見え透いた嘘をついてでも、嫌いな人と食事はしない
50歳から、今まで以上にパワフルに、エネルギッシュに生きていけることは可能でしょうか? その答えは腸内細菌が握っています。
「免疫」とは体に入った異物や体の中で発生した不必要なものを排除してくれるシステムです。その免疫の働きは、およそ7割を腸内細菌が築いており、残りの3割は心=精神的なもので変化していきます。ところが、この大事な腸内細菌が弱ってしまう原因があります。
その一つが「肥満」です。太れば太るほど、腸内細菌に与えるダメージが強く、免疫の働きも衰え、病気となってしまうのです。よって、あなたが「太っている」と自覚しているならば、健康で元気に過ごすためにもダイエットを行うべきです。ここでは私の実践しているダイエット法をお伝えしたいと思います。
そこで早速質問ですが、ダイエットで最も大事なことは何でしょう。食事の摂取量? カロリー? それとも運動でしょうか。私が最も大事にしているのは「食べ方」です。そんな答えは眉唾物と言われそうですが、なぜ「食べ方」が もの重要なのか、詳しく説明しましょう。
そもそも肥満に導くのは脂肪細胞です。脂肪細胞には2種類がありますが、肥満の原因になるのは「白色脂肪細胞」です。
白色脂肪細胞は、食事によって過剰となった、血液中に流れている中性脂肪などの脂質や糖を取り込み、エネルギーとして蓄えていきます。脂肪を蓄えた白色脂肪細胞は、3~4倍の球体に膨らみ、さらに脂肪が入ってくると細胞分裂をして数を増やします。今までは白色脂肪細胞は思春期までに生涯の数が決定すると考えられていましたが、近年の研究によると、思春期を過ぎても、存在する白色脂肪細胞が脂肪でいっぱいになると、細胞の数を増やしてさらに脂肪を取り込むということがわかってきました。通常、成人で400億の白色脂肪細胞があるといわれますが、肥満の人は約800億にも増えるといわれています。
一方、「褐色脂肪細胞」は別名「痩せる脂肪」といわれるとおり、運動などをしなくても脂肪を燃やし、体重を落とす作用があります。つまり、肥満を改善するにはこの褐色脂肪細胞を活性化することが大事です。
褐色脂肪細胞の研究に取り組んでいる京都大学農学部の河田照雄教授は次のような報告をしています。
これまでは、寒さなどによって交感神経を刺激することで褐色脂肪細胞が活発になり、エネルギーが消費される仕組みがわかってきました。しかし、実は匂い、味などエネルギーとは関係のない食品成分による刺激でも交感神経を刺激し、褐色脂肪細胞が活発に働いてエネルギーを消費することがわかってきたのです。
つまり「おいしい」という感覚が刺激されることで、褐色脂肪細胞の脂肪燃焼を盛んにする可能性があるのです。
ダイエットに大事なのは、好きな人と笑顔で、「おいしい」と感じながらゆっくり食べることであり、高カロリーの食事を摂ってもこの食品さえ食べれば大丈夫などというダイエットは本末転倒なのです。
よって私は、好きでもない人と食事はしないことにしています。
私も、会食や仕事の相手との飲み会に誘われた時は楽しく参加することもありますが、だらだらと飲み食いの時間が長びくようであれば「親父が亡くなったので、残念ながら帰らないといけません」などと見え透いた嘘をつき、断わります。なので私は何回、お断りの口実で、親族を亡くしたことでしょうか。そこまでしてでも、自分の身を守ることが大切なのです。
五感を働かせない食べ方は肥満となり、腸内環境を悪化させるだけです。食事をするならば、自分が好意を持っている人と談笑しながら食べるのがいちばんです。