コーヒーブレイク・・最近の症例から | 頭痛 あれこれ

頭痛 あれこれ

 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

 症例は32歳の女性の方です。


 2,3年前から、時々右こめかみがずきずきするような痛みがあり、いつもじっと横になっておれば10~15分前後で治まる程度の頭痛があったそうです。嘔吐したりすることもなく鎮痛薬を服用することもなく治まる程度だったようです。
 2月27日、右眼に15分間前後閃輝暗点が出現し、その後10分間ばかり後頭部を中心に締め付けられるような頭痛がありましたが、自然に治まりました。拍動性の頭痛でもなく、嘔吐、吐き気もなかったそうです。
 そして、受診される日の11時頃、今度は左眼に同様の閃輝暗点が20分前後出現し、これが治まってから頭痛が出現しましたが、やはり締め付けられるような頭痛で1時間程度で完全に消失したということです。
 しかし、不安になり、同日午後から来院されました。
 神経学的検査では、何も異常はありませんでした。頭部CTにも異常はありませんでした。頸椎X線検査では、中間位で前方に傾斜し、前湾が消失し、直線化が見られ、正面像で右へ多少傾いており、前屈位では前屈が不十分で、後頸部の筋肉群には圧痛点が確認されたことから、ストレートネックと診断しました。
 こうした閃輝暗点は、2回目ということでした。
 両親、姉妹には”頭痛持ち”はおられないとのことでした。
 仕事は、5年前から事務職をされ、パソコンの操作が主な仕事ということでした。スマホの操作をする時間が最近長く、うつむくため肩こりもひどいそうです。

 このように、閃輝暗点に引き続いて起きる頭痛は、「国際頭痛分類 第3版β版」の基準からすれば、片頭痛とは診断しがたいものでした。これまで2回同様の発作を繰り返されていますが、いずれの頭痛も緊張型頭痛としか診断できない頭痛でした。
 これまで経験した「閃輝暗点に引き続いて起きる頭痛」は、すべて「国際頭痛分類 第3版β版」でいう片頭痛でしたが、今回のように片頭痛でなく緊張型頭痛としか言えない頭痛であったことが興味深く、ご紹介致しました。

 今後、ストレートネックを改善させることにより、この閃輝暗点が消えてしまうものなのか、また、今後片頭痛へと移行していくものなのか興味あるところです。


 結果は、いずれ報告の予定です。