こんな体の仕組みによるこころと体!
実に人間の体の仕組みは巧妙に出来ています。
ストレスが続いて血圧が上がったり、風邪をひきやすくなったり、女性の場合は月経が止まってしまった、という経験をお持ちの方も多いいのではないでしょうか。
ストレスが、こころばかりでなく体調の悪化にも大きく影響しますが、ストレスによって乱された状態でも体の仕組みによって元の状態に戻そうとする仕組みが働いているのです。
●三本柱の体の仕組み
人間の体の仕組みは、神経系-内分泌系-免疫系という三つのシステムが互いに連携を取り合うことによってこころと体のバランスが保たれています。
しかし、外部からストレッサーという刺激が加わると、神経系のうちの自律神経は各器官にストレス刺激に対応した反応を働きかけ、内分泌系は内分泌腺に働きかけてホルモンを血中に分泌されせて体のバランスを保とうとする生体恒常性=ホメオスタシースの体の仕組みが機能します
例えば、ストレスがかかると心拍数や血圧が上がるのは、身に迫る危険に対抗するために自律神経により様々な臓器が調整された結果です。身に迫る危険に対抗するための、体の仕組みになっています。
また、月経周期に異常が現れるのはストレスの影響に反応して、女性ホルモンの分泌に乱れが生じるためなのです。さらに、免疫機能にも乱れが生じます。
免疫系はウイルスや細菌をはじめとする異物の侵入から、からだを守るための防衛機能を司るシステム、このシステムである体の仕組みが正常に働かないと、風邪などの感染症にかかりやすくなったり、アレルギーやがガンなどの病気を引き起こすことにもなりかねません。
体のリズムを乱す、過度なストレスによる脳疲労が蓄積される状況が長く続き、こころと体を守る体の仕組である生体恒常性が機能しなくなった結果、病気が発生するという考えを裏付ける研究結果もあります。
こころと体の仕組みについて正しく理解し、対処方法を自分なりに見つけていくことが大切です。
●ストレスが体にダメージを与える理由は・・・緊急処置の体の仕組みの現れです。
体内のあらゆる栄養素が消耗し、瞬間的に血管が収縮して血行が悪くなります。この血流が再開されるときにドッと大量の活性酸素が発生するのです。
体内のあらゆる栄養素が血液中に動員され、筋肉や副腎といったストレスとの闘いで活躍する組織に優先的に送られるのです。その一方、そのほかの組織は逆に栄養を絞りとられる結果となります。ストレスに対処するのに直接関係しない臓器(消化器や皮膚など)に送られる血液量が最小限に絞られます。
ストレスが解消されると、これらの臓器にも血液が戻ってきます。このときにも、活性酸素が大量に発生すると考えられています。現在のように繰り返しじわじわとストレスが続く状況では、体にとって大きな負担となります。例えば、ストレスがかかると心拍数や血圧が上がるのは、身に迫る危険に対抗するために自律神経により様々な臓器が調整された結果です。身に迫る危険に対抗するための、体の仕組みになっています。
また、月経周期に異常が現れるのはストレスの影響に反応して、女性ホルモンの分泌に乱れが生じるためなのです。さらに、免疫機能にも乱れが生じます。
免疫系はウイルスや細菌をはじめとする異物の侵入から、からだを守るための防衛機能を司るシステム、このシステムである体の仕組みが正常に働かないと、風邪などの感染症にかかりやすくなったり、アレルギーやがガンなどの病気を引き起こすことにもなりかねません。
体のリズムを乱す、過度なストレスによる脳疲労が蓄積される状況が長く続き、こころと体を守る体の仕組である生体恒常性が機能しなくなった結果、病気が発生するという考えを裏付ける研究結果もあります。
こころと体の仕組みについて正しく理解し、対処方法を自分なりに見つけていくことが大切です。
☆不調のあらわれ・・・・身に迫る危険から退避するため、緊急処置の体の仕組みの現れなのです。
●神経系: 脈拍教や血圧が上がる
●内分泌系: 月経周期に異常があらわれる
●免疫系: 風邪にかかりやすくなるアレルギーやガンを引き起こす
健康保持のメカニズムはこころと体・ホメオスタシス!
健康は、ホメオスタシスという健康保持のメカニズムが様々な機能を発揮して、健康が保たれています。脳科学の急激な発達により、多くのエビデンスに基づく研究発表のもと、体の健康とこころの健康は切り離して考えられない、という具体的な研究結果も発表されています。
こころの健康を保持増進するためにも、こころと体の仕組みについて理解が必要です。
●生体リズムと規則正しい生活
規則正しい生活を送りましょう。幼い頃から、何度も聞いた言葉ではないでしょうか?
