今年も、ノーベル賞受賞者の発表が少しずつ発表になる季節になりました。
しかし、今年も頭痛領域の研究者からは候補者が挙がることはありませんでした。研究者のなかには、京都大学の本庶佑特別教授の二番煎じを目指して、候補者に上ることを心待ちにされておられた方にとっては無念の思いを味わっておられることでしよう。ということは、今年がダメなら来年をと期待され、頭痛研究の方向性は、現在から変更されることはあり得ないことを意味しています。
しかし、先日「化学物質過敏症、電磁波過敏症」のなかで述べましたように、私達の生活環境は、生活の利便性を追求することを第一に考えることから、私達の健康が脅かされることが問題になっています。少なくとも、こうした要因は待ったなしに増加の一歩であることを忘れてはならないことです。
化学物質過敏症は、家具や建材などより発散する揮発性有機物質や化粧品、殺虫・殺菌の目的で公園や市街地でも散布される農薬の特定の化学物質に対する過敏な反応の結果として生ずる心身の様々な発作から発症することが多く、この意味で、化学物質過敏症は、典型的な環境性疾患です。
体内に入ってきた化学物質の一部が特定の臓器や器官に蓄積され、それが蓄積された臓器の機能障害をおこし、特定の病気を発生させる原因となります。
私たちの体内には、免疫機構、神経機構、内分泌機構といった特異的な調節機構が備わっており、外界からの刺激に対してそれらが適切にネットワークを作って対応することによって恒常性の維持が保たれています。
このようにして、私たちは外界からの刺激に対応する遺伝子を引き継ぎながらホモサピエンスとして、現代に至るまで生命を継続させてきました。
また、別の観点から見れば、私たちは便利で快適なものを追求して発展してきましたが、この文明社会が”活性酸素”を大量に生むことになってしまいました。
その最大の原因は電磁波です。
例えば、ICカード(磁気カード)、パソコン、携帯電話、電子レンジは使う度に活性酸素が発生します。
それは、電磁波を浴びると免疫システムが電磁波を異物だと勘違いして、身を守るために活性酸素を発生させてしまうからです。つまり、生体の防御反応です。
その他にも保存料などの食品添加物が含まれている食品、抗菌グッツを使う、ファーストフードを食べる等でも活性酸素は発生します。
活性酸素が体内で過剰に発生すると、老化が加速し、免疫系の細胞も障害を受け、脳梗塞や糖尿病、がん、アルツハイマーの原因にもなります。
このような有害な化学物質、活性酸素は、人間の生活の利便性をトコトン追求する以上は、この世から無くなることはなく、増加するばかりであり、一刻も早く対策を講ずる必要に迫られ、待ったなしの状況にあると言えます。
現在の最大の問題点は・・・
先日来、シリーズで「片頭痛は、”病気”なのか??」で述べてきましたが、このなかの「遺伝」の問題についてです。頭痛の専門家の遺伝の捉え方が問題になります。
「片頭痛は、”病気”なのか??」その6 片頭痛と遺伝
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12628886978.html
このなかでも指摘しましたが・・
片頭痛は、あたかも「遺伝」しているような「印象」はあります。
しかし、その遺伝の様式は、メンデル型”の”単一遺伝子異常”の優性遺伝でなく、”多因子遺伝”の様式で、親や祖父母から受け継がれます。
この”多因子遺伝”とは、複数(3つ以上)の関連遺伝子をもとに、これに環境因子が加わって病気が発症してくるものを言います。
このような関連遺伝子として、これまでセロトニン受容体及びドパミン受容体の遺伝子多型のほか,メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素(MTHFR),アンギオテンシン変換酵素(ACE)の遺伝子多型などが検討されています。しかし、いまだ明確にされていません。
現在の学会では、このような関連遺伝子の探索だけに研究費が浪費されています。
問題は、こうした研究だけに全精力が費やされていることです。
これら遺伝子には、細胞の核と呼ばれるところに存在する核DNA(通常のDNAです)に乗っている遺伝子と、ミトコンドリアの中に存在する別のDNA(ミトコンドリアDNAといいます)に乗っている遺伝子があります。
そして、大事なことは、片頭痛の遺伝にはミトコンドリアDNAが関与しています。
多因子遺伝とされる疾患すべては、ミトコンドリアDNAが関与しています。
そして、このミトコンドリアDNAは活性酸素で傷つきやすく、いろいろな”原因”でミトコンドリアDNAが傷つくことによって、傷つけられたミトコンドリアDNAの数が一定数を超えくるとエネルギー産生能力が低下し、「後天性ミトコンドリア病」が発生してくることになります。このようにして片頭痛という”症状”は発症します。
現在、頭痛研究者は、片頭痛は”遺伝的疾患”として、関連遺伝子の同定に腐心されます。
しかし、これまで述べて参りましたように、遺伝的素因とされる関連遺伝子(「ミトコンドリア関連遺伝子」)は果たして、確認できるものなのでしょうか?
