昨日の記事が長すぎて論点が不鮮明になったように思われますので整理します。
西洋医学のスタート
もう一度、繰り返して言いますと、今日本で信じられている西洋医学のスタートは かなり特殊な状況でした。西洋医学のスタート、それは「資本主義」のスタートと ほとんど同じで、西洋医学は「資本家がお金を儲ける為に作られた」ものです。
今世界で主流となっている西洋医学のスタート、 これは20世紀初頭のアメリカです。
お金持ちにとって労働者は「部品」でしかなかったのです。しかし、過酷な労働のせいで労働者が身体を壊してしまう事が最も問題になりました。
労働者をできる限り安く、最大限に働かせるために、如何に素早く、壊れた労働者というパーツを素早く 労働力として復活させるのか、をポイントにして、そんなお金持ち達の希望を叶える為に発達した技術、それが日本中の医者が大学で学ぶ医学、つまり 『現代西洋医学』なのです。ですから、治すなんてまどろっこしい事には興味がありません 。
西洋医学は労働者を限界まで働かせる為にスタートしたのですが、当時のお金持ちは、『病気を治す振りをすればずっとお金が入ってくる』という事に気付きました。
病気の原因は取り除かず痛みだけを取れば、その場では 治ったように感じても、また痛くなり戻ってきます。 麻薬と一緒です。
使ったその瞬間は気持ちが良くても、長期的には どんどん身体が壊れていきます。
問題が増えれば増えるほど出せる薬が増え、 もっともっとお金が入ってくるのですから。
労働者を働かせる為に利用した手法が『医療』の名の下に 合法的な麻薬として成立してしまいました。
結果、大きな利益を生み出す『現代西洋医学』は 優先的に研究費が回り、国から優遇され、世界の医学の中心となりました。
例え一時的だったとしても、痛みを取ってくれるのだから、多くの人が現代西洋医学を求め、認めてしまったのです。
『今、この瞬間、すぐに痛みをとってほしい』その欲求を満たして欲しい人達とそれを満たせばお金が物凄く儲かる人達、それが組み合わさってしまった結果が金儲け主義医療です。
このように、西洋医学は病気を治す為に存在していません。西洋医学には、歴史的にみても、そもそも治す気がまったくありません。
この時代のアメリカの西洋医学は、ロバート・メンデルソンの「こうして医者は嘘をつく」で克明に記載されていたことです。
これが、西洋医学の根本的な・基本的な考え方であることを忘れてはなりません。
このような考え方に基づいて、トリプタン製剤が片頭痛治療の世界に導入され、寝込む程の辛い頭痛が緩和されたことから、片頭痛は「病気」と考えられるようになりました。
しかし、そもそも片頭痛を治す気がまったくなく、『今、この瞬間、すぐに痛みをとってほしい』その欲求を満たして欲しい人達とそれを満たせばお金が物凄く儲かる人達、それが組み合わさってしまった結果が”金儲け主義”の片頭痛医療となってしまったのです。
寝込んで、仕事を休むことなく、労働力が確保できるようになり、経済的損失は少なくなり、さらに片頭痛を根本的に治さないために、お金が物凄く儲かる人達にとっては申し分のないことになっています。
こういったことから、国際頭痛学会は、「国際頭痛分類」を作成し、全世界にこれを普及させることによって、片頭痛にはトリプタン製剤で対処させる基盤を作ったということです。
トリプタン製剤は、片頭痛を持つ”多くの”(すべてではありません)患者さんに対して、非常に効果があります。すなわち、片頭痛の発作期間の3日間の寝込む程の辛い頭痛が劇的に緩和させることができるようになりました。
こうしたことから、国際頭痛学会は、「国際頭痛分類」を作成して、慢性頭痛、とくに片頭痛の診断基準を作成し、片頭痛を厳格に定義することにより、片頭痛を見逃さないようにして、片頭痛を正確に診断して、トリプタン製剤を処方させるようにしました。
このようにして、片頭痛は「病気」と考えられるようになりました。
これが、国際頭痛学会が作成した「国際頭痛分類」です。誤解してはなりません。
本来、片頭痛は”病気”ではなく、単なる”症状・症候群”にすぎないものです。
このように、片頭痛が「病気」とされようとも、西洋医学は「病気」を治しません。
一般的には、西洋医学では、薬物療法で治療可能なものが、所謂「病気」として扱われており、そのほとんどは対症療法にすぎないものだからです。
このように、西洋医学の薬の多くは対症療法であり、病気を根本的に治しません。また対症療法は、自然治癒力を奪うことにもつながります。