規則正しい生活とは、生まれつき体に備わっている生体リズムに沿った生活という意味で、最も自然で健康的な生活といえます。
しかし、現代の生活環境は、健康的な生活を崩す要因が多く、24 時間営業の飲食店や夜通しの娯楽、コンビニやテレビ・パソコンなどの普及により急激に変化しています。このような変化により、体の生体リズムにも悪影響が及んでいます。
生体リズムを無視した不規則な生活を送ると、様々な不調を感じるようになります。
生体リズム、自律神経、ホルモンはすべて連帯しているため、生体リズムが乱れると自律神経やホルモンバランスにも悪影響が及んでホメオスタシス機能を乱すのです。
●生体の恒常性、ホメオスタシス
様々な環境の変化に対応して行くための自律神経という調整機能がホメオスタシスとしてあります。
たとえば、自動車には必ずアクセルとブレーキとが備わっています。アクセルしかない車、ブレーキだけしかない車では運転し続けることはできません。同じようにアクセルとブレーキの働きを受け持つのが自律神経です。アクセルにあたる交感神経とブレーキにあたる副交感神経です。
自律神経は無意識のうちにホメオスタシスによって、夜眠っているときにも心臓が動き、呼吸が途絶えたりしないのも、自律神経が働いているためです。
日中は交感神経が優位になって血管を収縮させ、脈拍が上がり、呼吸数も増え、仕事や勉強に精を出すことができます。逆に、睡眠や食事をしているときには副交感神経が優位になって血管を拡張させ、脈拍や呼吸数を減らし、消化を促します。
自律神経がホメオスタシスによりバランスよく働くことで、毎日の生活を健康で元気に送ることができるのです。
人間の体は一定の生体リズムに沿って、一定の収縮(活動)と弛緩(休息)を繰り返していますが、社会環境の変化、不規則な生活習慣やストレス状態が続くと生体のリズムの誤差が大きくなりホメオスターシスの修正ができず不調を感じたりして、健康維持が難しくなってきます。
ホメオスタシスは、異常を正しくする防衛力で、活性酸素の害やストレスにより乱される自律神経の調整、免疫の働き、やる気や睡眠を誘導する脳内ホルモンの分泌等さまざです。生体リズムを正し、ホメオスターシス機能を発揮して、健康が保てる生体リズムを誤差範囲内にとどめることが大切です。
ストレスなどによって自律神経が乱がれても、ホルモンバランスや生体リズムに悪影響が及びます。
どれかひとつでも乱れが生じれば、連鎖的に他の2つにも影響が出て、ホメオスタシスの機能が崩れてしまうのです。
●免疫細胞の活性酸素制御と生活習慣が密接な関係
免疫系の貧食細胞やNK細胞が細菌などの病原性微生物を排除するために出す活性酸素は体にとって有益に働いていますが、活性酸素が過剰発生になると各細胞に炎症を起こしたり、動脈硬化の引き金になったりと老化の最大要因にもなりうるのです。
活性酸素制御はストレスや喫煙習慣のような生活習慣のなかでは、免疫系の機能に混乱がおき、多量の微生物を貧食しても少しの活性酸素しかでないため感染症が治りにくい、反面、少量に微生物しか貧食していないにも関わらず、多くの活性酸素を出すことになる。
余分な活性酸素は各種の炎症の引き金になってしまいます。
体の生体リズムを乱す生活は、健康を維持のメカニズムである体の仕組みを無視した生活をしていることになります。
下記の症状に思い当たるものが多い方は、3つのバランスがくずれてホメオスタシス機能が保てない可能性があります。ストレスによる症状があらわるのです。思いあたる症状はありませんか?
肩こり、頭痛、腹痛、腰痛、疲労感、冷え、下痢、便秘、めまい、不眠食欲不振、体重減少、呼吸困難、咳、動悸、息切れ、息苦しさ、むくみ背中の痛み、発汗、微熱、嘔吐、不整脈、左胸の痛み、月経痛、月経不順など。しかし、症状が気になっても診断などでは、異常が見つからないなどのケースも多いようです。
ホメオスターシスの三角形(自律神経系・内分泌系・免疫系の関係)について
俗に「ホメオスタシスの三角形」と呼ばれるようにこれらの機能は密接に関連しています。この働きがよく解るお話に、俗に言う「闘争か逃走か(fight or flight)」があります。
例えば犬に追い詰められた猫の行動は、逃げるか闘うかどちらかになりますね?
