トランス脂肪酸って何??? | 頭痛 あれこれ

頭痛 あれこれ

 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

トランス脂肪酸、食品添加禁止=18年から、心臓病防止で―アメリカ


 平成27年6月16日、米食品医薬品局(FDA)は、マーガリンなどの加工油脂に含まれ、心筋梗塞などの発症リスクを高めるとされるトランス脂肪酸について、2018年6月以降に食品への添加を原則禁止すると発表しました。FDAは13年に規制案を提示し、その後の調査・意見聴取で、食品への使用に関し「安全とは認められない」と結論付けました。
 FDAのオストロフ局長代行は「今回の措置により、毎年数千件の致命的な心臓発作を防ぐことができる」と説明しました。ピザやケーキなどの食品業界は3年の猶予期間後、使用を全廃する必要があることになりました。
 トランス脂肪酸を過剰摂取すると、肥満や心臓病などの危険性が高まるとされ、米国の自治体などで規制の動きが出ていました。一方、日本では平均摂取量が世界保健機関(WHO)の基準値よりも少ないことから、通常の食生活を送っていれば健康への影響は小さいとされ、厳格な規制はありません。

 

米「トランス脂肪酸」全廃へ、日本での影響は?


 マーガリンなどに含まれている「トランス脂肪酸」。アメリカのFDA=食品医薬品局は、動脈疾患との関連が指摘されていることなどから、トランス脂肪酸を多く含む油脂について、食品への使用を3年以内に全廃するよう通達しました。日本の対応は、どうなっているのでしょうか。
 日本でも、トランス脂肪酸は、マーガリンやお菓子をつくるときに使われるショートニングなどに含まれていますが、現在、表示の義務や含有量に関する基準値はありません。
 WHOは、トランス脂肪酸の摂取量を総エネルギー摂取量の1%未満にするように勧告していますが、日本人の平均の摂取量は0.3%と推計されていて、内閣府の食品安全委員会は、「日本人の摂取量は少なく、通常の食生活では健康への影響は少ない」としています。
 「日本人の平均値に関しては届いていないので、規制が必要という状態ではない。ただあくまで平均値なので、何かをたくさん食べたりということは避けた方がいい」とされています
 今回のFDAの対応を受けて、食品安全委員会は、「今のところ評価を見直すことは考えにくい」としています。
 
 しかし、片頭痛を持っておられる方々にとっては、以下のようなことから決して無視できないことですので、敢えて繰り返しになりますが述べておきます。


それでは、トランス脂肪酸ってなんでしょう?


 「悪い植物油」というのは、工業的に精製・加工されたもので、その製造過程で副産物として生成される「トランス脂肪酸」という非常に危険な有害物質を含んでいます。トランス脂肪酸は悪玉コレステロールを増やし、善玉コレステロールを減らす働きがあることがわかっていて、動脈硬化や心臓病につながるなど、健康被害の原因となります。海外では、加工食品にトランス脂肪酸がどれくらい含まれているかを表示する義務や含有量の制限がある国もあるほどです。
 トランス脂肪酸は、マーガリンやショートニングにもたくさん含まれています。マーガリンは即やめたほうがいいし、ショートニングを使っているお菓子なども、やはり気をつけたほうがいいです。そのほかでは、市販の揚げ物なども要注意です。何度も使い回しができる“持ぢのよい「硬化油」という植物油が使われていて、これにはトランス脂肪酸がいっぱいです。
 このトランス脂肪酸をとることと、植物油の主成分であるリノール酸のとり過ぎが、片頭痛やさまざまな生活習慣病を発症させる原因となる「酸化ストレス・炎症体質」の最大の誘発因子となっています。ですから、悪い植物油を料理などに極力使用しないこと、こうした植物油を使って作られた加工食品を極力とらないことが大切です。
 ところで、今でもマーガリンが「健康によい」と信じている人は結構多いようです。

 もし、料理にマーガリンを使う必要があるのであれば、ただちにバターに切り替えてください。バターのとり過ぎも体にはよくないのですが、それでもマーガリンよりは健康上の問題は少ないといえます。
 マーガリンやショートニングを使用している市販のケーキやクッキー、お菓子類なども極力とらないようにすることが、「酸化ストレス・炎症体質」に至らないためには大事です。

