これまで「片頭痛治療上での生活習慣改善」の指導の重要性を述べて参りました。
従来から、トリプタン製剤が片頭痛治療に導入される以前から、神経内科の重鎮と称される先生方から「セルフケアー自己管理」の重要性が指摘され、これを完璧に行いさえすれば9割の方々の片頭痛は改善に導かれるとされて参りました。
この「セルフケアー自己管理」とは「生活指導」そのものです。
これとは別に、下村登規夫先生は鳥取大学・神経内科の時代にMBT療法という食生活を改善することによって、片頭痛の改善策を提唱されてこられました。
そして、昨年には分子化学療法研究所の後藤日出夫先生から、医師の立場でなく工学博士として分子化学の立場から食生活の重要性を指摘されて来られました。
この下村・後藤先生に共通した点は、「ミトコンドリア」「脳内セロトニン」の2つの観点を根拠(エビデンス)とされていることです。
従来から、片頭痛はミトコンドリアの働きの悪さからくる頭痛とされてきました。
こうした観点から片頭痛治療は、行われるべきと考えており、このためには「生活習慣の改善」が必要不可欠であることを提唱されてきました。
こうしたことから、最近、後藤日出夫先生・監修のもとに「片頭痛の生活習慣の改善」と称する冊子を作成致しました。興味ある方はご覧下さい。
http://taku1902.jp/sub%202.html
そして、このファイルでは記載されていませんが、現在の食生活が適正なのかどうかを振り返る意味で以下のものが大切であり、これが食事療法の基本となるものです。
http://taku1902.jp/sub009.pdf
http://taku1902.jp/sub010.pdf
http://taku1902.jp/sub011.pdf
http://taku1902.jp/sub147.pdf
以上のような観点から、あなた自身の食生活を見直すことが極めて重要と思っております。
こうしたことは、これまでの「片頭痛そのものの経過」を思い出す必要があります。
富永病院・頭痛センターの竹島多賀夫先生によれば、反復性の片頭痛は、約3割が自然に治癒し、約4割が症状は変わらず、残りの3割が慢性化して増悪するとされます。
Lyngbergらの報告では、成人片頭痛患者さんを12年間追跡し、完全・部分寛解:42 %、不変:38 %でした。一方、20 %は変容性片頭痛つまり片頭痛が慢性化しました。
このように、大半の片頭痛は改善されるという事実は忘れてはなりません。
こうしたことから「片頭痛治療に際して、薬物療法と同時に”生活習慣の改善”が必要不可欠なもので、謂わば「車の両輪」とされるほど重要となってくるということです。
そして、現在、なぜこのような「生活習慣の改善」が軽視されているかについて、下のファイルをご覧頂ければ容易に理解されるものと思っております。