最後に、結論として・・ | 頭痛 あれこれ

頭痛 あれこれ

 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

 西洋医学では、体の状態は「病気」か「健康」かの2つに区別されます。
 西洋医学では、症状を和らげる対症療法が主体で、病気の原因を治療することはほとんど行われません。
 本来の対症療法とは、患者の苦痛を軽減する事ですが、日本の医療現場では、逆に患者を苦しませる行為が行われる事が少なくないのです。


 これに対して、東洋医学では、病気と健康の間に「未病」という状態があります。
 「病気ではない=健康」ではないという考え方です。肩こり、腰痛、頭痛、不眠、じんましん…病気というほどではないけれど、体調が悪いことはあります。それがまさに「未病」の状態です。
 緊張性頭痛、片頭痛は、頭部のCT・MRIなどの画像検査では何も異常がみあたらず、これはまさに、典型的な”未病”と考えるべき頭痛です。
 

体全体を考えない医療


 これは、患者の病気の部分しか診ない医師、その部分を薬で治せばいいと考える医師、患者の全体像を掌握できない医師。
 「木を見て森を見ない」医師が少なくない事を表しています。
 その原因の一つには、今の医療研究に見られる傾向があります。
 ミクロの世界を分析する事に重点が置かれ、重箱の隅をほじくるごとくのような枝葉末節(中心から外れた事柄)のことを追求する傾向が大きい為です。
 結果、体全体をマクロで捉えられない医師が非常に増えてきていますし、これからもこのような傾向が続くと思れます。


 とくに、頭痛の専門家は、健康という観点から、慢性頭痛を考えることはされることはありません。これは、どの領域の医師について共通して言えることですが・・。
 とくに、頭痛の専門家は、このようなマクロ的な観点から頭痛を考えることもなく、単に「国際頭痛分類 第3版β版」といった枠内に、無理矢理はめ込んだ形で、頭痛の診断を下し、これをもとに”科学的根拠のあるとされている”薬剤を処方しているに過ぎません。
 このため、頭痛という症状を和らげるだけの対症療法が主体となり、病気の原因を治療することはほとんど行われることはないということです。
 これが、どれだけ頭痛患者を苦しませることになっているかを、考えようともされません。これは、「西洋医学の限界」ともいうべきものかもしれません。


 このために、脳のなかに異常のない「慢性頭痛」は「健康的な生活」を送ることができないことに根本的な原因があり、”慢性頭痛”とは、「不健康な生活を送っている」という生体の警告の信号”サイン”などといった発想には到底至り得ないということです。
 

 さらに、「国際頭痛分類 第3版β版」が、トリプタン御用学者およびトリプタン製薬メーカーが作成した診断基準であることを考えるならば、益々、ミクロ的な視点がさらに狭まってくることを意味しています。このような極めて狭い了見で、慢性頭痛が研究されていることを私達は知る必要があります。
 慢性頭痛→健康と美容→さらに生活習慣病予防→そしてアンチエイジング→認知症予防といった幅広い「健康」とは何かを考えることもなく、慢性頭痛のなかで緊張型頭痛を無視し、片頭痛のみを論ずるだけのことだけです。このため、いつまで経っても堂々巡りをせざるを得なくなり、これが益々、製薬メーカーに益することに繋がっているということです。このようなことに、何時になったら気がつかれるのでしょうか?



 こういったことから、今後の頭痛研究を進めていくにあたって、従来の学会を主導される方々の考え方を全て、ご破算にした上で、慢性頭痛をマクロ的にとらえ、まず慢性頭痛とは何かを、個々の患者を詳細に観察し、これまでのように横断的にみることなく、時系列に・縦断的にまず観察することです。このためには、現在のように問診表は一切使用することなく、病歴を子細に聴取することから始めなくてはなりません。
 そして、トリプタン御用学者およびトリプタン製薬メーカーの作成した、「国際頭痛分類第3版 β版」は一切使わずに、まず「慢性頭痛が如何なるものか」という概念を構築することから開始し、このあとで、これらの慢性頭痛が、「国際頭痛分類第3版 β版」で定義されたもののなかで、どれに相当し、それぞれの位置関係すなわちロードマップを作成していく必要があります。
 このように「臨床神経学」の原点に立ち返る必要があります。現在のあり方そのものは、頭痛学は臨床神経学の一分野でありながら、「臨床神経学」の原則とはまさに逸脱しているとしか言わざるを得ません。

 絶対に手抜き作業は許されるべきではありません。いくら時間がかかろうともこれなくしては、慢性頭痛の本態解明には至ることはないと認識すべきです。
 これを行う際には、まず、真っ先に神経学的検査法もしくは画像検査を行った上で、二次的頭痛を除外しておく必要があることは言うまでもありません。

 このような手順を踏むことで、緊張型頭痛と片頭痛の相互の関係が明らかにされ、片頭痛が”遺伝的疾患”なのか”生活習慣病”であるのかは、自ずと明確になるはずです。
 従来のように「国際頭痛分類第3版 β版」の診断基準に照らし合わせて、診断を下すだけでは何もならないということです。すなわち、「国際頭痛分類 第3版β版」を頭痛診療および頭痛研究の”絶対的な基準”としてはならないということです。こうした製薬メーカーの呪縛から1日も早く脱却しなくてはなりません。

 これなくしては、今後の頭痛研究はあり得ないと考えるべきです。


 本来、慢性頭痛の研究は、以下のようなマクロ的な視点から行うべきです。
 これまでの幅広い領域の先達の研究業績を基に構築されるべきであり、こうした研究業績は、「国際頭痛分類 第3版β版」に記載されたものだけに限定すべきではありません。このような偏った業績からは、何ら得るところはないはずであり、このようなことは現在の学会を主導される方々が過去20年間に渡って構築されてきた「慢性頭痛診療のガイドライン」でも示されているはずです。


  「慢性頭痛を理解するために」・・慢性頭痛を起こす各種の要因 
    http://taku1902.jp/sub424.pdf


 このような考え方を基本とすべきです。このようなファイルを無償で提示するが故に、皆さんは馬鹿にされているようですが、電子書籍にでもして、有料とすべきなのかも知れません。こうでもしない限りは、有り難がられないように思っています。
 少なくとも、現在のような「慢性頭痛診療のガイドライン」では、私達、慢性頭痛で苦しむ患者にとっては、ただ単にトリプタン製剤を服用しましようというのでは、健康と美容→さらに生活習慣病予防→そしてアンチエイジング→認知症予防といった幅広い「健康」を希求する立場からは、まさに不適切なガイドラインそのものとしか言わざるを得ません。


 皆さんは、どのようにお考えでしょうか?