このように、本来の「国際頭痛分類 第3版β版」の目的とするところは、片頭痛を明確に定義することによって、間違いなく、片頭痛に対してトリプタン製剤を処方させるためのものです。これだけの価値しかないものです。
いま日本の医師の大多数は、「この症状ならこのような診断で、この薬を出す」というものがパターン化され組み込まれています。まさしく典型的な対症療法です。
このように、片頭痛と診断されれば、トリプタン製剤が処方されることになります。
片頭痛の原因を取り除かず痛みだけを取れば、その場では 治ったように感じても、また痛くなり戻ってきます。麻薬と一緒です。
トリプタン製剤を服用した瞬間は気持ちが良くても、長期的には どんどん身体が壊れていきます。すなわち、発作回数が増えてきます。
問題が増えれば増えるほど出せる薬が増え、もっともっとお金が入ってきます。すなわち、予防薬が次々と追加されてくることになります。結果、薬漬けになってしまいます。
このようにして、製薬メーカーが儲かるしくみになっています。
労働者を働かせる為に利用した手法が『医療』の名の下に トリプタン製剤は合法的な麻薬として成立してしまいました。
結果、大きな利益を生み出す『現代西洋医学』は 優先的に研究費が回り、国から優遇され、世界の医学の中心となりました。
このようにして、「国際頭痛分類 第3版β版」は全世界の頭痛を担当する医療関係者の共通の言語とされ、日本でも、この「国際頭痛分類 第3版β版」は頭痛診療および頭痛研究の絶対的な”教義・教典”とされるまでになっています。
例え一時的だったとしても、トリプタン製剤が辛い頭痛を取ってくれるのですから、多くの人が現代の「臨床頭痛学」を、認めてしまったのです。
しかし、そもそも片頭痛を治す気がまったくなく、『今、この瞬間、すぐに痛みをとってほしい』その欲求を満たして欲しい患者さんとそれを満たせばお金が物凄く儲かるトリプタン製薬メーカーおよびトリプタン御用学者 それらが組み合わさってしまった結果が”金儲け主義”の片頭痛医療となってしまったのです。
寝込んで、仕事を休むことなく、労働力が確保できるようになり、経済的損失は少なくなり、さらに片頭痛を根本的に治さないために、お金が物凄く儲かるトリプタン製薬メーカーおよびトリプタン御用学者 にとっては申し分のないことになっています。
このようにして、国際頭痛学会は、「国際頭痛分類」を作成し、全世界にこれを普及させることによって、片頭痛にはトリプタン製剤で対処させる基盤を作ったということです。
西洋医学は治療が主体で、病気の予防には目が向けられていません。
治療内容も一部の療法を除いて、ほとんどが症状を緩和する対症療法で、原因を解決する治療法ではありません。
現在の臨床頭痛学では、片頭痛は原因不明の不思議で神秘的な”遺伝的疾患”とされていることから、病気・片頭痛を予防することなどは、考えもつかないことになります。
戦前の日本では、ドイツ医学の系統が主流でしたが、戦後から現在まで、日本の医師が学ぶのは、ほとんどアメリカ医学の知識です。
アメリカは手術、放射線、化学療法、合成化学薬品全てにおいて、現代的な医学が最も進んだ国でもあります。
こういったことから、日本の頭痛診療の場面では、アメリカ医学である、「国際頭痛分類 第3版β版」は頭痛診療および頭痛研究の絶対的な”教義・教典”とされるまでになっています。
さらに、国際頭痛学会が作成したのもという「おまけ」つきです。このことも素人の私達を納得させるには十分過ぎるものになっています。
こういったことから、片頭痛発作時に、毎回、トリプタン製剤を服用しようとも、片頭痛が治ってしまうことはありません。
ただ、このような対処をされた方々の3割は、自然に片頭痛は治癒してきますが、約4割が症状は変わらず、残りの3割が慢性化して増悪してきます。
こうして、3割は、自然に片頭痛は治癒してきますが、専門家は、トリプタン製剤を服用していたためとしていますが、それでは、なぜ、約4割が症状は変わらず、残りの3割が慢性化して増悪してくる理由が不明とされます。
このような自然治癒した3割は、ホメオスターシス、すなわち”恒常性を維持するための「環境に対する適応力」(自然治癒力)により治癒したものです。
このように、7割の方々は、片頭痛は根治することはなく、3割は片頭痛が慢性化し、一生、頭痛地獄という辛酸を味合うことになっています。
これで、なぜ、「片頭痛が治らない」ようになっているのかが、理解されたはずです。
