「慢性頭痛の基礎」16.慢性頭痛とムチウチ | 頭痛 あれこれ

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 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

ムチウチは片頭痛の”モデル疾患”


 片頭痛に極めて似た症状を示す”ムチウチ”の後遺症があります。過去に”ムチウチ”を経験しますと、多くの方々は、緊張型頭痛・片頭痛・群発頭痛といったいずれかのタイプの頭痛を経験されます。そして、片頭痛の発作が天気に左右され、とくに台風が襲来する前の低気圧がはるか遠方に発生しただけで、発作が起きる方もおられ、まさに天気予報士なみに天気を予測される方々もおられる程です。こうしたことは、ムチウチの方々も全く同様にみられます。このような片頭痛とムチウチで症状が共通する理由として、ただひとつ存在します。それは、片頭痛とムチウチに共通して、「体の歪み(ストレートネック)」が存在することです。
  こうしたことから、ムチウチによる頭痛は、慢性頭痛の謂わば”モデル疾患”とも考えるべきものです。先程も述べましたように、過去に”ムチウチ”を経験しますと、多くの方々は、緊張型頭痛・片頭痛・群発頭痛といったいずれかのタイプの頭痛を経験されるからです。このように慢性頭痛のなかのいずれのタイプの頭痛が起きてきます。

 しかし、ムチウチによる頭痛が、慢性頭痛の謂わば”モデル疾患”とも考えられるにもかかわらず、これを基にした臨床研究を阻害する要因があります。
 それは、「国際頭痛分類第3版 β版」の診断基準では、ムチウチによる頭痛と診断を下すには、ムチウチ受傷後7日以内のものとはっきりと”定義”されています。(これは、交通事故などの訴訟問題との関係からこのような規定になっているように思われますが・・)こうしたことから、専門家は、ムチウチ受傷後7日以降に発症した頭痛は、ムチウチとは一切関係ないと単純に判断しています。
 ところが、皆さんも恐らく経験がおありかと思いますが、ムチウチ受傷後7日以降に体の不調を来すことは、日常茶飯事に経験されることです。
 このような研究は、東京脳神経センターの松井孝嘉先生の東京大学脳神経外科時代の臨床研究によって、ムチウチ受傷後かなり長年月経過して、こうしたムチウチの症状はいくらでも発症することが既に明らかにされ、この根底には「体の歪み(ストレートネック)」が形成されてくることにあるとされておられました。

 しかし、専門家は「国際頭痛分類第3版 β版」を頭痛診療および研究の”絶対的な基準”とされることから、こうした「体の歪み(ストレートネック)」の存在そのものを認めることなく、この基準に従って、ムチウチ受傷後7日以内のものしか認めないことになっています。こうしたことから、ムチウチによる頭痛は、慢性頭痛の謂わば”モデル疾患”とも考えることができるはずでありながら、こうした基準を絶対視することから、このような片頭痛解明に繋がるはずのムチウチという”モデル疾患”を無視することによって自ら解明の道筋を閉ざしてしまっています。
 ムチウチ受傷後「体の歪み(ストレートネック)」がどのように形成・増悪し、その過程において慢性頭痛のどのようなタイプが出現してくるのかを丹念に経過を追えば明らかになることになるはずです。
 このように自分で自分の首を絞めているような状況になっていることに、専門家は決して気づくことはありません。


 日常診療で最も経験されることは、日常的に感じる極く軽度の頭痛が、ムチウチの事故を契機として、片頭痛が増悪してくることはよく経験することです。この点は、皆さん、如何でしょうか?



 「体の歪み(ストレートネック)」は、慢性頭痛の基本骨格・病態になるものであり、片頭痛における「脳過敏」の原因ともなり、さらに片頭痛の慢性化・閃輝暗点のひとつの要因ともなる極めて重要なもののはずです。
 このように、片頭痛病態解明の道が、ここで閉ざされることになっています。


 今回のファイルは以下のようなものです。


  慢性頭痛とムチウチ
   
http://taku1902.jp/sub351.pdf