この時、猫の体内では逃げるにしても闘うにしても適応できるような反応が起きています。
追い詰められた猫をイメージしてみましょう!
心臓が「ドキドキ」、呼吸は「ハアハア」、目は見開かれ、毛は逆立ち、向ってくるのか逃げ出すのか解らないような雰囲気がイメージできますね?
このような場合、猫の自律神経は交感神経系が亢進し、毛細血管が収縮し、心拍数が増加しています。この結果、血圧も上昇し、逃げる為にも闘う為にも必要な筋肉への血液量が増加します。また酸素も多く必要なので気管も拡張します。
逆に出血しにくくする為に皮膚や胃腸などの血液量は減少しています。
このお話で簡単に自律神経系のイメージがつきましたね。
次には内分泌系ではどのようになっているでしょうか?
このような時、交感神経終末からノルアドレナリンが放出されています。同時に内分泌系の一つである副腎からは(内側のほうの髄質)アドレナリンが放出されます。
ノルアドレナリンやアドレナリンの働きは何処から出ているかによって、また種類によって(α、β)異なりますが、ここでは大雑把に捉え、副腎から放出されるノルアドレナリンやアドレナリンは心拍数の増加、血圧上昇、瞳孔の拡大などを引き起こします。このように内分泌系と自律神経系は共に相関関係にあることがわかりますね。
さて免疫系はどうでしょうか?
交感神経の末端からはノルアドレナリンが放出されています。逆に副交感神経の末端からはアセチルコリンが放出されています。当然、交感神経が優位な状態ではその末端からはノルアドレナリンが放出され、アドレナリンの受容体を持つ顆粒球が増加します。顆粒球が増加すればリンパ球は減少します。リンパ球が減少するとウィルスなどの感染症や細胞のガン化などの病気を引き起こします。
また一時的な状態では大丈夫でも、絶えずストレス状態に陥っていればストレスを認知するもう一つのシステムも働きだします。間脳にある視床下部から命令が下り脳下垂体へ、更に命令が下り副腎から(外のほう=皮質)コルチゾ-ルが放出されます。このコルチゾ-ルとは一般にステロイドと呼ばれているものです。働きとしてはエネルギー代謝の促進、心拍数の増加、血糖の上昇、筋肉疲労の抑制などです(これは脳内セロトニンの低下を来すことになります)。あと一つ大切な働きがあります。これは免疫力を弱めてしまうということです。免疫系のマクロファージをはじめ、リンパ球のB 細胞やT 細胞を抑制してしまいます。これで免疫系を含めた三者が密接に関係していることがイメージできましたね?
このために感染症を容易に引き起こしてくることになります。
このようなお話は動物よりも実は人間のほうがよく起っているかもしれません。例えばイライラや不安、恐れ、憎しみ、怒り、追い詰められる気持ちなど、このような気持ちを常に持っていれば些細なことでも「カリカリ」していたり、常に「ビクビク」していたりします。人間と動物が違う点は脳が発達しすぎた為に、本来過剰に反応しなくてもよいものまでストレッサー(ストレスのもと)として受け取ってしまうことではないでしょうか?
ストレスを放置していればアドレナリンやノルアドレナリンが常に身体や脳で駆け巡ってしまいます。またあまり追い詰められれば脳の神経伝達物質の流れが悪くなり、自律神経がうまく働かなくなります(これは脳内セロトニンの低下を来すことになります)。このような状態を総称して「心身症」と言います。
またこれらのホルモンだけではなく、副腎からコルチゾ-ルなどが常に放出されるようになります。更に免疫システムであるリンパ球(獲得免疫)を減少させます(獲得免疫とはガンやウィルスを処理してくれる免疫です)。(花粉症も起きてきます)
リンパ球が減少すれば顆粒球と呼ばれる自然免疫が多くなります。これらは活性酸素を放出します。よってこのような状況(ストレス状態が大きい)ことを放置しておくことで様々な精神的、身体的な症状を引き起こしてしまう危険性があります。
自律神経とホルモン・免疫系!