これまで「片頭痛は病気です。病気ですから、医療機関を受診して、片頭痛を治療して、治しましょう」と言って片頭痛患者さんに医療機関への受診を勧め、生活の質QOLを高めて、健康寿命を長くさせましようと、しきりに洗脳し、さらに患者団体まで巻き込んで「なお、片頭痛の恩恵に浴していない片頭痛患者さんが多くいる」といって啓蒙活動を勧めてきました。
そして、片頭痛の適切な治療とは、片頭痛発作時に毎回、トリプタン製剤を服用することである、と公言を憚りません。
このような啓蒙活動が何を意味していたのかを、私達は真剣に考えなくてはなりません。 このことは、敢えて私が申し上げることではありません。
病気の90%は活性酸素が関与
現在では、人が罹るあらゆる病気の90%は活性酸素が関与していると言われ、さらに、感染症以外の、ほとんどの現代病である生活習慣病(片頭痛、動脈硬化、ガン、認知症を含めて)は、「後天性ミトコンドリア病」と考えられています。
ミトコンドリアがエネルギーを産生する際に必然的に生み出されるのが活性酸素です。
「後天性ミトコンドリア病」とは、馴染みのない病名ですが、これは”ミトコンドリアの機能が低下する病気”です。
今までは、先天性の病気”遺伝的疾患”として考えられていましたが、現在では後天的な発症や、薬による副作用で発症することが証明されています。
ミトコンドリアDNAは活性酸素によって傷つきやすい特徴があります。活性酸素によって傷つけられたミトコンドリアDNAの数が一定数を超えてくるとエネルギー産生能力が低下し、「後天性ミトコンドリア病」が発生してくることになります。
「後天性ミトコンドリア病」とは、いろいろな原因でミトコンドリアDNAが傷つくことによって、活性酸素で身体が”酸化”していく全身病です。
現在では、ミトコンドリアを治すものが”病気を制する!”とされています。
この事実は、医学界では何十年もタブーとされてきました。
オットー・ウォーバーグが”ワールブルグ効果”を発表した時には、この事実がわかったのですが、製薬会社や医者の利益を守る為に封印されてきました。
医学界が、この封印を解いて、この事実を公表する可能性は極めて低いものと思われます。
これからも色々な病名をデッチ上げて、病気の根本原因をわかりにくくさせるものと思われます。
このような片頭痛が「後天性ミトコンドリア病」であるという考え方は、これまでトリプタン製薬メーカーおよびトリプタン御用学者によって、トリプタン製薬メーカーおよびトリプタン御用学者の利益を守るために一切覆い隠されてきました。
現在でも、これは継続しており、専門家が日本の頭痛診療・教育のあるべき姿とされるHeadache Master School Japan(HMSJ)があり、ここではこのような考え方は全く取り入れられていないことで如実に示されていることです。
このような片頭痛が「後天性ミトコンドリア病」であるという考え方が、片頭痛を治療していく際の基本的な考え方であり、これなしには改善は望めないことになっています。
私達は、このように発想の転換をはかる必要に迫られています。
ところが、現在の頭痛の専門家は、このような考えに至ることなく、旧態依然の治療方針でされることから、私達自身が意識改革をしていくことが大切になっています。
このように、片頭痛は”後天性ミトコンドリア病”と考えるべきものです。
実際、片頭痛は、これまで”ミトコンドリアのエネルギー代謝異常あるいはマグネシウム低下によって引き起こされる脳の代謝機能異常疾患”であると報告されています。
Welch KMA, Ramadan NM Review article; Mitochondria, magnesium and migraine. J Neurol Sciences 134 (1995) 9-14
このように、Welch KMA, Ramadan NM 、下村登規夫、小谷和彦、村上文代先生らによって、日本にトリプタン製剤が導入される以前の段階から明らかにされていました。
当時は下村登規夫先生によって「MBT療法」が提唱され、この治療成績は9割前後の片頭痛の方々が改善に導かれるとされていました。
1)古和久典、竹島多賀夫、中島健二:片頭痛に関連する神経伝達物質遺伝子、頭痛診療ハンドブック(鈴木則宏編集)中外医学社、東京、2009、95-113
2)竹島多賀夫,井尻珠美,福原葉子,楠見公義,古和久典,足立芳樹,中島健二.片頭痛の遺伝子研究.神経研究の進歩 46:351-359,2002.
