りんごはリンゴペクチンを多く含みます。これが、なぜよいのでしょうか?
アップルペクチンは植物性の水溶性食物繊維
ペクチンは植物性の食物繊維で、アップルペクチンは、ペクチンの中でもリンゴに多く含まれる水溶性食物繊維です。
ペクチンは、よく食品添加物(増粘剤)として、ジャムやゼリーといった加工食品の粘度を上げる用途や、ヨーグルト飲料の乳タンパクを安定させる用途で利用されていますので、商品のパッケージで見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。
アップルペクチンは美容や健康の強力なサポーター
そんなアップルペクチンには、一方で健康に好影響を与える効果もたくさんあります。 昔からリンゴは、「1日1個食べると医者を遠ざける」と言われているほど、健康に良い食品だとされていますが、それはアップルペクチンの効果も大きな要因の1つと言えるでしょう。
例えば、アップルペクチンの効果としては、便秘解消、コレステロール値を下げる、血糖値の上昇を抑制する効果などがあります。さらに近年では、放射性セシウムの除去効果があるとしてより注目を集めています。
アップルペクチンで長期的にも短期的にも便秘対策
アップルペクチンが便秘対策として有効な理由は、なんといっても整腸効果です。
慢性的な便秘の人では、腸内はかなり悪玉菌の強い状態となっているものです。腸内環境の悪さから便秘になることもあれば、便秘になったことで腸内環境が悪化するということもあります。いずにせよ、便秘と腸内環境は切っても切り離せない関係にあります。いかに腸内を整えるかが、便秘解消の鍵となっているわけです。
アップルペクチンは大腸に届き、善玉菌を増やす
アップルペクチンには、小腸で消化されずに大腸に届き、腸内の乳酸菌の餌となることによって、善玉菌を増殖させてくれる作用があります。腸内細菌は常に多数派がより優勢となる性質を持っているため、悪玉菌より善玉菌が増えれば、腸内環境は改善され、便秘の解消に繋がるのです。
腸内細菌のビオチン産生菌であるアシドフィルス菌が特にこのリンゴペクチンを好むことから、腸内細菌の改善をします。
また、アップルペクチンは、便の容積を増やしてくれる働きがあります。すると大腸への刺激が大きくなりますので、腸の運動を促進することになります。
いわばアップルペクチンは、便秘に対して長期的で根本的なアプローチと、短期的で即効的なアプローチと、両面からの効果を持っているということです。
その他の働きとして
リンゴペクチンには悪玉コレステロールを下げ、善玉コレステロールを上げる効果があるとされています。
また、リンゴポリフェノールには血圧を下げる働きや抗がん作用、動脈硬化を予防する、血液をさらさらにする、育毛効果、筋力アップ効果、内臓脂肪の分解を促進するなどの効果があるといわれています。
果皮に含まれるオクタコサノールは酸素の利用効率を高め、グリコーゲンを効率よく消費し、エネルギー産生量を増やし、持久力を高めるといわれています(オクタコサノールは渡り鳥のスタミナ源として有名です)
リンゴに比較的多く含まれるカリウムには血圧を下げる効果があります。
これら以外にも、効能として、抗アレルギー作用、中性脂肪低下作用、虫歯予防作用、消臭作用、メラニン生成抑制作用、白内障予防作用、美白作用などがあるといわれています。
アップルペクチンの効果的な摂取法
アップルペクチンは、リンゴの果肉以上に皮にたくさん含まれています。便秘への対策として食べる場合には、なるべく皮ごと食べると、より一層の効果を期待できるでしょう。
実はペクチンという成分そのものは、リンゴ以外に柑橘類からも抽出可能なものです。 しかし柑橘類ではなかなか皮まで食べるわけにはいきません。数あるフルーツの中でもリンゴのペクチンへの注目が高いのは、身近で入手しやすい食べ物であるという点と、皮ごと食べやすいという点が大きいのです。
皮が固くて苦手という人もいるかもしれませんが、心配にはおよびません。摺り下ろしたり、加熱してもアップルペクチンの成分は損なわれないからです。
皮ごと摺り下ろしたり、焼きりんごなどに調理すると食べやすく、アップルペクチンの力を存分に受けることができるでしょう。
実際には・・
マックス・ゲルソン博士の「ゲルソンの食事療法」のなかで、りんごが取り入れられています。
”彼は、まずリンゴだけのダイエットに挑戦しました。
生、そして焼きリンゴ、リンゴのソース、リンゴジュース。リンゴの砂糖煮。
その結果は上々で、全く片頭痛が起こらなくなったのです。”
さらに、分子化学療法研究所の後藤日出夫先生の考案された「万能健康ジュース」で”りんご”が、その基本ベースとなっています。
片頭痛治療上、「腸内環境の改善」は必須の事項になっています。
こういった理由から、リンゴは片頭痛治療上、重要なものです。