抜けるような青空の下、真木さんが力強い様相で立っています。前方の一点を見つめたまま、「日本の皆さん。そろそろ終わりにしませんか」と呼びかけます。「頭痛の悩み。つらい頭痛とずっと戦ってきました」「〇〇〇〇〇®Sシリーズ史上、最もプレミアムな処方を実現」と語りかける姿が、前後左右さまざまなアングルから映し出されます。真木さんが「ここに、頭痛改革を宣言します」と決然と表明すると、堂々と立つ真木さんの背後に、大きな旗が掲げられ、風にはためきます。最後は「新開発。〇〇〇〇〇®Sプレミアム」というテロップとともに、微笑む真木さんの表情で締めくくられます。
これは、本年4月26日(火)から全国でテレビで放映されている某製薬メーカーのイメージキャラクターに女優の真木よう子を起用したテレビCMの第1弾となる〇〇〇〇〇®Sのテレビ・コマーシャルです。
その謳い文句は、速さ、効きめ、やさしさを同時に考えたプレミアム処方の鎮痛薬「〇〇〇〇〇®Sプレミアム」 のCMです。
頭痛の悩みに決然と立ち向かう真木よう子さんの姿を通じて、痛みに悩む多くの方々のQOL(生活の質)向上に貢献してゆくブランドメッセージを伝えようとされているようです。
今回のプレミアム処方の鎮痛薬「〇〇〇〇〇®Sプレミアム」では、速さ、効きめ、やさしさを追求された処方内容に目的があるように覗われます。
このように、鎮痛薬として 「速さ、効きめ、やさしさ」を如何に追求されようとも、これを日常茶飯事に服用すれば、以後、どのような結末に至るかは、これまでの9回のシリーズから理解されたはずです。
片頭痛は”未病”の段階にあり、日常的に感じる極く軽度の頭痛、緊張型頭痛を起点として、さまざまな生活習慣の問題点が重なることによって、「いろいろな段階の片頭痛」へと進行し、最終的に「慢性片頭痛」という難治な段階に至ることになりますので、常に自分の生活習慣に気を配り、何か問題があれば、その都度改善に努める必要があります。このように進行性疾患です。
このような頭痛に対して、市販の鎮痛薬を連用すれば、ミトコンドリアの働きを悪化させ、脳内セロトニンの低下を引き起こすことになり、頭痛が増強され、薬剤乱用頭痛を併発させ、さらに片頭痛への移行を加速させます。
こういったことから、日常的に感じる極く軽度の頭痛、緊張型頭痛の段階から市販の鎮痛薬を常用することなく、あくまでも”適宜”服用するという感覚で、同時に、これまでの生活習慣の問題点を点検しながら、その問題点を改善していく必要があります。このような「健康教育」が必要とされます。
このような指導が、なぜ学会が認定する専門医の方々はなされないのでしょうか?
この世から片頭痛の患者さんがいなくなれば、食い扶持がなくなってしまうことを恐れてでもいるのでしょうか? このあたりが深遠なる謎となることです。
慢性頭痛は予防すべきです
http://taku1902.jp/sub418.pdf