3)竹島多賀夫,荒木治子,楠見公義,福原葉子,古和久典,足立芳樹,中島健二.頭痛をめぐる最近の話題:2片頭痛の分子生物学と遺伝子研究. 脳神経56:645-654,2004
4)竹島多賀夫, 楠見公義, 福原葉子, 古和久典, 足立芳樹, 中島健二. 家族性頭痛Update. 臨床神経学 2004;44(11):944-947.
5)丸川浩子、下村登規夫、中野俊也、ほか:片頭痛患者及び緊張型頭痛患者における唾液中神経伝達物質の検討.自律神経、31:668,1994.
6)下村登規夫、北野あゆみ、丸川浩子、ほか:片頭痛患者および緊張型頭痛患者における末梢血単核球 c-fos mRNA の検討ならびに片頭痛におけるミトコンドリアDNA異常. 頭痛研究会会誌、22:111.1995.
7)竹島多賀夫,中島健二.片頭痛の分子生物学.日本内科学会雑誌 90:648-653,2001.
8)下村登規夫、小谷和彦、村上文代:片頭痛とミトコンドリア.神経研究の進歩:46(3) 391-396. 2002
9)下村登規夫、村上文代、猪川嗣朗:片頭痛の病態と発症機序. 神経内科 45:95-101,1996
10)下村登規夫:頭痛患者の生活指導の基本と応用ーDASCH diet を中心に 頭痛診療のコツと落とし穴,坂井文彦編 中山書店,東京, p164、2003
11)下村登規夫、村上文代、小谷和彦、猪川嗣朗:片頭痛治療のトピックス。医薬ジャーナル 35(11):2876-2880, 1999
12)下村登規夫, 村上文代, 小谷和彦ほか:新しい治療概念「分子治療学(Molecule-based therapy)」に基づいた片頭痛の治療. 治療 81:1861‐1865、1999
このように、極めて多くの論文が出されていました。
先天的に、ミトコンドリアの一部が異常をきたし、機能低下する事で起こる”ミトコンドリア病”のほとんどの患者さんには、片頭痛が存在します。
そして、片頭痛は”後天性ミトコンドリア病”と考えるべきものです。
すなわち、片頭痛はミトコンドリアの活性低下という遺伝素因をもとに、生まれてから諸々のミトコンドリアの働きを悪くする要因が追加されることによって、さらにミトコンドリアの機能を低下させることによって起きてくる頭痛です。
生活環境によって生み出された活性酸素および有害物質などの外部の生活環境要因に、食生活上の問題点、マグネシウム不足・必須脂肪酸(オメガ3とオメガ6)の摂取のアンバランス・鉄不足・抗酸化食品の摂取不足・過食に、睡眠不足や運動不足や不規則な生活などの生活習慣が加わって、ミトコンドリアの機能が低下してきます。
このようなミトコンドリアの機能を低下させる要因を取り除かない生活を送ることによって、「酸化ストレス・炎症体質」が形成され、ここに「脳過敏」を来す要因が次々と追加されることによって、日常的に感じる極く軽度の頭痛を出発点として、緊張型頭痛から、片頭痛へと進展していくものです。
最も、卑近な例を挙げれば、日常的に感じる極く軽度の頭痛に対して、市販の鎮痛薬を繰り返して服用することによって、ミトコンドリアの機能を低下させ、さらに脳内セロトニンを低下させることによって薬剤乱用頭痛を併発させてくることになります。市販の鎮痛薬という”薬剤”が原因となった「後天性ミトコンドリア病」を作る典型例を示していることになります。
ここにミトコンドリアの活性低下という遺伝素因があれば、当然のこととして片頭痛を発症してくるということです。
このように、片頭痛は”後天性ミトコンドリア病”と考えるべきものです。
西洋医学での”ブラックボックス”
前回「国際頭痛分類 第3版β版」の”生い立ち”の部分で述べたことです。
「片頭痛」は西洋医学でいう、”健康”でも”病気”でもありません。
西洋医学でいう病気・疾患単位とは、その病気の原因となる病理解剖学的所見があるものを指しています。
この定義からすれば、片頭痛は”病気・疾患単位”ではないということです。