自律神経系の中枢である脳の視床下部は、自律神経の調節を行っています。血圧や消化管の活動など内臓機能の調節のほか、物質代謝の調節や脳下垂体を介して内臓機能の調節を行っています。自律神経系-内分泌(ホルモン)系-免疫系が一緒になって、こころや体を守ってくれているのです。
食欲・性欲・集団欲という三大本能が集中し、睡眠欲求など本能的と呼ばれる無意識のあらゆる欲望の中枢であると同時に、喜怒哀楽の情動の中枢でもあるため、自律神経に喜怒哀楽の影響があらわれるのです。
●自律神経の働きは
自律神経には身体活動のために、脈を早く血圧や血糖をあげるように働く交感神経と、夕刻以降、血圧や血糖を下げて疲れを癒す働きをする、副交感神経があります。副交感神経にかたよりすぎるような生活スタイル(運動量が少ない)が続くと、筋肉や血管、関節、骨の丈夫さが失われ身体能力の低下に苦しむ傾向があります。
交感神経と副交感神経の2つの神経の働きがきちんと調和していないと、体温が低くなり、筋肉に酸素や栄養素が十分にいかなくなり、いろんなつらい症状が現れやすくなります。
そして自律神経の働きが精神面からも大きく影響すると、交感神経の緊張は不眠や不安などの症状をひき起こし、副交感神経のかたよりにより、無気力など、すぐに負けてしまう、登校拒否、自殺などの要因が多くなるようです。
人間が変化する外界の環境や体調に対応し、生体恒常性を保ち生き続けることができるのは、ホルモンの存在も欠かせません。
●ホルモンの働きは
ホルモンは体内の細胞でのみ作られる化学物質で、男女の性ホルモンや成長ホルモンなど、現在分かっているだけでも70 種穎以上があります。ホルモンを作り、分泌するのは脳の下垂体、甲状腺、副甲状腺、副腎、すい臓(ランゲルハンス島)、卵巣、精巣などにある内分泌腺です。過去は、それ以外の場所で作られないと考えられていました。
しかし、脳から作られるホルモンや心臓や胃でつくられるホルモンの存在も明らかになり、ホルモン=内分泌腺という概念が崩れています。
ホルモンは、身体の恒常性維持に重要な役割をしています。ホルモンには、まだまだ解明されていない部分が多く、その一部が脳の中で情報伝達を行う神経伝達物質として働くものがあり、逆に神経伝達物質の中にも、ホルモンと同様の作用をするものもあります。
両者は影響し合いながらバランスを取り合うため、区別がつきにくくなっています。
ホルモンは体内で作られますが、栄養不足や栄養のアンバランスや、過度のストレスで正常に分泌されなくなります。その結果、体調不良や病状として現れます。
生活習慣病の中には、ストレスなどによるホルモン不足や過多を原因とする病気があります。ホルモンは、生命や生殖に関わる活動で、スイッチオン・オフの指令を出している大切な物質です。
●免疫系と連携
免疫系は、自律神経系と内分泌系と情報を共有し、その機能は外界からの侵害に対して自己を防衛し内部環境を一定に保つことです。
心身にストレスが過剰に加わると、免疫系の生体恒常性が崩れ、心身症や神経症、うつ状態に陥る場合があります。それは主にストレスに対する体の防衛反応が、こころの状況によっては、逆に悪い影響を与える方向に進んでしまった結果です。
例えば、脳が大脳辺縁系でストレス状態を認識すると、視床下部-下垂体-副腎皮質系が働いて、副腎皮質から糖質コルチコイドのホルモンが分泌されます。糖質コルチコイドはリンパ球の働きを弱めるなど免疫系の機能を抑制してしまうので、この状態が長く続くと内分泌系、自律神経系と免疫系にも重大な影響が生じるのです。
逆に、適度な神経ストレスが視床下部-自律神経系に働くと副腎髄質からアドレナリンというホルモンが分泌され、免疫カが強まる方向にも働きます。ですから、自律神経系-内分泌系-免疫系が一緒になって、こころや体を守ってくれているというわけです。
●免疫物質であるサイトカインは
免疫系のマクロファージが産生する免疫物質であるサイトカインは、免疫系だけではなく、神経系(運動神経系、知覚神経系)、内分泌系(脳下垂体、甲状腺、生殖腺、副腎などから分泌されるホルモン)の、重要な機能調節もしているなどの働きが明らかになってきました。
※健康保持増進の仕組みを乱すような生活環境が現代人の生活習慣です。
免疫は体内システム全体に関っている
免疫について一般的によく知られているのは、体外からの抗原の侵入によって産生される抗体が、一度かかった病気を再びかからないように予防するというものですが、実はこれは免疫の一面を見ているに過ぎません。
免疫の本当のすごさは、人間の体の全体に張り巡らされているさまざまなシステムと深い相関関係にあり、体内システム全体に関っているところにあります。
