「慢性頭痛の基礎」12.慢性頭痛の症状 | 頭痛 あれこれ

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 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

 片頭痛医療の世界にトリプタン製剤が導入された段階で、トリプタン製薬メーカーは、トリプタン製剤の販売促進目的のために、私達一般の方々に向けて、新聞・テレビ・ネットを通じて、「片頭痛の啓蒙活動」を行い、医師には、こうした「片頭痛の知識」をパンフレット・冊子にして啓蒙活動を盛んに行ってきました。
 こうした啓蒙活動のなかで常に示されるのは、「片頭痛が緊張型頭痛とは明確に区別される」とされてきました。これは、医師に対しては片頭痛であれば、トリプタン製剤を処方させるためであり、一般の方々には「片頭痛であれば、片頭痛の”特効薬”がある」ということを宣伝する目的で、明確に区別していました。これが、いつしか専門家の間ですら片頭痛と緊張型頭痛は明確に区別されると”錯覚”される原因にもなっています。
 こうしたなかで、専門家が使う、「国際頭痛分類第3版 β版」の真の目的とすることは、片頭痛を明確に定義することによって”片頭痛と間違いなく診断”して、この片頭痛に対して”トリプタン製剤を処方する”ためのものです。
 このため、”片頭痛と明確に定義された”「国際頭痛分類 第3版β版」の基準に合致しないものが緊張型頭痛とされ、いわば緊張型頭痛は”ゴミダメ”的な性格の強い頭痛とされ、専門家の間では、極めて”取るに足らない頭痛”とされています。

 しかし、「国際頭痛分類 第3版β版」でも示されるように、緊張型頭痛と片頭痛、の境界領域にあるものが存在し、この2つが明確に区別できません。
 そして、現実に、”同一の”一次性頭痛(慢性頭痛)の患者さんを詳しくみてみますと、緊張型頭痛の要素、片頭痛の要素、を混在しています。
 緊張型頭痛、片頭痛、も一連の連続したものと考える「機能性頭痛一元論」という考え方をされる頭痛の専門家もおられることを忘れてはなりません。
 片頭痛が緊張型頭痛から移行するものですから、理論的には区別できないことは当然のことです。
 単純に言えば、”生活に支障を来せば”片頭痛であり、”生活に支障がなければ”緊張型頭痛であり、この両者は連続したものであり、そして、緊張型頭痛であれ片頭痛であれ、共通した病態が存在しているということです。


 以上のように、緊張型頭痛と片頭痛が別の頭痛であるといった考え方は、2000年に、日本にトリプタン製剤が導入された時点で、トリプタン製薬メーカーが、洗脳した”愚かな”専門医を介して、大々的にあたかも片頭痛と緊張型頭痛が”全く別の頭痛”と啓蒙活動を行ってきたことにその由来があります。
 現在では、ネット上では、片頭痛と緊張型頭痛が全く別の頭痛とされるのが一般常識とされます。こうしたことは、専門医にまで波及させるほど徹底しています。こうしたことから、片頭痛が緊張型頭痛と連続したものでありながら、片頭痛と緊張型頭痛は全く別の頭痛であるとの考え方が専門家のなかまで浸透し、片頭痛と緊張型頭痛は全く別の頭痛であるとの”神話”を作り上げてしまったことを忘れてはなりません。
 このようにして、慢性頭痛の起点ともなる緊張型頭痛を取るに足らない頭痛と考えさせることによって、片頭痛の病態解明を”闇へと葬むる”ことにしてしまいました。
 片頭痛と緊張型頭痛が全く別の頭痛といった論点は、あくまでもトリプタン製薬メーカーの論理であり、慢性頭痛とくに片頭痛の本態解明を阻害してきた最大の原因があると考えなくてはなりません。このような事実を専門家ですら認識できていないことが、まさに憂うべきこととしか言えないはずです。


 これに対して専門家は・・・


 専門家の行う「頭痛外来」では、多忙を極めるため診療効率を上げるため大半の施設では「問診表」が利用されています。この問診表では、受診時の”最も困っている頭痛”に関する質問が中心となり、「国際頭痛分類 第3版β版」の診断基準に基づいて片頭痛の診断を下すため、過去の”些細な極く軽度”の緊張型頭痛は無視されることになります。
 こういった理由から、多忙を極める頭痛外来を担当される先生方は、緊張型頭痛と片頭痛は別物であるといった錯覚を”日常的に植え付けられる”ことになっています。
 しかし、世間一般で頭痛の”名医”とされる先生方は、問診表を使わずに、時間をかけて腰を据えて、過去の極く些細な緊張型頭痛を含めて聴取され、これが「現在の受診のきっかけとなった頭痛」に至るまでの間の「生活習慣・環境の変化」を詳細に把握されます。
 緊張型頭痛に、生活習慣・環境の変化によって片頭痛へと進展していくものと考えておられ、緊張型頭痛も片頭痛も一連のものと考えておられる先生が多いようです。
 このように、専門家の間でも、考え方が2分されていることを忘れてはなりません。トリプタン御用学者は、まったく別の頭痛と考えているだけです。
 さらに、ネット上では、トリプタン製薬メーカーの影響を受けたHPや患者集めを目的とした施設のHPでは、緊張型頭痛と片頭痛は明確に区別されると記載されています。
 決して、緊張型頭痛と片頭痛が連続した一連のものであるという記載は全く眼にすることが出来ないのが現状です。これは、素人が最も理解しやすくするためにこのような記載をしているにすぎません。こうしたことのため、頭痛の専門家ですら緊張型頭痛と片頭痛がまったく別の範疇の頭痛であると錯覚されるのが実情です。このため、かえって理解しずらくしているとも言えます。単純に両者がお互いが連続していると説明すれば、もっと判りやすいはずです。
 こうしたことが、自然と、慢性頭痛の本態解明への道筋を閉ざしているようです。
 するべきことは、問診表を使うことなく、丹念かつ詳細に問診をすれば簡単にできるはずでありながら、自分で自ら多忙な外来にした結果として、本態解明の道を自分で閉ざしてしまったことになっています。自業自得ともいうべきでしょうか。


 しかし、片頭痛発作時には、頭痛を緩和させる絶対的な手段としてトリプタン製剤があります。このため、片頭痛発作時に、たちまち起きている頭痛が片頭痛なのか緊張型頭痛なのかを区別して対処しなくてはなりません。こうした目的のためにどう考えるべきかについて述べていきます。


 今回のファイルは以下のものです。


   慢性頭痛の症状
     
http://taku1902.jp/sub458.pdf