生まれつき存在する「ミトコンドリアの働きの悪さ」が存在するところに、いろいろな状況が加わってくることによって「活性酸素」が過剰に産生されます。このため、さらにミトコンドリアを傷つけることによって、ミトコンドリアの状態は変化してきます。こうしたことは時々刻々と変化しています。
さらに母親から受け継がれた”生まれつき存在する「ミトコンドリアの働きの悪さ」”は各人各様であり、様々なはずです。
こうしたものを「遺伝子異常」として、捉えようとしていることを意味しています。
単純に考えても、このように各人各様であり、さらに状況によって、ミトコンドリアの状態は変化しています。こうしたものを遺伝子異常として捉えることには無理があります。
このため、関連遺伝子をすべて確認できるまでに、今後何年かかるのでしょうか?
恐らく、1,000年かけても無理のようにしか思われません。
そうなれば、依然として、片頭痛は”遺伝的疾患”のままということです。
そして、これが解決するまでは、一生、お付き合いすべきとされます。
現在、視床下部が敏感に反応する体質が遺伝的に受け継がれていると言われています。
脳の視床下部は自律神経、睡眠、食欲、女性ホルモンの分泌などを司どっていることから、寝不足、寝すぎ、空腹、疲労、ストレス、ストレスからの解放、大きな音、強い光、強いにおい、人混み、気圧・温度・湿度の変化、飲酒や喫煙、女性なら出産、更年期、月経や排卵といった、ふとした日常生活の行動や環境の変化、女性ホルモンの変動などが、片頭痛を誘発すると言われています。ほかにも、電車などの移動中に見る窓越しの風景や、車やバスなどのエンジンの振動も脳の刺激に繋がるといいます。また、血管を拡張・収縮させるポリフェノールなどが含まれるオリーブオイル、チーズ、赤ワインなどの摂り過ぎも、片頭痛の引き金になることがあります。
我が国の世界的名医とされる頭痛専門医は以下のように述べています。
”片頭痛は遺伝的な病気の1つですが、多因子遺伝、すなわち体質の遺伝です。
受け継いだ遺伝子だけでは発症しない、生活習慣、環境の変化などが引き金となって片頭痛が引き起こされています・・
同じ多因子遺伝である高血圧症や糖尿病と同様に、生活習慣の管理が重要になるのです。
片頭痛も発症を予防し、痛みが起こらなければ治ったことになります。
片頭痛予防の第一歩は、何が自分の片頭痛の引き金になっているかを知ることです。
生活習慣で言えば、睡眠不足、あるいは不規則な睡眠時間、食事、ストレスなどが誘因です。さらに、ホルモンバランス、環境因子である天候(気圧、温度、湿度)、光、音などが密接に関係するのです。
こういったことから、自分の片頭痛を引き起こす誘因を知り、こういった誘因を極力避けることが原則とされ、このことが片頭痛の予防に繋がり、このことで「片頭痛が治った・・片頭痛から卒業できた」とされています。”
このように頭痛の専門家は公言されます。結局、片頭痛発作を誘発する要因を避けることが、片頭痛の予防策とされ、あくまでも、片頭痛を残存させようと目論んでいます。
これが、世界的名医とされる先生の考え方であり、日本の頭痛専門医はすべて、これに何故だか従うことになっています。
このような”多因子遺伝”をする病気としては、身近なものとして、生活習慣病であるⅡ型糖尿病があります。Ⅱ型糖尿病は、糖尿病になりやすい素質(遺伝素因)をもっている人に、”環境因子”として、食べ過ぎや運動不足による肥満、アルコール、精神的ストレス、年をとること、その他多種多様の要因が加わって発症します。
こうしたことから、糖尿病の治療方針として、この環境因子の是正に努めるべく「食事療法」と「運動療法」がまず行われ、これに「薬物療法」が追加されます。
このように、頭痛の専門家と糖尿病の専門家では、同じ”多因子遺伝”でありながら、捉え方には雲泥の差があることが理解されると思います。
どのように捉えるべきか
結局のところ、片頭痛では生まれつき存在する「ミトコンドリアの働きの悪さ」が存在するところに、いろいろな状況が加わってくることによってミトコンドリアの働きが悪くなり、また「活性酸素」が過剰に産生され、このため、さらにミトコンドリアを傷つけることによって、ミトコンドリアの状態は変化してきます。
こうしたことは時々刻々と変化しています。
さらに母親から受け継がれた”生まれつき存在する「ミトコンドリアの働きの悪さ」”は各人各様であり、様々なはずです。