市販の揚げ物を食べてはダメ’・

 市販の揚げ物にも、油の”持ち”をよくするために、トランス脂肪酸を多く含む硬化油という植物油が使用されています。硬化油を使用した鶏の唐揚げやポテトフライなどの揚げ物類も極力とらないようにしたほうがよいでしょう。揚げ物を食べたい場合は家庭で作るようにしてください。その際には、圧搾製法で造られたナタネ油やゴマ油、またはオリーブ油を使うようにしましょう。
 また、悪い植物油はドレッシングやマヨネーズをはじめ、多くの加工食品に使用されています。ですから、加工食品を手にとったら、必ず成分表を見るようにしたいものです。「植物油使用」と書かれているものは、いずれも悪い植物油が使われていると思ってください。マヨネーズやドレッシングは、エクストラバージンオイルやシソ油を使った自家製のものにすると、健康にもいいし、美味しく安心していただくことができます。
 日常の調理には加熱用としてエクストラバージンオリーブ油を使い、ドレッシングやマヨネーズなどの非加熱用途には、シソ油(エゴマ油)またはエクストラバージンオリ-ブ油を用いるとよいでしょう。
 また、穀類、種実類(ナッツ)、豆類、芋類など、天然の植物に含まれる油分にはリノール酸が多く含まれていますが、これらはよい油分であり、有害なトランス脂肪酸は含まれていません。
 なお、リノール酸は必須脂肪酸です。摂取不足が気になるところですが、通常の食事(穀類や豆類を含む)をしているかぎり、あえて植物油や植物油を含む加工食品をとらなくても摂取不足を起こすことはありません。
 また、穀類や豆類を中心とした通常の食事では、リノール酸のとり過ぎを起こすこともありません。知らず知らずのうちに加工食品から摂取されるトランス脂肪酸やリノール酸のとり過ぎ、ドレッシングやマヨネーズ、唐揚げなどからの直接的な植物油のとり過ぎが問題です。


 不飽和脂肪酸には、炭素の二重結合のまわりの構造の違いにより、シス型とトランス型の2種類があります。
 シス(cis)とは、“同じ側の、こちら側に”という意味で、脂肪酸の場合には水素原子(H)が炭素(C)の二重結合をはさんで同じ側についていること表しています。トランス(trans)とは、“横切って、かなたに”という意味で、脂肪酸の場合では水素原子が炭素の二重結合をはさんでそれぞれ反対側についていることを表しています。
 天然の不飽和脂肪酸のほとんどは、炭素の二重結合がすべてシス(cis)型です。これに対して、トランス(trans)型の二重結合が一つ以上ある不飽和脂肪酸をまとめて「トランス脂肪酸(trans-fatty acid)」と呼んでいます。


食品にはどうしてトランス脂肪酸が含まれているのでしょうか?

 トランス脂肪酸には、天然に食品中に含まれているものと、油脂を加工・精製する工程でできるものがあります。

天然にできるもの

 天然の不飽和脂肪酸はふつうシス型で存在します。しかし、牛や羊などの反芻(はんすう)動物では、胃の中の微生物の働きによって、トランス脂肪酸が作られます。そのため、牛肉や羊肉、牛乳や乳製品の中に天然に微量のトランス脂肪酸が含まれています。

油脂の加工・精製でできるもの

 常温で液体の植物油や魚油のから半固体又は固体の油脂を製造する加工技術の一つである「水素添加」によってトランス脂肪酸が生成する場合があります。
 水素添加によって製造されるマーガリン、ファットスプレッド、ショートニングや、それらを原材料に使ったパン、ケーキ、ドーナツなどの洋菓子、揚げ物などにトランス脂肪酸が含まれています。
 また、植物から油を絞る際には、精製する工程で好ましくない臭いを取り除くために高温で処理を行います。この際に、植物に含まれているシス型の不飽和脂肪酸からトランス脂肪酸ができるため、サラダ油などの精製した植物油にも微量のトランス脂肪酸が含まれています。


トランス脂肪酸にはどんな種類があるのでしょうか?


