現在、参議院選の真っ最中であり、引き続いて都知事選を控えています。
そして、今回の選挙から18歳までに選挙権が引き下げられたことが注目されます。
いつも選挙では、選挙の争点があります。この争点となるテーマについて各党首が考え方を提示して選挙が争われるのが恒例になっています。
こうしたことから、今回では、18歳から20歳未満の方々にも理解しやすい党首の政策の説明が求められるようになったようです。
そして、18歳から20歳未満の方々が政治に関与する時代になってきたということです。 ということは、政治を考えるに当たって、その政治を取り巻く生活、とくに健康に関心を持たざるを得なくなったことを意味しています。このような傾向は、極めて好ましい状況に至ったと考えてよいと思われます。すなわち、社会保障制度を今後、どのように考えていくべきかが重要な課題となってきます。
さらに高齢化が進むにつれて、年金の問題を含めて、老人の介護が焦点になり、これに関して、認知症をいかに予防していくかが最大の焦点になってきます。
認知症予防に関連して、生活習慣病の予防、ガンの予防、アンチエイジングを中心とした病気に関する知識が求められてくることになります。
さらに、こうしたことから、”健康とは何か”が問われてくることになります。
最近では、著名人の若年者の乳ガンが多く報道され、もはやガンは高齢者だけの病気ではなく、身近な若い世代の問題であることが明らかにされてきています。
先日も述べましたが、人が罹るあらゆる病気に活性酸素が関与しており、今や病気の90%は活性酸素が原因であることが判明しています。そして残りの10%は風邪やエイズ、また最近増えてきている結核などの菌が体内に入っておこる病気、すなわち感染症とされています。
このように、生活習慣病、ガン、認知症などはすべて活性酸素が関与していることが明らかにされてきました。
こうした知識を若い世代、18歳から20歳未満の段階から分かりやすく説明していく義務が医療従事者には課せられています。
慢性頭痛、とくに日常的に感じる極く軽度の頭痛、緊張型頭痛をはじめ片頭痛まで、発症の時期は小学生、中学生、高校生にあります。このような世代の方々に慢性頭痛の起こり方を説明する義務が、一般開業医には求められています。
とくに片頭痛の場合は、痛みそのものが並大抵のものでないことから、きちんとした説明が要求されています。私は、小学生、中学生、高校生の段階で発症する片頭痛に対して、少なくとも18歳から20歳未満までに、片頭痛がどのような頭痛なのかを理解して頂き、対処して頂くことによって、片頭痛は根治させるべきと考えております。
その理由は、18歳から20歳未満を過ぎるまで放置されることによって、さらに諸々の要因が追加されることによって、改善に至るまでに時間を要することから、結局、根治を諦めてしまうことが多いためです。
そして、片頭痛がどのような頭痛なのか、を説明する際に、先程述べた活性酸素の関与をもとに説明することにしているからです。すなわち、片頭痛とは活性酸素によってミトコンドリアの働きが悪くなって起きてくる頭痛であると説明することにしています。
ところが最近では、小学生、中学生、高校生の段階でさえも、親に勧められて学会が作成される「慢性頭痛診療のガイドライン 市民版」をすでにご覧になられている方々が多いことに驚かされます。しかし、ここには、「片頭痛とは活性酸素によってミトコンドリアの働きが悪くなって起きてくる頭痛である」とは一言も記載されていないからです。
このように、学会を主導される方々は一切、活性酸素の関与から考えようとはされません。片頭痛が感染症でないことは明らかであり、このように全世界の医療界の常識からまさに逸脱した考え方をしていることは、小学生、中学生、高校生の段階でさえも、疑問に思われることであり、この点を説明するために苦労を強いられることになります。
こうしたことから、18歳から20歳未満の方々ですら同様に思われているはずです。
どうして、頭痛の専門家がこのように考えないのかを説明せざるを得なくなります。このようなことは、まさに時間の無駄なのですが、理解を求めるためにはヤムを得ないと諦めて説明することにしています。その説明として、頭痛の専門家は、「国際頭痛分類 第3版β版」という国際頭痛学会が作成した診断基準をもとに考えており、その基準では、片頭痛は以下のように分類されています。こういった説明を出だしとして説明せざるを得なくなっています。
片頭痛は、「国際頭痛分類第3版 β版」では以下のように分類されています。
1. 片頭痛
1.1 前兆のない片頭痛
1.2 前兆のある片頭痛
1.2.1 典型的前兆を伴う片頭痛
1.2.1.1 典型的前兆に頭痛を伴うもの
1.2.1.2 典型的前兆のみで頭痛を伴わないもの
1.2.2 脳幹性前兆を伴う片頭痛
1.2.3 片麻痺性片頭痛
1.2.3.1 家族性片麻痺性片頭痛(FHM)
1.2.3.1.1 家族性片麻痺性片頭痛 I 型 (FHM1)
