基礎講座 24.二次性頭痛(その他) | 頭痛 あれこれ

頭痛 あれこれ

 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

 二次性頭痛とは、何か脳のなかに異常のあるものが原因とされるものである、というのが原則です。
 しかし、前回述べました、「その他の一次性頭痛」のなかでも、雷鳴頭痛のように二次性頭痛と考えるべきものもあり、さらに「性行為に伴う頭痛」「咳嗽性頭痛」「運動時頭痛」のように二次性頭痛の可能性を念頭において、診るべき頭痛もありましたが、今回取り上げる「二次性頭痛(その他)」は、少なくとも「脳の中には異常のない」ものとされる頭痛です。
 このように、二次性頭痛と分類されながら、「手術の必要のない頭痛」がここに区別されて掲載されているのが「国際頭痛分類 第3版 β 版」です。


 今回は、二次性頭痛と分類されながら、「手術の必要のない頭痛」を取り上げて述べることにします。これを取り上げる理由は「慢性頭痛がどのようなものであり、片頭痛との関連性」を考える上で極めて重要となると思うからです。


 私は、これまでも述べて参りましたように、脳の中に異常のないと”定義”されている「慢性頭痛」に関して、脳の専門医であるはずの”脳神経外科医”が極めて”あやふやな論説”で、いかにも知ったかぶりで講釈を垂れることに疑問を持っております。
 現在、「その他の一次性頭痛」のなかでも、雷鳴頭痛のように二次性頭痛と考えるべきものもあり、さらに「性行為に伴う頭痛」「咳嗽性頭痛」「運動時頭痛」のように二次性頭痛の可能性のあるものを、きっちり診断し、的確な手術適応を確立すべきです。
 こうしたことを曖昧な形にしたまま”メスを捨てた脳神経外科医”が「慢性頭痛」を論ずること自体に疑問を持っております。こういった世界が、頭痛研究・診療の”未熟さ”を露呈しているものと考えるべきはずです。
 ”メスを捨てた脳神経外科医”が「慢性頭痛」の論点に、どこまで真実があるのかを、私達頭痛に苦しむ人間は虚心坦懐に見直すべき時期にあるものと思っております。


 こういったことから、二次性頭痛と分類されながら、「手術の必要のない頭痛」を取り上げて述べることにします。私は、少なくとも、こういった「国際頭痛分類 第3版 β 版」の分類そのものにも疑問を持っております。
  今回の”二次性頭痛と分類されながら、「手術の必要のない頭痛」”が、片頭痛とどのように関わっているのかを明確にするのが、今回の目的です。


 このような頭痛は、私達の生活を送る上で、最も卑近な頭痛であるはずです。
 こうした頭痛が、頭痛専門医が金科玉条のものとされる「国際頭痛分類 第3版 β 版」において、どのように分類され、どのように扱われているのかを知ることは重要なことと思っており、こうした知識が”片頭痛改善”の”みちすじ”になるものと考えております。


 「二次性頭痛(その他)」としては、以下のように分類されます。
 

物質の使用または曝露による頭痛


  一酸化窒素(NO)供与体誘発頭痛
 

   ホスホジエステラーゼ(PDE)阻害薬誘発頭痛
   一酸化炭素(CO)誘発頭痛
   アルコール誘発頭痛
   食品および添加物誘発頭痛
    グルタミン酸ナトリウム(MSG)誘発頭痛
   コカイン誘発頭痛
   ヒスタミン誘発頭痛
   カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)誘発頭痛
   外因性急性昇圧物質による頭痛
   頭痛治療薬以外の薬剤の一時的使用による頭痛
   頭痛治療薬以外の薬剤の長期使用による頭痛
   外因性ホルモンによる頭痛
   その他の物質の使用または曝露による頭痛


 薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛,MOH)


   エルゴタミン乱用頭痛
   トリプタン乱用頭痛
   単純鎮痛薬乱用頭痛
    パラセタモ一ル(アセトアミノフェン)乱用頭痛
    アセテルサリチル酸乱用頭痛
    その他の非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)乱用頭痛
   オピオイド乱用頭痛
   複合鎮痛薬乱用頭痛
   単独では乱用に該当しない複数医薬品による薬物乱用頭痛
   乱用内容不明な複数医薬品による薬物乱用頭痛   
   その他の治療薬による薬物乱用頭痛
        
  
物質離脱による頭痛


   カフェイン離脱頭痛
   オピオイド離脱頭痛
   エストロゲン離脱頭痛
   その他の物質の慢性使用からの離脱による頭痛


ホメオスターシスの障害による頭痛
 

 低酸素血症あるいは高炭酸ガス血症による頭痛


    高山病
    一酸化炭素中毒
    飛行機頭痛

 

  絶食(低血糖)による頭痛

 

 

 そして、これまで、このような個々の頭痛に関しては、以下のような記事を掲載してきました。

 