ということは、同一の母親から生まれた子供であっても、出産の時期が異なれば、子供さんに受け継がれるミトコンドリアDNAは同一ではないということです。
出産の時期によって、すべてミトコンドリアDNAの状態は変化しています。
このようにして、私たちは外界からの刺激に対応する遺伝子をミトコンドリアDNAを介して、引き継がれているということです。
参考までに、ミトコンドリアの機能を悪化させるものには、以下の要因があります。
1.生活習慣の問題
睡眠不足・・睡眠の重要性
運動不足
食べ過ぎ・過食
早食い・ドカ喰い・・インスリン過分泌
薬剤による影響・・とくに市販の鎮痛薬
2.食事内容の問題
マグネシウム不足
必須脂肪酸の摂取のアンバランス
鉄不足
野菜不足・・抗酸化食品の摂取不足
食生活の欧米化・・腸内環境の悪化
3.生活環境の問題
活性酸素
有害物質
4.年齢的な問題
女性ホルモン(エストロゲン)の分泌低下
このように、化学物質、電磁波の影響は生活環境の要因として、ミトコンドリアDNAを介して、母親から先祖代々引き継がれていくということです。
こうしたことを現代社会に生きる私達がきちんと正しく認識した上で対処していく必要があります。
このように化学物質、電磁波に対して適切に対処しなければ、人類のミトコンドリアDNAは年々、弱体化する一方になってしまうということです。
ということは、現在の頭痛の専門家に頼ってばかりであれば、”体質的な問題”として取り上げてもらえず、挙げ句の果ては、片頭痛は不思議で・神秘的な原因不明の遺伝的疾患とされたままとなり、「脳過敏症候群」で示されるように「片頭痛の体質を有する患者は、小児期より脳の過敏性が高い」ことが立証されることになり、益々、この論説が正当化されることになります。
このような馬鹿げたことを現実化させてはならないということです。
どうして、このような単純なことを申し上げるかと言いますと、以前、平成24年に頭痛とストレートネックの調査を行った際に、頭痛研究の第一線で活躍される先生方にアンケート調査を行いました。このなかで殆どの先生方は、ストレートネックは日常茶飯事に見られるものであり頭痛とは関係なしとされるなかで、ただ独り東京女子医科大学の神経内科の重鎮とされる岩田誠教授から、以下のようなコメントを戴きました。
「私の若い頃には、少なくとも日本人の男性では、頸椎X線撮影の側面像において、第7頸椎椎体は殆どの方で肩に隠れて見えませんでした。今ではそのような体型の人は極めてまれです。
特に20歳代から30歳代の男性では、第7頸椎どころか第1胸椎まで丸見えの人たちが多く驚いています。このような体型の人たちでは例外なく、頸椎前彎が消失しています。日本人の遺伝子構成がここ半世紀で大きく変わったとは思えませんので、食習慣の変化、生活様式の変化などの環境因子が影響していると思います。これが、現代の若い方々において、”頸性神経筋症候群”が多発している大きな要因になっているのだろうと思います。」
このように、神経内科の重鎮とされる先生ですら、このような見解を示されていました。
しかし、先程、ミトコンドリアの機能を悪化させる要因を一覧表にして示しましたが、・・
私達の生活環境および生活習慣のなかには、ミトコンドリアの機能を悪くさせる要因に満ち溢れています。
このため、ミトコンドリアの機能は低下してきます。そうなれば、同時に、セロトニン神経系の機能まで低下しています。
このような要因が存在するため、ここ50年間の間のうちにミトコンドリア自体の働きが人間界において、悪化していることから、同時に起きている「セロトニン神経系の機能低下」と相まって、以下のような理由から「姿勢の悪さ」を引き起こしやすい状況にあります。
すなわち、ミトコンドリアは、全身を支え、姿勢を整える筋肉グループ脊椎起立筋群に多く存在し、ミトコンドリアの働きが悪くなれば、当然のこととして「姿勢の悪さ」を引き起こしてきます。
さらに、セロトニン神経系は直接体を動かすのではなく、筋肉を緊張させることによって、「脊椎起立筋群」に働きかけていることから、セロトニン神経系が低下してきますと、セロトニン神経系本来の働きである「正しい姿勢の保持」が困難となり、「体の歪み」を招来し、結果的に「姿勢の悪さ」を引き起こします。
このように、「脊椎起立筋群」に対して、ミトコンドリアは、”筋肉そのもの”への関与、さらにセロトニン神経系は、”神経系の要因”として、関与し、姿勢を保持しています。
