片頭痛がなぜ治らないのか? | 頭痛 あれこれ

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 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

 前回述べたようなことから、片頭痛がなぜ治らないのかが理解されたはずです。


  1980年代はじめに、片頭痛の治療領域にトリプタン製剤が開発されました。
 トリプタン製薬メーカーおよびトリプタン御用学者は、1980年代はじめにイギリスで合成されたトリプタンを意識的に評価する目的でこの「国際頭痛分類」を作成しました。
 トリプタンが医学的に薬剤として評価されるためには、一定の基準に基づいて診断された患者のなかでの治療成績を調べなくてはならないからです。
 この「国際頭痛分類」では、片頭痛の患者であっても、さまざまな条件のためにトリプタンの処方に向かない症状を示す場合には、その患者を片頭痛とは診断できないような基準を作ってしまったのです。たとえば、ほぼ毎日のように頭痛が起きる「変容性片頭痛」などは、この基準に従って診断しますと、緊張型頭痛になるように仕組まれています。


 トリプタン製剤は、片頭痛を持つ”多くの”(すべてではありません)患者さんに対して、非常に効果があります。すなわち、片頭痛の発作期間の3日間の寝込む程の辛い頭痛が劇的に緩和させることができるようになりました。
 こうしたことから、国際頭痛学会は、「国際頭痛分類」を作成して、慢性頭痛、とくに片頭痛の診断基準を作成し、片頭痛を厳格に定義することにより、片頭痛を見逃さないようにして、片頭痛を正確に診断して、トリプタン製剤を処方させるようにしました。
 このようにして、片頭痛は「病気」と考えられるようになりました。
 これが、国際頭痛学会が作成した「国際頭痛分類」です。


 前回も述べましたように、片頭痛が「病気」とされようとも、西洋医学は病気を治しません。

 一般的には、西洋医学では、薬物療法で治療可能なものが、所謂「病気」として扱われており、そのほとんどは対症療法にすぎないものだからです。
 このように、西洋医学の薬の多くは対症療法であり、病気を根本的に治しません。また対症療法は、自然治癒力を奪うことにもつながります。
 このように、本来の「国際頭痛分類 第3版β版」の目的とするところは、片頭痛を明確に定義することによって、間違いなく、片頭痛に対してトリプタン製剤を処方させるためのものです。
 いま日本の医師の大多数は、「この症状ならこのような診断で、この薬を出す」というものがパターン化され組み込まれています。まさしく典型的な対症療法です。
 このように、片頭痛と診断されれば、トリプタン製剤が処方されることになります。
 片頭痛の原因を取り除かず痛みだけを取れば、その場では 治ったように感じても、また痛くなり戻ってきます。麻薬と一緒です。
 トリプタン製剤を服用した瞬間は気持ちが良くても、長期的には どんどん身体が壊れていきます。
  問題が増えれば増えるほど出せる薬が増え、もっともっとお金が入ってきます。
 このようにして、製薬メーカーが儲かるしくみになっています。
 労働者を働かせる為に利用した手法が『医療』の名の下に トリプタン製剤は合法的な麻薬として成立してしまいました。
  結果、大きな利益を生み出す『現代西洋医学』は 優先的に研究費が回り、国から優遇され、世界の医学の中心となりました。
 このようにして、「国際頭痛分類 第3版β版」は全世界の頭痛を担当する医療関係者の共通の言語とされ、日本でも、この「国際頭痛分類 第3版β版」は頭痛診療および頭痛研究の絶対的な教義・教典とされるまでになっています。
 例え一時的だったとしても、トリプタン製剤が辛い頭痛を取ってくれるのですから、 多くの人が現代の「臨床頭痛学」を、認めてしまったのです。


  しかし、そもそも片頭痛を治す気がまったくなく、『今、この瞬間、すぐに痛みをとってほしい』その欲求を満たして欲しい患者さんとそれを満たせばお金が物凄く儲かるトリプタン製薬メーカーおよびトリプタン御用学者 それらが組み合わさってしまった結果が”金儲け主義”の片頭痛医療となってしまったのです。
 寝込んで、仕事を休むことなく、労働力が確保できるようになり、経済的損失は少なくなり、さらに片頭痛を根本的に治さないために、お金が物凄く儲かるトリプタン製薬メーカーおよびトリプタン御用学者 にとっては申し分のないことになっています。
 このようにして、国際頭痛学会は、「国際頭痛分類」を作成し、全世界にこれを普及させることによって、片頭痛にはトリプタン製剤で対処させる基盤を作ったということです。