人間の生命維持活動を営む上で必要な体内システムはさまざまありますが、中でも代表的なものは
(1)代謝エネルギーのシステム
(2)自律神経系のシステム
(3)白血球のシステム
などで、これらの体内システムは、互いに常に微妙なバランスの上に成り立っています。
それぞれのシステムは、「体のここにある」といったそれぞれに特定できる明確な器官があるわけではありませんが、互いに有機的に結びついています。
(1)代謝エネルギーシステムは体内システムのすべての基本です。それは一口で言うと、人間が生きていくためのエネルギーを消費・蓄積するシステムのことです。つまり食物を食べることによって、体全体の細胞のレベルにいたるまでありとあらゆる活動に必要な栄養・エネルギーを供給し、運動する、考えるといった日常生活を営む上でなくてはならないものです。
食べれない(栄養不足)、何を食べているか(発がん物質など)、どのくらい食べているか(過食)といったことの結果として、免疫力が低下し栄養失調だったり、がんの誘発だったり、肥満、糖尿病だったりと生活習慣病を患うことになるのです。
(2)自律神経系のシステムは、交感神経と副交感神経の2種類の神経系統から成り立ち、「自律」とあるように、私たちの意志ではコントロールできないという特徴があります。
心臓を動かす(血液の循環)、無意識の呼吸、胃腸での消化など体全体の、意思がおよばない運動を司っています。
自律神経の交感神経と副交感神経は、交感神経→興奮させる(職場でのミス、全力運動、夫婦喧嘩などのストレス)、副交感神経→リラックスさせる(音楽を聴きながらくつろぐ、お風呂でゆったり、歩く)、という具合にそれぞれ相反する方向に働き、健康なときには常にバランスを保っています。ところが強いストレスなどでこの2種類の神経のバランスが崩れ、片方に極端に持続的に偏ると、顆粒球とリンパ球の、免疫力のバランスも偏りさまざまな病気をもたらします。
※体の生命活動すべてをコントロールしているこの自律神経システムが、実は白血球のシステムもコントロールしています。
(3)白血球のシステムは免疫を司り、免疫力に関るのは「マクロファージ」「顆粒球」「リンパ球」です。
ご存知の通り成人の血液は、赤血球(酸素や栄養を全身に運ぶ)、白血球(血管内部を自由に動き回り抗原・変質自己細胞を攻撃し体を守る)、血小板(出血時に血液を凝固させる)からなり、体重の約13 分の1、約5 ㍑でほとんど骨髄で作られますが、白血球の一部は脾臓やリンパ節など別の場所でも作られます。
免疫を司る白血球は、血球全体の1000 分の1 の量ですが、健康な状態の時には
マクロファージ 5%
顆粒球 60%
リンパ球 35%
の割合を保っています。
マクロファージは白血球の基本細胞で、免疫のおおもとです。
リンパ球はマクロファージの指令で小さな異物を処理します。
顆粒球は大きな細菌を自らに取り込んで処理します。
※マクロファージが産生する免疫物質であるサイトカインは、近年、免疫系だけではなく、神経系(運動神経系、知覚神経系、自律神経系)、内分泌系(脳下垂体、甲状腺、生殖腺、副腎などから分泌されるホルモン)の生体の重要な機能も調節している、生理活性因子であることも判ってきました。
ホメオスタシス(恒常性)とは、生物のもつ重要な性質のひとつで、生体の内部や外部の、ストレスなどの環境因子の変化にかかわらず、生体の状態が一定に保たれるという性質、あるいはその状態のことを指す。これは生物が生物である要件のひとつであるほか、健康を定義する重要な要素でもあります。
ホメオスタシス(恒常性)、人間など哺乳類の場合、神経・免疫・内分泌(ホルモン)の相互作用によって維持されています。
ホメオスタシス(恒常性)の保たれる範囲は、体温や血圧、体液の浸透圧やpH などをはじめ、病原微生物の排除、創傷の修復など生体機能全般に及ぶ。ホメオスタシス(恒常性)が保たれるためには、これらが変化したとき、それを元に戻そうとする作用、すなわち、生じた変化を打ち消す向きの変化を生む働きが存在しなければなりません。この作用を主に司っているのが自律神経系や内分泌系(ホルモン分泌)、それに免疫系です。
このようなホメオスタシースの乱れは、これまで述べて来ました「特殊な原因の片頭痛」に関連したものです。(1)、(7)以外は・・・
ということは、すべて生活習慣に根ざしたものであるということで、根底では繋がっているということに他なりません。
以上、特殊な原因というよりは、片頭痛発症の基本となるものと考えるべきかも知れません。