 不飽和脂肪酸には、鎖の長さや二重結合の数と位置によってとてもたくさんの種類があります。トランス脂肪酸も同じで、「トランス脂肪酸」という名の脂肪酸が一種類だけあるのではなく、トランス型の二重結合を持つたくさんの種類の不飽和脂肪酸をまとめてトランス脂肪酸と呼んでいます。


必須脂肪酸について


 必須脂肪酸に含まれるものにはリノール酸、アラキドン酸、αリノレン酸、EPA、DHAなどがあります。これらは細胞膜のリン脂質の構成要素で、プロスタグランディン、ロイコトリエン、トロンボキサンなどのエイコサノイドを産生します。
 「リノール酸」は成長、生殖生理や皮膚の状態を正常に維持するうえで必須です。摂取されたリノール酸は人の体の機能を保つために必要なアラキドン酸に変換されます。しかし、アラキドン酸が過剰になると血圧を上げ、血液の凝固を促進し、アレルギー症状を悪化させます。
 「αリノレン酸」は学習機能や網膜機能を高く保つうえで必須です。αリノレン酸はリノール酸系列の代謝を阻害し、アラキドン酸由来のエイコサノイドからの影響を和らげます。 αリノレン酸がEPA、さらにDHAに変換されると血小板凝集の抑制、血管拡張、アラキドン酸作用を抑制します。DHAは脳、神経細胞の機能を働かせる作用を持っています。
 「エイコノサイド」は細胞膜をつくっているリン脂質の多価不飽和脂肪酸からつくられます。そして材料になる脂肪酸の種類により正反対の指令を出すエイコサノイドになります。 大まかにいうと、リノール酸型(主にアラキドン酸)は血管の収縮や血液を固めるエイコサノイドを、リノレン酸型(主にEPA)はその逆の作用をするものをつくります。  他にもアレルギーに敏感にさせるのはリノール酸型で、ストレスも誘発します。
 こうしてみるとリノール酸型は好ましくない脂肪酸のように見えますが、リノレン酸型が多すぎると怪我をしたときに血が止まりにくくなり、内出血も止まりません。リノール酸型とリノレン酸型の適度なバランスが重要です。
 第6次改定栄養所要量の中で、リノール酸型とリノレン酸型の摂取比を4:1、さらに飽和脂肪酸:オレイン酸:多価不飽和脂肪酸の比率を、おおむね3:4:3と推奨されています。
 戦後の日本人の脂肪摂取量は1日20gぐらいであったものが、1960年以降は約3倍に増え、オメガ6系脂肪酸(リノール酸)も1日5~6gが14~15gに増えていますが、オメガ3系脂肪酸(αリノレン酸)はそれほど増えていません。


調理に使う油脂


 大きく分けて動物性脂肪の飽和脂肪酸(獣肉油脂、牛乳、卵に含まれる)、一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸(野菜、種子、芋類、海藻、魚に含まれる)などに分かれます。
 多価不飽和脂肪酸には、必須脂肪酸のオメガ(ω)6系不飽和脂肪酸(リノール酸)とオメガ(ω)3系不飽和脂肪酸(αリノレン酸)が含まれます。


①植物性油脂(不飽和脂肪酸)に人工的に水素を添加し固化させた硬化油脂(マーガリン、ショートニング)、
②ヘキサンなどの溶媒を使った植物性油脂(市販の大豆油、コーン油、米油、ナタネ油、綿実油など)、
③高温の植物性油脂を使って調理した食品(揚げ物、フライ、天ぷら)、
④植物性油脂を含み高温で調理された食品(スナック菓子、冷凍食品など)


 には、「トランス脂肪酸」が多く含まれていることがわかりました。

 トランス脂肪酸は反芻動物の腸内細菌によってつくられ、反芻動物(牛、羊、馬、ヤギなど)の肉や乳脂肪中に含まれますが、それ以外の自然な状態では存在しない脂肪酸です。


 細胞膜をつくるためには不飽和結合部で折れ曲がった天然に存在するシス型の構造が必要です。直線構造をしたトランス型では細胞膜は弱く、壊れやすくなります。
 トランス脂肪酸の摂取量が多くなると、血管内皮、気道粘膜、消化管粘膜、皮膚などの細胞を含め体内の細胞機能が障害されて生物反応が正常に行えなくなり、アレルギー症状・神経系の症状・腸管の症状を悪化させ、病気を引き起こします。


細胞膜と過酸化脂質


  生体膜は、細胞の外側を構成しているだけでなくミトコンドリアなどの細胞内小器官の構成物としても重要な役割をもっています。細胞膜の脂質の中にはリン脂質として不飽和脂肪酸エステル(少々不正確ですが、以下、単に不飽和脂肪酸といいます)が多く含まれています。リン脂質の中に適度に不飽和脂肪酸が含まれていることは膜の柔軟性のために必要です。しかし、不飽和脂肪酸は酸化傷害を容易に受ける分子でもあります。