「病気」でもない片頭痛を医師に診断させるために、”ある工夫”(診断基準)”が西洋医学では必要になります。
それは、片頭痛治療の領域にトリプタン製剤が開発された1980年代はじめです。
このときに、トリプタン製剤を開発したトリプタン製薬メーカーおよびトリプタン御用学者は、トリプタン製剤を意識的に評価する目的で”一定の基準”を作成しました。
トリプタンが医学的に薬剤として評価されるためには、”一定の基準”に基づいて診断された患者のなかでの治療成績を調べなくてはならないからです。(所謂、治験です)
この「基準」では、片頭痛の患者であっても、さまざまな条件のためにトリプタンの処方に向かない症状を示す場合には、その患者を片頭痛とは診断できないような基準を作ってしまったのです。たとえば、ほぼ毎日のように頭痛が起きる「変容性片頭痛」などは、この基準に従って診断しますと、緊張型頭痛になるように仕組まれています。
このように、片頭痛は”病気”ではなく、”症状・症候群”にすぎないものです。
トリプタン製薬メーカーおよびトリプタン御用学者は、トリプタン製剤を意識的に評価する目的で”一定の基準”を作成したのが「国際頭痛分類 」です。
専門家が、これを「国際頭痛学会が作成したもの」と言っているだけのことです。
結局、片頭痛を”症状”の上で厳格に定義することにより、片頭痛を見逃さないようにして、片頭痛を正確に診断して、トリプタン製剤を処方させる目的で作成されたものです。
これが、国際頭痛学会が作成した「国際頭痛分類」です。
このように、「国際頭痛分類 第3版β版」とは、”診断基準”にすぎないものです。
ということは、片頭痛は病理解剖学的所見はなく、ということはCTもしくはMRIなどの画像診断では何ら異常所見がなく、あくまでも「国際頭痛分類 第3版β版」で厳密に定義された”症状”の上から診断された”症状・症候群”にすぎないものです。
ということは、片頭痛は西洋医学では”病気”ではありません。ここをはき違えてはならない重要な点です。
西洋医学でいう、健康でも病気でもないものを、東洋医学では”未病”といっています。
このような”未病”とされる病態は、本来、生活習慣の問題点から引き起こされ、ここから「病気」へと進展するものと東洋医学では考えられています。
脳のなかに異常のない頭痛の代表格とされる緊張性頭痛、片頭痛は、頭部のCT・MRIなどの画像検査では何も異常が見当たらず、これはまさに、典型的な”未病”と考えるべき頭痛です。
ということは、”脳のなかに異常のない”「慢性頭痛(一次性頭痛)」は、東洋医学でいう”未病”の段階にあり、すなわち健康と病気の中間に位置しており、この”未病”は本来、生活習慣の問題点から引き起こされ、ここから「病気」としての「慢性緊張型頭痛」・「慢性片頭痛」へと進展するものです。
ですから慢性頭痛とは”未病”の段階にあり、「健康的な生活」を送ることを阻害する生活習慣に根本的な原因があります。
そして、「ホメオスターシスの乱れ(自然治癒力の低下)」によって慢性頭痛という「症状」が出現し、さらに様々な生活習慣の問題点が加わることによって、難治性の頭痛という「病気」にまで進展していくことになります。
「健康的な生活を送る」ためには、ミトコンドリア・腸内環境・生理活性物質が重要な”鍵”となり、生命の根源ともなるべき役割を果たしています。
(腸内環境・生理活性物質も基本的にはミトコンドリアに関与したものです)。
このなかでもミトコンドリアはその”要(かなめ)”となり、私達の体を構成する細胞の中にあり、食事から摂取した栄養素から生きるために必要なエネルギーを作り出しています。
エネルギーを常時たくさん使う細胞であるほど、ミトコンドリアの数が多く存在し、ミトコンドリアは、私たちの”活力源”とも言えるものなのです。