こういったことから、ミトコンドリアの機能が悪化している現代社会では、「姿勢の悪さ」が起きやすい生活環境に置かれています。
私達は、日常生活を送る上で、前屈みの姿勢を強制される生活環境に置かれています。
女性はなで肩で、首が細く、女性は男性に比べて筋肉の量が少ないので、筋力も強くありません。しかし、頭部は約6キログラムもあり、男女ともほとんど同じ重量です。
特に、女性の場合は、炊事・洗濯・掃除を行う際に”前屈みの姿勢”を日常的にとっています。
さらに職場では、事務系の仕事が多いためパソコンの操作を終日行うことになります。仕事が終われば四六時中スマホ・携帯を覗き込む姿勢をとっています。現代社会はスマホ全盛の時代で、歩きスマホをされるご時世です。
こうした前傾姿勢は知らず知らずのうちに後頸部の筋肉に負担をかけることになります。その結果、ストレートネックを形成しやすくなってきます。
このように、生活環境とくに活性酸素の影響によって引き起こされたものと考えるべきです。
ミトコンドリアDNAは傷つきやすい
ミトコンドリアは酸素を使ってATPを産生します。この際、体内に取り込まれた酸素の数%反応性の高い活性酸素やフリーラジカルになります。すなわち、ミトコンドリアは生体内における主要な活性酸素の産生部位でもあります。
正常な状態でも活性酸素は産生されていますが、電子伝達系や呼吸酵素系の活性が低下すると、電子伝達系から電子が漏れて活性酸素が生じやすくなります。
ミトコンドリアは活性酸素を多く産生するため、ミトコンドリアDNAに突然変異が起こりやすい環境を作り出しています。
しかも、ミトコンドリアDNAは核DNAと比べて修復能力が低いため、ミトコンドリアDNAで突然変異が起こる割合は核DNAの約10倍と考えられています。
このように、ミトコンドリアDNAは活性酸素によって傷つきやすい特徴があります。
このようにして先述のように、傷つけられたミトコンドリアDNAの数が一定数を超えくるとエネルギー産生能力が低下し、「後天性ミトコンドリア病」が発生してくることになります。
このようにして片頭痛という”症状”は発症してきます。
一方、病気の90%は活性酸素が原因だと現在では言われています。
このように、遺伝の問題はミトコンドリアDNAの観点から考えるべきものであり、このことは片頭痛だけではなく、これは一般の方々でも言えることです。
個々の関連遺伝子を同定することも大切ではありますが、ミトコンドリアDNAの観点から、「このミトコンドリアDNAは活性酸素で傷つきやすく、いろいろな”原因”でミトコンドリアDNAが傷つくことによって、傷つけられたミトコンドリアDNAの数が一定数を超えくるとエネルギー産生能力が低下し、「後天性ミトコンドリア病」が発生してくることになります。このようにして片頭痛という”症状”は発症します。」と言ったように大雑把に捉えられるべきものです。
生活環境の要因・・・
「化学物質過敏症」が片頭痛だけでなく一般人でもみられるというシュッテイさんの考え方にも相通じることです。
もう一度、以下の動画をご覧下さい。
化学物質過敏症とは
https://www.shabon.com/kougai/
体内に入ってきた化学物質の一部が特定の臓器や器官に蓄積され、それが限度を超えた場合、蓄積された臓器の機能障害をおこし、特定の病気を発生させる原因となります。
以上のように、頭痛の専門家は「遺伝」の面を取り上げても、一般的な遺伝常識では通用しない独特な見解をされます。それも、世界的名医とされる専門家がこのように申されます。
これまで、このような言い方は詭弁に過ぎないと申し上げてきました。なぜ、このように私達を騙し続ける必要があるのでしようか?
このように考えるなら、頭痛の専門家が行う頭痛研究とは一体何を目的に行われているのでしょうか?
少なくとも、片頭痛で悩み苦しむ方々のための研究ではなさそうです。
となれば、ノーベル賞受賞、それだけが目的なのでしょうか?
客寄せパンダとされる「頭痛専門医」の称号欲しさから、自分のために研究されておられるのでしょうか?
このように考えるなら、慢性頭痛で悩む方々は、自分独自で自分の身を守るしか方法はないようです。極めて悲しむべきことですが・・専門家が当てにならないということです。
少なくとも、生活の利便性を追求することによって、年々、ミトコンドリアDNAの弱体化した遺伝子を次世代へと引き継がすことだけは防ぐ必要があり、これが私達の責務であるはずです。