  活性酸素ラジカルやその他のラジカルと不飽和脂肪酸との反応の結果脂肪酸ラジカルが出来て、それが酸素と反応したものが過酸化脂質です。 過酸化脂質ができると生体膜の機能(柔軟性など)が変化するばかりでなく、それから生じる反応性の高いアルデヒドが周囲のタンパク質などを修飾する危険があると考えられています。細胞や血清中の過酸化脂質は、加齢で増加すると言われています。 不飽和脂肪酸は酸化され易い(ラジカルと反応し易い)ので脂溶性のビタミンEが膜の中に存在して酸化を防いでいます。 すなわち、ビタミンEは自らラジカルと反応してラジカルが不飽和脂肪酸と反応するのを未然に抑えています。
 この他、加齢によって細胞膜に起こる変化として構成成分の比率の変化があります。

 すなわち、リン脂質の中の不飽和脂肪酸エステル対飽和脂肪酸エステルの比率の低下、コレステロール対リン脂質の比率の増加が起こります。これらの変化は、いずれも膜を硬くするので膜機能に有害となる可能性があります。


リノール酸(植物油)の摂りすぎによる弊害


 唐揚げ・てんぷら・フライに使用される油(リノール酸)は人間にとって必要な栄養素、必須脂肪酸なのですが、これは摂りすぎ注意です。リノール酸は非常に酸化しやすいという特徴のある油です。


なぜ、油が酸化すると片頭痛に関係するのでしょうか?


 過酸化脂質は、コレステロールや中性脂肪が活性酸素によって酸化されてできたものです。これらは体内で作られるのです。
 過酸化脂質は、てんぷら油を使用後に長時間放置すると、油が酸化して悪臭を放つような油になるのですが、まさにこれが体内で起こっている状態です。
 食べた物の油は体内で酸化すると、「過酸化脂質」という非常に厄介なものを生み出してしまいます。これは、活性酸素を発生させて、体内の細胞を傷つけたり、過酸化脂質自体が、臓器などの奥底に侵入して、内臓を破壊・傷つけて行ってしまう、「不要物・毒」みたいなものです。
 過酸化脂質が作られると血液の流れも悪くなり、脳内に必要な栄養や酸素が届かなくなりますが、過酸化脂質の分解が進むことによって、脳内の細胞に、酸素やマグネシウム、カルシウム、脳のエネルギー源のブドウ糖などがスムーズに供給されるようになり、老廃物も排泄されやすくなるので、頭痛を引き起こしにくくなります。
 われわれが生きてゆくために必要不可欠である酸素は、一方で体内の脂肪を酸化させ、体に害のある過酸化脂質を作りだすのですが、この過酸化脂質ができますと動脈硬化を促進し、血管に血栓が生じやすくなったりします。すなわち過酸化脂質は心筋梗塞や脳梗塞を引き起こすようにも働くのです。

 ビタミンEはこの過酸化脂質の発生を予防する他、動脈硬化を防ぐ善玉コレステロールを増やすように働きます。
 ビタミンB2は、グルタチオンペルオキシダーゼという酵素と一緒に働いて、過酸化脂質の分解を促進する効果があります。過酸化脂質とは、体内に蓄積すると動脈硬化や老化を進行させ、発ガン性もあるといわれる有害物質です。動脈硬化は、高血圧や脳卒中、心臓病などの生活習慣病の原因にもなるため、ビタミンB2を摂ることは片頭痛・生活習慣病の予防にもなります。
 過酸化脂質の生成を抑えるビタミンEも一緒に摂ると、より効果的です。


 片頭痛・生活習慣病のような「酸化ストレス’炎症体質」の人は、体内で過酸化脂質が生成されやすく、これが活性酸素を過剰に発生させる原因物質となっています。
 過酸化脂質が多い体内では、このような細胞の破壊や傷が多く発生し、多くのストレスが発生しています。
 このストレスや活性酸素によって、血管神経周辺が炎症を起こして、痛みを発生させ、片頭痛を引き起こしていきます。
 さらに、血液がドロドロになって、脂質代謝に時間がかかるので、血液中に溶け出している「遊離脂肪酸」の濃度がいつも高い状態になります。
 この状態ではちょっとしたストレスや刺激でもすぐに反応して血小板が凝集し、活性酸素の発生が促進されてしまいます。


