「慢性頭痛の基礎」42.シリーズを終えるにあたって | 頭痛 あれこれ

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 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

 最後に、当医院のホームページはホームページ・ビルダーを使用して作成しておりますが、一昨日まではファイルの転送がスムースにいっていたのですが、昨日来、「errno=550」というエラーが出てきたため、最近作成したばかりの最新版の「片頭痛の治療の進め方」および「片頭痛を誰が治らなくしたのか」というファイルが転送できなくなってしまいました。このため、いささか尻切れトンボになっってしまい、残念な限りです。
 いつか、この転送エラーの原因が分かり次第、最新のファイルに交換の予定です。
  「片頭痛を誰が治らなくしたのか」のファイルは600頁にも及ぶファイルを作成し、圧巻そのものであったため残念な限りです。


 いずれにしても、今回の「慢性頭痛の基礎知識」のシリーズによって、現在の学会を主導される方々と私の考え方の相違点が理解して頂けたかと思っております。
 思い起こせば、私が平成24年に「頭痛と体の歪み(ストレートネック)」の関係を当医院での成績を基に、当地域の研究会である「関西頭痛懇話会」で話題提供を試みたことが、こうした今回の考え方に導かれたものと思っております。
 この際に、「関西頭痛懇話会」の先生方は、この成績をご覧になられても、当時は「国際頭痛分類第2版」の改訂以来、このような考え方は一切却下され、頭痛専門医の間では問題にされなくなったというだけで、自分のデータを示すことなく、「国際頭痛分類第3版 β版」という「国際頭痛分類」を鵜呑みにして取り合わなかったことが発端でした。


 その落胆している最中「Ph.ドクターG 健康塾」の記事「低気圧が来ると自律神経が乱れて片頭痛が起きるという嘘!」に対して、高名な先生とは露知らず噛みついたことから先生の著書を知り、「お医者さんにも読ませたい 片頭痛の治し方」(健康ジャーナル社)を拝読させて頂くことにより、分子化学療法研究所の後藤日出夫先生と知り合うことができました。
 これが縁で、片頭痛がミトコンドリアの機能低下による頭痛であることから、理論的に解き明かされることになりました。このような考え方は、これまでも鳥取大学の下村登規夫先生がされていましたが、後藤先生には手取り足取り、懇切丁寧にご指導賜りました。

 片頭痛がミトコンドリアの機能低下による頭痛であるという論点から考えれば、「頭痛と体の歪み(ストレートネック)」の関係は、頭痛専門医とメクジラを立てて論戦を張るまでもないことであったと反省されました。その直前には、文芸社から「片頭痛治療の考え方・進め方」を出版したことがまったく無駄となってしまいましたが、結局、頭痛専門医とは、「自分の頭を使って考えない」人種であることを思い知らされ、高い授業料であったのですが、得られた収穫が莫大なものであったと思っております。
 当時は、先生のご指導のもとに「読んで治す片頭痛」を最初に作成させて頂きました。
 (これは、前回の巻末の部分に掲載しております)
 以後は、さらに熟考に熟考を重ね、現在のような考え方に至っております。


 今回のシリーズから私が申し上げたかったことは、これまで製薬メーカーおよび医師からタブー視されてきた「片頭痛が後天性ミトコンドリア病である」といった観点から考えることに1つの真実があるように思っております。
 私達の罹患する疾患の90%は活性酸素が関係するとされていることからも、益々、これを裏付けるものと思われます。
 このように、片頭痛が諸々の要因によってミトコンドリアの機能低下による頭痛と考えさえすれば、これまで頭痛専門医が謎とされる疑問はすべて説明が可能となるはずです。
 今回は、このことをお示ししたかったことです。このように考えてみれば、これまで製薬メーカーから”カリスマ医師”として奉られてきた先生方が如何にいい加減なことを宣われていたことが明らかにされてきたことになります。
 結局、偉い先生方は、国際頭痛学会が作成した「国際頭痛分類第3版 β版」に基づいて、これを水戸黄門の印籠のごとく振りかざして、私達・無知の人間を平身低頭させてきたということで、まさに虎の威を借りる狐でしかなかったことになります。
 また、全国慢性頭痛友の会のホームページをご覧いただければおわかりのように国際頭痛学会の”紋章”が燦然と設置されており、まさにこのことを示しているようです。
 

 こうしたことから、私達は、今後、日常的に感じる日常茶飯事の頭痛をどのように考え、対処していくかがすべての鍵を握ることになっています。このように対処されなかった方々が、現在の「頭痛外来」のお世話になるしかないということです。
 しかし、仮にこのように至っても、後藤日出夫先生の提唱される「3つの約束」が控えておりますので、決して諦めることはありません。要は、自分で治す意志を持つかどうかに関わっているだけのことでしかありません。
 

 このように考えるなら、将来、慢性頭痛という疾患そのものは、現在の学会を主導される方々が、トリプタン製薬メーカーおよびトリプタン御用学者の作成される「国際頭痛分類第3版 β版」を頭痛診療および頭痛研究の”絶対的な基準”とされる以上は、今後、新たな展開は望むべくもなく、もっと別の分野で論じていかなくてはならないことになります。たとえば、”総合診療科”が最も適切ではないでしょうか?
 ここでは、慢性頭痛すべてをひっくるめた形で考えていくスタンスをとっていくことです。現在のように、慢性頭痛のなかの頭痛を別々に論じていくようではいつまでも結論に至ることはありません。
 そして、これが人間の健康とは何か、さらに生活習慣病・動脈硬化予防に繋がり、ひいては認知症予防に連結し、さらに健康で長寿社会を目指すことにもなるはずです。このように医学教育そのもののあり方が問われていることになります。

 このように慢性頭痛を探求する学問は、「国際頭痛分類第3版 β版」といった枠内を離れて、幅広い見地から行うべきものと思っております。
 私達の”臨床頭痛学”は、製薬メーカーの利益のためにあるのではありません。
 

 これが、私の今回のシリーズで訴えたかった「ファイル」の内容です。