欧米人と日本人の片頭痛に違いはあるの??? | 頭痛 あれこれ

頭痛 あれこれ

 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

 一般的に、欧米人の片頭痛は日本人に比べ、頻度も多く、頭痛発作の程度も激しいとされています。この差異はどこからくるのでしょうか。


 まず、片頭痛と肥満の合併頻度は圧倒的に欧米に多く、日本人では、片頭痛と肥満の合併率は低いようです。
(米国人健常者のBMIは28.5、日本人健常者のBMIは22.7といわれていますので、これから推測しても、片頭痛に肥満が多いことは想像できると思います)
 このような背景をみますと、「片頭痛と肥満」が片頭痛の程度と何らかの関係がありそうに思えます。そこで、まず、以下の点から考えてみましょう。


まず、消化管の構造と機能の面から・・


 ”食べ物を食べてから便として排泄されるまでの時間”は24 ~ 72時間と言われます。
 日本人の場合、排便までの時間が平均で34 時間から44 時間(一日半から二日)、アメリカ人は70時間(約三日)、イギリスでは実に104 時間(四日以上)なのです。
 ところが、食物繊維を多く食べるインドやアフリカでは欧米諸国よりずっと短く、10 時間程度なのです。つまり、食物繊維を多く食べる国は排便までの時間が短く、肉食を主とする欧米では時間が長いという傾向があるのです。
 ところが、日本人の大腸の長さが約1.5m、欧米人で約1m。そう、我々の方が1.5倍も長いのです。このように大腸の長さが、欧米人では日本人に比べ短いにも関わらず、食べ物を食べてから便として排泄されるまでの時間に差が見られます。これは、欧米人は、肉中心の脂肪分が多い食事ですが、日本人は昔から野菜や穀物中心の繊維が多い食事だったことに関係があるといわれています。
 このように食事の内容によってこのような違いがあるようです。


食事内容による差は、何を意味するのでしょうか


 欧米人の”肉中心の食生活”は、マグネシウム不足をもたらすことになります。さらに腸内環境を悪化させることになります。
 また、食品添加物、土・水・大気汚染などが、マグネシウムの働きを阻害しているとも言われています。
 牛乳、鶏卵、マグロ、牛肉の摂りすぎは「脳内セロトニン」不足・その他を招くことに繋がります。
 さらに、脂肪の摂取量も欧米人では、数段日本人より多いものと推測されます。
 とくに、米国人のオメガ6系脂肪酸とオメガ3系脂肪酸の摂取比もかなり高いことからも生理活性物質との関連が示唆されます。
 肉や脂肪・砂糖などを大量に摂取する高タンパク・高脂肪・低食物繊維の欧米型食事は、間違いなく腸内環境は悪化します。
 このように高タンパク・高脂肪は過食の原因となり、カロリーのとり過ぎとあいまって、「SOD」(スーパーオキシドディスムターゼ)や「グルタチオンペルオキシダーゼ」、「カタラーゼ」といった、抗酸化酵素”の活性に必要不可欠なマンガン、鉄、銅、亜鉛、セレンなどのミネラル元素の不足を引き起こします。結果、活性酸素の発生が増加することになり、ミトコンドリアの働きを悪化させます。肥満にもつながります。


食物繊維と現代病の関係


 食物繊維の摂取が、病気の発生と深い関係があることを示す有名な研究データが、1973年に、英国人医師バーキットによって発表されています。それはアフリカ人とイギリス人の“便”を比較したものです。

 その報告によれば、「アフリカ人」の1日の便の量は、イギリス人の4倍にも達し、太く軟らかく、ほとんど臭いがしません。それに比べ「イギリス人」の便は、硬く圧縮されていて細く、何よりもひどい悪臭がするのです。研究によって、アフリカ人は食べた物をほぼ1日で排泄しているのに対し、イギリス人は平均3日もかかっていることが分かりました。
 当時、アフリカの田舎に住んでいた人々の食事の特徴は「低脂肪・高食物繊維」で、食物繊維はイギリス人の3倍も摂っていました。バーキットと彼の仲間の医師たちは、食物繊維の摂取と病気との関連を調べ続け、その結果をイギリスの医学雑誌に発表したのです。 彼らの論文は、欧米の医学界に大きな衝撃を与えることになりました。
 その中でバーキットは、現代の欧米社会に多く見られる―心臓病・胆石・大腸ガン・虫垂炎・痔・肥満・糖尿病・静脈瘤などの病気は、「食物繊維」を大量に摂っているアフリカ人には、ほとんど発生していないことを明らかにしました。(ところが同じアフリカ人でも、都会に住み、欧米化した食事を摂っている人々の間には、欧米人なみに“現代病”が蔓延していました。)
 そうした報告に触発された世界中の医師たちのその後の研究によって、バーキット博士の発表は裏付けられました。大腸内での食物繊維の働きが明らかになり、その重要性が認識されるようになったのです。

 日本人は昔から野菜や穀物中心の繊維が多い食事だったことに関係があるといわれています。このように、日本人は、従来より食物繊維の多い食事をとっていました。
 しかし、最近では摂取量が少なくなってきていることが指摘されますが・・


 以上のように、欧米人と日本人の片頭痛の差異は食事の内容にあります。


 高タンパク・高脂肪・低食物繊維は、腸内環境を悪化させ、過食はミトコンドリアを弱らせることにつながり、オメガ6系脂肪酸とオメガ3系脂肪酸の摂取比もかなり高いことは生理活性物質のバランスを乱すことになります。
 このようにして、欧米人の片頭痛は日本人より、頻度も多く、頭痛発作の程度も激しいことになります。


 こうしたことから、片頭痛治療上、食事療法がいかに大切かを意味していると言えます。