 以上のように、過酸化脂質これらは体内で作られるのですが、それ以上に、そもそも過酸化脂質を多く含む加工食品などを過剰にとる食習慣のほうに問題があると考えられます。
 ポテトチップスなどのスナック菓子、インスタントラーメン、ピーナッツ、マヨネーズ、マクロの缶詰(缶を開けたあと)、黒くなった古い油分には注意が必要です。また、新しいものでもチキンフライなどの揚げ物を電子レンジで加熱すると、とがった部分や角の部分が過酸化されることがあります。
 過酸化脂質を作り出すのは揚げ物だけではありません。
 スナック菓子・コンビニ弁当・インスタントラーメン、お惣菜など、油で揚げてから時間がたっているものは、すでに空気によってかなり酸化が進んだ食べ物です。これらを摂取することで、なお一層体内の過酸化脂質が発生しやすくなりますので、控えるようにして下さい。


トランス脂肪酸も要注意!


 他にもトランス脂肪酸はかなり注意が必要です。
 味付きのポップコーン・マーガリン・ショートニング・お菓子パイにはものすごく多くのトランス脂肪酸が含まれています。マーガリン・ショートニングはダントツに多いです。
 トランス脂肪酸の摂りすぎは、血液中の善玉コレステロールを減らして悪玉コレステロールの増加を促し、癌の発生や動脈硬化、心疾患、糖尿病のリスクを高めてしまいます。
 トランス脂肪酸は活性酸素と相乗して、体内の細胞を傷得つけてしまいます。ですから、こういうものを普段からよく食べている方は、コレステロールによって肥満傾向になり、さらに、片頭痛を引き起こす活性酸素などの発生が非常に多いというわけなのです。


あなたは「植物油は健康に良い」と思っていませんか?


 もちろん、植物油の中にも「健康に良い植物油」と「健康に悪い植物油」がありますが、特にこの「健康に悪い植物油」を取りすぎると、片頭痛の引き金となる「活性酸素」と「遊離脂肪酸」を発生させる事につながります。
 「健康に悪い植物油」というのは、工業的に精製・加工されたもので、その製造過程で、副産物として生成される「トランス脂肪酸」というとても危険な有害物質を含んでいます。
 この「トランス脂肪酸」は、世界的にも問題になっていて、通称“狂った油”とも言われるほど危険なものです。
 このトランス脂肪酸を採ってしまうと、ガンになるリスクが高まったり、病原菌やウイルスに対して抵抗力がなくなるといわれています。
 また、善玉コレステロール(HDL)を減らし悪玉コレステロール(LDL)を増やすため、冠動脈性心疾患の発症リスクも高まることがわかっています。


 このトランス脂肪酸を含んでいる「悪い油」の代表例としては、このサラダ油以外にも次のものがあります。


マーガリン


  体に良い植物性だからって、バターをやめて積極的にマーガリンを取っていませんか?
 マーガリンは植物性ではありますが、液体ではなく半固形ですね。。。実は、これが大きな問題なのです。
 通常、植物性の油は液体です。(なので、「良い油」のオリーブオイルやごま油は液体です)
 もともとの液体の植物油を固形にするために使われる、様々な化学薬品が問題となるのです。
 そうやって薬品を加えながら加工していく過程で「トランス脂肪酸」ができてしまいます。


ショートニング


 このショートニングについても、マーガリンと同様の理由でおススメできない油といえます。


 と言う事で、「トランス脂肪酸」などの高熱で処理され、人工的・化学的に加工・精製された危険な油は極力避け、自然の必須脂肪酸を積極的に補うようにしたいものです。


脂質の取りすぎが片頭痛を引き起こす


 あなたが片頭痛になりやすい体質の場合は、特に過酸化脂質を多く含む加工食品を食べすぎる事は避けたほうが良いといえます。
 それは、ただでさえ体内で過酸化脂質が生成されやすい体質の上に、さらに食べ物からも取り入れてしまうと、完全に頭痛に拍車をかける体質になってしまうからです。
 この過酸化脂質は、体内で「活性酸素」を過剰に発生させる原因物質です。
 この「活性酸素」が脳内のセロトニン濃度の変化を引き起こし、それが脳の血管の収縮・拡張を引き起こしているのです。
 ですから、片頭痛持ちの場合は特に、この様な過酸化脂質を多く含む加工食品はなるべく食べない様にした方が良いと思います。

 それでは、具体的に過酸化脂質を多く含む食品とはどんな物があるのでしょうか?