飛行機頭痛
 
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-11977357876.html


アルコール誘発頭痛 その1
 
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-11977751547.html


アルコール誘発頭痛 その2
 
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-11978137689.html


カフェイン頭痛
 
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-11978703359.html


ニトログリセリン
  
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-11979342346.html


高山性頭痛
 
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-11979731786.html


一酸化炭素中毒
 
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-11980129348.html


カルシウム拮抗薬
 
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-11980914731.html


グルタミン酸ナトリウム
 
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-11980914731.html


エルゴタミン製剤
 
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-11981317845.html


コカイン誘発頭痛
 
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-11981715064.html


カルシトニン遺伝子関連ペプチド
 
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-11982128399.html


オピオイド
 
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-11982137347.html


市販の鎮痛薬
 
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-11982150368.html


シックハウス症候群
 
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-11982160409.html


エストロゲン離脱頭痛
 
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-11982170302.html


エストロゲン過剰
 
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-11982179363.html

 
トリプタン乱用頭痛
  
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-11982186323.html


非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)乱用頭痛
 
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-11982198003.html


アセチルサリチル酸乱用頭痛
 
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-11982200783.html


ヒスタミン誘発頭痛
 
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-11982242808.html


その他の物質の使用または曝露による頭痛
 
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-11982249451.html


低血糖による頭痛
 
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-11982252395.html


アセトアミノフェン乱用頭痛
 
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-11982257572.html

 

 


慢性頭痛と「セロトニン神経系」
 

 「二次性頭痛(その他)」を作成するにあたって、佐世保市共済病院・脳神経外科のHP「頭痛山歩」を参照させて頂きました。
 この佐世保市共済病院・脳神経外科のHP「頭痛山歩」には、慢性疼痛に関する論文として、仙波恵美子、半場道子先生の論文が掲載されていました。
 このなかでは、「痛みの中枢回路、情動の神経回路」が示されていました。
 

  http://www.zutukomakusa.html.tv/app.html#append-9
 

 そして、昨年の「HMSJ-Osaka」では、慶應義塾大学・神経内科の柴田護先生は、Harvard Medical School のBurstein の論説を引用されて「片頭痛のanatomy」のなかで、「アロデイニアの神経回路」をきれいに示されました。

  
  これらの神経回路は、「セロトニン神経系」の神経支配・分布そのものを示していました。(本来であれば、ここに掲載すべきですが、学会事務局から掲載してはならないことになっており不可能ですが・・)
 アロデイニアが、脳内セロトニンの低下によって引き起こされるものとすれば、何ら不思議でないことになるはずです。
 こうした事実が存在しながら、頭痛専門医はなぜ、「片頭痛と”セロトニン神経系”」との関与を想定されないのかが、理解に苦しむ点です。
 本来、片頭痛は「ミトコンドリアの機能障害」による頭痛とされているはずです。
 そうであれば、当然のこととして、「ミトコンドリアの機能障害」に伴って、「セロトニン神経系」の機能低下が起きても不思議ではないはずです。
 そして、「ミトコンドリアの機能障害」と 「セロトニン神経系の機能低下」が存在すれば、当然のごとく「体の歪み(ストレートネック)」が起きてくることは予測されるはずです。実際、片頭痛患者さんには、極めて高率に「体の歪み(ストレートネック)」が認められているはずです。
  こうした至極単純なことが、推論できないのが、頭痛専門医の専門医たる所以(ゆえん) なのでしょうか?? 私には、まったく理解不能の事項でした。このような思考過程を踏まれるために、いつまでも「臨床頭痛学」が進展しない理由なのかもしれません。
 

 今回の二次性頭痛(その他)の「国際頭痛分類 第3版β版」での分類のされ方を専門医の方々は遵守される以上は、仕方のないことであり、この枠から一歩も踏み出せないのかもしれません。


 「その他の一次性頭痛」、「二次性頭痛(その他)」の両者は、いずれも「慢性頭痛、とくに片頭痛」の病態を示すものと思われます。
 これらの個々の病態の根底には共通した部分も存在しています。これらを繋ぎ合わせて「慢性頭痛」の全体的な病態を構築すべきと思われ、ここから新たな「臨床頭痛学」を作り替えていくことが重要と思われます。
 「国際頭痛分類 第3版β版」の分類に従って、「慢性頭痛、とくに片頭痛」、以下をバラバラにすることでは、「慢性頭痛、とくに片頭痛」の本質は見えてこないものと思われます。
 

 「慢性頭痛」の基本的な病態には、以下の5つがあります。
 

    1.ミトコンドリアの関与
    2.セロトニン神経系の関与・・脳内セロトニン
    3.体の歪み(ストレートネック)の関与
    4.ホメオスターシスの関与・・ストレスの関与
    5.脂肪摂取の問題・・生理活性物質との関与

 

 そして、慢性頭痛は、便宜的に緊張型頭痛、片頭痛、群発頭痛,その他の一次性頭痛に大別されるにしても、これらは一連のものとして捉え、「臨床頭痛学」を再構築すべきと思っております。
 

 「国際頭痛分類 第3版 β版」は、あくまでも”診断基準”にすぎないはずです。

 

       
  「二次性頭痛(その他)」ダウンロード用です
      
http://taku1902.jp/sub463.pdf