「体の歪み」と医師の見解 | 頭痛 あれこれ

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 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

 これまで、私は「頭痛とストレートネック」に関するエビデンスについて述べて参りました。しかし、「頭痛を診療される先生」はどなたも、「エビデンス」なしとされます。


 この理由が、どこから来るのか、考察してみました。


 まず、ストレートネックが現代人であれば日常茶飯事に見られる所見であり、特に取り立てて騒ぐような所見でないと申されます。しかし、医療機関では、「頸椎レントゲン検査」をしたくても出来ない状況が存在するということを考えなくてはならないようです。
 私が、よく経験することですが、当医院を「頭痛」で受診された場合、必ず、頸椎レントゲン検査を行います。こういった場合、時として、患者さん自身が首に問題があるのではと当医院を受診される前に、整形外科を受診され、ここで「頸椎レントゲン検査」を既に受けておられる場合があります。その際に、必ず、どう言われたか確認致します。そして、異常なしと言われていた場合には、そのレントゲン・フィルムを貸し出してもらうようにしております。借りてきたレントゲン写真を見せてもらいますと、必ずといって好いくらいに「中間位の側面像」しか撮影されていません。写真では、確かにストレートネックを思わせる前彎の消失に加えて直線化がみられますが、椎体には問題なく、椎間板の狭小化はありません。こういった「椎体には問題なく、椎間板の狭小化」がなければ異常なしと判断されておられるようです。これらを確認の上で、改めて撮影し直すことにしています。そのポイントは以前にも記載しましたが、正面像、中間位の側面、前屈を介助した上での前屈位、後屈位、さらに斜位2方向で椎間孔が正面に捉えられる位置で撮影し、合計6方向の撮影を行います。これらはX線テレビの透視下で行い、脊柱全体の走行に問題がないかどうかを確認します。これらは、すべて私自身が行うようにします。このような方法をとる限り、前屈位を撮影する際には介助を行うため、レントゲンの被爆を私自身が浴びることになります。このように撮影した写真を改めて、患者さんに見て頂き、正面像での左右どちらかへの傾きがあること、前屈位での前屈の不十分さを、正常の方の写真と見比べて頂いてその違いを理解して頂いております。これらの所見に加えて、頸部筋肉群の圧痛点の確認を行った上で、ストレートネックと診断するようにし、前医との読影の違いをご説明申し上げております。正面像でに左右どちらかへの傾きがなければ、頸部筋肉にかかる負担は均等になり、臨床的には問題になることは少ないと説明すれば、納得されるようです。ここで。問題は、総合病院では、診察医自身がレントゲン撮影を行うことはまずありません。ということは、レントゲン技師さんが撮影される訳ですので、当然、自分の「被爆」のことを考えて、介助の上での前屈位撮影はしませんし、脊柱全体の透視などは論外となります。また、個人の医院で、頭痛ばかりを診察される先生方すべてが、1,000万円もするX線テレビ装置を設置されておられる所は少ないのではないでしょうか?
 もし、設置されておられたとしても、わざわざ被爆してまで撮影されるでしょうか?
 このように考える限りは、私の撮影方法は、誰ものコンセンサスは得られないことになってしまいます。となれば「診断基準」そのものが曖昧になってしまうことになります。
 そうなれば、頭痛患者さんには、頸椎レントゲン撮影はしない結果となってしまいます。
 このことを、まず第一に問題としないといけないようです。


 次に、カイロプラクター・ならびに整体師の方々の論点である「体の歪み」に関して、頭痛をご覧になられておられる先生方はどのように考えておられるのでしょうか?


 それを端的に示すものは、「頭痛をご覧になられておられる先生方」にとっての診療指針ともいうべきバイブルとしての「ガイドライン」が存在します。ここに記載されていることは、「カイロプラクターならびに整体師の方々」の施術のエビデンスは、「推奨ランクC」とされ、評価の基準としては「最低のランク」にしか評価されていません。
 ということは、「頭痛をご覧になられておられる先生方」にとっては、とるに足らないものとしてしか考えられていないということです。全く、無視されていると言っても過言ではありません。

 さらに、「頭痛をご覧になられておられる先生方」が頭の上で、これを仮に評価されたとしても、これを改善させる手段を持ち合わせていないということです。


 医療機関として、このような考え方で取り組まれておられる所は、日本では、東京脳神経センターしかないようです。当医院でも、昔から、緊張型頭痛の方々のために、東京医研の「スーパーライザー」を導入して治療を行っておりますが、マンツーマンの治療法ですので、ペイできるような治療手段ではない所が欠点です。しかし、緊張型頭痛の方々への治療効果は無視できず、患者さんのリピート率が高いことは事実のようです。
 これまで高名な「頭痛専門医」の先生方が、緊張型頭痛は「頭痛体操」で簡単に治ってしまうと申され、取るに足らない頭痛と考えておられるようです。私の経験では、治ってしまうと判断されるということは「ただ、単なる奢り」に過ぎないと考えております。
 その証拠には、地域柄「緊張型頭痛」の多い地域です。このような地域的な特殊性のためか「緊張型頭痛」は多く、「スーパーライザー」を希望して来院される方々で溢れています。このような事実は、どのように判断すべきなのでしょうか?
 現在は、この治療手段を「片頭痛」にも応用して行っていますが、治療機器が2台しかないところが泣き所となっています。

 このような治療機器が持たない場合、さらに「頭痛体操」「仙腸関節のストレッチ」等々「ストレートネック」を改善させるための手段とした場合「実技指導者」を雇用できない点が最大の問題点です。こうした実際に有効な手段が行えない点が、個人の医療機関のどうにもならない点です。こういったことから、殆どの施設ではされていません。
 事実、極めて有効であるとの実感は私自身感じております。

 結局、「ガイドライン」に示されていない方法はエビデンスがないということになります。


 このような現状が存在するため、基本的な「体の歪み」と頭痛の関連は否定され、結果的に救われないのは「現実に、片頭痛でお悩みの方々」ということになっているようです。 こういった意味合いで、患者さん自身が行える方法を模索している段階です。


 このような状況が存在するために、「片頭痛治療」は「トリプタン製剤」優先の世界がまかり通っているようです。この点を冷静に考える必要があるようです。


こうしてみる限りは、「片頭痛は進行性疾患」と考えるしかないようです。このような論理は、どなたに有利なものとなるのでしょうか?ここが私の最大の疑問点です。