過酸化脂質を多く含む食べ物


  ポテチなどのスナック菓子
  インスタントラーメン
  ピーナッツ
  マヨネーズ


 それ以外にも、黒くなった古い油分には注意が必要です。また、新しいものでもチキンフライなどの揚げ物を電子レンジで加熱すると、とがった部分や角の部分が過酸化されることがあるので注意が必要です。
 スナック菓子にしてもカップラーメンにしても、またピーナッツもマヨネーズも、好きな人は多いと思います。
 何にでもマヨネーズをかけて食べたり、その手軽さのあまりカップラーメンばかり食べてしまうと、ちょっとした事で頭痛を発症してしまう体質になってしまうので、今までの食生活を振り返って見直してみてください。


植物油(リノール酸)やトランス脂肪酸はなるべく避ける


 植物油(リノール酸)やトランス脂肪酸を取りすぎる生活をしていると、体内での脂質代謝が十分に行われず、血液中の遊離脂肪酸の濃度が高い状態になる事がわかっています。
 この遊離脂肪酸には細胞毒性(細胞を傷つける性質)が強いという特徴が有り、血小板の凝集を促進したり脳血管壁を傷つけたりして、これが「活性酸素」を発生させる原因となってしまうのです。
 ただ、通常は血液中のアルブミンというたんぱく質成分と結合して、毒性が弱められた状態で存在しているのであまり問題にはならないのですが、リノール酸やトランス脂肪酸などの「悪い油」をとり続けていると、このバランスが崩れて遊離脂肪酸の濃度が高くなってしまうわけです。
 そしてこのような状態になると、ちょっとしたストレスなどのわずかな刺激であっても、片頭痛の引き金になってしまいますので、特に「悪い油」は注意して避けるようにしたいものです。

 では、具体的にどの様なものが「悪い油」で、「良い油」とはどんなものなのでしょうか?


精製・加工処理された植物油は「悪い油」


 上にあげた低温圧搾で作られた植物油以外の、市販されているサラダ油などの多くは「悪い油」と言えます。
 また、マーガリンやショートニングなどの脂もダメです。
 こうした「悪い油」を原材料とする以下のような食べ物は特に注意したいものです。


  マヨネーズやドレッシング
  植物性ヨーグルト
  ケーキ
  ビスケットやクッキー
  チョコレート


    などなど…


 これらの加工食品の成分表を見るとわかりますが、植物油が加えられていない加工食品はほとんどありません。
 そして、これらに使われている植物油は、ほとんどが「悪い油」なので、注意してください。


では、逆にどのような油をとれば良いのでしょうか?


まず、一般的に安心して使えるのは、オリーブオイルと低温圧搾絞りのごま油、菜種油


 ポイントは、「低温圧搾絞り」と言う点です。
 これは、コールドプレス製法とも呼ばれ、悪くならないように極力熱を加えず、光を当てずに絞るだけという単純な製法です。
 新鮮な油は、熱でも光でも酸化してしまうので、熱も光もできるだけ避けながらの製造がポイントなんです。


そして、一番おススメなのが、亜麻仁油です。


 特に必須脂肪酸の「オメガ3」を取り入れるという意味でも、この亜麻仁油はとてもおススメです。


オメガ3の必要性とは


 このように、健康に悪い油がある一方で、多くの現代人にとって不足している油があります。
 多くの慢性病、急性病やその他の身体の様々な不調に関係している油で、それが「オメガ3」なんです。
 この「オメガ3」というのは、青魚に豊富に含まれている「DHAやEPA」、エゴマや亜麻種子などの植物油に含まれている「α-リノレン酸」などの脂肪酸の総称のことです。
 これらの「オメガ3」は、必須脂肪酸と言われ、人間の生命活動に無くてはならないものにも関わらず、人間の体内では合成できない油なのです。
 ですから、食べ物として外から取り入れなければ生きていけない不可欠な油ということです。

 具体的に、この「オメガ3」の健康効果として言われているのは、


  血流を改善する効果
  生活習慣病を予防する効果
  脳や神経に対する効果


 など様々な効果が期待でき、実際に片頭痛の改善に限らず、糖尿病・肥満・がん・認知症・うつ病・統合失調・ウイルス感染・アレルギー・アトピーなどで症状の改善が見られたという研究結果も多く出ています。

 と言う事で、「トランス脂肪酸」などの高熱で処理され、人工的・化学的に加工・精製された危険な油は極力避け、自然の必須脂肪酸を積極的に補うようにしたいものです。


 この点は”素朴な疑問”として、以下のものを以前には記載しました。


  ケーキやクッキー、お菓子類などは大丈夫ですか??
  
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-12036336096.html