1.2.3.1.2 家族性片麻痺性片頭痛 II 型 (FHM2)
1.2.3.1.3 家族性片麻痺性片頭痛 III 型 (FHM3)
1.2.3.1.4 家族性片麻痺性片頭痛,他の遺伝子座位
1.2.3.2 孤発性片麻痺性片頭痛
1.2.4 網膜片頭痛
1.3 慢性片頭痛
1.4 片頭痛の合併症
1.4.1 片頭痛発作重積
1.4.2 遷延性前兆で脳梗塞を伴わないもの
1.4.3 片頭痛性脳梗塞
1.4.4 片頭痛前兆により誘発される痙攣発作
1.5 片頭痛の疑い
1.5.1 前兆のない片頭痛の疑い
1.5.2 前兆のある片頭痛の疑い
1.6 片頭痛に関連する周期性症候群
1.6.1 再発性消化管障害
1.6.1.1 周期性嘔吐症候群
1.6.1.2 腹部片頭痛
1.6.2 良性発作性めまい
1.6.3 良性発作性斜頸
このなかの「1.2.3 片麻痺性片頭痛」が、原因となる遺伝子が解明されていることから、このようにすべての片頭痛が”遺伝的疾患”と考え、現在こうした遺伝子が悉く解明されていないために、まさに”不思議で・神秘的な”頭痛とされる根拠となっていると説明しています。
しかし、最近、後天的なミトコンドリア病として,環境因子や薬剤によるミトコンドリア機能障害が見出され、このような”ミトコンドリア病”という病気が増加傾向にあり、これは”ミトコンドリアの機能が低下する病気”です。
今までは、先天性の病気・遺伝的疾患として考えられていましたが、現在は後天的な発症や、薬による副作用で発症することが証明されています。
このようなミトコンドリア病の大部分は不規則な生活や摂取する栄養面の偏り、薬の乱用によって引き起こされます。
そして、片頭痛は、これまで”ミトコンドリアのエネルギー代謝異常あるいはマグネシウム低下によって引き起こされる脳の代謝機能異常疾患”であるとされてきました。
すなわち、片頭痛とはマグネシウム低下によってミトコンドリアの機能が低下する病気(頭痛)です。さらに、マグネシウム以外にもさまざまな活性酸素を発生させる要因からミトコンドリアの働きを悪化させて起きる頭痛です。
専門家が、このように考えないだけのことであり、このように考えないために”遺伝的疾患”としているに過ぎません。
専門家は、片頭痛発作時にはトリプタン製剤の服用を勧めています。
その理由は、基本的に、片頭痛発作時には、セロトニンと呼ばれる神経伝達物質が減少あるいは機能が低下しており、片頭痛発作の時に、脳内セロトニン様作用をもつトリプタンを投与することによって、機能低下状態に陥っているセロトニンをバックアップしています。
ところが,専門家の間では、中枢神経系でセロトニンが減少する理由についてはまだ謎とされています。しかし、この「脳内セロトニンの低下」は、ミトコンドリアの働きの悪さに連動した「セロトニン神経系」の機能低下に、生活習慣の問題点によって引き起こされたものです。このような単純なことが理解されていません。これは、片頭痛がミトコンドリアの機能が低下する頭痛と考えていないことに根本的な原因があります。
このように説明することで、片頭痛はミトコンドリアの機能障害による頭痛であることを理解してもらうようにしています。
問題は、片頭痛が”病気”なのかどうかということですが、片頭痛は健康と病気の境界領域にある状態と考えるべきものであり、慢性片頭痛という極めてやっかいな対処困難な状況に至って初めて病気と考えるべきものと説明することにしています。
専門家は、片頭痛で既に”病気”に至っているとされ、片頭痛発作時に毎回トリプタン製剤を服用して治療していないと、先々、脳過敏症候群や脳梗塞へと進展することになると脅迫されますが、仮にこのようにしたとしても、約3割の方々が慢性化していく運命にあることを忘れてはならないし、ここに論理的な矛盾があることを指摘しています。
このように片頭痛は生活習慣病とも考えるべきものであり、これまでの生活習慣の問題点が積み重なることによって、日常的に感じる極く軽度の頭痛が片頭痛へと進展していくものと考えるべきと指導することにしています。
このような指導は、今回の選挙権の与えられた18歳までに行っておくべきと考えております。このようなことは「健康指導」というべきものであり、将来、生活習慣病、がん予防、認知症予防にも繋がっていくことになります。
私は、常々思っていることですが、頭痛専門医は、日本内科学会,日本小児科学会,日本産科婦人科学会,日本眼科学会,日本耳鼻咽喉科学会,日本脳神経外科学会,日本麻酔科学会,日本救急医学会,日本リハビリテーション医学会および日本精神神経学会.日本神経学会といった各科が入り乱れた集合体で構成されています。
ということは、ほとんどの医学の領域を網羅しているはずです。選挙演説でも各党首は選挙ごとに各テーマをもとに論争を繰り返されています。
このようにほとんどの医学の領域を網羅した頭痛専門医の各科において、「慢性頭痛とは何か」というテーマで自由に述べ、競わせてみれば専門医としての力量が推測されるのではないでしょうか?
