片頭痛患者さんの受診率 その4 カリスマ医師 | 頭痛 あれこれ

頭痛 あれこれ

 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

 片頭痛の医療界には「カリスマ医師」と称される方がおられるようです。
 そこで、まず、”「カリスマ医師」とは何か”から述べることにします。


 私の臨床医としての師匠は、国家公務員等共済組合連合会呉共済病院の内科医長であった「岡田啓成」先生です。この師匠の「指導医」は、当時、腎不全の診療に全精力を費やされておられた先生で、このような患者さんにとっては「カリスマ」的な存在であったと記憶しております。この「岡田啓成」の診察日は、いつも「外来患者数」は200 名は下らなかったように記憶しております。このような状況でしたので、午前9時開始の外来診療は、いつも、昼食抜きの午後4時前後に終わっていました。
このようなことを、思い出しても、片頭痛の医療界には「カリスマ医師」と称される先生は、1日に、300名前後の患者を診療されておられるということです。まさに、信じられない数字です。
これを、真に受ければ、診察時間は、何時間になるのでしょうか?
到底、「頭痛診療」に携わる人間には信じられない患者数です。
それとも、「カリスマ的医学」でもされて、おられるのでしょうか。
マスコミ、特に「テレビ番組」への出演、全国各地への講演、さらに「各種の出版物」
とこれらを総合して、いわば「頭痛診療」での「カリスマ」的な立場を作っておられるのでしょうか。
 私は、昔の師匠である「岡田啓成」先生とこの片頭痛の医療界には「カリスマ医師」と称される先生との”生き方”がダブッテ見えてなりません。
 当時の師匠も、日本全国で、講演をしまくっていました。
 慢性腎不全の行き着く先は、尿毒症→人工透析でした。当時は、腎不全になって、仮に、人工透析をしても、せいぜい1カ月しか、延命効果のなかった時代でした。
 それでも、腎不全の患者さんは、呉共済病院の内科をこぞって受診されていました。
 これが、患者さんへの「カリスマ性」を植え付ける医療そのもののような気がしてなりません。片頭痛は「遺伝的」なもので「決して治癒」しないという前提で・・
 片頭痛を放置すれば、このように「脳過敏症候群」を起こして、脳梗塞までに至るといった、脅しで、片頭痛の方々の注目を集めようとされるのは、如何なものかと思った次第です。

 片頭痛という病気は、先日も述べましたように、低気圧に左右され、遙かかなたの遠方に発生した台風の影響すら受けるものがあったり、さらに閃輝暗点とか、物が大きくみえたり、極端に小さく見えたりと奇妙な眼の症状を訴えるため、まさに神懸かり的な症状を示し、このため”不思議な・神秘的な”頭痛とされます。
 そして、学会を主導される方々は「片頭痛の原因は不明」とされます。こうした場合、必ず、カルト宗教のように、当然”教祖様と信徒さん”の関係が生まれるのが世の常です。
 こうしたことから、あたかも”神薬”としてトリプタン製剤を処方されます。こうしたことは、普通の「頭痛外来」で一般的に行われていることであり、別に特別なことをしていないはずです。にも関わらず、日本全国の片頭痛患者は、こぞって受診されます。
 ただ、診てもらえば治してもらえるとでも思っておられるようです。
 しかし、現実に受診され、帰宅して初めて、これまで通院していた「頭痛外来」と何ら異なるものはなに一つなかったことに気がつかれるようです。
 そして、こうした「カリスマ医師」の申されることの不可解な論点は、これまでも多くの箇所で指摘して参りました。私以外にも、多くの一般内科医から指摘されます。


 日本頭痛学会の理事長も申されますように、本来、片頭痛医療とは、

片頭痛の医療は患者さん参加型で

  1.おまかせ型・・・救急医療
  2.医師指導型・・・従来型、一方通行(一般の病気の場合です)
  3.患者さん参加型・・医師と患者さんのコミュニケーシヨン医療
                      (片頭痛医療)
      ・知識をもつ
    ・症状を観察する
    ・医師に情報として伝える
    ・治す工夫を考える


一般の病気は「おまかせ型」「医師指導型」の従来型の一方通行の医療であって、本質的に「医師に言われるまま」従っていさえすれば治ってしまうものとされています。
 ところが、片頭痛は、「医師と患者さんが意思の疎通を図り」ながら、一緒に治していく病気であり、”医師任せ”では治らないとされています。
 このためには、患者さん自身が「知識を持って、自分の症状を観察し、医師に情報として伝え、自分で治す工夫をする」ことが必要不可欠とされています。

 すなわち、こういった意味で、片頭痛医療は「コミュニケーシヨン医療」であって、その場面・場面で疑問に思ったことは医師と相談し、納得ずくで、それ以降の治療を進めていかなくてはなりません。逆に言えば、患者さんが主体で、医師は”従”の立場で「助言者」にすぎないのかもしれません。いちいち手取り足取り指導はしてくれません。患者さんが主体的に疑問を持って、片頭痛と向かい合う姿勢が必要とされます。
 ここが、一般の病気とは、根本的に異なる点です。

 あたかもカルト教団の信者のごとく教祖様の教えに従えば治るといった”幻想”は直ちに捨てることが、片頭痛を根本的に治すための最低限の条件です。

 こうした点は、「イミグラン錠副作用なしで偏頭痛を治しちゃえ」のブログ上で小橋雄太さんに辛辣に指摘され、こうしたカリスマ医師を受診する意味があるのかとまで、言われているようです。


 こうしたカリスマ教団の信者のごとく教祖様の教えに従えば治るといった”幻想”を植え付けたことも、片頭痛患者の医療機関への不信感を植え付け、受診率低下に導く原因ともなっています。