羅針盤・海図なき頭痛研究 | 頭痛 あれこれ

頭痛 あれこれ

 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

 これまで、幾度も「市販の鎮痛薬の弊害」について述べてきました。
 そして、市販の鎮痛薬のみならず病院で処方される所謂”鎮痛薬”と称されるエルゴタミン製剤やトリプタン製剤すべてが慢性頭痛を増悪させる要因となっていることを指摘してきました。
 しかし、このような考え方は、学会を主導される方々とは全く異なることから、中々コンセンサスが得られないのが実情であると前回述べました。
 なぜこのようにコンセンサスが得られないのか考えてみましょう。


 その最大の理由は、学会を主導される方々と私の「慢性頭痛」に関する考え方が全く異なるからです。
 学会を主導される方々は、”慢性頭痛とは何ぞや”という大命題を一切考えることなく、すべて原因不明とされてきました。
 しかし、私は、これまで述べて来ましたように、脳のなかに異常のない「慢性頭痛」は「健康的な生活」を送ることができないことに根本的な原因があり、”慢性頭痛”とは、「不健康な生活を送っている」という生体の警告の信号”サイン”と考えています。
 この「健康的な生活」を送るためには、生命の根源となるミトコンドリアが関与しています。この「ミトコンドリアと頭痛」発症要因は以下の3つを考えています。


  1.「ホメオスターシスの乱れ」
  2.「体の歪み(ストレートネック)」
  3.ミトコンドリア、セロトニン神経系


 この3つが、慢性頭痛とくに緊張型頭痛でも片頭痛でも共通した発症要因となっていると、これまで繰り返して述べてきました。これが最初から最後の段階まで関与しています。
 これらの要因を基に、少しずつ生活習慣の問題が加わることによって、日常的に感じる極く軽度の頭痛・緊張型頭痛から難治性の頭痛・片頭痛へと変化していくことになります。 こうした要因の1つとして、市販の鎮痛薬が重要な因子となっています。


 「慢性頭痛を理解するために」・・慢性頭痛を起こす各種の要因 
     
http://taku1902.jp/sub424.pdf


 詳しくは、もう一度、ご覧下さい。

 


 しかし、学会を主導される方々は、このような3つの要因(原因)はエビデンスなし、とされていることから、単純に”慢性頭痛の原因は不明”とされ、片頭痛も原因不明の”遺伝的疾患”とされているにすぎません。
 そして、日常的に感じる極く軽度の頭痛・緊張型頭痛は、まさに取るに足らない頭痛とされ、まったく無視されます。このため、慢性頭痛の発症の起点が見失われることによって、単純に”慢性頭痛の原因は不明”とされます。
 このため、日常的に感じる極く軽度の頭痛・緊張型頭痛は野放しにされ、問題にされないため、一般の方々は安易に市販の鎮痛薬を服用されることになります。
 その結果、日常的に感じる極く軽度の頭痛・緊張型頭痛から難治性の頭痛・片頭痛へと移行させ、ひたすら片頭痛を熟成させることになります。

 学会を主導される方々は、慢性頭痛のなかの片頭痛こそが最も大切な頭痛とされ、「国際頭痛分類 第3版β版」では、片頭痛を厳格に定義され、これに合致するものが片頭痛であり、合致しないものが緊張型頭痛とされ、片頭痛には間違いなくトリプタン製剤を処方するようになっています。
 このように片頭痛が最も重要な頭痛とされますが、片頭痛そのものがミトコンドリアの機能障害による頭痛とは考えず、すべてトリプタン製剤の作用機序の面から片頭痛の病態を説明されるものの、このトリプタン製剤は片頭痛発作時に起きている「脳内セロトニンの低下」を補填することによって効果を発揮していると説明されながら、肝心要の片頭痛発作時に起きている「脳内セロトニンの低下」がなぜ起こっているのかは一切不明とされています。
 苦しい頭痛という痛みだけをトリプタン製剤で取り除いていますと、その根底にある病態(酸化ストレス・炎症体質)は次第に増悪してくることになります。
 その結果、片頭痛を慢性化させ、昨日も船瀬俊介さんに指摘されるように片頭痛を増強させる元凶になってきます。


 このようなことは、片頭痛をミトコンドリアの機能障害による頭痛であると考えさえすれば、こうした疑問は氷塊するはずでありながら、学会を主導される方々は決してこのように考えることはありません。
 そして、日常的に感じる極く軽度の頭痛・緊張型頭痛をまったく無視されることから、慢性頭痛発症の起点が見失われることから、日常的に感じる極く軽度の頭痛・緊張型頭痛から難治性の頭痛・片頭痛へとどのように移行してくるのか分からなくなってきます。このため実地診療の場では、ただ単に症状の上から「国際頭痛分類 第3版β版」に当てはめようと悪戦苦闘されます。あたかも、「国際頭痛分類 第3版β版」で定義される緊張型頭痛・片頭痛・群発頭痛・その他の一次性頭痛の4つの群が発症時点からこのような形態になっているように思い込まされています。