 西洋医学は治療が主体で、病気の予防には目が向けられていません。
 治療内容も一部の療法を除いて、ほとんどが症状を緩和する対症療法で、原因を解決する治療法ではありません。
 現在の臨床頭痛学では、片頭痛は原因不明の不思議で神秘的な”遺伝的疾患”とされていることから、病気片頭痛を予防することなどは、考えもつかないことになります。


 戦前の日本では、ドイツ医学の系統が主流でしたが、戦後から現在まで、日本の医師が学ぶのは、ほとんどアメリカ医学の知識です。
 アメリカは手術、放射線、化学療法、合成化学薬品全てにおいて、現代的な医学が最も進んだ国でもあります。
  こういったことから、日本の頭痛診療の場面では、アメリカ医学である、「国際頭痛分類 第3版β版」は頭痛診療および頭痛研究の絶対的な教義・教典とされるまでになっています。このことの詳細は前回述べました。


 こういったことから、片頭痛発作時に、毎回、トリプタン製剤を服用しようとも、片頭痛が治ってしまうことはありません。


 ただ、このような対処をされた方々の3割は、自然に片頭痛は治癒してきますが、約4割が症状は変わらず、残りの3割が慢性化して増悪してきます。


  こうして、3割は、自然に片頭痛は治癒してきますが、専門家は、トリプタン製剤を服用していたためとしていますが、それでは、なぜ、約4割が症状は変わらず、残りの3割が慢性化して増悪してくる理由が不明とされます。
 しかし、自然治癒した3割は、ホメオスターシス、すなわち”恒常性を維持するための「環境に対する適応力」(自然治癒力)により治癒したものです。

 このように、7割の方々は、片頭痛は根治することはなく、3割は片頭痛が慢性化し、一生、頭痛地獄という辛酸を味合うことになっています。


 これで、なぜ、「片頭痛が治らない」ようになっているのかが、理解されたはずです。


 これまで「片頭痛は病気です。病気ですから、医療機関を受診して、片頭痛を治療して、治しましょう」と言って片頭痛患者さんに医療機関への受診を勧め、生活の質QOLを高めて、健康寿命を長くさせましようと、しきりに洗脳し、さらに患者団体まで巻き込んで「なお、片頭痛の恩恵に浴していない片頭痛患者さんが多くいる」といって啓蒙活動を勧めてきました。

 そして、片頭痛の適切な治療とは、片頭痛発作時に毎回、トリプタン製剤を服用することである、と公言を憚りません。
  このような啓蒙活動が何を意味していたのかを、私達は真剣に考えなくてはなりません。このことは、敢えて私が申し上げることではありません。

 
 現在では、人が罹るあらゆる病気の90%は活性酸素が関与していると言われ、さらに、感染症以外の、ほとんどの現代病である生活習慣病(片頭痛、動脈硬化、ガン、認知症を含めて)は、「後天性ミトコンドリア病」と考えられています。


 ミトコンドリアがエネルギーを産生する際に必然的に生み出されるのが活性酸素です。
 「後天性ミトコンドリア病」とは、馴染みのない病名ですが、これは”ミトコンドリアの機能が低下する病気”です。
 今までは、先天性の病気”遺伝的疾患”として考えられていましたが、現在では後天的な発症や、薬による副作用で発症することが証明されています。
  
  ミトコンドリアDNAは活性酸素によって傷つきやすい特徴があります。活性酸素によって傷つけられたミトコンドリアDNAの数が一定数を超えてくるとエネルギー産生能力が低下し、「後天性ミトコンドリア病」が発生してくることになります。
 「後天性ミトコンドリア病」とは、いろいろな原因でミトコンドリアDNAが傷つくことによって、活性酸素で身体が”酸化”していく全身病です。
  
  このような片頭痛が「後天性ミトコンドリア病」であるという考え方は、これまでトリプタン製薬メーカーおよびトリプタン御用学者によって、トリプタン製薬メーカーおよびトリプタン御用学者の利益を守るために一切覆い隠されてきました。
 
 現在でも、これは継続しており、専門家が日本の頭痛診療・教育のあるべき姿とされるHeadache Master School Japan(HMSJ)があり、ここではこのような考え方は全く取り入れられていないことで如実に示されていることです。
 
 
 このような片頭痛が「後天性ミトコンドリア病」であるという考え方が、片頭痛を治療していく際の基本的な考え方であり、これなしには改善は望めないことになっています。


 私達は、このように発想の転換をはかる必要に迫られています。
  ところが、現在の頭痛の専門家は、このような考えに至ることなく、旧態依然の治療方針でされることから、私達自身が意識改革をしていくことが大切になっています。