私達が日中活動している際に、常時活動している神経系がセロトニン神経系です。このようにエネルギーを常時たくさん使うセロトニン神経系は、ミトコンドリアの働きが悪くなりますと、ミトコンドリアでエネルギー産生が十分に行われないために、同時にセロトニン神経系の働きまで悪くなってきます。
「セロトニン神経系」の神経核は、脳の中心にある「脳幹」の、さらに中央に位置する「縫線核」という部分にあります。そして、大脳皮質や大脳辺縁系、視床下部、脳幹、小脳、脊髄など、あらゆる脳神経系と結合し、脳の広い範囲に影響を与えている神経系です。
セロトニン神経系は、”大脳皮質を覚醒させ、意識のレベルを調節する、自律神経を調節する、筋肉へ働きかける、痛みの感覚を抑制する、心のバランスを保つ”などの重要な働きをし、「健康的な生活」を送るためには欠かせない働きをしています。
「健康的な生活」とは、生まれつき体に備わっている「生体リズム」に沿った生活ということを意味しています。
この「生体のリズム」は「ホメオスターシス(自然治癒力)」によって維持され、「体内時計」により刻まれ、「体内時計」は「ミトコンドリア」・「セロトニン神経系」により制御されています。
「ホメオスターシス・恒常性(自然治癒力)」には自律神経、内分泌系、免疫系の3つの働きが深く関わっており、3つの相関関係は「ホメオスターシスの三角」と呼ばれます。
ホメオスターシスはストレスなどに大きく影響されます。例えば自律神経を失調させるストレスは内分泌を乱し、免疫力も低下させてしまいます。
この3つのバランスが崩れてホメオスターシス機能が保てない状態になると、”頭痛”を肇とするいろいろな”体の不調”が現れることになります。
先述のように、私達の身体の細胞にはミトコンドリアという小器官があり、ミトコンドリアは糖と脂肪酸の代謝とアミノ酸の代謝などエネルギーを産生するのに必要不可欠な働きを担っていることから、「自然治癒力」を正常に保つにはミトコンドリアを働きを良好に維持することが必要です。
こうしたことから、先程の「後天性ミトコンドリア病」の話へと繋がっていきます。
このことは繰り返さず、省略させて頂きます。
問題は、ここからです。
西洋医学では、東洋医学でいう”未病”という概念がありません。このため、”未病”の位置に存在する「片頭痛」という”症状・症候群”を、国際頭痛学会が「国際頭痛分類 第3版β版」を人為的に作成して、厳密に”片頭痛の症状”を定義し、片頭痛を作り上げているだけのことであり、片頭痛という「病気」そのものが存在するわけではありません。
謂わば、”砂上の楼閣”のようなものを作り上げているということです。
”未病”の段階にある慢性頭痛ですが、このなかには緊張型頭痛、片頭痛、群発頭痛があり、これらが全て繋がっているということです。
ところが、専門家は、これら連続したものであるはずの慢性頭痛を緊張型頭痛、片頭痛、群発頭痛とまったく別個の頭痛と考えることに混乱があります。
このことは、昨日、「4.問診表による片頭痛診断・・緊張型頭痛と片頭痛」の部分で述べたことですので、繰り返しません。
結局、最も問題とすべきは、専門家には、脳のなかに異常のない”慢性頭痛”とは一体、何ぞや、という禅問答がなく、ということは羅針盤・海図にも匹敵する概念もなく、闇雲に研究され、結果的に、広大な荒海をただひたすら彷徨うばかりでした。
さらに、”未病”とは、「ホメオスターシスの乱れ(自然治癒力の低下)」を意味しています。ところが、西洋医学では、「自然治癒力」という概念すら存在しません。
こういったことから、西洋医学では、慢性頭痛の概念もなく、自然治癒力の概念もないことから、”未病”の部分がブラックボックスになっており、全くの”闇”になっています。
ですから、”未病”の段階・位置にある「片頭痛」という”病気”が、まさしく「砂上の楼閣」になってしまい、専門家によって、片頭痛は不思議で・神秘的な遺伝的疾患とされている理由にもなっています。
このことを如実に示すものは、以下のような事実です。
片頭痛は摩訶不思議な全身の疾患???
