオキシン。。。
食べたり 飲んだり 塗ったり
口からも 鼻からも 皮膚からも吸収された環境ホルモンは「エストロゲン」に似た作用を体内で発揮し、子宮内膜の増殖を進めて、月経時にプロスタグランジンを大量に必要としてしまいます
使い捨てナプキンにも環境ホルモンが含まれています。
何十種類もの環境ホルモンにさらされて生きている私達、初潮の低年齢化、女性特有の病気の増加&低年齢化をみるとこの影響は侮れない程に大きいと感じます。
なるべく環境ホルモンから身を守る事が大切です。
環境ホルモンとは、単純に言えば、有害化学物質のことを指しています。
慢性頭痛と女性の生涯経過
女性の一生は、女性ホルモンに支配されていると言いますが、“女性の頭痛も女性ホルモンにかなり支配されています”。
エストロゲンが急に変動することで、脳の血管や脳内物質のセロトニンに影響を及ぼして、頭痛が起こりやすくなります。
このように、女性ホルモンのエストロゲンの影響があげられます。
そして、女性の片頭痛は、思春期に初潮が始まる頃から出現し、更年期に入って、女性ホルモンのエストロゲンの分泌が次第に減少し、最終的に分泌の終了する老年期になって、片頭痛は消滅していきます。
老年期では、緊張型頭痛のみになります。
ということは、更年期以降、なお35年前後「片頭痛なし」で生活していくことになります。これ以降の生活が生死を分けることになります。
一方、ミトコンドリアの働きは私達が生きるためのエネルギーを産生することです。
私達のエネルギー産生は「解糖系」と「ミトコンドリア系」の2つがあり、この2つのシステムを使い分けることで、外界の様々な環境に適応して生きています。
そして、年齢によっても以下のように変化します。
・20歳位までは、解糖系が優位
・20~50歳代:解糖系とミトコンドリア系の比率が1対1
(年代により、多少の比率は変わります)
・40~50歳代:解糖系からミトコンドリ系への移行が強くなります。
・60歳代以降:ミトコンドリア系が主体
ミトコンドリアのエネルギー産生は、思春期にある20歳以下では、解糖系が優位になっており、20歳から40歳の成熟期では、ミトコンドリア系と解糖系は1:1の同比率になり、更年期に入ってからはミトコンドリア系への移行が強くなり、60歳になりミトコンドリア系が主体になってきます。
20歳から40歳の成熟期では、女性ホルモンのエストロゲンの分泌も安定し、ミトコンドリア系と解糖系は1:1の同比率になり、片頭痛発作を繰り返すことになります。
それは、生理時と排卵期に女性ホルモンのエストロゲンの分泌が低下することによって、「脳内セロトニンが低下する」ことによって、片頭痛発作を引き起こしてきます。
さらに、この時期では、ミトコンドリア系と解糖系は1:1の同比率になっており、解糖系が働きやすい「低酸素」「低体温」「高血糖」の環境下に置かれると、ミトコンドリア系が働かなくなって、片頭痛発作を引き起こしてきます。
思春期や更年期は、エストロゲンの分泌が安定しておらず、エネルギー産生系も一定していないため、片頭痛の起こり方も変わってくることになります。
このように、60歳を過ぎますと、女性ホルモンのエストロゲンの分泌が止まり、エネルギー産生系がミトコンドリア系が主体になって、片頭痛は終息してきます。
このように、60 歳以降では、片頭痛は、男性・女性ともに消滅し、緊張型頭痛だけが残存することになります。それは、「体の歪み(ストレートネック)」が生涯を通じて継続しているからです。
ということは、片頭痛は、女性では、思春期から更年期までの間、男性では、20 歳以降 60 歳までの約40年間だけの人生の1コマだけに出現するものです。
生涯を通じて、診られるものではないということです。
ただ、生まれつきミトコンドリアの働きが極端に悪ければ、小児期から診られることもあり得るということです。
ところが、60 歳を越えても、ミトコンドリアの機能を悪化させるような以下の要因が継続すれば、「酸化ストレス・炎症体質」が残存することにより、「後天性ミトコンドリア病」である現代病の生活習慣病、がん、認知症を引き起こしてくることになります。
ミトコンドリアの機能とセロトニン神経系の機能は連動していることから、セロトニン神経系の機能を悪化させる要因、例えばストレスが持続的にが加われば、「脳内セロトニンの低下」がもたらされることによって、緊張型頭痛やうつ状態にまで進展することになります。
以上のように、女性の場合、初潮を契機に片頭痛を発症してくることが多いことは皆さんが一番ご存じのことであり、私が敢えて申し上げることではありません。
このように分かりきったことでありながら、専門家は何か勿体ぶって奥歯に物が挟まったような表現をされ、私達を愚弄してきたことを忘れてはなりません。
生理時の片頭痛は、女性にとって生理は女性である以上、毎月訪れてくるもので避けられないものと諦めておられる方もおられるかもしれません。しかし、生理時の片頭痛は、すべての女性にみられる訳ではなく、約半数前後です。起きないひとは、どのようなことで起きないのかは、この記事や、これまでの当ブログの記事をご覧下さい。するべきことを行いさえすれば、生理時には片頭痛は起きなくなることは、多くの方々で立証されています。
生理時の片頭痛が治らないから、アマージの服用で抑えましょうというのは、頭痛の専門家だけであることを忘れてはなりません。