 現実には、日常的に感じる極く軽度の頭痛・緊張型頭痛から難治性の頭痛・片頭痛へ移行する過程では、さまざまな段階にある頭痛が殆どなはずです。このため、現実の患者さんがどういった段階に位置しているのかを判断することが重要なはずです。
 こうしたことから、緊張型頭痛から片頭痛へと未だ移行していない段階の方々は、「国際頭痛分類 第3版β版」に合致しないという理由から、片頭痛ではないとされ、放置され片頭痛まで移行するまで野放しにされることになっています。
 本来であれば、こういった段階に置かれた頭痛患者さんの生活習慣の問題点を点検し、問題点を指摘し・改善のための指導を行いさえすれば片頭痛への移行は阻止できるはずです。しかし、専門家の大半は、このようにされることはありません。
 謂わば、片頭痛へと熟成するまで待ちましょうということが貫かれることになっています。
 このように、個々の慢性頭痛の患者さんが、どういった段階にあるのかを明確にしておくことが重要であり、「国際頭痛分類 第3版β版」がすべてではないはずです。


 これまでも述べていますようにこの「国際頭痛分類 第3版β版」はトリプタン製薬メーカーおよびトリプタン御用学者の作成したものです。
 学会を主導される方々は、この国際基準を頭痛診療および研究の絶対的基準とされることから、「国際頭痛分類 第3版β版」は、片頭痛を間違いなく片頭痛と診断し、間違いなくトリプタン製剤を処方させるためのものです。

 片頭痛研究では、「国際頭痛分類 第3版β版」で厳格に片頭痛と定義されたものを基にして、臨床研究をすべきとされていますが、先程述べましたように慢性頭痛の発症要因は大きく分けて3つあり、この3つはそれぞれさまざまな要因が関与しています。そして個々の患者さんでは、これらの要因が関与する比重は、それぞれ異なっており、極めて流動的かつ多面的なものです。このような集合体を「国際頭痛分類 第3版β版」では片頭痛と診断して臨床研究をされることから、大半は科学的根拠が得られることはない理由のひとつにもなっています。


 以上のように、学会を主導される方々は「国際頭痛分類 第3版β版」を金科玉条のものとされ、これが頭痛診療および研究の絶対的な基準とされ、ここに記載されないものはすべて科学的根拠のないエビデンスなしとされ、日常的に感じる極く軽度の頭痛・緊張型頭痛はまったく無視され、片頭痛とは無縁のものとされます。
 そして、眼中にあるのは片頭痛だけということになり、こうしたことから、「国際頭痛分類 第3版β版」の診断基準を厳守し、片頭痛を厳密に診断することでトリプタン製剤を処方されることになります。
「国際頭痛分類 第3版β版」がトリプタン製薬メーカーおよびトリプタン御用学者が作成されたものであることから、片頭痛の病態そのものはトリプタン製剤の作用機序からすべてを説明されることになり、片頭痛がミトコンドリアの機能障害による頭痛とは一切考えることはありません。このように、片頭痛がミトコンドリアの機能障害による頭痛と考えさえすれば、すべてが解決することになるはずでありながら頑として聞き入れることはありません。このようなあり方そのものは、まさに”カルト教団”を彷彿させるものです。


 私には、科学者として”あるまじき姿勢”としか思えないところです。


 このような姿勢をどうしてとっておられるのかが、まさに”深遠なる謎”としか表現できません。なぜなのでしょうか?
 

 あるいは、昨日の船瀬 俊介さんは「クスリは飲んではいけない!」(船瀬 俊介著 徳間書店」のなかで示されるように、・・・


 勧めているのは毎年、刊行される治療「ガイドライン集」。
 製薬メーカー、医学界・厚労省によって作成されるが、実質はメーカーが作っているようなもの。
名を連ねた教授らには、億単位の多額 “寄付金がメーカーから支払われる。
 担当役人には、天下りなど “特典”が準備されている。


 これがすべてなのかもしれません。研究費を捻出するには製薬メーカーが命綱となっていることがあからさまに示され、これが日本の医学界の実情と言わざるを得ないところです。


 こうしたことから、日常的に感じる極く軽度の頭痛・緊張型頭痛をまったく無視されることから、「市販の鎮痛薬の弊害」を啓蒙することなく、日常的に感じる極く軽度の頭痛・緊張型頭痛から片頭痛へと移行・熟成させることによって、製薬メーカーともども潤う仕組みになっていると考えるのが妥当のようです。


 私達は、「慢性頭痛とは何ぞや」といった基本的な大命題から慢性頭痛とくに片頭痛を考えていくことが、今後の「頭痛改革」に直結していくものと思われます。
 このような大命題を考えることもなく頭痛研究が進められているが故に、すべてが”闇に葬られている”というのが現状であると考えるべきです。