とくに、片頭痛は女性に多いのが特徴です。こうしたことから、産科婦人科学会の専門医の方々がどのような見解をお持ちなのかが明確にされれば、ずっと説得力があるのではないでしょうか?
そして、小児の片頭痛は必ずしも成人にまで持ち越されることなく、小児期に改善されてしまう事実を小児科の専門医は、この点をどのように解釈し、小児期の片頭痛が緊張型頭痛とも区別できないものが多いということを、慢性頭痛全般からの観点からどのように考え、それでは「慢性頭痛」そのものをどう考えるのかを明らかにさせるべきです。
さらに、緊張型頭痛にしても片頭痛にしても慢性化するに連れて「うつ」傾向をなぜ呈するのかを精神科領域の専門医の見解を述べてもらうことによって、慢性頭痛をどのように考えるのかを明確にさせるべきです。
このようなことは1例に過ぎないはずです。こうした見解が、それぞれの分野で明確にされた上で、これらを総括した形で、慢性頭痛とはどのようなものなのかを明確にしていかなくては、何のための医学領域すべてに跨る専門医なのかが意味をなさなくなってきます。
このような試みが、未だかって行われてこなかったことはなぜなのでしょうか?
ただ単に、「国際頭痛分類第3版 β版」を頭痛診療および研究の絶対的な基準とされているだけの医師集団でしかなく、「国際頭痛分類第3版 β版」に基づいて、片頭痛の診断を的確に下し、トリプタン製剤を処方するだけの存在であれば、専門医としての存在意義が問われることになりかねません。
そして、学会を主導される方々は、一般開業医が、片頭痛に対して、トリプタン製剤を処方しないといって、まさに馬鹿にした見解が多いようですので、このように提言する以上は、私の一般開業医としての見解を附記しておきます。一言で申し上げるなら、このような麻薬にも等しいトリプタン製剤を一度でも経験すれば、安易な道に走るのが人間の常であり、決して、片頭痛を根治させようとはされる方々は誰一人としておられないからです。こうしたことから、片頭痛を発症させた間もない、小学生、中学生、高校生の段階で、遅くとも18歳までには、鎮痛薬としては市販の鎮痛薬、病院で処方される鎮痛薬だけに止めておき、この間に、これまでの生活習慣の問題点を洗い出して、是正・改善させることによって、トリプタン製剤を使わなくてもよいように工夫すべきだと考えております。こういった意味で、一般開業医は片頭痛には極力、トリプタン製剤を投与しないことにしている理由があります。
そして、若い頃から、このような1錠1,000円もするトリプタン製剤を服用して、麻薬のような”「味」”を一度でも味わうことによって、根本的に治す工夫をされなければ、一生、トリプタン製剤のお世話になることに至り、気がつけば、薬代を捻出するために働くようなことになりかねないことになり、このような生活が果たして”健康”といえるでしょうか、と改めてお聞きすれば、どなたも片頭痛を根本的に治そうとされるのが普通の若い世代の考え方と私は思っております。
一般開業医からみた慢性頭痛
http://taku1902.jp/sub353.pdf
「これでよいのか (片)頭痛医療 一開業医からの提言」
http://taku1902.jp/sub358.pdf
このような論議なくしては、頭痛診療の進展は一切望めないことになります。
現在のように、「国際頭痛分類 第3版β版」を頭痛診療および研究の絶対的な基準として遵守される医師集団という同じムジナ同士では、いつまで経っても進展することはなく、片頭痛はいつまでも原因不明の”遺伝的疾患”とされてしまう宿命にあり、こうしたことを、今回の選挙権の与えられた18歳の方々にどのように説明するのでしょうか?
今回、18歳の方々が選挙権を持ったということは、何時までも片頭痛が原因不明の”遺伝的疾患”として安閑とはしておれないことを意味しており、真剣に専門家たるものは、片頭痛と向き合わなくてはならないということです。片頭痛という辛い痛みだけを緩和させて、これで全てが完結したように考える時代はすでに終わったと心得るべきです。これが、これからの若い世代からの支持を得るための課題とすべきです。