https://ameblo.jp/yoyamono/entry-12361985931.html
このように、片頭痛が”原因不明”とされるために、片頭痛患者さんの”生活の質QOLを向上させる”ために、トリプタン製剤の服用が勧められていました。
ところが、治癒反応である「頭痛(片頭痛)」をこうした薬剤で「ホメオスターシス(自然治癒力)」を一方的に抑え込むことによって、治癒反応が停止・固定され、その結果慢性化し、悪化してきます。
これが、片頭痛が慢性化する最大の原因になっています。
つまり、「症状(片頭痛という頭痛)」は「病気」の治癒反応にすぎません。つまり、様々な「片頭痛という症状」は「病気」が治ろうとしている「現れ」なのです。
「病気」が治ろうとする「ホメオスターシス(自然治癒力)」である「命の振り子」を逆向きに押し返すことになります。こういったことから”逆”症療法とも呼ばれます。
このようにして、対症療法は、自然治癒力を奪うことにもつながります。
日本にトリプタン製剤が導入された段階から、専門家によって「片頭痛は病気です。病気ですから、医療機関を受診して、片頭痛を治療して、治しましょう」と言って片頭痛患者さんに医療機関への受診を勧め、生活の質QOLを高めて、健康寿命を長くさせましようと、しきりにマスコミを通じて、片頭痛患者さんを病院に誘導してきました。
さらに患者団体まで巻き込んで「なお、片頭痛の恩恵に浴していない片頭痛患者さんが多くいる」といって啓蒙活動を勧めてきました。
このようにして専門家は、ひたすらトリプタン製剤の販売実績を上げることに全精力を費やしてきました。
問題は、西洋医学のなかで、このような”未病”という概念を持ち込むことを、代替医学、といって蔑すまれ馬鹿にされ、無視されてきました。
さらに、医学を論じる際に、ミトコンドリアという文言は禁句とされていることは先程述べたばかりです。
しかし、 現在では、ミトコンドリアを治すものが”病気を制する!”とされています。
この事実は、医学界では何十年もタブーとされてきました。
製薬会社や医者の利益を守る為に封印されてきました。
医学界が、この封印を解いて、この事実を公表する可能性は極めて低いものと思われます。これからも色々な病名をデッチ上げて、病気の根本原因をわかりにくくさせるものと思われます。
今回の、「片頭痛は遺伝的な病気の1つですが、多因子遺伝、すなわち体質の遺伝です」も同様の考え方に基づくものと思われます。
最後に
最後に私が言いたいことは、西洋医学の限界はあるものの、学会は誰のためにあるのかということです。端的に言えば、トリプタン製薬メーカーのためなのか、それとも現実に片頭痛で悩む患者さんのためなのか、ということです。
トリプタン製薬メーカーのためであれば、現状でやむを得ないと思います。
患者さんのためであれば、片頭痛を治す方法が現在あるわけです。これが、代替療法であると言って馬鹿にしてされないのでしょうか?
これまで、トリプタン製剤が販売される以前から、「片頭痛を治す方法」は歴然として存在しました。にも関わらずされなかったのは、なぜなのでしょうか?
このようなことを知っていながら、私達にひた隠しにしていたということは、トリプタン製薬メーカーのために学会があるとしか思えません。
この度、「片頭痛は遺伝的な病気の1つですが、多因子遺伝、すなわち体質の遺伝です」と公言した以上は、治し方までキチンと説明する必要があります。
治るべきものを、いつまでも治らなくし、放置することは許されることではありません。
殺人まではいかなくとも、頭痛地獄という人生最悪な辛酸を舐めさせることは、逆に、殺人に匹敵するものと私は思っております。
Seedさんから、「私の文章は何度も何度も繰り返しの部分が多くて読みづらいです。頭痛学会に対する苛立ちの感情が全面にあるためだと思います。もう少し感情を押さえて、必要最小限の文章に整理すると読みやすく理解しやすいと思います」との批判は以上のような理由からです。私は、Seedさんのように寛大ではありません。
頭痛学会に対する苛立ちの感情があるからこそ、このブログ「頭医者のつぶやき」は存在します。学会の賛助のためにあるのではなく、私は慢性頭痛でお悩みの方々のためにあると自負しております。
最後まで、ご覧頂きありがとうございました。これで終了です。