「頭痛改革宣言」 おわりに | 頭痛 あれこれ

頭痛 あれこれ

 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

  これまで述べてきて明らかなように、日常的に感じる極く軽度の頭痛・緊張型頭痛から難治性の頭痛・片頭痛へと変化していくことになります。このように片頭痛は”未病”の段階にあり、緊張型頭痛を起点として、さまざまな生活習慣の問題点が重なることによって、「いろいろな段階の片頭痛」へと進行し、最終的に「慢性片頭痛」という難治な段階に至ることになりますので、常に自分の生活習慣に気を配り、何か問題があれば、その都度改善に努める必要があります。このように進行性疾患です。


 このように、日常的に感じる極く軽度の頭痛・緊張型頭痛→片頭痛→慢性片頭痛へと進展してきます。この移行を早めるものが「市販の鎮痛薬」です。
 このように、まず市販の鎮痛薬を、これでダメなら病院での鎮痛薬NSAIDs、これで効かなければエルゴタミン製剤を、これでもかなければトリプタン製剤が勧められてきました。このように段階的に、”鎮痛薬”の服用が推奨されてきました。
 そして、最後の”砦”とされるトリプタン製剤は片頭痛の”特効薬”とされてきました。
 これは、自分の生活習慣に気を配り、何か問題があれば、その都度改善に努める必要がありながら、そのようにしないために、次々に、作用の強い鎮痛薬に変えざるを得なくなり、挙げ句の果ては、最終的に、トリプタン製剤にまで行き着いてしまうということを意味しています。


 このような定型的なパターンをとって慢性頭痛は進展していくことになっています。


 このため、日常的に感じる極く軽度の頭痛・緊張型頭痛に対する対処の仕方が極めて重要になってきます。そして、生活習慣の問題点を是正することなく、市販の鎮痛薬を繰り返し服用すれば、いろいろな段階の慢性頭痛へと変化していくことになります。
 ですから、自分が現在どの段階にまで進行しているのかを見極め、生活習慣の問題点を見直していくことが重要になってきます。
 すでに、片頭痛にまで進展している場合は、この段階ではかなり辛い頭痛にまで変化しているわけですので、強力な鎮痛薬”トリプタン製剤”のお世話にならなくなります。
 このような状況に至れば、トリプタン製剤を服用せざるを得ない状態ですので、仕方ないことですが、この段階では、必ず、生活習慣の問題点を是正・改善を行う必要があります。そうされなければ、繰り返し・繰り返し、高価なトリプタン製剤を服用せざるを得なくなり、最悪の場合慢性片頭痛という極めて厄介な状態へ進展しかねません。このようにもう後がない崖っぷちの状況にあるものと自覚しなくてはなりません。
 この段階では、生活習慣の問題点はいろいろなものが重なってきていることから一筋縄ではいかないと自覚・認識しておかなくてはなりません。
 こういった意味で、片頭痛まで移行する以前の段階、日常的に感じる極く軽度の頭痛・緊張型頭痛の段階から、生活習慣の見直しを行う習慣を身につけておく必要があります。


 このため、「慢性頭痛がどのような頭痛」であるかを、きちんと理解しておくことが重要になります。そして、どのような生活習慣の問題点が慢性頭痛と関与しているかを知ることです。さらに、この問題点をどのように改善・是正するのかの”スベ”を会得する必要があります。
 このような知識を身につけるための「指針」をこれまでも再三提示してきました。



 「慢性頭痛を理解するために」・・慢性頭痛を起こす各種の要因 
   
http://taku1902.jp/sub424.pdf


 「新・臨床頭痛学」 前編
   
http://taku1902.jp/sub394.pdf


 「新・臨床頭痛学」 後編
   
http://taku1902.jp/sub395.pdf


 「これでよいのか (片)頭痛医療 一開業医からの提言」
   
http://taku1902.jp/sub358.pdf


 こうした知識をもとに対処していくべきです。
 「市販の鎮痛薬」は、このような知識をもとにして、生活習慣の問題点を見直し・改善しつつ、時々、”適宜”服用すべきです。
 このように、慢性頭痛のいずれの段階でも、生活習慣の問題点を見直し・改善が必要とされます。

 皆さんは学会が作成される「慢性頭痛診療のガイドライン 市民版」をご覧頂ければ、すぐに分かることですが、このような「生活習慣の問題点を見直し・改善」は一切記載されていません。
 このことが、何を意味しているかは私が敢えて申し上げることではありません。
 ここに学会を主導される方々の本質が垣間見えるはずです。


 このようにして、「頭痛改革」は推進されるべきであり、このことは、慢性頭痛の改善のみならず、健康と美容、さらに生活習慣病予防、そしてアンチエイジング、認知症予防へと繋がっていくはずです。このことが最も大切なことです。